●鳥谷敬内野手(35)が野手キャプテンという肩書を返上する考えを持っていることが17日、分かった。チームの超変革、そして来季12年ぶりのV奪回を成し遂げられるのならば、2012年から 5年間付けてきた「C」マークを外すこともいとわない。再起を期す背番号「1」の覚悟は、想像以上に重い。2010年から球団選手会長を 2年間務め、2012年からの 5年間はキャプテンの肩書を背負ってきた。今季終盤、鳥谷が人知れず胸中を明かしたことがある。今季は連続フルイニング出場が止まり、聖域といえた遊撃レギュラーの座を北條に明け渡した。来季は遊撃はもちろん、 3塁、 2塁も含めて再び主戦場を奪い取らなければならない立場。そんな状況でCマークを付けてはいけないと鳥谷が考えるのは、ごくごく自然な流れなのかもしれない。14年目となる来季は泥臭く、どん底からはい上がる決意だ。シーズン終了後は兵庫県内でトレーニング施設がある自宅を中心に、黙々と2017年に向けた準備を進めているもよう。背番号「1」の逆襲に注目したくなる。
●大和内野手(28)が18日、甲子園で行われた秋季練習で左打ちを披露した。午後から行われた特打に参加。フリー打撃では屋外で初となる左打席に立った。秋季練習初日から室内で取り組んでおり、ライナー性の当たりを連発させた。スイッチヒッターの本格挑戦を意気込んだ。来季、プロ12年目の守備職人がレギュラー再奪取に向けた課題の打力向上へ、新境地を切り開く。ペナントレース終了後に首脳陣に両打ち転向を打診され、即断。 9日の秋季練習初日から室内練習場で試行錯誤した。この日は屋外での特打で報道陣に左打席を初披露。69スイングでサク越えはなかったものの、何度もライナー性の打球を放った。2014年にゴールデングラブ賞を獲得した球界屈指の名手だが、打撃向上は長年のテーマだ。もう中堅選手の域に入った。守備の人では終われない。大和が“超変革”の秋にする。
●藤浪晋太郎投手(22)が18日、11月にメキシコ、オランダ相手に計 4試合行われる侍ジャパン強化試合(10~13日、東京ドーム)のメンバーに選出された。2017年 3月に開催されるWBCに向けて重要なアピール舞台。この日は兵庫・西宮市内の鳴尾浜球場で秋季練習に参加し、「何も考えず、一生懸命やるだけです」と力を込めた。金本知憲監督(48)は一流投手からのエキス吸収を厳命し、この日、現役引退を表明した広島・黒田博樹投手(41)のような日本のエースに成長することを期待した。発表されたメンバーには同級生の北海道日本ハム・大谷を筆頭に今季リーグ最優秀防御率(2.01)の巨人・菅野智之投手(27)もいる。だが、それ以上に最多勝(16)と最多勝率( 0.842)の野村祐輔投手(27)や中崎翔太投手(24)、菊池涼介内野手(26)、鈴木誠也外野手(22)といった“黒田魂”を濃密に受け継ぐ赤ヘル戦士たちがいる。25年ぶりのリーグ制覇を成し遂げ、日本シリーズに進出した男たちを見て、言葉を交わし、スピリットを吸収すれば、何倍も成長できるはずだ。今季の不振の原因をフォームのバランスの悪さに求め、秋季練習ではキャッチボールから矯正中。 1クールで 2度以上ブルペン入りして、フォーム固めに努めている。強化試合では「オープン戦ではないので確認じゃなく、しっかり投げていきたい」と結果を出すつもり。そこに黒田魂が加われば-。日本のエースを目指し、藤浪が第一歩を踏み出す。
