楽天初Ｖ！仙さん男にした！楽天・ＡＪ満塁一掃のＶ打！マー君、連続Ｋ斬りで締めた！

　楽天は26日、西武22回戦(西武ドーム)に＜楽天 4－ 3西武＞で勝利。今季34度目の逆転勝ちでの栄冠だ。 2位ロッテが北海道日本ハムに敗れたため、球団創設 9年目で初優勝を決めた。
開幕22連勝のエース、田中将大投手(24)が、 1点リードの 9回から抑えとして登板。 4年ぶりのセーブをあげた。
　アンドリュー・ジョーンズ外野手(36＝前ヤンキース)が、7回、二死満塁でジョーンズが右中間に走者一掃の 2塁打を放ち、一振りでＶ打をたたき出した。記録ラッシュのシーズンで、世界規格の足跡を残した。開幕から22連勝、昨年 8月26日から続く連勝も｢26｣として、“ 2つの世界記録”を樹立した。
　初代選手会長・礒部公一氏(39＝現楽天 2軍外野守備走塁コーチ)は、歓喜の瞬間を待ちわびていた。2004年の球界再編問題で近鉄とオリックスが合併。近鉄の選手会長だった礒部は分配ドラフトで楽天へ。当初は苦労の連続だった。
　楽天・星野仙一監督(66)は、勝因を問われると全選手の頑張りを挙げ、チームの全員をねぎらった。楽天の三木谷オーナーは球場で初優勝を見届けた。記事をまとめてみました。



　楽天は26日、西武22回戦(西武ドーム)に＜楽天 4－ 3西武＞で勝利。今季34度目の逆転勝ちでの栄冠だ。 2位ロッテが北海道日本ハムに敗れたため、球団創設 9年目で初優勝を決めた。
　開幕22連勝のエース、田中将大投手が、 1点リードの 9回から抑えとして登板。一死 2、 3塁のピンチを招いたが、 2者連続三振に斬って、 4年ぶりのセーブをあげた。楽天は日本シリーズ進出を懸けて10月17日からのクライマックスシリーズ・ファイナルステージ(Ｋスタ宮城)で、ファーストステージ勝者と対戦する。


　優勝し、胴上げされ宙に舞った星野監督

　一振りで決めた！　Ｖ打をたたき出したのはアンドリュー・ジョーンズ外野手だった。 2点ビハインドの 7回、二死満塁でジョーンズが右中間に走者一掃の 2塁打を放った。メジャー 434発男が魅せた意地の一打。｢日本に骨を埋める｣思いでチームを覚醒させたバリバリの大リーガーが初優勝の立役者となった。
　ギリギリの状況でメジャー 434発男の集中力が爆発した。 2点ビハインドの 7回二死満塁。ボールカウント 2－ 1。ジョーンズが外角真っすぐに踏み込んだ。抜群のバットコントロールで放たれた打球は右中間を真っ二つ。 3人の走者が次々と生還した。
　｢それまでのチャンスで打てていなかったけど、あのときは相手投手のボールをしっかりと打てた。キャンプからこのチームは特別だと思っていたよ｣


　胴上げされた星野監督は選手たちの手で 7度、宙に舞った

　ジョーンズがチームを変えた。いや、マギーを加えた助っ人 2人がチームを覚醒させた。
　 2人の加入は星野監督の執念だった。昨オフ、三木谷オーナーと会談。指揮官は外国人獲得について｢安物買いの銭失いはやめましょう｣と直訴した。それまで球団は補強に積極的とはいえなかった。日本に適応しそうな外国人選手がいても予算の枠を超えていると交渉すらしなかった。｢教えてやらんと。教育ですよ｣。ジョーンズと強打者マギーの大型補強は、指揮官が球団フロントに意識改革を促した結果だった。
　さらに、指揮官は日本式“野球”を叩き込んだ。｢アメリカではコーチが選手に教えることはあまりない。だがこのチームはマイナーなんだ。 3Ａ、下手したら 2Ａのレベル。だから、教えないとダメなんだ。だからお前らも従ってほしい｣。ジョーンズとマギーは即答した。｢わかった｣と。
　ジョーンズは星野監督とのコミュニケーションも大切にした。｢僕はパズルの中のピースにすぎない。全てがかみ合って、ここまでこられたと思う｣。試合中も攻撃だけでなく、守備位置の助言を送ることもあった。闘将のイメージは自身がかつて在籍した米大リーグ、ブレーブスのボビー・コックス監督に重ね合わせた。星野監督の退場回数が 4、 5回と聞くや、｢コックスは 100回以上、退場しているよ｣。試合後には指揮官と熱い抱擁を交わした。“野球”に正面から対峙(たいじ)し、選手とも笑顔で触れ合った。他球団の外国人選手が｢格が違い過ぎる｣と敬遠するほどの実績の持ち主がみせた“裸の付き合い”だった。
　｢(星野監督は)グレートガイだ。普通にプレーさせてくれた。最初のゴールはリーグ優勝。第一段階をクリアしたので、(プレーオフも)勝って、次のシーズンを目指したい｣と
ジョーンズ。 2人とも名門・ヤンキース出身だけにリーグ制覇で満足するはずはない。見据えるのは、星野監督にとっても初の日本一。 2人のずぶとい腕でもう一度、指揮官を胴上げする。

