●阪神が接戦を制し、「セ・リーグ一番乗り」で「10勝」目を挙げた。DeNA先発は上茶谷大河投手(24)、阪神先発は青柳晃洋投手(27)。両投手とも無難な立ち上がり。 1回に 1安打を許すも、 2、 3回は無安打に抑えた。阪神は 4回、先頭の糸原健斗内野手(26)が「右翼線2塁打」で出塁。一死後、「4番」大山悠輔内野手(26)が前進守備の中で中前打適時打を放ち、 1点を先制した。阪神は 3投手のリレーで完封。青柳は「7回3安打無失点」で今季「2勝」目。リーグ「10勝一番乗り」となった。DeNAは「2連敗」。上茶谷が「初黒星」。阪神は連日の「完勝劇」で2014年以来の両リーグ最速の「10勝」到達。確かな手ごたえを感じ取っている。
●阪神の先発・青柳晃洋投手は 7回を投げ、「3安打無失点」と好投した。 1回、先頭の関根大気外野手(25)に遊撃内野安打を許したものの、後続を断ち無失点に抑える。最大のピンチは 1- 0で迎えた 7回。四球と安打で無死 1、 2塁とした。それでも、神里和毅外野手(27)のバントを梅野隆太郎捕手(29)が好判断で 3塁へ送球し封殺。一死 1、 2塁とすると、田中俊太内野手(27)を 1ゴロに仕留め、これで二死 1、 3塁。最後は、中前へ抜けそうな戸柱恭孝捕手(30)の打球を、遊撃手・中野拓夢内野手(24=三菱自動車岡崎)が好捕。味方の守備にも助けられ、「2勝目」の権利を守ると、直後の 8回に代打を送られて交代した。矢野燿大監督(52)も絶賛した。DeNAは青柳対策で左打者 6人をスタメンに入れた。昨年横浜スタジアムでは 2試合で「防御率6.30」と苦手にしていたが、制球難で崩れない今季は 7個の「0」を並べた。理由を自己理解できているわけではないが、制球に手応えを感じている。開幕から14試合、青柳だけでなく先発陣全員が任された試合で 5回以上を投げて責任を果たしている。ハイレベルな競争が首位の原動力となっている。今季は 9回打ち切りで早めに中継ぎをつぎ込める中、先発陣の頑張りは長いシーズンを勝ちきるためにもプラス材料。16年ぶりの「リーグ優勝」のためにも、先発陣が試合をつくり続ける。
●大山悠輔内野手が、 0- 0の 4回に先制打を放った。 3回まで 1安打と抑えられていた上茶谷に対し、阪神打線は 4回。唯一ヒットを放っていた先頭の糸原が 1塁線を破る 2塁打でチャンスメーク。続くジェフリー・マルテ内野手(29)の 1塁への進塁打で一死 3塁とした。打席には「4番・大山」。初球を見逃し 2球目。 128キロスライダーを捉えると、打球は前進守備の内野を抜け、中前へ。 9日の同戦で今季初の「猛打賞」と上り調子の主砲が、大きな先制打を放った。勢い止まらん!阪神が「12球団一番乗り」で「10勝」に到達した。 4回に「4番」大山悠輔内野手の適時打で先制し、これが決勝点。大山が打点を挙げると昨季から引き分けを挟んで「15連勝」と不敗神話が続く。チームは 3カード連続で勝ち越し、貯金を「6」とした。昨季チーム最多「28発」の主砲にまだ 1発は出ていないが、調子は上がってきた。まだまだ開幕ダッシュは続く。矢野監督もうなずく。大山の働きで「3カード連続勝ち越し」、貯金「6」、さらに12球団で「10勝一番乗り」と勢いは止まらない。慢心なき「虎のリーダー」が、開幕ダッシュの中心にいる。