●18日宮崎市生目の杜運動公園アイビースタジアムでみやざきフェニックス・リーグ・巨人-阪神が行われ、望月惇志投手(19)が18日、宮崎フェニックス・リーグの巨人戦(アイビー)に先発し、 8回 7安打 2失点。掛布雅之 2軍監督(61)は初めて「開幕 1軍」を明言し、ハッパをかけた。今季最終戦の巨人戦( 1日、甲子園)で 1軍デビューしたが、来季は最初から先発ローテで-。それほどのほれ込みようだ。夏が戻ってきたようなジメジメとした蒸し暑さに包まれたアイビースタジアム。望月は汗を流しながら、巨人打線を相手に投げ込んだ。 1メートル88の長身から 150キロ超の速球を投げるスケールの大きさで 1、 2軍両指揮官が「将来のエース候補」と口をそろえる逸材。 2軍の将は来季は 1軍の戦力になってくれれば-とは、何度も口にしてきた。だが、そこに『開幕』がつき、目標に掲げたのは初めてだ。来季の先発ローテにはメッセンジャー、藤浪、岩貞の主力勢に能見、青柳、秋山らも候補。20日のドラフト会議では桜美林大學・佐々木千隼投手( 4年=日野高校)か創価大學・田中正義投手( 4年=創価高校)を 1位指名して、即戦力の先発を獲りにいく。競争相手は多いが、割って入らなければならない。望月自身もそれは十分に理解している。次回登板はリーグ最終戦となる24日のDeNA戦(生目の杜運動公園第二野球場)。好調を維持して秋季キャンプでアピールすれば、来春の 1軍キャンプスタートがグッと近づく。開幕ローテ入りは、夢じゃない。もう、自らの力で引き寄せられるところにある。
●掛布 2軍監督が、来季 3年目を迎える左腕横山雄哉投手(22)に辛口エールを送った。2014年ドラフト 1位左腕は、期待を込めてオフの台湾ウインター・リーグに派遣される見込み。ドラ 1左腕の台湾派遣といえば、今季10勝を挙げてブレークした岩貞祐太投手(25)と同じ道。みやざきフェニックス・リーグがオフだったこの日、若虎たちは宮崎アイビースタジアムの室内練習場で汗を流した。横山は明日19日DeNA戦(ひむか)に登板して帰阪する予定。厳しい言葉を胸に、 1歩ずつ階段を上る。
●阪神が、20日に迫るドラフト会議で 1位指名が競合した場合のくじ引き役を金本知憲監督に託すことが17日、分かった。 1位筆頭候補として桜美林大學・佐々木千隼投手と創価大學・田中正義投手を挙げるが、両者とも他球団との競合は必至。昨秋ドラフトでヤクルトと競合して高山を引き当てた指揮官の強運にかける。周囲が指揮官の勝負強さにすがるのも無理はない。昨秋は監督就任後、初めて臨んだドラフト会議で、明治大學・高山俊外野手を 1位指名。ヤクルトと一騎打ちになり、真中監督とくじで対決した。今年は有力選手が乱立するため、動向を読みづらく意中の候補を射止めるのは困難を極める。それだけに、まさに神様、仏様、金本様の強運にあやかりたい。さあ“恋人”を振り向かせられるか。金本監督の引き寄せる力が注目される。記事をまとめてみました。
主将返上、覚悟! 鳥谷敬内野手が野手キャプテンという肩書を返上する考えを持っていることが17日、分かった。チームの超変革、そして来季12年ぶりのV奪回を成し遂げられるのならば、2012年から 5年間付けてきた「C」マークを外すこともいとわない。再起を期す背番号「1」の覚悟は、想像以上に重い。
ここ 1、 2年の話ではない。鳥谷にはずっと葛藤があったのだろう。猛虎は2005年以来、もう11年間もリーグ制覇から遠ざかる。超変革を進めるチーム状況の中、自分はどうあるべきなのか…。悩み抜いた末、現在、野手キャプテンが「C」マークを返上する覚悟を胸に秘めていることが関係者の話から判明した。
