●中日は 2回、木下拓哉捕手(29)が左翼に 2試合連続の「4号ソロ本塁打」を放ち、先制した。先発ヤリエル・ロドリゲス投手(24)も安定した投球で序盤 3回を抑えた。阪神先発秋山拓巳投手(30)は丁寧な投球を見せ、 3回以降、中盤も得点を許さなかった。打線はロドリゲスに苦戦し、 5回の好機でも凡退した。阪神は 7回、近本光司外野手(26)の適時打で同点に追いつき、 8回、ジェリー・サンズ外野手(33)の「9号ソロ」が決勝打になった。引き分けを挟んで「3連勝」になった。阪神岩崎優投手(29)が「1勝」、ロベルト.スアレス投手(30)「10セーブ」。中日又吉克樹投手(30)は「1敗」。
●佐藤輝明内野手(22=近畿大學)が、甲子園のファンへの「4番3塁」のお披露目試合で「H」ランプをともした。 4月25日以来の甲子園での「有観客試合」。阪神生え抜きの左打者では、88年掛布雅之氏(66=HANSHIN LEGEND TELLER)以来の「4番3塁」を務めた。スタメン発表時には「4番サード佐藤輝明」とコールされると、大きな拍手。「逆転満塁弾」を放った 5月 2日の広島戦(甲子園)で「プロ初4番」を務めたが、その日は「無観客」だった。平常心で竜投に対峙(たいじ)した。まさに恵みの雨なのか。「雨天中止」翌日の 4試合の成績は、「16打数5安打」で「打率3割1分3厘、2本塁打8打点」と好相性を誇る。チームも今季、中止翌日は「4戦全勝」だ。 5月は「打率3割4分5厘」と好調な「4番」が、首位固めを引っ張る。「虎の若き主砲」が宿敵を撃つ。「V」への勢いをさらに加速させる。
●近本光司外野手が千金の同点打を決めた。ロドリゲスの前に「0行進」が続いた 7回二死で、熊谷敬宥内野手(25)の 2盗成功を受けて快音。追い込まれながら 128キロスライダーを中前へと運ぶと、 1塁ベース上で力のこもったガッツポーズが出た。ここまで苦しめられた中日先発ロドリゲスをKOした。無我夢中の一打が「逆転勝ち]につながった。右の代打の切り札原口文仁捕手(29)と代走の切り札熊谷コンビが 2戦続けて 2人で「2塁打級」のチャンスをつくってチームに貢献した。同点に追いついた 7回の攻撃について矢野燿大監督(52)は目を細めた。頼もしさを取り戻した「リードオフマン」が、さらに虎を上昇させる。
●首位阪神がジェリー・サンズ外野手の「決勝弾」で引き分けをはさむ連勝を「3」に伸ばした。 1点ビハインドを追いついて迎えた 8回、中日又吉から「9号ソロ」。開幕37試合での貯金「15」は、「2リーグ分立後」では「球団最速記録」となった。この日、甲子園で18日ぶりに「有観客試合」が復活し、ファンに届ける会心の逆転白星。14日から戦う「2位」巨人に「3.5ゲーム」差をつけ、東京ドーム決戦に臨む。試合を決めた助っ人は、虎党の拍手を全身に浴びた。お立ち台に立ったサンズはインタビューの最後、待ってましたと言わんばかりにニヤリとし、日本語で言った。18日ぶりの甲子園での「有観客試合」で、勝ち越しの「9号ソロ」。アドレナリンと興奮が抑えられない。ベンチ前でのハッピーハンズは激しめ!? に披露。ファンの前での会心弾をかみしめた。サンズの劇弾で、引き分けを挟んで「3連勝」。貯金は今季最多の「15」まで増えた。「2位」巨人に「3.5」差をつけ、14日からは東京ドームで直接対決する。15日には、通算「2000試合」の「メモリアルカード」となる 3連戦。指揮官は「タイガースの野球、超積極的、諦めない、全員で戦うという野球を東京ドームでもやっていきます」と力強く言った。勢いそのまま、一気に宿敵を突き放す。