アンドリュー・ジョーンズ(Ａｎｄｒｕｗ　Ｊｏｎｅｓ)
　1977年 4月23日生まれ、36歳。オランダ・キュラソー出身。1993年にブレーブスに入団し、2005年に51本塁打、 128打点で 2冠。ドジャースなどを経て、今季から楽天でプレー。メジャー通算成績は2196試合に出場、打率 0.254、1933安打、 434本塁打、1289打点。今季は 134試合、打率 0.243、25本塁打、87打点(26日現在)。 1メートル85、 101キロ。右投げ右打ち。年俸 2億5000万円。背番号25。

　絶対エースが、胴上げ投手になった！！
　両腕を高く、突き上げ、マウンド上でほえた。渾身のガッツポーズ。絶対エースの田中が、最後を締めくくり、いつもは冷静な剛腕がまくしたてた。
　｢引いたら負け。ピンチを招いたけど、これを乗り越えて優勝しろと言われているのかと思った。自分で自分を盛り上げた｣
　 1点リードの 9回先頭の鬼崎に内野安打を許し、ヘルマンに四球を与えた。片岡の送りバントで一死 2、 3塁のピンチを招いたが、ここからが田中の真骨頂だ。栗山、浅村を連続三振。栗山には 152キロ、 151キロ、 152キロの外角速球を 3球続け、バットを振らせずに、見逃し三振に仕留める。 4番・浅村も 150キロ台の速球で押しまくり、最後はこの日最速の 153キロで空振り三振に斬った。


　マー君ガッツポーズ　やったぞ！！ 9回、抑えとしてピンチを乗り切った田中将大投手は優勝の瞬間、両腕でガッツポーズ

　胴上げ投手はマー君で－。星野監督の粋な計らいで、2009年 7月20日のソフトバンク戦(当時ヤフードーム)以来となる救援登板。 5回に 1塁側ブルペンに移動すると、 7回と 8回にも肩をつくって臨戦態勢に入っていた。
　｢自然と放っておいても気持ちが入るので、入れ込みすぎないように意識した。すごくいい場面で投げられて、すごく最高です｣
　記録ラッシュのシーズンで、世界規格の足跡を残した。開幕から22連勝、昨年 8月26日から続く連勝も｢26｣として、“ 2つの世界記録”を樹立。神様・稲尾和久(西鉄)をも超えて、2008年に岩隈久志(マリナーズ)が記録した球団記録のシーズン21勝も塗り替えた。


　ナンバーワン！楽天の選手たちは、田中将大投手を中心にナンバーワンポーズ

　記録だけではない。チームも成長させた。田中の登板日には野手が打つ。星野監督はこう証言する。｢背中でナインを引っ張ったり、ものを言える投手はなかなかいない。あいつ(田中)がそうだ｣。テンポのいい投球で、野手に安心感とともに負けられないという緊張感も与えた。
　投手陣のよき手本にもなった。 7月、ドラフト 2位・則本昂大投手(22＝三重中京大學)がＫＯされ、ショックを受けていると見るや、屋台に誘い、｢気持ちの切り替え｣などを伝授。立ち直った則本は、14勝( 7敗)に到達した。
　強靭(きょうじん)な体の源は徹底した自己管理だ。結婚する以前から、自身で食材を買い求め、試合後、料理をつくった。栄養のバランスを考えて、豆腐と野菜をふんだんに取り入れた。
　｢プロ入りしてすぐに、肉ならカルビのように油分の多い物はやめて、ロースや鶏肉を食べるように意識しました｣


　 9回から抑えとして登板した田中将大投手

　野球への探求心が強く、研究熱心。今季はツーシームを多投した。ルーツは少年時代にさかのぼる。自分の部屋で、白球の握りを変えながら質の高い球の研究に没頭した。父・博さん(49)は｢自分で考え、工夫するようになった。プレーを見ていてもそうだし、しぐさや表情でも分かりました｣。誰よりも野球が好きだった少年が、高校時代に甲子園を制し、そして、プロでパの頂点に立った。
　｢これで終わりではない。優勝はできてよかったけど、これからが本当の勝負です｣
　楽天を球団初のリーグ優勝に導いたＭＶＰ確実のエースは、日本一へ向けて牙を研いでいる。
　｢球団創設からいらっしゃる人の思いもあると思うし、今シーズン始まる前では誰も優勝なんて思っていなかったと思うので、いい意味で期待を裏切れてうれしい｣と感慨深い様子で歓喜の瞬間を振り返った。