2010年から球団選手会長を 2年間務め、2012年からの 5年間はキャプテンの肩書を背負ってきた。今季終盤、鳥谷が人知れず胸中を明かしたことがある。「自分がキャプテンになってから 1回も優勝できていないのは紛れもない事実。自分はキャプテンとして、ふさわしくないんだと思う」。V逸の責任を痛感して、表情を曇らせていた。
鳥谷敬内野手のユニホームにあるキャプテンマークの「C」=阪神甲子園球場
以前から、主将という立場については譲れない持論を持っていた。「キャプテンはレギュラーで毎日フィールドに立ち続ける人が務めるべき役割だと思う」。
今季は連続フルイニング出場が止まり、聖域といえた遊撃レギュラーの座を北條に明け渡した。シーズン終了後には「もう自分はレギュラーじゃない」と言い切った。来季は遊撃はもちろん、 3塁、 2塁も含めて再び主戦場を奪い取らなければならない立場。そんな状況でCマークを付けてはいけないと鳥谷が考えるのは、ごくごく自然な流れなのかもしれない。
もちろん、最終的な判断は金本監督が下すことになる。指揮官は 5日、坂井オーナーにシーズン終了報告を行った直後、鳥谷の野手キャプテン継続について「まだ決めていない」と明言を避けた。前日16日の秋季練習後も「(決めるのは)今からです」と話すにとどめている。今後、指揮官と鳥谷が直接話をして方向性を定めていくとみられる。
14年目となる来季は泥臭く、どん底からはい上がる決意だ。シーズン終了後は兵庫県内でトレーニング施設がある自宅を中心に、黙々と2017年に向けた準備を進めているもよう。背番号「1」の逆襲に注目したくなる。
<阪神鳥谷の16年>
◆ 3月25日:開幕戦中日戦に「6番・遊撃」で出場も 4打数無安打。
◆ 4月 2日:開幕から不振が続く。DeNA戦で26打席ぶり安打の先制 2点打。
◆ 4月10日:広島戦で 9年ぶり 2番でマルチ安打。
◆ 4月19日:ヤクルト戦で 8年ぶり 5番。 8回に決勝適時打。
◆ 4月22日:広島戦で今季 1号。 1試合 6打点。
◆ 5月15日:田淵を超える阪神歴代 7位の 736打点。
◆ 5月17日:中日戦の同点 9回に落球。金本監督「あり得ない」。
◆ 5月21日:広島戦で 7年ぶりに 8番。 2塁打と犠飛。
◆ 6月24日:自己ワーストの28打席連続無安打だったが、広島戦で安打。
◆ 7月 8日:吉田義男に並ぶ球団最多 900得点。
◆ 7月13日:ヤクルト戦で今季初のバントのサインに成功させる。
◆ 7月24日:スタメンから外れ連続フルイニング出場は 667試合でストップ。
◆ 8月 3日:DeNA戦で 9試合ぶりスタメン復帰し猛打賞。
◆ 8月 7日:今季初の 3塁打。球団単独 5位となる45本目。
◆ 8月17日:広島戦で右腕、福井が先発もスタメン落ち。
◆ 9月 3日:DeNA戦で12年ぶり三塁守備。「6番・3塁」で先発。
◆ 9月 8日:巨人戦で球団 2位タイの通算1864安打。
◆ 9月11日:12年連続 100安打をマーク。藤田平、和田豊に並ぶ球団最長。
◆ 9月18日:金本監督が来季の起用法について「一からじゃない? やっぱり」。
◆10月 1日:チームの全日程終了。連続試合出場は継続し、1752試合まで伸ばす。今季はプロ入り後最低打率の 2割 3分 6厘、 7本塁打、36打点にとどまった。
左打席に入り特打を行う大和内野手=阪神甲子園球場
大和が両打ち挑戦で出場機会アップを狙う! 大和内野手が18日、甲子園で行われた秋季練習で左打ちを披露した。
午後から行われた特打に参加。フリー打撃では屋外で初となる左打席に立った。秋季練習初日から室内で取り組んでおり、ライナー性の当たりを連発させた。
