●阪神は 1日、「沖縄・宜野座キャンプ」を打ち上げた。フリー打撃、シートノックを行うと、正午過ぎにかりゆしホテルズボールパーク宜野座のメイングラウンドに集合。「新選手会長」の近本光司外野手(26)を中心に、首脳陣、選手、スタッフも一緒になって円陣を組み一本締めした。「新選手会長」の近本光司外野手が力強い手締めのあいさつを行った。まずは宜野座村や阪神園芸スタッフらに感謝の言葉。そして高らかに宣言した。無観客のキャンプとなったが、各ポジションで高いレベルの競争が繰り広げられ火花が散った。矢野燿大監督(52)は、「MVP」を問われると2016年の「新人王」の名を挙げ、評価した。高山俊外野手(27)は今キャンプの実戦全11試合に先発出場。 6度の「マルチ安打」など、「打率0.429(35打数15安打)、4打点」と結果を残し続けてきた。 5日から始まるソフトバンクとのオープン戦 3連戦(ペイペイドーム)でも、猛アピールを続ける。
●藤浪晋太郎投手(26)と高山俊外野手(27)とが「沖縄・宜野座キャンプ」最終日の 1日、矢野燿大監督から投打の「キャンプMVP」に選ばれた。「投手MVP]の藤浪は実戦 3試合で計 8回 1失点と快投を連発し、「開幕ローテ入り」へばく進中。「総合MVP」の高山は実戦11試合で「打率4割2分8厘」と打ち続け、「外野レギュラー争い」を先導中だ。「ドラフト1位」佐藤輝に注目が集まった今春、元「ドラ1」の 2人も輝きを取り戻した。藤浪は「投手MVP」の一報を聞くと、浮かれるどころか気を引き締めた。誰の目にも充実の 1カ月間に映った。実戦 3試合登板で計 8回 1失点の数字以上に内容は濃い。すでに最速 158キロを計測した直球の強さは上々。高速フォークのキレ味も健在。何より、カットボールなどの変化球で簡単にカウントを稼ぐ姿に頼もしさを感じる。大黒柱西勇輝投手(30)のキャンプ離脱直後には、野球評論家陣から開幕投手に推す声も出たほどの好調ぶり。恐縮する本人をよそに、球界屈指の潜在能力に対する期待値は高まるばかりだ。矢野監督は評価。金村曉投手コーチ(44)も信頼を寄せる。ここ 2年は開幕を 2軍で迎えた。 3年ぶりの「開幕ローテ入り」へ気合十分。「MVP」に選んだ矢野監督も目を細めた。ここから開幕へ向け、最善を探し求めていく。復活…いや、それ以上の姿を見せるべく、背番号「19」が進化を目指す。
●高山は、 3年ぶりの「開幕スタメン奪取」を猛アピールしたキャンプになった。実戦11試合で「35打数15安打、打率4割2分9厘、4打点」。16年の「新人王」もここ数年は不完全燃焼が続いていたが、今年にかける意気込みを結果で示した。「右翼争い」で 1歩抜け出ているが予断は許さない。「ルーキー佐藤輝明内野手」(21=近畿大學)の活躍だけでなく、ベテラン糸井嘉男外野手(39)も負けじと結果を残すなど、アピール合戦はオープン戦に持ち越される。今後はジェリー・サンズ外野手(33)ら助っ人との勝負も待ち受ける。だが高山本人は冷静だ。高山はオープン戦でも手綱は緩めない。背水の覚悟で挑む21年。「開幕スタメン奪取」へ突っ走る。