●阪神新外国人メル・ロハス・ジュニア外野手(30=韓国・KT)はデビューから「12打席連続無安打」になった。 4回二死 1塁で、痛烈なピッチャー返しのゴロを放ち、ロドリゲスのグラブをはじいたが遊撃前に転がる不運もあった。「4打数無安打」だったが矢野監督は期待した。
●阪神の秋山が無四球で「7回6安打1点」に抑え、「逆転勝ち」を呼び込んだ。要所で粘り「こういう積み重ねが信頼にもつながる」と自信を深めた様子だった。最大のピンチは 7回。先頭から連打を許し、 2回にソロを浴びた木下拓を迎えた。フォークボールで右飛に仕留め、後続も断った。直後の攻撃で追い付いた。「雨天中止」の影響で先発ローテーションが再編され、約 2週間ぶりのマウンド。強い気持ちを持ち、臨んだ試合で力を発揮した。 7回無無死 1、 2塁。打ち気にはやる 3者を変化球で「フライアウト3本」に料理した。 4月30日広島戦(甲子園)以来、中12日の先発だったが 7回 1失点の好投。矢野監督も評した。18年 4月 7日以来、 3年ぶりの「中日戦白星」こそ逃したが、安定感を示した。
●阪神のセットアッパー岩崎優投手が薄氷の展開をしのいで今季「初勝利」を挙げた。同点に追いついた直後の 8回に救援。珍しく制球が乱れ、四球と暴投で無死 2塁に。だが、二死にこぎ着け、マイク・ガーバー外野手(28=サンフランシスコ・ジャイアンツ)を 146キロ速球で振り遅れの空振り三振とした。新人時から「8年連続白星」で「リーグトップタイ」の「14ホールドポイント」になった。
●阪神の「守護神」ロベルト・スアレス投手が盤石の投球で、「リーグ単独トップ」の「10セーブ」目を挙げた。 1点リードの 9回に登板し、強打者のダヤン・ビシエド内野手(32)、高橋周平内野手(27)、木下拓を 3人で抑える安定ぶり。「自己最長」の「16試合連続無失点」で圧巻の「防御率0.50」だ。
●梅野隆太郎捕手(29)が13日、「出場選手登録」が 7年に達し、「国内フリーエージェント」(FA権)の資格取得条件を満たした。福岡大學から13年「ドラフト4位」で阪神に入団し、 1年目の14年から92試合に出場。今季は開幕から「不動の正捕手」として首位を走るチームを支える。この日も 1回に 2盗を狙った京田を強肩「梅ちゃんバズーカ」で刺した。体を張ってワンバウンドを止める高い捕球技術を持ち、球団の捕手では初の「3年連続ゴールデングラブ賞」を受賞中。打撃でも「得点圏打率リーグトップ」の「5割2分」と貢献している。嶌村聡球団本部長(53)は、前日12日には一足早く「FA権」取得をねぎらい、直接声をかけたという。複数年の提示や宣言残留などについては嶌村本部長は「オフになってから」と話すにとどめた。今オフの動向が注目される。
●まさかの大炎上だった。阪神藤浪晋太郎投エスタン・リーグのオリックス戦(オセアンバファローズスタジアム舞洲)に先発。 5回を投げ「9安打7失点」と打ち込まれた。 2四球に 2暴投と制御できず、自らの失策も重なり、 2軍降格後 3度目の登板は精細を欠いた。 5回は先頭を四球で出すと、連続安打で無死満塁。「3番」来田涼斗外野手(18=明石市立明石商業高校)を投ゴロに仕留めたが、直後に悪夢が待っていた。捕球後ホームへの送球を引っかけ、左に大きくずれる悪送球となり 2点を献上。続く「4番」西野真弘内野手(30)には 149キロ直球を痛打され、左中間へ「2点適時2塁打」を浴びた。気温25度オーバー暑さの中、腕を振り続けたが結果は振るわず。アピールしたい一戦で、 1軍マウンドが遠のいてしまった。
