11日東京ドームで巨人－阪神10回戦が行われ、原辰徳監督(55)は 6回に内野を 5人にする“奇策”ともいえるシフトを敷いたが、阪神は 7回にゴメスの 2ラン、 8回梅野、 9回上本のソロなどでダメ押し。 7年ぶりの 8連勝で、｢単独２位｣に浮上した。
8回には巨人阿部慎之助捕手(35)が、審判員への暴力行為でプロ14年目でプロ入り初の退場処分を受けた。
マット・マートン外野手(32)が 1回二死 1、 2塁の好機で打席を迎え、巨人先発大竹が投じた低めスライダーをとらえ貴重な先制打を放った。
絶好調のキャプテンがＧ倒に貢献した。鳥谷敬内野手(33)は 3安打 1打点。 6回無死 1塁から好機を拡大する中前打を放つと、 7回には右前へ。 9回には左前に適時打を放った。
西岡剛内野手(29)が 4－ 2とした 6回一死 2、 3塁で代打として登場。左横手の青木に対してカウント 2－ 2となった 4球目の直後、巨人は左翼亀井を 3遊間へ移動させた巨人の奇策を打ち破った。
和田豊監督(51)が、 2点リードの 6回一死 2、 3塁で代打西岡を起用。巨人は左翼亀井を 3遊間に置き、中堅松本哲を左中間、右翼長野を右中間にシフトしたが、打球は誰もいない中堅に落ち 2点 2塁打の西岡に目を細めた。
東京ドームに｢グラシアス(ありがとう)！！｣。独特のアッパースイングでとらえた打球は、虎党が陣取る左中間スタンドに着弾した。 2戦連発のマウロ・ゴメス内野手(29)が“ごっつあんです”と手刀を切った。
ドラフト 4位梅野隆太郎捕手(23)が、 8回に福岡工業大學城東高校の先輩・巨人笠原の 7球目を左翼スタンドに 6号ソロを放ち、ルーキーらしからぬ離れ業をみせた。
ランディ・メッセンジャー投手(32)が東京ドームで 4年ぶりとなる勝利を挙げた。
白球が力なく遊撃方向に飛ぶのを確認すると、メッセンジャーは両手で打球を指さした。 8－ 3の 7回二死 1、 2塁のピンチを脱し、ど派手にグラブをたたく。役割は果たした。記事をまとめてみました。
＜巨人 5－12阪神＞◇11日◇東京ドーム◇10回戦
巨人先発は大竹、阪神はメッセンジャー。序盤から点の取り合いとなり、 3回までに両軍ともに 4安打、 2点。
阪神は 6回、ゴメス、マートンの連続適時打で 2点。大竹をＫＯした。代打西岡も 2点適時 2塁打を放ち、一気に突き放した。
原辰徳監督は 6回に内野を 5人にする“奇策”ともいえるシフトを敷いたが、代打・西岡の飛球は無人の中堅定位置付近に落ちる 2点適時 2塁打になった。 8回には阿部が審判員への暴力行為でプロ14年目で初の退場処分を受けた。打つ手がうまくいかず、選手の不満も募る展開。後味が悪い敗戦になった。
阪神は、 7回にゴメスの 2ラン、 8回梅野、 9回上本のソロなどでダメ押し。 7年ぶりの 8連勝で、｢単独２位｣に浮上した。
アウトの判定で審判に向かっていった阿部慎之助捕手
巨人阿部慎之助捕手が、プロ入り初の退場処分を受けた。 8回の打席で 2塁へのゴロを放った際、 1塁でのクロスプレーをアウトと判定されたことを不服とし、 1塁塁審の笠原審判員を押した。暴力行為により退場となった。
試合後、阿部は｢人間がやることだから間違いもある。でも俺が退場とみなされる行為をしてしまったのは反省｣と冷静に話した。
1回表阪神二死 1、 2塁、ママット・マートン外野手は先制の中前適時打を放った
マット・マートン外野手が貴重な先制打を放った。
1回二死 1、 2塁の好機で打席を迎え、巨人先発大竹が投じた低めスライダーをとらえた。ライナーで中前に運ぶ先制適時打を｢前を打つみんなが先制の場面を整えてくれたし、とにかく自分としては二塁走者の大和をホームへかえすことだけを考えていた。真ん中あたりに来たスライダーを逃さず、スムーズに打ち返せたよ｣と振り返った。 7月は好調で、 6試合連続安打に延ばした。
絶好調のキャプテンがＧ倒に貢献した。鳥谷敬内野手は 3安打 1打点。 6回無死 1塁から好機を拡大する中前打を放つと、 7回には右前へ。 9回には左前に適時打を放った。｢点数は何点あってもいいので｣。今季10度目、通算 108度目の猛打賞。球団歴代 5位の今岡誠まであと｢３｣とした。 6日のＤｅＮＡ戦(横浜)から 4試合連続安打中で、 7月は33打数で16安打 8打点、打率 0.485。暑い夏に入り、クールな男のバットが止まらない。