　笑顔で抱き合う楽天・田中将大投手とケーシー・マギー内野手

　開幕22連勝中の楽天・田中将大投手が 9回に登板し＜西武 3－ 4楽天＞で、今季初救援で 4年ぶりとなる通算 3セーブ目を挙げた。
　投手の連続勝利は負けが付かない限り中断されない。セーブや引き分けが入っても継続されるため、連勝記録はまだ続いている。
　胴上げ投手となった田中は｢最高です。あの場面は自然と(気持ちが)入ると思うので、入れ込みすぎないように気を付けた。いろんなことを想定してマウンドに上がれたが、緊張した。これで終わりじゃない。ここからが本当の勝負｣と気を引き締め直していた。


　美酒に酔う田中将大投手

　初代選手会長・礒部公一氏は、歓喜の瞬間を待ちわびていた。
　｢新規参入から 9年後の優勝は早いと思う。戦力が整い、米国で実績のあるＡＪ(ジョーンズ)と西武で優勝を経験した稼頭央(松井)のベテランに若手が融合した｣
　2004年の球界再編問題で近鉄とオリックスが合併。近鉄の選手会長だった礒部は分配ドラフトで楽天へ。当初は苦労の連続だった。
　｢春のキャンプは久米島で 1、 2軍合同。それも突貫工事で造られた球場でした。オープン戦の期間中は本拠地(当時フルスタ宮城)が工事中で、地元(仙台)に帰って来られなかった。開幕してからも、室内練習場がないからブルペンで打撃練習をしていました｣


　 7回、ジョーンズ外野手の適時打で生還した銀次内野手

　当時31歳。｢年上に我が強い人が多かった｣というが、選手と球団のパイプ役となった。ただ、試合では現実を見せつけられた。 3月27日、開幕 2戦目のロッテ戦(当時千葉マリン)で 0－26の歴史的大敗を喫した。
　｢寄せ集めのチーム。苦労はすると思っていたけど…。屈辱的でした｣
　自身も開幕から 5試合で17打席無安打。それでも 6戦目の 4月 1日、本拠地開幕となった西武戦の 1回に中越えへチーム 1号を放った。


　球団の第 1号本塁打を打った礒部公一氏。当時、新チームの選手会長として首脳陣と選手とのパイプ役を果たした

　｢田尾さんが『本拠地の最初の打席に立たせてあげたい』と配慮してくれて。自分でも持っているなと思いましたよ｣
　その後、2006－09年は野村克也氏(サンケイスポーツ専属評論家)が指揮を執り、礒部は『ノムラの考え』が楽天を変えたと強調する。
　｢春のキャンプ中は毎晩、ミーティング。『野村野球は準備野球』とおっしゃっていました。ミスの少ない考える野球になったと思います｣
　2009年は 2位。着実に力をつけ、今季は優勝。銀次や枡田らの生え抜きも台頭した。だが、満足はしていない。
　｢優勝が 5年や10年に 1度ではなく、巨人のような常勝軍団を目指さないと。ファンも強いチームにひかれますから｣

　楽天・星野仙一監督(66)は、勝因を問われると全選手の頑張りを挙げた。
　最初に｢やはり田中の連勝｣と22連勝のエースを挙げた。だが｢しっかり守って、しっかり点を取った。楽天の投手といえば田中になるが、田中だけじゃなく、みんながしっかり守って、しっかり投げてくれました｣と続け、チームの全員をねぎらった。
　楽天の三木谷オーナーは球場で初優勝を見届けた。
　｢うれしいね。皆さんがやってくれたので感謝です｣と笑顔で話した。
　2004年の球界再編騒動の中、プロ野球への新規参入を表明して球団を創設した。
　｢最初の出だしを考えるといろいろなことがあったし、感無量だね｣と感慨深そうだった。