●プロ初スタメンの阪神「ドラフト6位・中野拓夢内野手」が攻守にハッスルした。「8番遊撃」で先発出場し、 5回の 2打席目に中前安打をマーク。 9回一死 2、 3塁では 2塁野選ながら「プロ初打点」を記録した。その直後には果敢な走塁で「プロ初盗塁」。初ものずくめの記念日になった。試合後のコメントに人柄がにじみ出る。初打点は同期に感謝。盗塁も周囲を立てた。一番の見せ場は守備の好プレーだった。 1- 0の 7回二死 1、 3塁。「8番」戸柱のスライス気味の鋭い当たりを好捕。ほぼ 2塁ベース後方という好ポジショニングでピンチを救った。「打率4割6分2厘」の打撃に躍動感のある守備。矢野監督も絶賛する。佐藤輝だけじゃない! 「虎のルーキー」がまた輝きを放った。
●絶好調の阪神「5番」ジェリー・サンズ外野手が終盤の「5号2ラン」で勝利をたぐり寄せた。 1点リードの 9回一死 2塁。DeNA平田真吾投手(31)の 5球目変化球を強振。フルスイングした打球は左翼最上部にある看板「ありあけのハーバー」のすぐ下に着弾した。佐藤輝が放った前日 9日の場外弾を引き合いにジョークを飛ばした。「5本塁打」はヤクルト村上と並んで「リーグトップ」。同トップの15打点とともに「打撃部門2冠」だ。頼れる助っ人が攻撃の核になっている。
●阪神の女子チーム「阪神タイガースWomen」が10日、兵庫・西宮市で初の練習試合を行い、大体大を 3- 2で破った。チームは 2月11日に始動したばかりで、全体練習をできたのは10回ほど。今後は 5月下旬の関西女子硬式野球選手権大会「ラッキートーナメント」へ向けて実戦を重ねていく。
記事をまとめてみました。
<横浜DeNA 0- 4阪神>◇ 2回戦◇阪神 2勝 0敗 0分◇10日◇横浜スタジアム
DeNA先発は上茶谷、阪神先発は青柳。両投手とも無難な立ち上がり。 1回に 1安打を許すも、 2、 3回は無安打に抑えた。
阪神は 4回、先頭の糸原が「右翼線2塁打」で出塁。一死後、「4番」大山が前進守備の中で中前打適時打を放ち、 1点を先制した。
阪神は 3投手のリレーで完封。青柳は「7回3安打無失点」で今季「2勝」目。リーグ「10勝一番乗り」となった。DeNAは「2連敗」。上茶谷が「初黒星」。
7回を無失点に抑える阪神先発の青柳晃洋投手=横浜スタジアム
阪神が逃げ切って、 4- 0で勝利。「リーグ10勝一番乗り」で、貯金「6」とした。
先発の青柳晃洋投手は 7回を投げ、「3安打無失点」と好投。 1- 0で迎えた 7回は四球と安打で無死 1、 2塁とするも神里のバントを捕手・梅野が好判断で 3塁へ送球し封殺。続く田中俊を一ゴロに仕留め、これで二死 1、 3塁。最後は、中前へ抜けそうな戸柱の打球を、遊撃手・中野が好捕。味方の守備にも助けられ、ピンチを切り抜けた。
打線は 4回一死 3塁から「4番・大山悠輔内野手」が、中前適時打を放ち先制。その後はホームが遠かったが、 9回にサンズが左翼席上段へ特大の「5号2ラン」を放ち試合を決めた。
9回、「2点本塁打」を放ったサンズ外野手=横浜スタジアム
阪神が接戦を制し、「セ・リーグ一番乗り」で「10勝」目を挙げた。
▼阪神が両リーグで最初に「10勝」到達。阪神が開幕14試合以下で「10勝」は08年(13試合目)以来で、セ、パ両リーグ「10勝一番乗り」は58、02、14年に次いで 4度目。14年はオリックス、ソフトバンクと同日で、単独では 3度目になる。今季の阪神は先取点を許すと「0勝4敗」だが、先制した試合は「10勝0敗」。途中、同点に追いつかれた試合はあるものの、白星はすべて先制逃げ切りで挙げ、逆転勝ちなしで「10勝一番乗り」した。
勝利し、ガッツポーズをする矢野耀大監督=横浜スタジアム
阪神は連日の「完勝劇」で2014年以来の両リーグ最速の「10勝」到達。確かな手ごたえを感じ取っている矢野耀大監督の一問一答は以下の通り。
■青柳サマサマ
--振り返れば、理想的な勝利