●阪神は 1日、沖縄・宜野座での「1軍キャンプ」を打ち上げ、「ドラフト1位・佐藤輝明内野手」(近大)がフリー打撃の最後のひと振りで、右翼スタンドに設置された「チバリヨー」の植え込みに放り込んだ。「衝撃の1カ月」で放った柵越えはしめて 245本、そして実戦で「2本塁打」。話題を独占し続けた「黄金ルーキー」が関西に戻り、開幕へ仕上げていく。井上一樹ヘッドコーチ(49)が、佐藤輝を今季の「キーマン」に指名した。性格面も評価。「ドラフト1位・佐藤輝明内野手」がフリー打撃の最後のひと振りで、右翼スタンドに設置された「チバリヨー」の植え込みに放り込んだ。衝撃の 1カ月で放った柵越えはしめて「245本」、そして実戦で「2本塁打」。話題を独占し続けた「黄金ルーキー」が関西に戻り、開幕へ仕上げていく。最後の最後まで主役の座を譲らなかった。青空に無数のアーチを描き、話題を独占し続けた衝撃の 1カ月。全国の「虎党」から届く「チバリヨー」の声援が背中を押す。佐藤輝が沖縄で、渾身のラストスイングだ。最終日、沖縄最後のフリー打撃。最終組でケージへ入った。貫いたフルスイングで白球を次々と空に放つ。気づけば最後の一人。チームメート、首脳陣が見守る中、42スイング目。宜野座に快音を響かせると、白球は右翼スタンドに設置された「チバリヨー」の花壇に着弾。2021年、「春季キャンプ」の締めくくりは、やはりこの男しか考えられなかった。 2日は休日。 3日から全体練習を再開する。今後のオープン戦では有観客も予定されており、21歳は胸を高ぶらせた。充実の表情で帰路についた。 5日から博多で福岡ソフトバンク戦、そして 9日からは甲子園。快進撃は、始まったばかりだ。
●大山悠輔内野手(26)は初めて主将としてキャンプを乗り切り、充実感を漂わせた。沖縄では積極的に若手とコミュニケーションを取るなど、「新主将」の役割もまっとう。
●梅野隆太郎捕手(29)も晴れて打ち上げだ。 2月21日の広島戦でファウルチップが直撃して右足を痛めたが、キャンプ最終戦の28日ヤクルト戦で実戦復帰すると、いきなり強肩で「二盗阻止」。開幕までの 1カ月間は、投手陣の把握に努める。
記事をまとめてみました。
練習でサムアップをみせる近本光司外野手=沖縄県宜野座・かりゆしホテルズボールパーク宜野座(宜野座村野球場)
「新選手会長」の近本光司外野手が力強い手締めのあいさつを行った。
まずは宜野座村や阪神園芸スタッフらに感謝の言葉。そして高らかに宣言した。「ここ数年、チームの年齢層も若くなり、過渡期になっていましたが、今年からは『黄金期』に入ります。『挑む 超える 頂へ』のスローガンのもと、『リーグ優勝』はもちろん、『日本一』となり、また来年いい報告ができるように頑張っていきます」。実戦 8戦目の27日中日戦で初安打となる 2塁打をマークし、一気に状態を上げていく意気込み。「『3年連続の盗塁王』はもちろん、数字でいえば『100得点』。より多くヒットを打ちたい」と気合十分だ。
キャンプ最後のシートノックを笑顔で見る矢野燿大監督=かりゆしホテルズボールパーク宜野座
阪神は 1日、「沖縄・宜野座キャンプ」を打ち上げた。フリー打撃、シートノックを行うと、正午過ぎにかりゆしホテルズボールパーク宜野座のメイングラウンドに集合。「新選手会長」の近本光司外野手を中心に、首脳陣、選手、スタッフも一緒になって円陣を組み一本締めした。
無観客のキャンプとなったが、各ポジションで高いレベルの競争が繰り広げられ火花が散った。矢野燿大監督は「 3年目ですけどね、去年も手応えは十分に感じていたんですけど、もっと良いキャンプをやれたなと、すごく充実したキャンプでした」と大きくうなずいた。
笑顔で移動する矢野燿大監督=かりゆしホテルズボールパーク宜野座
さらに、「MVP」を問われると「全体では高山かなと思った」と2016年の「新人王」の名を挙げ、「思うようにいかない苦しい時期だったり、あったと思うんですけど。その中で野球に対する姿勢であったり、野球に対して本気になったというところでは、ここ何年かで変わってきたところが、このキャンプで数字にも姿勢にも表れた」と評価した。