　仙さんビールかけ　星野監督(右)に完全武装した(？)田中将大投手がビールをジャブジャブ。史上最大級5000本が一瞬で泡となった

　楽天は26日、2005年の球団創設以来、初めてリーグ優勝を果たした。就任 3年目でチームを優勝に導いた星野仙一監督は選手たちの手で 7度、宙に舞った。同監督自身、中日、阪神に続く 3球団で、 4度目のリーグ制覇。試合後、星野監督は2011年の東日本大震災を振り返り、｢東北の皆さんと一緒にあきらめないで戦ってきた。これからも一つ一つ、皆さんと歩んでいきたい｣と語った。
　歴史的な瞬間が訪れた。球団初優勝。敵地だが、喜びは変わらない。 2万7869人の大観衆が見守る中、星野監督が 7度、宙に舞った。優勝インタビューでは、右翼席に陣取ったイヌワシ党に声を張り上げた。
　｢これは本当かな。ほっぺをつねりたい。まだ信じられない。宙に舞って、みんながやってくれたんだなと思った｣


　号泣する嶋基宏捕手を抱き締める星野監督(左)

　大一番にふさわしい粋な演出だった。先発・美馬－ハウザーとつないだ後、仙台出身の斎藤を投入。抑えは、エース田中だ。今季の功労者、開幕から22連勝中の絶対エースに、リーグ初制覇の瞬間をプレゼントした。
　自身 4度目の美酒は別格だ。楽天の監督に就任し、契約最終年の３年目。Ｂクラスが指定席のイヌワシ軍団を、リーグ初制覇に導いた。
　｢東日本大震災から東北の皆さんの苦労を少しでも和らげようとやってきた。楽天の歴史に 1ページをきちっと記してくれた｣
　春季キャンプ前夜のミーティング。｢クライマックスシリーズに出場できなかったら腹を切る｣と全選手の前で覚悟を決めた。エース田中ら 3選手が開幕直前までワールド・ベースボール・クラシック出場で不在。オープン戦では｢主力がいないから負けて当然という奴がおる。バカヤロー！　昔だったらぶん殴ったわ｣と怒鳴りつけ、チームを闘う集団に変えた。
　シーズンに入ると｢わしは『情』の采配や。非情の方やで｣。 8月 4日の北海道日本ハム戦。先発した戸村を 4回 3失点(結果14－ 4で大勝)で降板させるなど、勝負師に徹した。もっとも、精彩を欠いても 2度目のチャンスは与える。若手選手は｢怒られるけどその中に愛情を感じた｣と口をそろえた。闘将流の人心掌握術だ。


　これは正夢か。星野監督はお立ち台で自らの頬をつねった。もちろん、正夢です

　優勝を捧げたい生涯の盟友がいた。過去 3度の優勝を果たした際に参謀役を務めた故・島野育夫さん(享年63)だ。2007年12月15日、日本代表監督と阪神シニアディレクターを兼任していた星野監督は、｢いま思えば虫の知らせだったのかな｣。多忙な中、兵庫・西宮市内の入院先の病院に足を運んだ。
　枕元には島野さんと闘将のツーショット写真が飾られていた。ベッドの中の島野さんは｢本当は 1度だけ監督をやりたかった…｣と声を振り絞る。星野監督は｢元気になったら俺がやらしたる。やったらええんや、島ちゃん！｣。島野さんはその日のうちに天国へ旅立った。今年で亡くなって 6年。｢また墓参りにいくわ｣と目を赤らめる。今でも心の支えだ。
　東日本大震災の被災者のためにも前を向いた。震災直後、野球を続けることで被災者を勇気づけられるという指揮官と、仙台に家族を残して不安な選手との間に溝が生じた。そんな中、仙台から選手の家族をバスで、宿舎ホテルのある新横浜まで呼び寄せるよう、球団に提案し実行させた。
　いばらの道を乗り越えて、監督就任 3年目で球団初のリーグ優勝を達成。悲願の日本一へ－。星野監督は、その時まで歩を止めることはない。

　もう｢落ちこぼれ球団｣と言う人はいないだろう。今から 8年前に、近鉄のエースだった岩隈久志投手(32歳＝マリナーズ)や小池秀郎投手(44歳＝2005年シーズンオフに楽天を解雇。芸能事務所トゥルーマサに所属。NOMOベースボールクラブの理事)を除けば｢戦力外通告｣を受けたり、1軍の試合に滅多に出られない 1軍以下の選手がメインだった球団がここまで成長したのだ。
　そう言えば、我が母校亜細亜大學出身で阪神から移籍した沖原佳典内野手(41歳＝2008年戦力外通告で現役引退。引退後は楽天の球団職員、2012年10月から楽天 2軍打撃コーチに就任)もいましたね。
　田中投手は今まで｢第 2の(岩)隈｣と言われたが、これからは完全に｢第 1の田中｣と言えるところまで成長してきた。実に良いことだ。
　とにかく、リーグ優勝おめでとうございます。この次は、ＣＳでシードではあるが｢日本一｣を目指していって欲しいですね。






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