「振り返ればね。本当にヤギ(青柳)が安定感抜群やったし、 7回まで投げてくれて(「3安打無失点」で今季「2勝」目)、あそこのピンチ( 7回無死 1、 2塁)もゼロでいってくれたから、ヤギサマサマ」
3回を投げ終えた青柳晃洋投手=横浜スタジアム
- 7回は今までなら 1点ぐらいって思うところだった
「だから、勝ち切れた。こういう 1点を争う、しびれたゲームの中でヤギ自身も成長できる勝ちになるし、しびれた中で守備も守ってね。あそこを乗り越えたから( 9回の) 3点につながる」
(さらに続けて)
「どっちに転がってもわからないところをとれたのは、チームとしても大きい。こういう試合をとっていくチームになっていきたい。( 5回の)ヤギの犠打もしっかり走ってセーフになって。うちにとっては大きなプレー。しっかりやってくれた」
矢野燿大監督(中央)は勝利した青柳晃洋投手に声をかける=横浜スタジアム
■全員野球の勝利
-- 7回の戸柱の遊直(での中野の守備位置)はベンチの指示
「それはベンチ。いいポジショニングで。全体で全員で戦えてるのがうちの野球。コーチもよくやってくれている」
--中野も初スタメンで活躍
「足がよく動いていたし、はつらつというか、いい安打も出ていたし。打撃は本当にいいポイントで打つ。足もあるし、明日(11日)も使ってみようかと」
9回、「2点本塁打」を放ったサンズ外野手を迎える阪神ナイン=横浜スタジアム
--競争は続く
「ずっとはそんなんあるし、聖也(木浪)も黙っていないと思うんで、そこの発奮も期待したい。チーム全体でいい選手を使うのは当たり前のことなんで」
■打点でチームに貢献
--大山も一本出た
「打点はこだわっていると思うし、 1打席目もいい当たりで。感じはよかったんで。ちょっとずつ打球が上がってくれば。昨日( 9日)も『3本』出たけど、そういうのが続いた中で上がってくる可能性が高いと思うんで。まずは打点はチームの勝利に貢献できる。サンズの本塁打( 9回の「5号2ラン」)も、もう 1点と欲しいというところで 2点は大きかった。敬宥(熊谷)の走塁もナイスランやったし( 9回の 2盗)。途中から出た選手もチームの力になってくれている」
4回、適時打を放った大山悠輔内野手=横浜スタジアム
■最速10勝の原動力は投手陣
--「10勝一番乗り」。投手が頑張っている
「本当にそう。青柳も安定感出ているし、どうしても左を並べられるけど、打ち取り方というのはしっかりしたものが今はあるんで。特に先発がずっといいし。後ろにつなげばいいというのはわかっているんだけど、投手が頑張ってくれているのが一番大きいかな。何でも一番乗りは、うれしいことなんで。どんどんいけるようにします」
阪神の先発・青柳晃洋投手は 7回を投げ、「3安打無失点」と好投した。
1回、先頭の関根に遊撃内野安打を許したものの、後続を断ち無失点に抑える。最大のピンチは 1- 0で迎えた 7回。四球と安打で無死 1、 2塁とした。それでも、神里のバントを梅野が好判断で 3塁へ送球し封殺。一死 1、 2塁とすると、田中俊を 1ゴロに仕留め、これで二死 1、 3塁。最後は、中前へ抜けそうな戸柱の打球を、遊撃手・中野が好捕。味方の守備にも助けられ、「2勝目」の権利を守ると、直後の 8回に代打を送られて交代した。
7回裏DeNA二死 1、 3塁、青柳晃洋投手は戸柱恭孝捕手を遊直に仕留め笑顔を見せる=横浜スタジアム
阪神先発の青柳晃洋投手が「7回3安打無失点」の好投で、「勝ち投手の権利」を持って交代した。
1点リードの 7回は無死 1、 2塁のピンチを迎えたが、後続を抑えた。 120球の熱投で三振は 5つ奪った。
昨年はDeNA戦に 5試合先発し「2勝2敗、防御率4.28」。横浜スタジアムでは 2試合で「1勝1敗、防御率6.30」と数字が悪かったが、今季初戦で見事な投球だった。