記事をまとめてみました。
<阪神 2- 1中日>◇ 8回戦◇阪神 4勝 3敗 1分◇13日◇阪神甲子園球場
中日は 2回、木下拓が左翼に 2試合連続の「4号ソロ本塁打」を放ち、先制した。先発ロドリゲスも安定した投球で序盤 3回を抑えた。
阪神先発秋山は丁寧な投球を見せ、 3回以降、中盤も得点を許さなかった。打線はロドリゲスに苦戦し、 5回の好機でも凡退した。
阪神は 7回、近本の適時打で同点に追いつき、 8回、サンズの「9号ソロ」が決勝打になった。引き分けを挟んで「3連勝」になった。阪神岩崎が「1勝」、スアレス「10セーブ」。中日又吉は「1敗」。
7回裏阪神二死 2塁、中前へ同点適時打を放った近本光司外野手=阪神甲子園球場
阪神が粘って「逆転勝ち」した。
1点を追う 7回二死走者なしから代打原口が四球で出塁し、代走熊谷が登場。けん制をかいくぐって 2盗に成功した。その直後、近本が中前適時打を放って同点に追いついた。11日の同カードでも劣勢の 7回に熊谷がピンチランナーで 2盗を決め、同点のホームを踏んでいた。快足で同じ流れに持ち込んだ。 8回にはサンズが左中間に「9号決勝ソロ本塁打」。引き分けを挟んで「3連勝」で、今季最多の貯金「15」に増やした。「2位」巨人と「3.5ゲーム」差に広げた。
8回裏阪神二死、サンズ外野手は「左中間越え本塁打」を放った=阪神甲子園球場
阪神が粘って逆転勝ちした。
◆阪神矢野燿大監督語録
-見事な逆転勝利でした
すごくいい試合で興奮しています。
- 7回二死から見事な攻撃
そうですね、四球をフミ(原口)の四球からでしたけど、タカヒロ(熊谷)もよく走ってくれましたし、チカもタイムリーを打って。(ロドリゲスの)調子も良かったんで崩せなかったですけど、いい形で取れました。
8回裏阪神二死、サンズ外野手に左中間勝ち越し本塁打を浴びた又吉克樹投手=阪神甲子園球場
-サンズが勝負強い打撃
ホームラン打ってくれという願いでベンチも声出してくれましたし、そういう後押しもあって、最高のホームランになりました。
-秋山も粘り強く投げた
先取点は取られましたけど、その後、粘ってくれましたし、最後のピンチも乗り切ってくれたんで。アキに勝ち星はつかなかったですけど、ナイスピッチングでした。
-チームも引き分けを挟んで「3連勝」だ
思いきってチャレンジするとか、最後の拓夢(中野)のショートゴロも諦めないというかすごいプレーでしたし。スグル、スアちゃんといつもいってもらって、タイガースらしく全員で戦う試合ができています。
8回裏阪神二死、サンズ外野手の「左越え勝ち越し本塁打」に歓喜する、矢野燿大監督(右から 3人目)ら阪神ナイン=阪神甲子園球場
-新外国人ロハスは打席を重ねていくことが大事
もちろんね。早くいい結果を出してほしいし、ファームでもある程度の打席は立ってきたからね。ただ対戦するピッチャーは初めてだっていうところはあるんで、今日の練習なんかはちょっといい感じで、今まで見た中では一番いい感じで打ってた。慣れてくる中きら上がってきてくれたらなっていう、ちょっと兆しは見えつつあるかなと思う。
中日に「逆転勝利」しグータッチで喜ぶ矢野燿大監督(右)ら=阪神甲子園球場
-右肩張りで「出場選手登録」を抹消されたガンケルが練習合流。患部の状態は悪くない
