巨人優勝から一夜明け、 3年ぶり 4度目のＡクラス入りとクライマックスシリーズ(ＣＳ＝10月12日開幕)を進出を確定させた。セでは優勝した巨人に続き、 2チーム目。ヤクルトは 3年ぶりにＢクラス( 4位以下)が確定した。和田豊監督(51)は｢必死さ｣に目を細め、前日に優勝を決めたばかりの巨人を打ち破っての日本シリーズ進出を誓った。
西岡剛内野手(29)が先制点を演出した。 3回二死走者なしから、痛烈な中前打で出塁すると、続く俊介(藤川俊介＝26)の左中間 3塁打で一気にホームを踏んだ。
絶好調のマット・マートン外野手(31)が貴重な 2点目を生んだ。リスタートの一戦でやはり、この男の存在は大きかった。
ランディ・メッセンジャー投手(32)が 3安打無四球完封で、今季 3度目の完封勝利で自身約 1カ月ぶりの12勝目を挙げた。リーグ優勝は逃したが、 3年ぶりとなるＡクラス入りとＣＳ進出を決めた。記事をまとめてみました。
阪神は先発メッセンジャーが 3回までを完全投球。 3回には俊介、マートンの連続適時打で 2点を先制した。
4回から 6回と試合は動かず。阪神メッセンジャーは好投を続け、ここまで許した走者は 4回山田の 1安打のみ。
阪神メッセンジャーはヤクルト打線を寄せ付けず＜阪神 2－ 0ヤクルト＞で、約 1カ月ぶりとなる12勝目を、今季 3度目の完封で決めた。
ヤクルトに勝利しスタンドに向かって手を振る和田豊監督
和田豊監督が｢必死さ｣に目を細めた。 6試合ぶりにスタメン起用した俊介が先制 3塁打を放てば、 5月15日オリックス戦以来の｢ 5番｣に座った新井良太はマルチ安打。定位置奪取に燃える柴田や清水もヒットを打った。
｢ＣＳに向けてメンバー構成もしないといけない。彼らも必死にやっていたね。ない方がいいのは確かだけど、誰かが故障した時には割って入ろうというのもあるだろうしね｣。巨人優勝から一夜明け、 3年ぶり 4度目のＡクラス入りとＣＳを進出を確定させた。セでは優勝した巨人に続き、 2チーム目。ヤクルトは 3年ぶりにＢクラス( 4位以下)が確定した。
仕切り直しの一戦でチームのＣＳ進出が決定。｢全員がもう１度、東京ドームに行って勝負するという気持ちで、新たなスタートを切った｣と、和田監督があらためて巨人への雪辱を誓った。
和田豊監督は前日に優勝を決めたばかりの巨人を打ち破っての日本シリーズ進出を誓った。
3回裏阪神二死、中前打を放った西岡剛内野手
西岡剛内野手が先制点を演出した。 3回二死走者なしから、痛烈な中前打で出塁すると、続く俊介の左中間 3塁打で一気にホームを踏んだ。
｢俊介が積極的に打っていった結果ですから。巨人を倒すとしたら、ＣＳしかない。それに向けて考えていかないと｣と、ＣＳでのＧ倒へと目標を切り替えていた。
｢ 2位(になる)しかないですから。そこはとりにいかなアカン。(初球を打った俊介の)ああいう積極性が出て来れば、勝てる試合もできる｣と振り返った。 4打数 1安打ながら、 3試合連続安打でチームを鼓舞。｢優勝は 100％ないワケですから。巨人を倒すにはＣＳしかない。なんとしても 2位になって、甲子園でＣＳができるようにしたい｣と力強く虎を引っ張る。
3回、二死 1塁からタイムリー 3塁打を放った俊介外野手
快音を残した打球は、左中間に飛んだ。Ｖ逸の虎に、俊介が新たな息吹を注入する先制のタイムリー 3塁打を放った。
｢結果を出さないと後がないんで、結果が出てよかった。しっかりとストレートを打とうと思った｣
0－ 0の 3回二死から西岡が中前打で出塁し、 6試合ぶりのスタメンとなった俊介に打席が回った。ヤクルト先発・村中の初球を強振した。左中間深くで打球を追った中堅・上田と左翼・バレンティンがぶつかり、もたつく間に、西岡が本塁へ生還すると一気に 3塁を陥れた。 8月23日の中日戦(ナゴヤＤ)以来、実に 1カ月ぶりとなる適時打に塁上で安堵(あんど)の表情が浮かんだ。
和田監督は「ＣＳに向けて彼ら(若手)も必死に割り込もうという気持ちでやっている。われわれもメンバー編成を見極めていかないといけない｣と評価。戦力の底上げを目尻を下げて歓迎した。
3回、俊介外野手の打球を追うヤクルト・バレンティン外野手と上田剛史外野手
10月12日から始まるＣＳファーストステージには、右手骨折によりリハビリ中の大和が復帰する見込み。だが、俊介も指をくわえてポジションを渡すつもりはない。
｢(自分は)やるだけなんで。一つのプレーに対して、しっかりと結果がついてくればいい。スタメンでも途中出場でも一つ一つが勝負。準備はできている｣