6回表、代打・西岡剛内野手の時、外野亀井を 3遊間に置き内野を 5名体制にした巨人
西岡剛内野手が巨人の奇策を打ち破った。 4－ 2とした 6回一死 2、 3塁で代打として登場。左横手の青木に対してカウント 2－ 2となった 4球目の直後、巨人は左翼亀井を 3遊間へ移動させた。
内野を 5人で守り、中堅松本哲が左中間、右翼長野が右中間の外野 2人制。巨人が敷いた｢内野 5人、外野 2人｣のシフトをあざ笑うように、外野の中央を破る 2点 2塁打を放った。 6球目の直球をたたくと、打球は本来の中堅手の定位置付近への飛球がポトリと落ちた。点差を｢４｣へ広げる、貴重な 2点 2塁打となり｢気持ちだけで打ちました。これからがスタートだと思っています｣とコメントした。
西岡にとって東京ドームは、開幕 3戦目の 3月30日に打球を追って交錯して肋骨(ろっこつ)骨折などの重傷を負った東京ドーム以来のプレーだった。 7月負けなしで 6月17日以来の｢２位｣に浮上した！
巨人の奇策シフトを打破。代打・西岡剛内野手はがら空きのセンターへ打球を飛ばした
103日前に、かろうじて動いた左腕。今度は高く、力強く上がった。左翼席へ感謝を込めたガッツポーズ。思い切り握った拳をゆっくり、時間をかけて掲げた。あの場所、東京ドームで、西岡が復活を告げた。
｢一番の味方でいてくれた阪神ファンの方に感謝しています｣
6回に 2点を勝ち越して一死 2、 3塁。大歓声を背に代打で登場した。カウント 2－ 2。巨人・原監督が動いた。左翼の亀井が内野用グラブに持ち替えて 3遊間へ。内野は５人、外野は右中間と左中間に 2人だけ。これ以上の失点を防ごうと、異例のシフトで守りにきた。
｢変わったポジションだけど、気にせずに無心でバットを振りました｣
2点 2塁打を放ち、西岡剛内野手は 2塁上でガッツポーズした
西岡の執念は巨人を上回った。打球はがら空きになっていた外野の中央へ。本来なら余裕で中堅手の守備範囲だったが、白球は人工芝に弾み、宿敵の勝負手を破る 2点 2塁打になった。復帰後16打席目での初打点。 3塁の守備についた背番号｢７｣は、｢西岡コール｣に深々と頭を下げた。
｢巨人ファンも支えてくれた。阪神ファンのみならず、プロ野球ファンに感謝しています｣
3月30日に、この球場で意識を失った。救急車で搬送される直前、両軍ファンの声援で体が少しだけ動いた。担架の上で力を振り絞ってあげた左手。｢帰ってくる｣という約束を果たした。
脳しんとう、鼻骨や左右の肋骨を骨折…。｢生きててよかった｣と語る重傷だった。ベッドに体を固定されて何もできなかった。そこで弱みを見せないのが西岡剛だ。
ヒーローインタビューの西岡剛内野手
当日に見舞った今成と大和を前に、動かない体を起こした。｢なにしてるんや、早く帰れ。新幹線なくなるぞ｣。大阪に転院後も呉昇桓を笑顔で迎えた。｢帰ってよ。俺も早く帰るから｣。選手生命の危機－。自分では絶対に口にしなかった。
復帰後も、春季キャンプで悩んだ右肘痛が再発した。こっそり痛み止めの注射を打って、因縁の場所に立った結果、神様は印象的なストーリーを用意していた。千両役者の復活で、ナインも勢いを増す。2007年以来の 8連勝で、 2位に浮上して首位巨人と 3.5差。和田監督は｢ゲーム差や順位は別にして、とにかく一戦一戦という気持ち｣と、明日を見た。ヒーローも同じだ。
｢まだ 1本。でも結果を求められる場面で打てて、うれしい。これからもそういう場面に遭遇する。そこで結果を出せる選手であり続けたい｣
12日はスタメン復帰も濃厚だ。勝負はこれから。スターの復帰あいさつと同時に、虎の逆襲が加速する。
大勝しで 8連勝とし、西岡剛内野手(手前左)を迎える和田豊監督(左)
和田豊監督が、 2点 2塁打の西岡に目を細めた。 2点リードの 6回一死 2、 3塁で代打起用。巨人は左翼亀井を 3遊間に置き、中堅松本哲を左中間、右翼長野を右中間にシフトしたが、打球は誰もいない中堅に落ちた。