まあ、もともと大きなものにはつながっていないという感じだった。開幕からずっと頑張ってくれていたんで、そういうところでは大事に至らなかったということも良かった。そんなに大きく休んで次の登板という風には思っていないです。
-明日からの巨人戦に向けて
こういういい形で取れて東京ドームにいけるんでね。全員の気持ちを高めながら、タイガースの野球、超積極的、諦めない、全員で戦うという野球を東京ドームでもやってきます。
6回裏阪神一死、佐藤輝明内野手は中前打を放った=阪神甲子園球場
佐藤輝明内野手が、甲子園のファンへの「4番3塁」のお披露目試合で「H」ランプをともした。
4月25日以来の甲子園での「有観客試合」。阪神生え抜きの左打者では、88年掛布雅之以来の「4番3塁」を務めた。スタメン発表時には「4番サード佐藤輝明」とコールされると、大きな拍手。「逆転満塁弾」を放った 5月 2日の広島戦(甲子園)で「プロ初4番」を務めたが、その日は「無観客」だった。「特に意識することなく、しっかり自分のバッティングだけを心がけて入りました」。平常心で竜投に対峙(たいじ)した。
6回、中前打を放った佐藤輝明内野手。甲子園のファンに「4番」を初披露した=阪神甲子園球場
打撃は中日ロドリゲスに 2打席凡退だったが、 6回の第 3打席で 133キロのスライダーを中前に運んだ。これで 4月22日の巨人戦から「16試合連続出塁」で、「自己最長」を更新。「打つのが一番良いですけど、フォアボールとか、どんな形でも出塁できているのは良いことだと思います」と納得だ。
まさに恵みの雨なのか。「雨天中止」翌日の 4試合の成績は、「16打数5安打」で「打率3割1分3厘、2本塁打8打点」と好相性を誇る。チームも今季、中止翌日は「4戦全勝」だ。14日からの巨人 3連戦に向け、「しっかり巨人に攻め勝って、もっと首位の座を固められたらいいかなと思います」ときっぱり。 5月は「打率3割4分5厘」と好調な「4番」が、首位固めを引っ張る。
6回裏阪神一死、中前打を放った佐藤輝明内野手=阪神甲子園球場
「新4番」が甲子園のファンにお披露目だ。阪神の「D1位・佐藤輝」は「4打数1安打」。しっかりと存在感を残した。
「お客さんが入るか入らないかでモチベーション、気持ちの入り方も違う。来てくれた方が自分たちも集中できる」
6回一死からロドリゲスの 133キロ変化球を中前へはじき返した。これで 4月22日の巨人戦(東京ドーム)から「16試合連続出塁」。「打つのが一番ですが、四球やどんな形でも出塁できているのはいいこと」とうなずいた。
この日響かせた快音はこの 1本のみだったが、「ドラ1」の名前がコールされるだけでスタンドは沸いた。打席に立てば、場内の空気を一変させることができる。後押ししてくれるファンの声援が戻ってきた。チームの顔として打線を引っ張る佐藤輝は、14日から始まる巨人との 3連戦に向け、力を込めた。
「しっかり巨人に勝って、もっと首位の座を固められたらいいかなと思います」
「虎の若き主砲」が宿敵を撃つ。「V」への勢いをさらに加速させる。
近本光司外野手が千金の同点打を決めた。ロドリゲスの前に「0行進」が続いた 7回二死で、熊谷の 2盗成功を受けて快音。追い込まれながら 128キロスライダーを中前へと運ぶと、 1塁ベース上で力のこもったガッツポーズが出た。
「良い投手なので、そう簡単に打てる球じゃない。どうにかなれと思って打ちました」。無我夢中の一打が「逆転勝ち]につながった。
7回、中前に同点打を放った近本光司外野手。流れを引き寄せ、逆転勝利を呼び込んだ=阪神甲子園球場
阪神が 2日前のVTRのような同点劇を見せた。