高山は今キャンプの実戦全11試合に先発出場。 6度の「マルチ安打」など、「打率0.429(35打数15安打)、4打点」と結果を残し続けてきた。 5日から始まるソフトバンクとのオープン戦 3連戦(ペイペイドーム)でも、猛アピールを続ける。
手締めであいさつする近本光司外野手(中央)。後方は左から佐藤輝明内野手、藤浪晋太郎投手、矢野燿大監督、高山俊外野手=かりゆしホテルズボールパーク宜野座
阪神は 1日、沖縄・宜野座で行われていた「1軍キャンプ」を打ち上げた。矢野燿大監督の主な一問一答は以下の通り。
-キャンプを終えて全体の感想は
矢野監督 3年目ですけどね、去年も手応えは十分に感じていたんですけど、もっともっと良いキャンプをやれたなと、すごい充実したキャンプでした。
-初めて無観客でのキャンプだった
矢野監督 やっぱりファンの方に見てもらってね、佐藤(輝)の飛距離であったり、苦しい練習をしているときの頑張りであったり、やっぱりそういうところが全然違うので。やっぱりいてもらえないという寂しさはありましたね。
キャンプを打ち上げ、一本締めをする(左から)佐藤輝明内野手、藤浪晋太郎投手、矢野燿大監督、高山俊外野手=かりゆしホテルズボールパーク宜野座
-良かった点、課題は
矢野監督 守備というところはもうずっとチームとして課題。そういう部分では川相さんに来ていただいて、改めてもう1回、基本からしっかりやっていこうという意識でキャンプをやれました。良かったところで言うと、チームのムードとか、みんながそれぞれ引っ張っていくという意識も高かったです。コーチ陣もアイデアを出してくれて本当に挑戦的なキャンプになった。
-キャプテン大山、岩貞のリーダーシップは
矢野監督 大山には大山のやり方があるし、岩貞には岩貞のやり方がある。そこはそれぞれ持ち味を出しながら、グイグイ引っ張るというよりは背中で引っ張るタイプだと思うんですけど。その中でも声を出すとかね、年下の選手に声をかけていくとか、そういう姿はキャプテン 2人で見えた。しっかりやってくれたと思います。
藤浪晋太郎投手と高山俊外野手とが「沖縄・宜野座キャンプ」最終日の 1日、矢野燿大監督から投打の「キャンプMVP」に選ばれた。
「投手MVP」の藤浪は実戦 3試合で計 8回 1失点と快投を連発し、「開幕ローテ入り」へばく進中。「総合MVP」の高山は実戦11試合で「打率4割2分8厘」と打ち続け、「外野レギュラー争い」を先導中だ。「ドラフト1位」佐藤輝に注目が集まった今春、元「ドラ1」の 2人も輝きを取り戻した。
◇ ◇ ◇
藤浪は「投手MVP」の一報を聞くと、浮かれるどころか気を引き締めた。
「ちょっとビックリしています。それだけ期待してもらっているのもあると思う。しっかり応えられるように頑張りたい。光栄ですけど、自分の納得できるところを見失わないように今後もやっていきたい」
その裏に込められた意図を敏感に感じ取り、冷静に気合を入れ直した。
誰の目にも充実の 1カ月間に映った。再挑戦中のワインドアップ投法は「今のところはいい感じ」。実戦 3試合登板で計 8回 1失点の数字以上に内容は濃い。
「ゲームメークする上でピッチングになるような球の質だったり精度だったりは、ある程度はあるのかなと思っています」
すでに最速 158キロを計測した直球の強さは上々。高速フォークのキレ味も健在。何より、カットボールなどの変化球で簡単にカウントを稼ぐ姿に頼もしさを感じる。「まだ課題もたくさんある」と冷静だが、安定感は格段に増している。
ブルペンで投球練習する藤浪晋太郎投手=かりゆしホテルズボールパーク宜野座