｢チャンスでセンターオーバーというか、センターがいなかったけど。あの 2点 2塁打が流れを持ってきた。引っ張りに入らない打ち方して、まだ打席数は少ないかもしれないけど、周りがよく見えている。剛らしい打撃だった｣。2007年以来となる 8連勝で 2位浮上させた殊勲者をたたえた。
7回表、 2点本塁打を放ち今成亮太内野手(左)とパフォーマンスを決めたマウロ・ゴメス内野手
東京ドームに｢グラシアス(ありがとう)！！｣。独特のアッパースイングでとらえた打球は、虎党が陣取る左中間スタンドに着弾した。 2戦連発のマウロ・ゴメス内野手が“ごっつあんです”と手刀を切った。
｢打った瞬間はどうかな、と思ったが東京ドームに感謝だよ｣
6－ 2の 7回、巨人 3番手・土田の真っすぐがど真ん中にきた。もじゃもじゃのひげに埋もれそうな目がキラリと光る。逃すはずもない。一閃－。貴重な中押し弾となる16号 2ランをたたき込んだ。
2－ 2で迎えた 6回には 3塁手・村田のグラブをはじいて左前へ運ぶ勝ち越しタイムリー。 4回にも右前打を放っており、 3安打に 2四球と全打席出塁の大暴れとなった。無敗街道をひた走る 7月の 8試合はこれで29打数13安打、打率 0.448、 4本塁打と手がつけられない。 2位浮上のチームの爆進撃を支えている。
7回、マウロ・ゴメス内野手が16号 2ラン。試合の大勢を決める一発となった
Ｇ砲自身も支えを得た。 7日に来日したばかりの妻子とともに、前日10日に東京入り。きらびやかな日本の首都で、家族水入らずのディナーを楽しんだ。「日に日に大きくなっている。自分に似てきたと思うよ。目元のあたりとかがね｣と溺愛する長女が生後５カ月と小さいため、球場での観戦はかなわないが｢ホテルのテレビで見ているんだ｣と発奮。モニター越しに特大のアイ・ラブ・ユーを届けたパパ砲は口元を緩ませた。
この 8試合で11打点の荒稼ぎ。71打点まで伸ばし、トップのエルドレッド(広島)にあと 4打点に迫る猛打を見せている。勝利打点も｢７｣とリーグトップに 1差に迫る活躍だ。
｢相手どうこうよりも自分のベストを尽くすだけだ｣
『対巨人』にも固執はしない。 4番がやるべきことを十分に自覚している。打席上のこわもてを見ただけで、相手投手は逃げ出したくなる心境だろう。それほどＧ砲の勢いと威圧感はすさまじい。
8回表、梅野隆太郎捕手は左越え本塁打を放った
ドラフト 4位梅野隆太郎捕手が、 8回に 6号ソロを放ち、ルーキーらしからぬ離れ業をみせた。
福岡工業大學城東高校の先輩・巨人笠原の 7球目を左翼スタンドに運んだ。｢打ったときは良い感触はあった。先輩だけに力が入りました｣と喜んだ。
8－ 3の 8回二死走者なしだ。ファウルで粘ったフルカウントからの７球目だった。甘く入ったフォークを見逃さず強振。打球は一直線に虎党の待つ左翼スタンドに突き刺さった。
7月に入り 8試合で 4本塁打。 8連勝のチームとともに、梅野の勢いも止まらない。
その裏に巨人が 1点、 9回にまた 1点と加点したことを考えると貴重な一打。これまでパンチ力のある打撃で虎ファンを魅了してきた。 4月27日のＤｅＮＡ戦(横浜)のプロ初本塁打からこの日の巨人まで必死にバット振った。その結果、セリーグ全 5球団から本塁打を放った男になった。シーズン序盤は代打要員だったが、いまやセ界の投手たちを警戒させる要注意人物になった。
スタンドの虎党も大喜びだ！
特別な感情を持って打席に立った。相手投手は福岡工業大學城東高校で 1学年上だった笠原。バッテリーを組んだこともあり、プロ入り後も連絡を取り合っているという仲だ。 3月10日のオープン戦(伊勢)では捕邪飛に打ち取られており、恩返しの機会を虎視眈々と狙っていた。
｢先輩だったので、力が入りました。オープン戦のときはやられていたので｣
課題の守備でも成長をみせた。先発のメッセンジャーをしっかりとリード。結成時はサインに首を振られて動揺していたものの、 6度目のコンビで 7勝目に導いた。伸び盛りの梅ちゃんは｢良い感触｣をそのままにＧ倒に全力を尽くす。
試合後、梅野隆太郎捕手(左)とハイタッチするランディ・メッセンジャー投手
ランディ・メッセンジャー投手が東京ドームで 4年ぶりとなる勝利を挙げた。