1点を追う 7回二死、代打原口文仁捕手が四球で出塁すると、代走熊谷敬宥内野手が 2度けん制後の「1番」近本光司外野手の初球に 2盗を決めチャンス拡大。その近本が中前へしぶとく適時打を放ち同点に。ここまで苦しめられた中日先発ロドリゲスをKOした。
7回裏阪神二死 2塁、中前へ同点適時打を放った近本光司外野手=阪神甲子園球場
阪神は 2日前の中日戦でも 1点を追う 7回二死から投手の打順で代打原口が出塁(遊撃内野安打)、代走熊谷が初球で 2盗を決め、この時は「1番」近本も四球で続き、「2番」糸原が同点適時打を放っていた。
右の代打の切り札原口と代走の切り札熊谷コンビが 2戦続けて 2人で「2塁打級」のチャンスをつくってチームに貢献した。
7回裏阪神二死 2塁、近本光司外野手は中前同点適時打を放ち力強くガッツポーズ=阪神甲子園球場
甘い球を逃さなかった。鋭い打球が中前へ抜けていき、甲子園は大きな拍手に包まれた。 1点ビハインドのまま突入した 7回に阪神・近本が起死回生の同点打。 1塁上で白い歯を見せた。
「いいピッチャーなので、そう簡単に打てるボールがあるわけではないので。どうにかなれと思って、打ちにいきました」
二死から代打・原口が四球を選び、代走・熊谷が 2盗を決める。ここまで苦しめられていたロドリゲスに対して、お膳立てはできた。カウント 2- 2から 128キロスライダーを捉えた。はじき返した打球はロドリゲスの出したグラブの先を抜け、中前へ。流れをグッと引き寄せ、 8回のサンズの決勝ソロを呼び込んだ。
7回、 2盗に成功する熊谷敬宥内野手(右)。初球から積極的に走った=阪神甲子園球場
「秋山さんがすごく良い投球を続けてくれていたので何としてもランナーをかえすという気持ちで打ちました」
得点には結びつかなかったが、 5回二死 1塁では右翼線への 2塁打を放っており、今季11度目の複数安打を記録した。
4月は打率が 1割台に沈む期間もあり、代打を送られることもあった。そこから、持ち直してきたのは自分の状態と常に向き合ってきたからだ。
「日々発見で反省して、どうするかと考えることだと思う」。春季キャンプで打撃についてそう語っていた。その日打てたからといって、次の日は体の状態が違う。つかんだと思っても次の日の自分には合わないかもしれない。タイミングの取り方など、オープン戦から打席の中で、そのときの感覚と状態に合うものを探してきた。
7回裏阪神二死 1塁、代走熊谷敬宥内野手(左)は 2盗を決める。右は遊撃手京田陽太内野手=阪神甲子園球場
「(感覚と状態の)すり合わせだったり、シーズンでもそういうところは生きてくる」。開幕直後は不振も、そこから抜け出すことができるのが近本。 5月はここまで「打率0.414(29打数12安打)」で「9戦連続出塁」としっかり状態を上げてきた。
同点に追いついた 7回の攻撃について矢野監督は「フミ(原口)の四球からでしたけど、敬宥(熊谷)もよく走ってくれた。そういうのもありながらの近本のタイムリーだったので。うちらしい点の取り方ができた」と目を細めた。頼もしさを取り戻した「リードオフマン」が、さらに虎を上昇させる。
8回裏阪神二死、「左越え決勝本塁打」を放ったジェリー・サンズ外野手=阪神甲子園球場
首位阪神がジェリー・サンズ外野手の「決勝弾」で引き分けをはさむ連勝を「3」に伸ばした。