大黒柱西勇のキャンプ離脱直後には、野球評論家陣から開幕投手に推す声も出たほどの好調ぶり。「そんな立場じゃない」と恐縮する本人をよそに、球界屈指の潜在能力に対する期待値は高まるばかりだ。矢野監督は「これなら勝てるな、というモノをしっかり見せてもらえた」と評価。金村投手コーチも「(序列は)間違いなく上がってきている」と信頼を寄せる。
キャンプから週末登板を続けており、次回は 5日からの敵地ソフトバンク 3連戦でステップを踏む可能性が高い。「主力級が出てくると思いますし、そういうところを抑えてこそ」。強力打線との対決も制せれば、ヤクルトとのシーズン開幕カードへの投入がさらに現実味を帯びてくる。
「やっぱりローテーションに入りたいですし、そこに向けてアピールしていかないといけない。これだったら行ける、というモノをしっかり出していきたい」
3年ぶりの「開幕ローテ入り」に当確ランプがともる日はもう近い。完全復活へ、大器が着実に階段を上っている。
◆藤浪晋太郎投手の今春キャンプ
ワインドアップ投法に挑戦中。 2月 2日ブルペンでは足を上げた際に 1度 3塁側に視線を移す新スタイルを披露した。21年初実戦となった 7日「紅白戦」は「ドラフト1位」佐藤輝から空振り三振を奪うなど、 2回を無四球で「3奪三振1安打無失点」。対外試合初戦の21日広島戦は 3回を「3奪三振2安打1四球」で無失点と快投し、 147キロの高速フォークで驚かせた。27日中日戦でも 3回 1失点と試合を作り、早くも21年最速 158キロをたたき出した。
ブルペンで投球する藤浪晋太郎投手=かりゆしホテルズボールパーク宜野座
藤浪晋太郎投手と高山俊外野手が、矢野燿大監督から今キャンプの投打の「MVP」に選ばれた。完全復活を目指して沖縄に乗り込んだ藤浪は、実戦で安定した投球を続けて猛アピール。このまま 3年ぶりの「開幕ローテーション」をつかみ、勝てる投手としてフル回転する!
■実戦 2試合 「防御率1.13」 四球も 2つ
青空が広がる宜野座の空のように、晴れやかな表情だった。「投手MVP」に選ばれたのは、藤浪。「いい時間を過ごせた」と、沖縄での充実の 1カ月を振り返った。
「(MVPは)ちょっとビックリしています。期待してもらっているというのもあると思うので、応えられるように頑張りたい」
昨季途中に中継ぎで兆しをつかみ、今年は再び先発を志願。「勝てる投手」を目指して臨んだ今キャンプで完全復活の匂いを存分に漂わせた。
オフから、大阪桐蔭高時代とプロ 1年目に採用していたワインドアップに再挑戦。振りかぶるためフォームのバランスを崩しかねない“諸刃の剣”にあえて挑み、 2月 1日から 108球を投げるなど、連日の投げ込みで体に染みこませた。
キャンプMVPの高山俊外野手(右)と藤浪晋太郎投手(左)とタッチする矢野燿大監督=かりゆしホテルズボールパーク宜野座
確かな成果も出てきた。初実戦となった 7日の「紅白戦」では「D1位・佐藤輝」(近大)をすべて直球で空振り三振に斬るなど 2回無失点。21日の広島戦(宜野座、 2回無失点)では最速 156キロに加え、 147キロの高速フォークも披露した。沖縄での実戦 3試合、計 8回を 1失点で、「防御率1.13」。四球も 2つと課題の制球面も安定した。
「変化球だったり全体的な安定というか、ある程度、ゲームメークする上で球の質だったり、精度だったりはあるかな」
ここ 2年は開幕を 2軍で迎えた。 3年ぶりの「開幕ローテ入り」へ「入りたいですし、そこに向けてアピールしていかないといけない」と気合十分。「MVP」に選んだ矢野監督も「去年から手応えが少しずつありながら、さらに自分の自信に変えられたキャンプになったと思う。『これなら勝てるな』というものをしっかり見せてもらえた。苦しんだ中からはい上がってくる姿が、しっかり見られた」と目を細めた。