「とりあえず空振りしなかったんでよかったです。(オフは)振り込みしかないです。ほぼ初めてだからイメージがないっす」と苦笑いだった。
大和内野手は左打席に入ってスイッチヒッターに挑戦。オッ、なかなかエエやんか=阪神甲子園球場
阪神秋季練習(18日、甲子園)大和外野手が18日、秋季練習が行われた甲子園の特打で左打席に立ち、スイッチヒッターの本格挑戦を意気込んだ。来季、プロ12年目の守備職人がレギュラー再奪取に向けた課題の打力向上へ、新境地を切り開く。
なりふり構っていられない。来年30歳シーズンに臨む大和が覚悟を決めた。中学時代以来のスイッチヒッターに挑戦だ。
「この年齢で(両打ちに挑戦する人)はあまりいないと思いますが。何がきっかけでチャンスが生まれるかわからない」
大和内野手は従来の右打席でも練習しました。こちらは違和感ないですね=阪神甲子園球場
ペナントレース終了後に首脳陣に両打ち転向を打診され、即断。 9日の秋季練習初日から室内練習場で試行錯誤した。この日は屋外での特打で報道陣に左打席を初披露。69スイングでサク越えはなかったものの、何度もライナー性の打球を放った。「空振りしなくてよかった。悪くはなかった」と汗をぬぐった。
2014年にゴールデングラブ賞を獲得した球界屈指の名手だが、打撃向上は長年のテーマだ。今季は 111試合で打率 0.231、 1本塁打、20打点。出塁率も 0.270だ。加えて対右投手には打率 0.191( 136打数26安打)と苦しんだ。
左打席で打つ、大和内野手(後ろは金本知憲監督)=阪神甲子園球場
片岡打撃コーチは「右投手の外角スライダーが課題だった」と指摘して「(左打ちで)本塁打を打つわけじゃない。ゴロを打てれば。(オフに) 1年間分、振るつもりでやってほしい」と奮起を促した。
左打ちに活路を見いだせれば、一気に弱点を克服できる。2012年から 3年連続 2桁盗塁をマークした俊足の持ち主。 1塁に近い左打席なら内野安打が増え、出塁率が上がれば盗塁技術を発揮する機会も増える。金本阪神 1年目は横田、江越というスピードのある選手が 2軍落ちすると機動力野球が実現できず、リーグワーストの59盗塁に沈んだ。そんなチームの問題解消にもつながる。
「振り込みしかないです」
もう中堅選手の域に入った。守備の人では終われない。大和が“超変革”の秋にする。
投手練習でノックを受ける藤浪晋太郎投手は軽快に駆けだす=阪神鳴尾浜球場
藤浪晋太郎投手が18日、11月にメキシコ、オランダ相手に計 4試合行われる侍ジャパン強化試合(10~13日、東京ドーム)のメンバーに選出された。
2017年 3月に開催されるWBCに向けて重要なアピール舞台。この日は兵庫・西宮市内の鳴尾浜球場で秋季練習に参加し、「何も考えず、自分のプレーを出し切るだけ。一生懸命やるだけです」と力を込めた。
藤浪晋太郎投手は秋季練習でノックを受ける。侍ジャパンでは赤ヘル戦士から黒田魂を吸収する=阪神鳴尾浜球場
野球日本代表「侍ジャパン」の強化試合(11月10、11日=メキシコ戦、12、13日=オランダ戦、いずれも東京D)のメンバーが18日、発表された。阪神では藤浪晋太郎投手が唯一、選出。金本知憲監督は一流投手からのエキス吸収を厳命し、この日、現役引退を表明した広島・黒田博樹投手のような日本のエースに成長することを期待した。
広島のリーグ優勝に貢献した黒田が、今季限りでの引退を表明した。かつてカープで 6年間をともに過ごした金本監督は驚きをもって受け止め「年々、たくましくなっていった。本当に手本になる投手」とたたえた。
金本知憲監督も藤浪が黒田のような大投手になることを願っている=阪神甲子園球場
