25日のドラフト会議で、｢浪速のダルビッシュ｣こと大阪桐蔭高校・藤浪晋太郎投手( 3年)は、 4球団が 1位指名で競合を受け阪神に。ソフトバンクは 1位で、大學野球No.1の亜細亜大學・東浜巨投手( 4年＝沖縄尚学)を。 中日・高木守道監督(71)はドラフトを｢ 100点満点｣と満足で総括した。 1位福谷、 2位浜田と地元愛知のスターを指名。
楽天が 1位で東福岡高校・森雄大投手( 3年)との交渉権を獲得。巨人は、ドラフト 1位で東海大學・菅野智之投手(23＝東海大相模)の単独交渉権を獲得した。
広島は東福岡高校・森雄大投手と、ＮＴＴ西日本・増田達至投手(24＝福井工業大學)を抽選で外し、龍谷大學平安高校・高橋大樹外野手( 3年)の指名権を獲得した。
日本ハム栗山英樹監督(51)が単独 1位で花巻東高校・大谷翔平投手( 3年)の強行指名に成功した。記事を代表としてまとめてみました。
25日のドラフト会議で、｢浪速のダルビッシュ｣こと大阪桐蔭高校・藤浪晋太郎投手( 3年)には 4球団が 1位指名で競合する見通しとなった。
藤浪は24日、大阪・大東市内の同校グラウンドで投球練習などを行った。運命の日は｢緊張するというか、行くことになる球団は気になるけど、できるだけ普段通り過ごしたい｣と平常心を強調した。花巻東高校・大谷のメジャー挑戦には｢自分には到底できないこと。応援したい｣とエール。｢中学、高校は自分で選びましたけど、今度は抽選で、自分で引くのでもないので、完全に運任せ。決まったところで、それが 1つの運命と思って、しっかり受け止めてやる｣と、動じることはなかった。
秋空を背にドラフトの質問に答える大阪桐蔭高校・藤浪晋太郎投手
1位指名を公言する阪神の中村GMが22日に｢観客動員のことも考えないとな｣と“ 1軍確約”とも取れる発言をした。だが、｢そういうことではなく、自分の実力でしっかりやる。焦る必要もないですし、自分のペースでやりたい｣。プロでの立場は自分の腕でつかみ取ると言わんばかりだった。
初めて阪神タイガースの帽子をかぶり気合の入った表情の藤浪晋太郎
甲子園春夏連覇を達成し、今季ドラフトで注目を集めていた大阪桐蔭高校の藤浪晋太郎投手( 3年)は、オリックス、阪神、ロッテ、ヤクルトの 4球団競合の末、抽選で、交渉権は阪神に決まった。大東市内の大阪桐蔭本館で会見した藤浪は｢これだけ多くの球団に 1位という評価をいただいたのは光栄｣と話した。阪神については｢地元の熱狂的な球団で、応援していただける｣と笑顔だった。
東浜の交渉権を獲得し喜ぶソフトバンク王会長(中央)、右側はＤｅＮＡ中畑清監督
ソフトバンクは 1位で、 3球団による抽選で大学野球NO.1の亜細亜大學・東浜巨投手( 4年＝沖縄尚学)の交渉権を獲得した。ＤｅＮＡ、西武と競合し、ＤｅＮＡ中畑清監督(58)に続き、王貞治球団会長(72)が 2番目でくじを右手で引き当てた。王会長は｢今日の会場に来るまでまだ(くじ引きは)決まっていなかった。最後は年の功でいくしかなかった。久しぶりにドキドキしました。うれしかった｣と笑顔をみせた。中継放送のテレビカメラを通じ、東浜に｢チャンピオンフラッグを目指して行こう。君の力を必要としている｣と訴えかけた。
ソフトバンク 1位指名で胴上げされる亜細亜大學・東浜巨投手
大学野球NO.1投手の亜細亜大學・東浜巨投手は 1位で 3球団の重複指名を受け、ソフトバンクが交渉権を獲得した。同大で記者会見に臨み｢地元九州ですごく好きな球団。すごくうれしい。今までにないぐらい緊張していた。やってきたことを信じていた。ほっとしました｣と頬をゆるめた。東浜は大学通算 420奪三振、22完封と、東都リーグ新記録を樹立している。