この日もブルペンで91球を投げて締めくくった右腕は「(ワインドアップは)いい感じなので継続したい」としつつ「シーズンでやるかどうかはまだわからない」。ここから開幕へ向け、最善を探し求めていく。
「変化球の反応だったり、真っすぐの反応だったりというのを見ながら。勝てる球、勝てるピッチングというのを、求めていければ」
復活…いや、それ以上の姿を見せるべく、背番号「19」が進化を目指す。
練習に臨む高山俊外野手=かりゆしホテルズボールパーク宜野座
★野手の「MVP」は 2年連続で高山俊外野手「課題を一つ一つ消化」
2年連続で野手の「キャンプMVP」に選ばれた高山は外野のレギュラー奪取へ多くは語らず、結果のみを追求していく。
「うれしいですね。去年は本当に目立つことだけを考えてがむしゃらにというところで(MVPに)指名された。今年は自分の中で自分の課題を一つ一つ消化してというところで、それを評価してもらえてうれしい」
沖縄での11試合で「打率0.429(35打数15安)」と快音を重ねた。ちなみに昨春もキャンプの対外試合 9試合で「打率0.323(31打数10安打)」と結果を出したが…。「コロナ禍」での開幕延期もあって間隔があき、開幕スタメンには届かず。自己最少の42試合出場(打率0.152)に終わった。
今キャンプでの取り組みの内容を問われると「すいません。数字だけ見たら変わったと言われるのは好きじゃなくて、自分の中で消化してやっていきたい」と語るにとどめた。 6年目を迎えた2016年の「新人王」。胸に秘めた思いを、グラウンドで表現していく。
藤浪晋太郎投手と高山俊外野手が沖縄・宜野座キャンプ最終日の1日、矢野燿大監督から投打の「キャンプMVP」に選ばれた。
「投手MVP」の藤浪は実戦 3試合で計 8回 1失点と快投を連発し、「開幕ローテ入り」へばく進中。「総合MVP」の高山は実戦11試合で「打率4割2分8厘」と打ち続け、「外野レギュラー争い」を先導中だ。「ドラフト1位」佐藤輝に注目が集まった今春、元「ドラ1」の 2人も輝きを取り戻した。
◇ ◇ ◇
打撃練習で笑顔をみせる高山俊外野手=かりゆしホテルズボールパーク宜野座
高山は、 3年ぶりの「開幕スタメン奪取」を猛アピールしたキャンプになった。「(MVPは)うれしいですね。去年は目立つことだけを考えてがむしゃらにというところで指名してもらって。今年は自分の中で課題を一つ一つ消化していって、評価してもらえた」。実戦11試合で「35打数15安打、打率4割2分9厘、4打点」。16年の「新人王」もここ数年は不完全燃焼が続いていたが、今年にかける意気込みを結果で示した。
「右翼争い」で 1歩抜け出ているが予断は許さない。「ルーキー佐藤輝」の活躍だけでなく、ベテラン糸井も負けじと結果を残すなど、アピール合戦はオープン戦に持ち越される。今後はサンズら助っ人との勝負も待ち受ける。だが高山本人は冷静だ。「僕の中でまだ競争が始まっている感覚もなくて。今はまだ主力も出ていない中で出してもらっているだけ」と足元を見つめる。
手締めの後、矢野燿大監督(左)とタッチする高山俊外野手=かりゆしホテルズボールパーク宜野座
もちろん、首脳陣は高評価だ。矢野監督は「『ドラフト1位』で入って、最初の年は『新人王』を取ったけど、そのあとは思うようにいかない苦しい時期があったと思う。そういう中で野球に対して本気になった。その本気をさらに感じるキャンプを過ごしてくれた」と絶賛。井上ヘッドコーチも「(佐藤輝の加入で)アイツも尻に火がついた状態だったところ。とろ火だったのが、引火したというかパッときた印象」とアピールを受け止めた。