1点ビハインドを追いついて迎えた 8回、中日又吉から「9号ソロ」。開幕37試合での貯金「15」は、「2リーグ分立後」では「球団最速記録」となった。この日、甲子園で18日ぶりに「有観客試合」が復活し、ファンに届ける会心の逆転白星。14日から戦う「2位」巨人に「3.5ゲーム」差をつけ、東京ドーム決戦に臨む。
◇ ◇ ◇
試合を決めた助っ人は、虎党の拍手を全身に浴びた。お立ち台に立ったサンズはインタビューの最後、待ってましたと言わんばかりにニヤリとし、日本語で言った。
「タイガースファンズ、みんな大好きやで!」
ファンに手を振るジェリー・サンズ外野手=阪神甲子園球場
一振りで試合を決められるから、ヒーローになれる。 7回に追いつき迎えた 8回二死走者なし。中日はこの回から、「15試合連続無失点」中の又吉を投入。勝ちパターンの好投手に 1ストライクを奪われたが、動じない。 2球目の内角 147キロを左中間席へ運んだ。
「とにかくフェンスを越えてくれ、越えてくれ、と。ボールがフェンスを越えた瞬間うれしかった」
18日ぶりの甲子園での「有観客試合」で、勝ち越しの「9号ソロ」。アドレナリンと興奮が抑えられない。ベンチ前でのハッピーハンズは「いつも以上に興奮しました」と激しめ!? に披露。「甲子園で、タイガースファンのみなさんの前で打つホームランは本当にうれしい」とファンの前での会心弾をかみしめた。
決勝本塁打を放ったジェリー・サンズ外野手(中央)は矢野燿大監督とおおおハイタッチして喜ぶ=阪神甲子園球場
新助っ人ロハスとは韓国プロ野球時代から家族ぐるみで付き合いがあった。 1軍合流した初日から、キャッチボールを行い、意思疎通。「ロハスは 1年目だし、何か言われたら助けたい。できる限りのことはしていきたい」。来日 2年目。新助っ人を気遣う心の余裕が好結果につながっているのかもしれない。「リーグ4位」の「9本塁打」、「同4位」の「25打点」で重量打線の中、「5番」は不動だ。
矢野監督も「すごくいい試合で興奮しています」と高ぶっていた。「展開的にああいう1発が出てほしいなというところでね。打ってくれて、いやあ、盛り上がったね」と止まらなかった。
サンズの劇弾で、引き分けを挟んで「3連勝」。貯金は今季最多の「15」まで増えた。「2位」巨人に「3.5」差をつけ、14日からは東京ドームで直接対決する。15日には、通算「2000試合」の「メモリアルカード」となる 3連戦。指揮官は「タイガースの野球、超積極的、諦めない、全員で戦うという野球を東京ドームでもやっていきます」と力強く言った。勢いそのまま、一気に宿敵を突き放す。
8回裏阪神二死、左飛に倒れるメル・ロハス・ジュニア外野手=阪神甲子園球場
阪神新外国人メル・ロハス・ジュニア外野手はデビューから「12打席連続無安打」になった。
4回二死 1塁で、痛烈なピッチャー返しのゴロを放ち、ロドリゲスのグラブをはじいたが遊撃前に転がる不運もあった。「4打数無安打」だったが矢野監督は「今日の練習はちょっといい感じで、今まで見た中で一番いい感じで打っていた。慣れてくるなかで上がってきてくれたら。兆しは見えつつある」と期待した。
阪神の秋山が無四球で「7回6安打1点」に抑え、「逆転勝ち」を呼び込んだ。要所で粘り「こういう積み重ねが信頼にもつながる」と自信を深めた様子だった。
最大のピンチは 7回。先頭から連打を許し、 2回にソロを浴びた木下拓を迎えた。フォークボールで右飛に仕留め、後続も断った。直後の攻撃で追い付いた。「雨天中止」の影響で先発ローテーションが再編され、約 2週間ぶりのマウンド。「 1回飛んだ悔しい気持ちをぶつける」と強い気持ちを持ち、臨んだ試合で力を発揮した。