１位指名の慶応大學・福谷(左)と笑顔を見せた高木監督
中日・高木守道監督(71)はドラフトを｢ 100点満点｣と満足で総括した。 1位福谷、 2位浜田と地元愛知のスターを指名できたことがうれしかったようす。捕手も含めた 7人の指名を｢ほしい選手が全部取れた。スカウトがよく調査してくれた｣とたたえた。会議終了後には、福谷のいる慶応大學合宿所を電撃訪問。中日帽をかぶせ、｢野球 3割、勉強 7割だったようだから、まずはじっくり鍛えて来年 5月ぐらいから出てきてくれればいい。先発、抑えどちらも可能と聞いているし、若い投手が見習うような投手になってほしい。 1年目から頼りにしていますよ｣とエールを送った。
楽天 1位指名の東福岡高校の森雄大はマスコットがついたボールを手に笑顔を見せた
楽天が 1位で東福岡高校・森雄大投手( 3年)との交渉権を獲得した。広島と入札が競合したが、立花陽三社長(41)がくじで引き当てた。その瞬間、壇上で右こぶしを力強く握った同社長は｢気合です。間違いなくエースになれると信じています｣と興奮気味に話した。
楽天 1巡目指名を受けた東福岡高校の森雄大は仲間に騎馬で祝福を受けた
楽天から 1位指名を受けた東福岡高校・森雄大投手は、阪神 1位指名の藤浪晋太郎投手にライバル意識を見せた。自身が甲子園出場経験がないため今までは｢素直にすごい、自分が下｣だと思っていたが｢同じ土俵に立てる。すばらしい投手ですが負けたくない｣とプロの舞台で投げ合う日を楽しみにした。
1位指名で東福岡高校・森雄大との交渉権を得た楽天・星野仙一監督(65)のコメント：｢高校生では大谷、藤浪、森の 3人の評判がよかった。大谷君はアメリカ、藤浪君は関西だろうと。左が欲しかったので、そういう意味で森だった。ビデオしか見ていないが、大型の左腕になる｣
巨人ユニホーム姿で原監督(左)とグータッチする菅野
巨人は、ドラフト 1位で東海大學・菅野智之投手(23＝東海大相模)の単独交渉権を獲得した。原辰徳監督(54)のおいにあたる菅野は、昨年から巨人入りを熱望。日本ハムへの入団を拒否し、 1年間トレーニングを継続してこの日を待っていた。
原監督は、｢感慨ひとしおであります。今日だけは勘弁させてください。おじとして感動しております。本人も自分で選択した道( 1年浪人)とはいえ、苦しかった 1年だったと思います。この 1年は智之自身も糧として貴重な時間を費やし、成長したと聞いています。遠回りじゃなく、最高の道を歩いて今日を迎えたと思います。もちろんプロは弱肉強食。でも、希望や夢をふくらませてジャイアンツに飛び込んできてほしい。後は正々堂々勝負して、強者相手に頑張るということだと思います｣。
巨人にドラフト 1位指名を受け会見で笑顔を見せる東海大學・菅野智之
巨人から単独指名された東海大學の 157キロ右腕、菅野智之が神奈川・平塚市内の同大キャンパスで会見を行った。昨年は日本ハムの 1位指名を拒否。相思相愛の巨人入りを目指して浪人生活を送ってきた。12球団の 1位指名終了後に姿を現すと｢この 1年間、つらいなと思うこともたくさんあって、心が折れそうになった日もありましたが、この 1日ですべて報われた気がします。本当にうれしい。今はそれしかないです｣と笑顔で 1年越しの思いを語った。
公式戦、練習試合など実戦から 1年間遠のいたが、それを補うべくトレーニングを重ねてきた。伯父である原監督と同じチームに入るにあたり｢それも僕の夢の 1つでした。活躍することが何よりの恩返し。年間を通して活躍したい｣と目を輝かせた。