そして今、目の前にはいずれ黒田のように日本を代表するエースになってほしい投手がいる。藤浪だ。この日、侍ジャパンのメンバーが発表され、阪神から唯一、選出された。今季、自己ワーストの 7勝(111敗)に終わった22歳には、単に復調するだけでなく、もっと大きな存在になってほしい。だからこそ、ハッパをかけた。
「いい投手からいろいろ吸収してこないと。投げ方とか練習方法とか野球に取り組む姿勢とか、いっぱいある。そういう機会にしてほしい」
発表されたメンバーには同級生の北海道日本ハム・大谷を筆頭に今季リーグ最優秀防御率(2.01)の巨人・菅野もいる。だが、それ以上に最多勝(16)と最多勝率( 0.842)の野村や中崎、菊池、鈴木といった“黒田魂”を濃密に受け継ぐ赤ヘル戦士たちがいる。25年ぶりのリーグ制覇を成し遂げ、日本シリーズに進出した男たちを見て、言葉を交わし、スピリットを吸収すれば、何倍も成長できるはずだ。
引退を表明した広島・黒田博樹投手=広島市内
それはもちろん、藤浪も承知。招集通知が届いた直後、金本監督に「一流選手の集まりなので、一流投手のいろいろな話を聞きたいです」と決意表明した。どん欲に吸収して、練習して、強くなる。その姿勢は黒田に通じるものがある。
実際、黒田から日本を背負って立つエースになるために“手ほどき”を受けたことがある。2015年 4月25日の広島戦(マツダ)で乱闘寸前となったが、 2日後に「次に対戦したときは思い切って腕を振って投げてくればいい」。上宮高校、専修大学でもプロが注目するような投手ではなかった。だが、藤浪は大阪桐蔭高校時代から全国的なスター。萎縮するなよ-。黒田の男気に、確かに触れていた。
サッパリとした表情で引退会見の質問に答える黒田博樹投手=広島市内
本人にも、もっと大きな存在にならなければいけないという自覚は十分にある。「日本を代表する選手が集まるので、いろいろなことを聞いていきたい。学べるチャンスなので、いろいろ経験したい」と目を輝かせた。
今季の不振の原因をフォームのバランスの悪さに求め、秋季練習ではキャッチボールから矯正中。 1クールで 2度以上ブルペン入りして、フォーム固めに努めている。強化試合では「オープン戦ではないので確認じゃなく、しっかり投げていきたい」と結果を出すつもり。そこに黒田魂が加われば-。日本のエースを目指し、藤浪が第一歩を踏み出す。
阪神・藤浪晋太郎投手に詰め寄る広島・黒田博樹投手=2015年 4月25日の広島戦(マツダ)
★藤浪と黒田の乱闘寸前VTR
2015年 4月25日の広島戦(マツダ)。 2回一死 1塁、バントの構えの黒田に対し、藤浪の 2球目は顔の近くを通過。続く 3球目も胸元を通過した。尻もちをついた黒田は起き上がって「おいっ」とすごみ、マウンドに詰め寄った。両軍のベンチから首脳陣と選手が飛び出して乱闘寸前に。黒田は「 1球なら我慢できるが 2球続くとね。自分の体は自分で守る。ヘラヘラしていると、チームに影響する」と憤慨しつつも「きょうはきょうで終わったこと。いい投手。お互いその 1試合、年齢に関係なく戦っている」と水に流す姿勢も見せた。
みやざきフェニックス・リーグ<巨人 2- 1阪神>◇18日◇宮崎市生目の杜運動公園アイビースタジアム
大推挙や! 望月惇志投手が18日、宮崎フェニックス・リーグの巨人戦(アイビー)に先発し、 8回 7安打 2失点。掛布雅之 2軍監督(61)は初めて「開幕 1軍」を明言し、ハッパをかけた。今季最終戦の巨人戦( 1日、甲子園)で 1軍デビューしたが、来季は最初から先発ローテで-。それほどのほれ込みようだ。