阪神先発の秋山拓巳投手=阪神甲子園球場
阪神先発の秋山拓巳投手が意地の粘りを見せた。 2回、木下拓に先制弾を浴びたが、その後は踏ん張る。 7回無無死 1、 2塁。打ち気にはやる 3者を変化球で「フライアウト3本」に料理した。「あそこを 1人で投げきることができた。こういう積み重ねが次につながる」。 4月30日広島戦(甲子園)以来、中12日の先発だったが 7回 1失点の好投。矢野監督も「先取点は取られましたけど、その後、粘ってくれました。最後のピンチも乗り切ってくれた」と評した。
阪神先発の秋山拓巳投手=阪神甲子園球場
阪神先発の秋山拓巳投手が粘って 7回 1失点と好投した。
2回、木下拓に浮いたフォークをとらえられて左翼に先制弾を浴びた。だが、 3回以降は丁寧な投球が光る。勝負どころは 7回だ。無死 1、 2塁で木下拓を浅い右飛、阿部を 1飛、根尾を左飛に封じ込めた。変化球で打ち気をそらす投球術を見せた。「先制点を与えることは避けたかったので、そこは反省点です。ただ、 7回のピンチの場面を粘ることができましたし、そういった粘りの投球を続けることが信頼にもつながってくるので、今後も今日ぐらいの粘りの投球を続けていければと思います」。 4月30日広島戦(甲子園)で今季「3勝」目を挙げて以来、中12日の先発マウンドだった。18年 4月 7日以来、 3年ぶりの「中日戦白星」こそ逃したが、安定感を示した。
8回表中日二死 3塁、岩崎優投手(手前)はガーバー外野手を空振り三振に仕留めグラブをたたき喜ぶ=阪神甲子園球場
阪神のセットアッパー岩崎優投手が薄氷の展開をしのいで今季「初勝利」を挙げた。
同点に追いついた直後の 8回に救援。珍しく制球が乱れ、四球と暴投で無死 2塁に。だが、二死にこぎ着け、ガーバーを 146キロ速球で振り遅れの空振り三振とした。「起こったことは仕方ないので逆にプラスにとらえるくらいで。 2塁打じゃなくて良かった」。お約束の広報コメントの「『0点』で抑えることができてよかったです」はSNSで人気だ。新人時から「8年連続白星」で「リーグトップタイ」の「14ホールドポイント」になった。
中日に勝利し梅野隆太郎捕手(左)と喜び合うスアレス投手=阪神甲子園球場
阪神の「守護神」ロベルト・スアレス投手が盤石の投球で、「リーグ単独トップ」の「10セーブ」目を挙げた。
「それだけチームが勝っている状況で自分の出番が来ているということ。その中で自分の仕事をできている。うれしいし、続けていきたい」。 1点リードの 9回に登板し、強打者のビシエド、高橋周、木下拓を 3人で抑える安定ぶり。「自己最長」の「16試合連続無失点」で圧巻の「防御率0.50」だ。
佐藤輝明内野手のサングラスを試す梅野隆太郎捕手=阪神甲子園球場
梅野隆太郎捕手が13日、「出場選手登録」が 7年に達し、「国内フリーエージェント」(FA権)の資格取得条件を満たした。梅野は「一番は大きなケガもなく強い体に生んで育ててくれた親に感謝しています。周りの方々の支えがあったからこそ、この日を迎えられた」と、感慨深げに話した。
5回裏阪神無死、梅野隆太郎捕手は左前打を放った=阪神甲子園球場
福岡大から13年「ドラフト4位」で阪神に入団し、 1年目の14年から92試合に出場。今季は開幕から「不動の正捕手」として首位を走るチームを支える。この日も 1回に 2盗を狙った京田を強肩「梅ちゃんバズーカ」で刺した。体を張ってワンバウンドを止める高い捕球技術を持ち、球団の捕手では初の「3年連続ゴールデングラブ賞」を受賞中。打撃でも「得点圏打率リーグトップ」の「5割2分」と貢献している。