頼れる先発陣だ。阪神先発の青柳晃洋投手が 7回 120球、無失点の好投で今季「2勝目」を挙げた。DeNA上茶谷とのしびれる投手戦。
DeNAに勝利し中野拓夢内野手(左)からウイニングボールを受け取る青柳晃洋投手=横浜スタジアム
「今日は調子自体は良くなかったが、梅野さんの配球で抑えさせてもらった」とバッテリーを組んだ梅野に感謝した。得意のツーシームを軸にスライダーなどホームベースを幅広く使い散発の 3安打。 1- 0の 7回は無死 1、 2塁のピンチをつくったが、神里の捕手前のバントを梅野が好フィールディングで 3塁送球してアウト。続く田中俊を投ゴロ、戸柱を遊直と踏ん張った。
矢野監督も「本当にヤギ(青柳)が安定感抜群やった。ヤギさまさま。こういう1点を争う、しびれた試合の中でヤギ自身も成長できる勝ちになる」と絶賛した。DeNAは青柳対策で左打者 6人をスタメンに入れた。昨年横浜スタジアムでは 2試合で「防御率6.30」と苦手にしていたが、制球難で崩れない今季は 7個の「0」を並べた。「練習では福原投手コーチに教えてもらったりだとかで良くなってきている。要所でストライクが入るようになったのはうれしいですが、何でって言われると難しいですね」。理由を自己理解できているわけではないが、制球に手応えを感じている。
ヒーローインタビューを終え、手を振る青柳晃洋投手=横浜スタジアム
開幕から14試合、青柳だけでなく先発陣全員が任された試合で 5回以上を投げて責任を果たしている。青柳は「今年は(投手陣が)特にすばらしいので、自分が1回やらかしたら外れてしまうくらいの危機感を持っている。そういうところがみんないい結果につながっている」と、ハイレベルな競争が首位の原動力となっている。今季は 9回打ち切りで早めに中継ぎをつぎ込める中、先発陣の頑張りは長いシーズンを勝ちきるためにもプラス材料。矢野監督も「特に先発がずっといい」と喜ぶ。16年ぶりの「リーグ優勝」のためにも、先発陣が試合をつくり続ける。
大山悠輔内野手が、 0- 0の 4回に先制打を放った。 3回まで 1安打と抑えられていた上茶谷に対し、阪神打線は 4回。唯一ヒットを放っていた先頭の糸原が 1塁線を破る 2塁打でチャンスメーク。続くマルテの 1塁への進塁打で一死 3塁とした。打席には「4番・大山」。初球を見逃し 2球目。 128キロスライダーを捉えると、打球は前進守備の内野を抜け、中前へ。 9日の同戦で今季初の「猛打賞」と上り調子の主砲が、大きな先制打を放った。
4回表阪神一死 3塁、大山悠輔内野手は中前適時打を放った。投手:上茶谷大河投手=横浜スタジアム
勢い止まらん! 阪神が「12球団一番乗り」で「10勝」に到達した。 4回に「4番」大山悠輔内野手の適時打で先制し、これが決勝点。大山が打点を挙げると昨季から引き分けを挟んで「15連勝」と不敗神話が続く。チームは 3カード連続で勝ち越し、貯金を「6」とした。昨季チーム最多「28発」の主砲にまだ 1発は出ていないが、調子は上がってきた。まだまだ開幕ダッシュは続く。
◇ ◇ ◇
これが「4番」の仕事だ。大山が勝利に導く先制点を演出した。 4回一死 3塁。「何とか先制点を取りたい」と集中していた。DeNA内野陣は前進守備。上茶谷のカットボールを捉えた打球は、それをあざ笑うかのように遊撃柴田の右を抜いていった。豪快な 1発ではない、しぶい一打。「やっぱり昨日みたいに大量得点というのが一番いいですけど」。そんな願望を口にしつつ「毎回、毎回打てるわけではない。取れる時に取る、打点を取るというのが今年のチームのテーマ。そういう仕事ができたので良かったですね」と胸を張った。