夏が戻ってきたようなジメジメとした蒸し暑さに包まれたアイビースタジアム。望月は汗を流しながら、巨人打線を相手に投げ込んだ。敗戦投手になったものの、 8回 7安打 2失点。もう首脳陣がイニングを加減する存在ではない。掛布 2軍監督も力強くうなずいた。
「これからもっと上を目指さないといけない。開幕 1軍ぐらいの気持ちでやっていかないとね。来年に向けて、本人も(金本)監督も楽しみにしているだろうし」
望月惇志投手はフェニックス・リーグで力投する。掛布 2軍監督もついに“開幕1軍”を口にした=宮崎市生目の杜運動公園アイビースタジアム
1メートル88の長身から 150キロ超の速球を投げるスケールの大きさで 1、 2軍両指揮官が「将来のエース候補」と口をそろえる逸材。 2軍の将は来季は 1軍の戦力になってくれれば-とは、何度も口にしてきた。だが、そこに『開幕』がつき、目標に掲げたのは初めてだ。
ここまで成長してきたからこそ“大推挙”できる。相手打線には立岡や橋本到ら 1軍クラスの選手もいて 7安打を浴びたが、 2失点に食い止めた。打線の援護に恵まれずに黒星がついたものの、この秋に取り組んでいる直球の精度向上については成果を見せた。最速 150キロを軸にテンポよく投げ込み、これで宮崎では 3試合で20イニングを投げて防御率1.35と抜群の安定感。将は、早くも 1軍での登板を視野に入れて話を進める。
「 1軍では、勝敗に対するプレッシャーも背負わなければいけない。そういう意味では、このレベルで投げられなければね。最低限だよ」
掛布雅之 2軍監督は望月に高いハードルを掲げた。それができる素質の持ち主と見ている=宮崎市生目の杜運動公園アイビースタジアム
来季の先発ローテにはメッセンジャー、藤浪、岩貞の主力勢に能見、青柳、秋山らも候補。20日のドラフト会議では佐々木千隼投手(桜美林大學)か田中正義投手(創価大學)を 1位指名して、即戦力の先発を獲りにいく。競争相手は多いが、割って入らなければならない。望月自身もそれは十分に理解している。
「(開幕 1軍は)今、一番近い目標でもありますし、意識している部分ではあります。(シーズンの)最後に投げさせてもらって、雰囲気も味わえました。それをムダにせず(経験を)いかしてやっていきたいです」
次回登板はリーグ最終戦となる24日のDeNA戦(生目第二)。好調を維持して秋季キャンプでアピールすれば、来春の 1軍キャンプスタートがグッと近づく。開幕ローテ入りは、夢じゃない。もう、自らの力で引き寄せられるところにある。
岩貞ロードは甘くない!? 掛布 2軍監督が、来季 3年目を迎える左腕横山に辛口エールを送った。2014年ドラフト 1位左腕は、期待を込めてオフの台湾ウインター・リーグに派遣される見込み。ドラ 1左腕の台湾派遣といえば、今季10勝を挙げてブレークした岩貞と同じ道。横山も「(岩貞を意識することは)間違いない。 2桁勝利も」と本音を明かした。
ところがミスタータイガースは甘くないとクギを刺す。「彼の場合はやらなければいけないことがたくさんある。階段がたくさんある。まずは肩の状態。投げるだけじゃなく日頃のケアとかトレーニングとか」。今季はプロ初勝利を含む 2勝を挙げたが、左肩痛を訴えて離脱。マイナスからの出発であることを強調した。
19日DeNA戦に先発予定の横山雄哉投手
現時点で台湾には横山、青柳、石崎の3投手に加え、野手では 2年連続となる横田、ルーキー坂本も派遣見込み。指揮官は横山に「投手の中でトップの成績を残すとか…」と明確な目標を持てと助言する。