ポストシーズンの定位置奪取へ、必死のアピールを誓った背番号｢68｣。また新たなサバイバルが始まる。 
3回裏阪神二死 3塁、右前適時安打を放ったマット・マートン外野手
リスタートの一戦でやはり、この男の存在は大きかった。絶好調のマット・マートン外野手が貴重な 2点目を生んだ。ＣＳ進出決定に一役買った。 5戦連続猛打賞の日本タイ記録はお預けとなったが、価値ある快音を響かせた。
マートンは日本記録に届かなかった。前日22日ヤクルト戦で球団新記録となる 4試合連続猛打賞を達成。
この日は 1点リードの 2回二死 3塁から右前適時打を放ち、「何度も同じ球種が続いていたからね。ラッキーなことに打てたよ」とニッコリ。ただ１安打に終わり、 2リーグ分立後の最長記録となる1954年の中日西沢道夫、2003年ダイエー井口資仁の５試合連続猛打賞には届かなかった。
貴重な 2点目をたたき出したマット・マートン外野手。この 5試合は大爆発だ！
｢いいところに落ちてくれて、ラッキーだったよ。打った球は見逃せば、ボール球だったかもしれないけどね｣
乗りに乗っているＭ砲は運さえも味方につけた。 3回だ。二死から西岡、俊介の連打で 1点を先制し、なおも 3塁の好機で打席が回った。気合満々でバッターボックスに入り、カウント 0－ 1からの 2球目に反応した。外角低めに落ちる難しいフォークだったが、初球と同じ球種。残像があった。巧みにバットを合わせると、ふわりと上がった打球は右翼ライン際にポトリと落ちた。祝日のデーゲーム。家族連れが多数かけつけ、 4万1557人を飲み込んだマンモスがドッと沸いた。
和田監督も「 1点はああいう形で取れたが、マートンの 2点目が大きかった｣と賛辞を惜しまなかった。
ハイタッチを交わすマット・マートン外野手とランディ・メッセンジャー投手(左)
希代のヒットメーカーも 4日から17日までの11試合で43打数 8安打 0.186と低迷。スランプに陥っていた。だが、18日の広島戦(マツダ)で 4安打を放ったのを皮切りに、この日を含め、ここ５試合では22打数14安打 0.636の大当たりだ。球団新記録の 4戦連続猛打賞をマークするなど、 3割ジャストまで沈んだ打率は 0.315まで回復した。
安打数もリーグトップの 163本とし、来日 4年目で 3度目の最多安打のタイトルに一直線。試合前には高音質で人気が高く、メジャーでも愛用者の多い、こだわりの「ビーツ・バイ・ドクタードレ｣のイヤホンで洋楽を聞いて、リラックス。オンオフをうまく切り替えて、好結果をもたらしている。
｢同じ球種が続いていたから、ラッキーだったよ｣
クラブハウスに消え入る間際には再び、｢ラッキー｣のフレーズを使って、微笑を浮かべた。マートンが、このまま上昇カーブを描いてＣＳの先にある日本一へ、虎を導く。
お立ち台でトラッキーと仲良くハートマークを作るランディ・メッセンジャー投手
ランディ・メッセンジャー投手が 3安打無四球完封で、今季 3度目の完封勝利で自身約 1カ月ぶりの12勝目を挙げた。リーグ優勝は逃したが、 3年ぶりとなるＡクラス入りとＣＳ進出を決めた。
カーブを効果的に使い、緩急巧みにヤクルト打線を牛耳た。圧巻の投球だった。
3回までは 1人の走者も出さないパーフェクトピッチング。チームが 2点を先取した直後の 4回に山田に初安打を許したものの、全く動じず、 5、 6、 7回を 3者凡退。 8回に 2本目のヒットを許し、 9回は先頭の代打・宮本に右前打を許したが、山田を 3ゴロ併殺、最後は上田を 2ゴロに仕留め、 116球で約 1カ月ぶりの白星を手にした。
今季、ヤクルト戦は 5勝負けなし。本塁打王を独走するバレンティンをわずか 1安打に封じている。｢(バレに打たれてにないのは)攻めている結果。きょうは何としても連敗を止めた勝ったので(勝てて)気持ちいい｣とメッセンジャー。
ランディ・メッセンジャー投手を応援するベネッサ夫人(中)と息子のローム君。ヒーロー賞のトラッキー人形をいつも注文しているそうだが、この日もパパは持って帰ってくれました！！
無四球、 3安打と安定感抜群の投球で、 2点のリードを最後まで守りきった。メッセンジャーは｢自分の仕事を続けていれば、いつかは勝てると思っていました｣とホッとした表情で振り返った。
この勝利でチームのＣＳ進出が決定。助っ人右腕は｢必ず 2位をキープして、プレーオフでは優勝できるよう、自分の仕事を全力でしたい｣と甲子園を埋めたファンに誓った。
ヤクルトは村中が 7回 7７安打 2失点と力投したが、 8敗目。ヤクルトは 3年ぶりにＢクラス( 4位以下)が確定した。
2010年以来 3年ぶり 4度目のＣＳ進出。頼もしい剛腕が、虎をリベンジの舞台へと導いた。