4回表阪神一死 3塁、先制中前適時打を放ち筒井壮コーチ(手前)とタッチする大山悠輔内野手=横浜スタジアム
前日 9日は「大型ルーキー」佐藤輝の場外弾などで 7点差をつける快勝だった。一夜明け、今度はひりつくような緊張感が続く投手戦。その状況を打破する一打を放てるから大山が「4番」にいる意味ある。「2試合連続適時打」。これで大山が打点を挙げた試合は、昨季から引き分けを挟んで「15連勝」となった。「チームが勝つことが第一。その時、その時の仕事をしっかりできたら」。自身に「今季1号」は出ていなくても、頼れる主将はフォアザチームを強調した。
矢野監督も「打点はこだわっていると思う」とうなずく。大山の働きで「3カード連続勝ち越し」、貯金「6」、さらに12球団で「10勝一番乗り」と勢いは止まらない。「何でも『一番乗り』はうれしいことなんで。どんどんいけるように」と指揮官が語ると、大山も「油断してしまうと一気に足をすくわれますし、心の緩みはなくしたい」。慢心なき「虎のリーダー」が、開幕ダッシュの中心にいる。
1回裏DeNA無死、プロ初先発の中野拓夢内野手は関根大気外野手の打球を 1塁へ送球する=横浜スタジアム
プロ初スタメンの阪神「ドラフト6位・中野拓夢内野手」が攻守にハッスルした。「8番遊撃」で先発出場し、 5回の 2打席目に中前安打をマーク。 9回一死 2、 3塁では 2塁野選ながら「プロ初打点」を記録した。その直後には果敢な走塁で「プロ初盗塁」。初ものずくめの記念日になった。
試合後のコメントに人柄がにじみ出る。初打点は「 3塁走者の佐藤輝選手がよく走ってくれた」と同期に感謝。盗塁も「早く 1個決めたいなという気持ちの中で、 1塁コーチャーの方も行けると言われたので、思い切って行こうかなと思って」と周囲を立てた。
5回、安打を放った中野拓夢内野手=横浜スタジアム
一番の見せ場は守備の好プレーだった。 1- 0の 7回二死 1、 3塁。「8番」戸柱のスライス気味の鋭い当たりを好捕。「ある程度(ベンチから)言われていた部分もあったんですけど、スイングなどを見ながら、来そうだなという自分の勘を頼りにして寄っていた」。ほぼ 2塁ベース後方という好ポジショニングでピンチを救った。
「打率4割6分2厘」の打撃に躍動感のある守備。矢野監督も「足がよく動いていたし、はつらつというか、いい安打も出ていた。打撃は本当にいいポイントで打つ。足もあるし、明日も使ってみようかと思う」と絶賛する。佐藤輝だけじゃない! 「虎のルーキー」がまた輝きを放った。
5回表阪神無死、中野拓夢内野手は中前打を放った=横浜スタジアム
どういうわけか、巧みに勝負に絡んでくる。虎のルーキーは、ド派手なアーチを描く怪物だけじゃない。「8番・遊撃」でプロ初スタメンをつかんだ阪神「D6位・中野」(三菱自動車岡崎)も、決して大きくはない 171センチの体でキラリと輝いた。チームの危機を、絶妙ポジショニングで救った。
■堂々!プロ初スタメン
「ある程度(首脳陣から)言われていた部分もあったんですけど。スイングなどを見ながら『この辺に来そうだな』という自分の勘を頼りにして、あそこは寄っていました」
青柳がグラブを伸ばすほど、中堅寄りの打球だった。 1- 0の 7回二死 1、 3塁。画面越しのリモート観戦だった虎党は特に「やられた!」と確信したに違いなかった。
5回、安打を放った中野拓夢内野手=横浜スタジアム
だが次の瞬間、スーッと回り込んだ遊撃手が、体のほぼ正面でライナーを捕まえた。夢じゃない。拓夢だ。中野が、その“センス”で大仕事をやってのけた。矢野監督は「いいポジショニングで。そういうの (ベンチの指示)も含めて、全体で全員で戦えてるのがうちの野球。コーチもよくやってくれている」と共同作業を明かしつつ、中野をたたえた。