最後を締めたスアレス投手(左)とタッチを交わす梅野隆太郎捕手=阪神甲子園球場
梅野は「チームが勝つために目の前の1試合を一生懸命頑張っていきたい」と、シーズンに集中するが、今季は年俸 1億1000万円(金額は推定)での単年契約。嶌村聡球団本部長は「必要な戦力。この先もタイガースでやってもらいたい」と話し、前日12日には一足早く「FA権」取得をねぎらい、直接声をかけたという。複数年の提示や宣言残留などについては嶌村本部長は「オフになってから」と話すにとどめた。今オフの動向が注目される。
ウエスタン・リーグ<オリックス 7- 4阪神>◇13日◇オセアンバファローズスタジアム舞洲(略称:オセアンBS)
まさかの大炎上だった。阪神藤浪晋太郎投エスタン・リーグのオリックス戦(オセアンBS)に先発。
5回を投げ「9安打7失点」と打ち込まれた。 2四球に 2暴投と制御できず、自らの失策も重なり、 2軍降格後 3度目の登板は精細を欠いた。
5回は先頭を四球で出すと、連続安打で無死満塁。「3番」来田を投ゴロに仕留めたが、直後に悪夢が待っていた。捕球後ホームへの送球を引っかけ、左に大きくずれる悪送球となり 2点を献上。続く「4番」西野には 149キロ直球を痛打され、左中間へ「2点適時2塁打」を浴びた。
力投する阪神先発の藤浪晋太郎投手=オセアンバファローズスタジアム舞洲
「もう少し変化球の精度が欲しかった」と語った 6日の同中日戦(ナゴヤ)から中 6日の登板だったが、課題は修正しきれなかった。 2回無死 1、 2塁では、「7番」佐藤優の初球で、変化球が高めに大きく抜け暴投。前回は大きな抜け球はなかったが、この日は変化球は抜け、直球は引っかける場面が目立った。
気温25度オーバー暑さの中、腕を振り続けたが結果は振るわず。アピールしたい一戦で、 1軍マウンドが遠のいてしまった。
5回裏オリックス無死満塁、来田の打球を本塁へ悪送球、 2点を追加され悔しがる藤浪晋太郎投手=オセアンバファローズスタジアム舞洲
※ 5月14日の予告先発は、巨人・畠世周投手(26)ー阪神・青柳晃洋投手(27)です。どちらに軍配が上がるか、楽しみですね。勝利を勝ち取れ!
ガンバレ!阪神!我らのタイガース!今季こそ勝利を掴め!待っているのは、「三文字」だけだ!
今の僕たちに一番必要なことは「挑戦すること」だと考えています。
試合結果により評価されがちですが、「エラーをしても前に出る」「打たれても バッターに向かっていく」
そのような姿勢が僕たちのチームの成長には一番必要なことだと考えているので、まずは挑戦する事「挑む」を最初に掲げました。 次に、「超える」ですがこれは「超越する」ことです。
最後に「頂へ」。
これは僕自身が監督に就任してからセ・リーグの順位が3位、2位ととなり、来季 はもちろん「頂」しかありません。
チーム全体として頂点に立つことを意識し、選手・スタッフ含めチーム全体で、 頂点に行ったときにどういう景色があるのか、どういう気持ちになれるのかを考える1年とし、「常にトップに立つ」とういう意識にしていきます。
やはりタイガースファンの大きな後押しも必要です。
このスローガンをもとに共に戦い、頂点に行った景色を一緒に見ましょう。
2021年 オープン戦 最終順位表
2020年 公式戦 順位表
2021年 公式戦 順位表
2021年 公式戦 順位表
2021年 公式戦日程表と結果(04月)
2021年 公式戦日程表と結果(05月)