だが、高山はオープン戦でも手綱は緩めない。「立場的にも本当に苦しいところにいる。もう本当に自分のやれることをやるしかないですね」。背水の覚悟で挑む21年。「開幕スタメン奪取」へ突っ走る。
阪神は 1日、沖縄・宜野座での「1軍キャンプ」を打ち上げ、「ドラフト1位・佐藤輝明内野手」(近大)がフリー打撃の最後のひと振りで、右翼スタンドに設置された「チバリヨー」の植え込みに放り込んだ。「衝撃の1カ月」で放った柵越えはしめて 245本、そして実戦で「2本塁打」。話題を独占し続けた「黄金ルーキー」が関西に戻り、開幕へ仕上げていく。
井上ヘッドが、佐藤輝を今季の「キーマン」に指名した。「ルーキーで右も左も分からない中でも完走できたのは何かを持っている。今年チームの命運を分けるのは、野手で言えば、佐藤(輝)がどれだけの働きをするのかが鍵となると思えるキャンプだった」。さらに「キャンプの始まりから終わりまで、新聞を見ていればわかるように佐藤、佐藤と騒がれる中で動じないものを持っているのは大したもの」と性格面も評価。11試合中 7試合で「3番」に座った打順については「『3番』でずっと使うとは断言はできない。適性、適所、体調の中で考えていくのが僕らの仕事」と説明した。
笑顔で 1カ月に渡るキャンプを終えた佐藤輝明内野手。連日、紙面をにぎわせるインパクトを見せてくれた=かりゆしホテルズボールパーク宜野座
「チバリヨー弾」で締めた! 阪神は 1日、沖縄・宜野座での「1軍キャンプ」を打ち上げ、「ドラフト1位・佐藤輝明内野手」がフリー打撃の最後のひと振りで、右翼スタンドに設置された「チバリヨー」の植え込みに放り込んだ。衝撃の 1カ月で放った柵越えはしめて「245本」、そして実戦で「2本塁打」。話題を独占し続けた「黄金ルーキー」が関西に戻り、開幕へ仕上げていく。
最後の最後まで主役の座を譲らなかった。青空に無数のアーチを描き、話題を独占し続けた衝撃の 1カ月。全国の「虎党」から届く「チバリヨー」の声援が背中を押す。佐藤輝が沖縄で、渾身のラストスイングだ。
「(スタンドに)入れないと終われない雰囲気だったので」
最終日、沖縄最後のフリー打撃。最終組でケージへ入った。貫いたフルスイングで白球を次々と空に放つ。気づけば最後の一人。チームメート、首脳陣が見守る中、42スイング目。宜野座に快音を響かせると、白球は右翼スタンドに設置された「チバリヨー」の花壇に着弾。2021年、「春季キャンプ」の締めくくりは、やはりこの男しか考えられなかった。
佐藤輝が放った今キャンプ最後の一発は…=かりゆしホテルズボールパーク宜野座
「けがなく完走できたので、よかったかなと思います。ここは全然足りていない、ここはいけるぞと両方見つかった」
大きな期待を背負って乗り込んだ初めてのキャンプは、まさに佐藤輝で始まり、佐藤輝で終わる“輝(テル)祭り”。矢野監督も「連日、佐藤(輝)がね、関西の方では多く報道されていたと思いますし、本当に魅力的な楽しみな能力を持った選手」とうなった。「コロナ禍」で無観客開催、さらにロハス(前韓国KT)ら新外国人選手の来日メドが立たない中、虎の話題を独占した。
沖縄では実戦11試合で「打率0.366(41打数15安打)、2本塁打、9打点」。プロの投手相手に結果を残し、自慢の武器にさらに磨きがかかった。
「長打力、振る力っていうのは(プロでも)負けていない部分がある」