「守」には入団前から定評があった。「走攻」でも躍動し続け、将が起用せざるを得ないよう自ら仕向けた。オープン戦も終盤までスタメン起用はなかったが、 3月16日のヤクルト戦(神宮)で途中出場から 2安打し、翌17日のスタメン出場を勝ち取った。キャンプ初日には「ここまで練習量が多いとは。正直しんどかった」と“弱音”も出た。守備のミスも当初は目立ったが、試合を重ねるにつれ前評判通りの安定感を見せ始めた。結果で 1軍に食い込むと、開幕からも同じだった。途中出場で「打率5割」を維持し続け、ついにスタメンで勝利に大貢献だ。
7回、戸柱恭孝捕手の打球をキャッチした中野拓夢内野手=横浜スタジアム
■ 5回にはプロ初打点も
5回の中前打で「打率0.462」。 3- 0の 9回一死 2、 3塁では 2ゴロが野選となって「プロ初打点」を記録し「( 3走の)佐藤輝選手がよく走ってくれた」と笑顔。そのまま「初盗塁」も決めた。指揮官も「足がよく動いていた。はつらつというか。打撃は本当にいいポイントで打つ。足もあるし、明日(11日)も使ってみようかと」と思わず連続起用を明言した。
中野も「スタメンで出ることですごい自信になりましたし、やれるんだなというのは自分の中で感じた。これからもしっかりと自分の任された仕事をまっとうしたい」と意気込む。単なるラッキーボーイではない。確かな技と力を持つルーキーが、ここにもう 1人いる。
青柳晃洋投手にウイニングボールを渡す中野拓夢内野手=横浜スタジアム
★山形の恩師もホッ
中野の恩師、日大山形高の荒木準也監督(49)はインターネットの速報で中野の結果を知った。「状態もよく、心配してなかったので、テレビ中継は見てなかったです(笑)。ヒット 1本くらいは打ってくれると思ってました。エラーもなくてでよかったです」と期待通りの活躍。今後には「目の前のことに全力で。積極的にプレーしてほしい」とエールを送った。
◇中野 拓夢(なかの・たくむ)
1996(平成 8)年 6月28日生まれ、24歳。山形県出身。中学時代は山形シニアでプレー。日大山形高 2年「夏の甲子園」で 2塁手として県勢初の「4強入り」に貢献。東北福祉大では 1年春から遊撃手のレギュラー。 4年春の「全日本大学選手権」で「優勝」。三菱自動車岡崎を経て、2021年「D6位」で阪神入団。契約金3500万円、年俸 800万円。今季成績は10試合出場、「13打数6安打(打率0.462)、0本塁打、1打点」。右投げ左打ち。 171センチ、69キロ。背番号「51」。
9回表阪神一死 2塁、「左越え2点本塁打」を放ったジェリー・サンズ外野手=横浜スタジアム
絶好調の阪神「5番」ジェリー・サンズ外野手が終盤の「5号2ラン」で勝利をたぐり寄せた。
1点リードの 9回一死 2塁。DeNA平田の 5球目変化球を強振。フルスイングした打球は左翼最上部にある看板「ありあけのハーバー」のすぐ下に着弾した。佐藤輝が放った前日 9日の場外弾を引き合いに「昨日のテルほどまでは飛ばなかったけど、それでも『勝利』につながったので良かったよ」とジョークを飛ばした。
「5本塁打」はヤクルト村上と並んで「リーグトップ」。同トップの15打点とともに「打撃部門2冠」だ。頼れる助っ人が攻撃の核になっている。
「2点本塁打」を放ったジェリー・サンズ外野手=横浜スタジアム
西日刺す横浜に、とてつもない打球音が響き渡った。左翼手・佐野は一歩も動かない。阪神・サンズが緊迫の展開にトドメを刺した。「2冠の助っ人」が、ルーキーに負けじと超豪快アーチだ。