｢自分の仕事をすれば勝ち星がついてくると思っていたよ。早く振ってくれて助かった。要所でいい投球をできた｣
胸を張った。 150キロ超の直球と、低めに鋭く決まる変化球で燕打線を料理した。 3回まで完全、 7回まで 1安打投球。 9回には、先頭の代打・宮本に右前打されたが、後続を斬った。
ランディ・メッセンジャー投手は 3安打完封。 3塁を踏ませぬ快投だった
ベネッサ夫人ら家族が見守る前で 3塁すら踏ませず、今季 3度目の完封を 116球、 3安打無四球で完成させた。ヒーローはニヤリとして振り返った。
｢ブルペンのみんなに『お休みだから』と伝えていた。その通りになってよかった｣
8月25日の中日戦(ナゴヤＤ)以来となる白星で、自己最多タイの12勝目( 7敗)をつかんだ。 6Ｋを奪って今季 171三振とし、 2位・前田健太(広島)と20差に。奪三振王にも“当確ランプ”を灯した。
メッセンジャーには、ＣＳでも能見と両輪を形成することを期待。指揮官の信頼は厚い。
｢ずっといい投球をしている。打線とのかみ合いが悪くて、甲子園でも勝てていなかったんで、ゼロで抑えてくれたのは本当に大きい。きょうの好投は先につながる｣
和田監督(左)に迎えられるランディ・メッセンジャー投手
ファーストステージ 2戦目(10月13日)を託される見込みの剛腕は、過去 2年で 9月に計 5勝している“秋男”。メジャー時代の先輩で、通算 146勝の名投手からの言葉を胸に刻んでいる。
｢メジャーにいたとき、Ａ・Ｊ・バーネット(現パイレーツ)であったり、ベテラン選手に言われたんだ。『大事なのはシーズンをどうフィニッシュするかだ』とね｣
ネット裏からは、ツインズのスカウトが視線を送った。来季の去就にも注目が集まるが、リベンジのＧ倒こそ、目指すべきフィニッシュだ。
｢今までの投球を振り返っても、２点あれば十分だと思っていたよ｣
自信を持つ男がマウンドに君臨し、もう一度夢を見せてくれる。Ｖ逸に落ち込んでいる暇はない。まずはリーグ 2位を確保。ＣＳを勝ち抜いて巨人を撃破。その先には1985年以来の日本一－。もうガッカリさせない。ファンが描くストーリーへ向けて、和田虎が一歩を踏み出した。
阪神先発のランディ・メッセンジャー投手
この日のヤクルト戦を米大リーグ・ツインズの高橋スカウトが視察。メッセンジャーの投球に関しては｢すごく安定している。これまでに勝ち星がついても、おかしくないゲームも多い。きょうは無四球と制球がよく、球数( 116球)も少なかった点は評価できる｣と語った。今季はメジャー複数球団のスカウトが登板日に観戦。今季で契約最終年となる右腕はいぜんとして注目を集めているようだ。
【ＣＳ通算 1勝 6敗、第 1Ｓ突破ゼロ】
◎…阪神の 3位以上が確定。ＣＳへの進出が決定した。ＣＳが2007年に導入されて以降、 3年ぶり 4度目の進出。
◎…2007年(レギュラーシーズン 3位)は第 1ステージで中日と対戦し連敗し敗退。2008年(同 2位)も第 1ステージで中日と対戦。 1勝 2敗で敗れた。2010年はファーストステージ(同 2位)で巨人と対戦したが、連敗して敗退。通算でも 1勝 6敗で、まだ一度も勝ち上がったことがない。
今頃意地になって燕軍団に向かっても無駄は無駄だが、鯉に 2位を渡す事はできない。
ここまで来たのだから、本当に一丸になって｢日本一｣を目指して進んで欲しいですね。
ガンバレ！阪神！我らのタイガース！勝利を掴め！
2013.09.23 勝敗表
日程と結果 9月
日程と結果10月
日刊スポーツは、 9月 7日に今季限りでの引退を表明した桧山進次郎外野手の引退特集号(タブロイド判オールカラー24ページ、定価 300円)を緊急発売した。
タテジマ一筋22年。虎党から愛され続けた男の軌跡を記した永久保存版です。近畿 2府 4県のＡＳＡ(朝日新聞販売所)、キヨスク、地下鉄、私鉄主要売店、コンビニエンスストア(一部地域を除く)などでお買い求めください。
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▽価格1000円(税込み)
▽発売場所＝関西地区のキヨスク・地下鉄・私鉄駅売店、コンビニ、主要書店、産経新聞販売店、タイガースショップ(阪神百貨店 8Ｆ、岡山店)。一部地域は遅れます。
▽全国の阪神タイガースショップでも販売しています。
▽郵送希望＝現金書留で1080円(送料込み)を〒556－8662 大阪市浪速区湊町２－１－５７
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