白球が力なく遊撃方向に飛ぶのを確認すると、メッセンジャーは両手で打球を指さした。 8－ 3の 7回二死 1、 2塁のピンチを脱し、ど派手にグラブをたたく。役割は果たした。猛虎打線にも助けられ、つかんだ今季 7勝目( 7敗)。虎の歴史に名を刻んだ。
2回に阿部、 7回に長野と 2本のソロを浴びたが、 7回 3失点と踏ん張って 7勝目。｢援護してくれた野手の皆さんに感謝したい。この球場での勝利は意識していたよ。きょうも 2球、ホームランされたように、少し間違えたら本塁打になってしまうけど、びびったら野球にならないから。強い気持ちで向かっていった｣。鬼気迫るマウンド上とは違い、試合後は穏やかな表情を浮かべた。打線が爆発し、16安打で12得点。大量の援護点をもらい、なんとか試合をつくってみせた。チームを支える大黒柱がきっちりと仕事をした。
ランディ・メッセンジャー投手は 7回 3失点でまとめ、巨人戦は今季｢３勝目｣だ！
1－ 0の 1回に村田に同点打、 2回には阿部のソロと序盤に失点を重ねたが、尻上がりに調子を上げた。 7回には先頭の長野にも中堅右へ一発を浴びるが、 7回を 8安打 3失点。狭い東京ドームで粘り続け、2010年 8月 4日の巨人戦以来、 4年ぶりに宿敵の本拠地で白星を挙げた。
Ｇ斬りで日本球界の通算勝利数は｢４６｣。並んでいたキーオを抜き、球団の歴代助っ人では単独 2位となった。｢それだけチームに貢献しているのは自分としてもうれしい。最高の気分です｣と笑顔を見せた。
心強い“仲間”も増えた。前日10日、ローリングスジャパン合同会社が、右腕と今季の日本でのアドバイザリースタッフ契約を結んだことを発表。米国時代から愛用し続けてきたグラブのサポートが強化された。同社の関係者は｢『アメリカのときからなじみのある形で』と要望を受けています｣と説明。万全のバックアップ体制が、好投の支えになっている。
｢ジャイアンツや強いチームに勝たないとリーグでは上にいけない。これからもチームの勝利に貢献していきたい｣
メッセンジャーは力を込めた。信頼できるチームメート、そして、一緒に戦ってきた相棒とともに、この先も勝ち星を量産していく。
【データＢＯＸ】
◎…阪神は和田監督(2012年から)就任後、初の｢８連勝｣。球団での 8連勝以上は2007年 8月30日～ 9月 9日の｢１０連勝｣以来。球団記録は1937年、1946年の14連勝。プロ野球記録は1954年南海、1960年大毎の18連勝。
◎…阪神の｢２位｣は 6月17日以来、24日ぶり。このときは首位巨人に 4.5ゲーム差の単独 2位だった。貯金｢６｣は 5月27日(28８勝22敗)以来、45日ぶり。
◎…阪神は16安打12得点で快勝。 2桁安打＆ 2桁得点は 7月 6日のＤｅＮＡ戦(横浜)の17安打＆12得点以来、 3試合ぶり。
◎… 2桁安打は今季31度目。同最多は20安打で、 2度記録。 2桁得点は 9度目で、同最多は15。
◎…梅野が今季 6号本塁打。阪神の新人がシーズンで 6本以上の本塁打を放ったのは、1980年の岡田彰布(18本)以来34年ぶり。最多は1969年田淵幸一の22本。
◎…梅野は初本塁打が 4月27日のＤｅＮＡ戦。その後、中日、ヤクルト、広島に続いて巨人戦でも本塁打を放ち、対戦するセ・リーグ全球団から本塁打を記録した。
Ｇ党の人にはザンネンな試合でしたね。敗因は、メッセンジャーに対して大竹を投入した事。それと、前日が休みになった球団に対して当日の午前中に沖縄発の飛行機で帰ってきた事が有る。これらが重なっての敗因だと言えるだろ。
しかし、オールスターまでには 2位に帰るのだ！という気持ちが、虎を頑張らせているのは事実だろう。このままで行けば、首位奪還も夢では無くなってくる。
今日(12日)は、Ｇ軍の負け試合を見るために虎ちゃんも現場に行ってきます。
ガンバレ！阪神！我らのタイガース！勝利を掴め！
2014年 公式戦勝敗表
日程と結果 7月
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阪神 7年ぶり 8連勝で単独 2位浮上！マートン先制打！西岡が内野 5人シフト打ち破る 2点打！
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