ドラフト 1巡目の抽選で連敗の広島・野村謙二郎監督は放心状態
広島は東福岡高校・森雄大投手と、ＮＴＴ西日本・増田達至投手(24＝福井工業大學)を抽選で外し、龍谷大學平安高校・高橋大樹外野手( 3年)の指名権を獲得した。ヘッドスピードが速く、広角に長打が打てる大型野手。野村謙二郎監督(46)は｢ 1位は森君ですんなり行くと思ったけど。(高橋は)体はしっかりしているし、強いスイングで広角に打てると高い評価をしていた。プロに入って、早く暴れてほしい｣と期待した。
広島 1位・高橋大樹外野手の話：｢まさか 1位になれるとは思っていなかった。 1軍に上がれるように努力するしかない。最多安打を取れる選手になりたい｣
広島はドラフトで交渉権を獲得した５選手すべてが野手となった。 1位指名で東福岡高校・森雄大投手、ＮＴＴ西日本・増田達至投手を抽選で外すと、野手指名に方針転換。“外れ外れ” 1位で龍谷大平安・高橋大樹外野手を指名すると、以下全選手を野手として指名した。松田元オーナー(61)は｢ 2位以降は欲しい選手が取れた。 3～ 5年のスパンで見れば、結構良い点が取れるのでは｣と振り返った。
沈痛な表情で大谷指名について話す日本ハム・栗山監督
日本ハム栗山英樹監督(51)が単独 1位での強行指名に成功した。メジャー挑戦を表明している花巻東高校・大谷翔平投手( 3年)の心情を思い、絶句した。交渉権を獲得した直後の会見で｢えぇ、まあ。あの…｣と言葉に詰まり｢大谷君、また周囲の気持ちを考えると…｣と、罪悪感があることを素直に吐露した。
今後は大谷サイドと交渉する余地があれば｢花巻まで何度でも足を運ぶ｣と翻意させられるように、全力投球する決意を明かした。
日本ハム 1位指名を受けた後、引き揚げる大谷
メジャー挑戦を表明している花巻東高校(岩手)・大谷翔平投手( 3年)が、日本ハムから 1位指名を受けた。前日24日に、報道を通じて強行指名されることは分かっていたが｢正直、ビックリというか動揺した部分はあった｣と複雑な表情を浮かべた。周囲が国内プロ入りを進める中でメジャー挑戦を決断しただけに、意思は固い。｢評価してもらってうれしい｣と前置きした上で｢自分の思いは変わらない｣と、メジャーへの揺るぎない気持ちを吐露した。
自分の望んでいた球団に指名された選手。そうでない選手もいるだろう。しかし、自分の力を確かめる良い機会だと思ってプロの世界に飛び込むのは良いことだと思う。
プロに入って、自分の力がどこまで通用するのか。通用しないのか。それを試す機会を貰ったのだから、好きな球団だろうが嫌いな球団だろうがチャレンジして行って欲しい。
かつての 1位指名選手の様に通用しないようだったら、即刻クビになってしまう事も有る。最初は 2軍からスタートするんだ。そうして 1軍に上がるんだ。という心構えで望んで欲しい。
2012年ドラフト指名選手一覧（スポーツ報知より）
▽2012年ドラフト指名選手一覧
▽2012年プロ野球志望届提出者（大学）
▽2012年プロ野球志望届提出者（高校）
▽2012年ドラフト指名候補（社会人）
※2012年ドラフト指名選手一覧，2012年プロ野球志望届提出者，2012年ドラフト指名候補（社会人）は、SANSPO.COMにリンクしています。
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阪神 1位指名の藤浪｢ 4球団光栄です｣、王会長｢ドキドキくじ｣、亜大・東浜巨｢好きな球団です｣
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