「きのう( 9日)のテル(佐藤輝)ほどまでは飛ばなかったけど、それでも勝利につながったからよかったね」
1- 0のまま迎えた 9回一死 2塁。球筋を見極めて 5球目。平田の 142キロを完璧にとらえた。打った瞬間、スタンドの虎党は総立ち。前日の佐藤輝に続く、 2日連続の場外弾…とはいかなかったが、白球は左翼席上段に設置された看板に直撃! 僅差のゲーム展開から一転、ひと振りで勝利をグッと手繰り寄せた。
■打点は単独トップ
今季「5号」は、ヤクルト・村上と並んでリーグトップタイで、本塁打を放てばチームは「全勝」。15打点はDeNAの「D2位・牧」(中大)を突き放し、堂々の「単独1位」と「2冠」の活躍だ。首位を走る猛虎打線に欠かせないピース-。そして、その存在はプロの壁に苦しむドラ1にとっても大きなものとなっている。
「2ラン」を放ちダイヤモンドを回るジェリー・サンズ外野手=横浜スタジアム
「プロの経験という意味では自分の方があるし、知識や経験をシェアできれば」
■佐藤輝と打撃論
8日の巨人戦(甲子園)の試合前練習。フリー打撃を終えたサンズは、佐藤輝と身ぶり手ぶりを交えて打撃論を語り合った。「スイング、持っているものは素晴らしい。自分の経験を生かしたアドバイスが彼のヒントになればと思ったんだ」。ルーキーの言葉に耳を傾けながら、普段とは逆の左打ちでお手本を示し、自らの技術を惜しみなく伝えた。後輩、チームのためを思う姿勢が、虎の結束をより強くしている。
「去年は後半、調子を落として力みにつながったからね。一喜一憂せず、調子の波を崩さず、一貫して準備をしているのがいい結果につながっているのかな」
中軸でどっしりと構えるS砲の勢いは止まらない。“ハッピー・ハンズ”で虎を頂点まで引っ張る。
阪神タイガースWOMEN
阪神の女子チーム「阪神タイガースWomen」が10日、兵庫・西宮市で初の練習試合を行い、大体大を 3- 2で破った。
チームは 2月11日に始動したばかりで、全体練習をできたのは10回ほど。縦じまを着たもう 1つのタイガースの初実戦を終え、元阪神の野原祐也監督は「試合形式も初めてだった。いろんなミスもありましたが、そういったところも確認、経験できたのは収穫。試合ができたことが良かった」と語った。今後は 5月下旬の関西女子硬式野球選手権大会「ラッキートーナメント」へ向けて実戦を重ねていく。
※ 4月11日の予告先発は、横浜DeNA・阪口皓亮投手(21)ー阪神・ジョー・ガンケル投手(29)です。どちらに軍配が上がるか、楽しみですね。
ガンバレ!阪神!我らのタイガース!今季こそ勝利を掴め!
今の僕たちに一番必要なことは「挑戦すること」だと考えています。
試合結果により評価されがちですが、「エラーをしても前に出る」「打たれても バッターに向かっていく」
そのような姿勢が僕たちのチームの成長には一番必要なことだと考えているので、まずは挑戦する事「挑む」を最初に掲げました。 次に、「超える」ですがこれは「超越する」ことです。
最後に「頂へ」。
これは僕自身が監督に就任してからセ・リーグの順位が3位、2位ととなり、来季 はもちろん「頂」しかありません。
チーム全体として頂点に立つことを意識し、選手・スタッフ含めチーム全体で、 頂点に行ったときにどういう景色があるのか、どういう気持ちになれるのかを考える1年とし、「常にトップに立つ」とういう意識にしていきます。
やはりタイガースファンの大きな後押しも必要です。
このスローガンをもとに共に戦い、頂点に行った景色を一緒に見ましょう。
2021年 オープン戦 最終順位表
2020年 公式戦 順位表
2021年 公式戦 順位表
2021年 公式戦日程表と結果(03月)
2021年 公式戦日程表と結果(04月)