巨人との日本シリーズ第 2戦(東京ドーム)で左手甲に死球を受けて、途中交代した北海道日本ハム・中田翔内野手(23)が30日の第 3戦(札幌ドーム)で強行出場も辞さない覚悟を示した。栗山英樹監督(51)は｢ 4番・左翼｣での起用を明言した。記事をまとめてみました。
栗山英樹監督が29日、 2連敗で迎える日本シリーズ第 3戦(30日、札幌ドーム)で、左手を負傷している中田翔内野手を起用する方針を示した。中田は28日の第 2戦(東京ドーム)で左手甲に死球を受けて途中交代。北海道に戻ったこの日は、全体練習の参加を見送って治療に専念した。だが、栗山監督は｢行くよって言う｣と出場を促す考え。本拠地で迎える第 3戦。 4番打者の強行出場で、悪い流れを断つ。
手負いだろうが｢ 4番・レフト中田｣は、逆襲のためには欠かすことが出来ない存在になっていた。 2連敗中の苦境から脱するために、栗山監督は決断した。
栗山監督：札幌ドームの広さを考えれば(中田)翔の肩、守備力は必要。(攻撃も) 4番にいてくれると、バランスが取れる。当日の出場は様子を見ながらになるけど、行ってもらわないとね。本人に｢行って｣ではなく｢行くよ｣って言う。チームも(中田が)いないと困るという雰囲気になっている。
北海道に帰ってきた。これで、普通に戻れる。こういう時こそ、きちっとファイターズらしく守って、点をやらない戦いをしたい。うちの選手は力があると、信じている。
札幌への移動中、中嶋(右)にアイスコーヒーで左手甲を冷やされる中田翔内野手
巨人との日本シリーズ第 2戦(東京ドーム)で左手甲に死球を受けて、途中交代した北海道日本ハム・中田翔内野手が30日の第 3戦(札幌ドーム)で強行出場も辞さない覚悟を示した。28日の第 2戦(東京Ｄ)では、初回に沢村から左手甲に死球を受け、 4回の守備から途中交代。都内の病院で、｢左手甲の打撲｣と診断された。一夜明け、患部は内出血した状態で腫れが残り、29日の全体練習に主砲は不参加だったが、試合に出る意欲を見せた。栗山英樹監督は｢ 4番・左翼｣での起用を明言。連敗スタートと苦しい立場に立たされたチームを手負いの主砲が救う。
敵地での 2試合で打線はわずか 1得点。よもやの連敗スタートを断ち切るには、巨大戦力に打ち勝たなくてはいけない。誰よりも中田自身がそれを感じている。｢ここにきて試合を休むことは一番したくない。何が何でも出たい。試合に出ることしか考えていない。腫れさえ治まれば、何をしてでも出る｣。手負いの４番は悲壮な覚悟を力を込め口にした。
28日の第 2戦(東京ドーム)で沢村から左手甲に死球を受けた。｢あんなに痛い死球は初めて｣。 4回の第 2打席で力ない一邪飛に倒れると、首脳陣から強制交代を命じられた。診断は打撲。一夜明けても患部は腫れ、痛みも残った。福良ヘッドコーチに｢ドラえもんみたいですよ｣と見せたほどで、前夜は痛み止めの薬も効かず｢ジンジンして夜が一番きつかった｣と打ち明ける。
患部を気にしながら搭乗口に向かう中田翔内野手
空路で東京から札幌に戻ったチームは全体練習を行ったが、中田はユニホームにも着替えず、アイシングと電気治療に専念。回復に努めた。｢変に動かさない方がいい｣と今季初めて練習を回避し、バットも手にしなかった。｢バットを握った時の痛みは、すぐ治らないらしい。腫れが引けば出れるんだけど｣と話した。
野球人生初の衝撃だった。｢あんな痛い死球は初めて。今までで一番痛い。(試合中に)痛み止めを飲んだけど効かなかった｣。沢村の 149キロ直球が直撃し、もん絶した。試合後、選手宿舎で就寝前に30分にわたってアイシング。｢ 5分後には、すぐに熱が出てきた。夜が一番つらかった｣。巨人の 2年目右腕については｢『あさっても勝つ』と言ってたね。新聞で見た。向こうも当てにきているわけじゃない。仕方ない｣と冷静に話した。
今季全 144試合に 4番として先発出場。 6月末までは打率１割台に低迷も、夏場以降は勝負強い打撃で 3年ぶりのリーグ優勝に貢献した。その存在は、今やチームになくてはならない。栗山監督は｢“翔がいなくなったら困る”とみんなが認識する状態になっている｣と話し、その上で｢(中田に)“いくよ”と言った。 4番として苦しみまくってきたことが生きると信じている｣と強行出場を明言した。
練習に参加せず引き揚げた中田翔内野手
第 3戦からの札幌ドームは東京ドームと比べて左中間、右中間が 6メートルも広い。守備力も勝負を左右するポイント。｢グラブをはめるのも痛い｣という中田は今季リーグトップの19補殺。栗山監督は｢札幌ドームの広さを考えたら翔の守備力は大きな意味を持つ。翔の肩は必要｣とし、あくまでも｢ 4番・左翼｣での起用が大前提と示唆。清水外野守備走塁コーチも｢いけるとなったら彼と心中だから｣と話した。
歯を食いしばってでも出場したい理由もある。第 3戦はテレビ中継(TV朝日系列)のゲスト解説としてダルビッシュが札幌ドームを訪れる。中田が兄貴分と慕う先輩の前でぶざまな姿は見せられない。10月16日に電撃訪問を受けた際には｢しっかりやれよ｣と激励され、｢もっと成長した姿を見せたい｣と話した。2009年日本シリーズでは 2度の代打で 2三振。今は求められる立場も自覚も違う。｢出ることしか考えていない｣。逆転日本一をつかむため、自分のバットでチームを勝利に導く。
栗山監督は｢札幌Ｄの広さを考えれば、翔の肩は意味を持つ。明日は、いくよ｣と｢ 4番・左翼｣でのスタメン出場を示唆。敵地で 2連敗し、負ければ王手をかけられる第 3戦。｢途中交代はすごく悔しかった｣という中田。今シリーズ 6打席でまだノーヒットの主砲のカムバックに期待だ。
▼日本ハム・福島チーフトレーナー：レントゲンでも大丈夫そうだし、もう病院へは行きません。代謝がいいと腫れも出てくるので(きょうは)あんまり動かせなかった。きのうより痛みは治まっている。痛みは減って、力が入る感じになっている。明日は本人が痛みをどれだけ我慢できるかです。
▼日本ハム・福良ヘッドコーチ：最終的にはあしたになってみないと分からんよ。でも、出るとしたらＤＨはない。
無理して中田翔内野手を出す事は無いだろうが、本人がやる気が有る以上はそれなりの成績を残して欲しいですね。
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