みやざきフェニックス・リーグがオフだったこの日、若虎たちは宮崎アイビースタジアムの室内練習場で汗を流した。横山は明日19日DeNA戦(ひむか)に登板して帰阪する予定。厳しい言葉を胸に、 1歩ずつ階段を上る。
阪神が、20日に迫るドラフト会議で 1位指名が競合した場合のくじ引き役を金本知憲監督に託すことが17日、分かった。 1位筆頭候補として桜美林大學・佐々木千隼投手( 4年=日野高校)と創価大學・田中正義投手( 4年=創価高校)を挙げるが、両者とも他球団との競合は必至。昨秋ドラフトでヤクルトと競合して高山を引き当てた指揮官の強運にかける。
チームの命運を握るのは今年も金本監督の強運だ。 2日後に迫るドラフト会議で抽選になれば、金本監督がくじを引く方針であることが分かった。指揮官自身は「今年はくじ運が悪いから、あまり行きたくない」と苦笑い。だが、この日、金本監督に託すのか問われた四藤球団社長は「そら、そうやろう。(意中の選手を)引っ張ってきてもらわないと」と語気を強め、期待を寄せた。
周囲が指揮官の勝負強さにすがるのも無理はない。昨秋は監督就任後、初めて臨んだドラフト会議で、明大・高山を 1位指名。ヤクルトと一騎打ちになり、真中監督とくじで対決した。開封した瞬間、真中監督が雄たけびを上げてガッツポーズしたため、金本監督はくじを見ずに苦笑いで引き揚げた。だが、これは真中監督の早とちり。「交渉権確定」の当たりくじを引き寄せたのは金本監督だった。
2015年10月22日、明治大學・高山俊を 1位指名し抽選箱に手を入れる金本知憲監督。右はヤクルト真中満監督
笑顔で「まさにビデオ判定の逆転ホームラン。本当は自分で開いて、見て、よし、と喜びたかったんですけど」と声を上ずらせたのは、ちょうど 1年前だ。左手を箱の中に突っ込んで、手前にあった封筒を 1度はつかんだが、思い直して奥の方を取った。高山は 1年目から即戦力の働き。自らたぐり寄せた縁があった。ただ今度こそ、スッキリ喜びたい。今年もまた、ドラマを再現できるか注目だ。
本番は刻一刻と迫る。金本監督は戦略について「分からん。正直、迷ってるところもある。スカウトがリストアップしてる中で状況を見ながら、将来性とかもね」と話す。 1位指名の最右翼に挙げるのは競合が確実視される桜美林大・佐々木と創価大・田中だ。情報収集で指名球団数を想定し、二者択一の最終判断をする方向だという。前日19日の公表についても「秘密(笑い)。発表するかもしれないし、社長が言うかもしれないし」と指揮官。直前まで吟味するスタンスを示した。
今年は有力選手が乱立するため、動向を読みづらく意中の候補を射止めるのは困難を極める。それだけに、まさに神様、仏様、金本様の強運にあやかりたい。さあ“恋人”を振り向かせられるか。金本監督の引き寄せる力が注目される。
ドラフトまで時間がなくなって来た!来シーズンは、全員野球でファン皆が待ち望む「二文字」に向かって進め! ガンバレ!阪神!我らのタイガース!勝利を掴め!
2016年 公式戦順位表
2016年 フェニックスリーグ試合日程
※阪神タイガース公式スマホ携帯サイト
◇公式戦全試合実況速報 公式戦全試合をテキスト速報!タイガース迂遠実況で応援気分を盛り上げます。ほかにも対戦中の選手の成績が」一目で分かる「観戦モード」も必見!
◇現場からお届け!トラ番LIVEニュース 主催試合時は、現場から直接ニュースを配信! タイガース情報をどこよりもはやく、そうして細やかに。「生」の情報もお届けします!!
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