フリー打撃で放った柵越えは、実に「245本」を数えた。「自分のレベルがどこか、プロの中では分からなかったので」と期待と不安が入り交じりながら臨んだ“力試し”で「完全勝利」。「プロの球でも、しっかり捉えられればホームランにできると分かった」と手応えをつかんだ。
右翼の「チバリヨー」の花壇に飛び込んだ=かりゆしホテルズボールパーク宜野座
もちろん課題も見据える。「捉える確率だったり、守備走塁はまだ足りていないので、これからしっかりやっていきたい」。守備は今後も 3塁、外野を両方こなす予定。指揮官は「チームの編成上」と話すにとどめたが、それだけ使いたい選手ということ。 3月26日のヤクルトとの開幕戦(神宮)でのスタメンも「ここから次第。(ただ)可能性は十二分にある」とうなずいた。
2日は休日。 3日から全体練習を再開する。今後のオープン戦では有観客も予定されており、21歳は胸を高ぶらせた。
「早くファンの方に直接、見てもらえるようになればいいかなと思います。今年は『新人王』を目指して、しっかりやっていきたいです!」
充実の表情で帰路についた。 5日から博多でソフトバンク戦、そして 9日からは甲子園。快進撃は、始まったばかりだ。
一日主将のあいさつを行う大山悠輔内野手=かりゆしホテルズボールパーク宜野座
大山悠輔内野手は初めて主将としてキャンプを乗り切り、充実感を漂わせた。
沖縄では積極的に若手とコミュニケーションを取るなど、「新主将」の役割もまっとう。「本当に勉強することが多かった 1カ月間だなと思います。(今後も)常に目配りというか、視野を広く持ってやっていきたい」。 2月中旬から腰背部の張りで別メニュー調整を続けたが、 2月28日のヤクルト戦で16日ぶりに実戦復帰。「やってきたことは無駄ではない。生かすも生かさないも自分次第だと思っている」と力を込めた。
打撃練習を行う梅野隆太郎捕手=かりゆしホテルズボールパーク宜野座
梅野隆太郎捕手も晴れて打ち上げだ。
2月21日の広島戦でファウルチップが直撃して右足を痛めたが、キャンプ最終戦の28日ヤクルト戦で実戦復帰すると、いきなり強肩で「二盗阻止」。「昨日、キャンプ中に普通にできたのは良かったと思う」と振り返った。開幕までの 1カ月間は、投手陣の把握に努める。「新戦力とあとは先発ピッチャーをしっかり受けて。そこは球数とか受けて、やれたらいいかなと」と思いを巡らせた。
キャンプ打ち上げで引き揚げる梅野隆太郎捕手=かりゆしホテルズボールパーク宜野座
ガンバレ!阪神!我らのタイガース!今季こそ勝利を掴め!
今の僕たちに一番必要なことは「挑戦すること」だと考えています。
試合結果により評価されがちですが、「エラーをしても前に出る」「打たれても バッターに向かっていく」
そのような姿勢が僕たちのチームの成長には一番必要なことだと考えているので、まずは挑戦する事「挑む」を最初に掲げました。 次に、「超える」ですがこれは「超越する」ことです。
最後に「頂へ」。
これは僕自身が監督に就任してからセ・リーグの順位が3位、2位ととなり、来季 はもちろん「頂」しかありません。
チーム全体として頂点に立つことを意識し、選手・スタッフ含めチーム全体で、 頂点に行ったときにどういう景色があるのか、どういう気持ちになれるのかを考える1年とし、「常にトップに立つ」とういう意識にしていきます。
やはりタイガースファンの大きな後押しも必要です。
このスローガンをもとに共に戦い、頂点に行った景色を一緒に見ましょう。
2020年 オープン戦 最終順位表
2020年 公式戦 順位表
2021年 公式戦日程と結果 (02月)
2021年 公式戦日程表と結果(03月)