6日甲子園でオープン戦：阪神－西武が行われ、藤浪晋太郎投手(20)が 6日の西武戦(甲子園)で中継ぎ登板し、大阪桐蔭の 1学年後輩である西武森友哉捕手(19)プロ初対戦。森を圧倒した。進化を確認した和田豊監督(52)は大台の 160キロ到達に太鼓判を押した。｢ファンサービス…とまではいきませんが、梅野さんの計らいでしょう｣。ベンチに戻る森は思わず、藤浪とのすれ違い際｢球、速いわ｣と叫び、脱帽していた。梅野隆太郎捕手(23)が藤浪の剛球に脱帽だ。 7回一死走者なしの場面でマウンド上の藤浪が大阪桐蔭の後輩・西武森を迎えた。マスクをかぶる梅野はオール直球勝負を選択。結果的に 3球連続の 157キロで左飛に打ち取った。
阪神の開幕投手に内定しているランディ・メッセンジャー投手(33)が先発し、貫禄の投球だ。この日は変化球を多投。 3月27日の開幕中日戦(京セラドーム大阪)での開幕投手が決定的だが｢シーズンに向けての準備さ。それだけだよ｣と自然体だった。来日してから登板時に噛みたばこを必ず使用していたが、今年に入ってやめたという。
阪神の新 1番打者、鳥谷敬内野手(33)が止まらない。 1回は右前で出塁すると、 2番上本とランエンドヒットを決めて 3塁へ。内野ゴロの間にホーム生還した。
巧みなバットコントロールでおもしろいように快音を響かせた。上本博紀内野手(28)が 4安打 2盗塁の大ハッスル。絶好調男のプレーに最強の 2番打者誕生を予感させた。
3回一死 2塁。 2ストライクと追い込まれたが、 2番手岩尾の甘い 128キロスライダーを見逃さない。マウロ・ゴメス内野手(30)の打球はあっという間に左越えへのタイムリー 2塁打となった。記事をまとめてみました。
![2015.03.06 試合結果]()
＜オープン戦：阪神 4－ 0西武＞◇ 6日◇甲子園
藤浪晋太郎投手が 6日の西武戦(甲子園)で中継ぎ登板し、大阪桐蔭の 1学年後輩である西武森友哉捕手プロ初対戦。森を圧倒した。
7回一死走者なしでプロ初対戦。初球はボール気味の内角 153キロで豪快な空振りを奪うと、 2球目からは 3球連続で自己最速タイの 157キロを記録。空振り、ファウルの後、左飛に打ち取った。
計 4球すべてが直球。｢全球ストレートは梅さん(梅野)の計らいかな、と。真っすぐで押そうとしっかり腕を振りました。打たれたら何を言われるか分からないんで｣と冗談交じりにニッコリ。 3回で 3三振を奪い、先輩の貫禄を示した。 2安打無四球で無失点と調整は順調だ。
進化を確認した和田豊監督は大台の 160キロ到達に太鼓判を押した。
![西武森友哉捕手を左飛とした藤浪晋太郎投手]()
7回表西武一死、藤浪晋太郎投手は西武森友哉捕手への 4球目に 157キロで左飛とした＝西宮市阪神甲子園球場
ファンはこんなしびれる戦いを待っていた。 1球 1球に聖地がどよめく。注目を集めた藤浪ｖｓ森は、先輩に軍配が上がった。プロ入り後初めて実現した大阪桐蔭高バッテリー対決。オール直球で後輩をねじ伏せた藤浪は誇らしげだった。
｢打たれると(森に)何を言われるかわからないので、しっかり打ち取れてよかった。ランナーがいなかったので、余裕がありました｣
そのときは七回に訪れた。一死後、背番号｢１９｣の目の色が一瞬で変わった。打席にはかつての女房役。高校 3年時、ともにこの甲子園で春夏連覇を達成し、マウンドで抱き合った 1年後輩と相対した。
![自己最速タイの１５７キロを投げた藤浪晋太郎投手]()
後輩森に対して、自己最速タイの 157キロを 3球連続で投げた藤浪晋太郎投手。先輩の貫禄を見せつけた＝西宮市阪神甲子園球場
5135人の観客が固唾をのんで見守る。視線が 2人に集まり、まるでこの勝負のためだけにステージが用意されたようだった。注目の初球。 153キロの直球にフルスイングした森のバットは空を切った。ここから藤浪のギアは一気にトップへ。真ん中低めの 2球目で空振りを奪うと、内角の 3球目はファウル。そして、最後は真ん中高めで左飛に打ち取った。甲子園のスコアボードは 3球すべて自己最速タイとなる｢ 157キロ｣を表示していた。先輩のプライドを懸けたオール直球勝負。
｢ファンサービス…とまではいきませんが、梅野さんの計らいでしょう｣。ベンチに戻る森は思わず、藤浪とのすれ違い際｢球、速いわ｣と叫び、脱帽していた。
2年前のドラフト会議では森の阪神入りを熱望していた。再びバッテリーを組む夢は叶わなかったが、思い出の甲子園で“ショータイム”を演じた。｢力強いスイングだった。これからも頑張ってほしい｣とエールを送った。
![西武森友哉捕手に対する藤浪晋太郎投手]()
7回西武森友哉捕手に対する藤浪晋太郎投手の 3球目 ファール＝西宮市阪神甲子園球場
6回から 3イニングを投げたこの日は、 2安打しか許さず、 150キロを超える直球を連発。｢今まで10割で投げていたのを 8割の力で投げられている。軽い力で全力の球に近づいている｣。理想としている“脱力投法”にまた一歩前進した。この日の森の打席のように、大事な場面で力を入れれば、さらに球速がアップすることを証明。和田監督は｢まだまだ速くなる｣とキッパリ。 160キロの大台に向け｢近い将来、いけるんちゃう？ これだけ冷えて(気温 8度)いても 157キロが出るんだから。伸びしろという点ではまだまだある｣と太鼓判を押した。
もっとも藤浪は｢球速にこだわっていない。もっと低めに集めて、精度高く、投げられるようにしたい｣と話した。 2月28日のオリックスとの練習試合(安芸)の 5回無失点に続き、この日も３回０封。それでも、まだまだ満足していない。 3年目を迎えた20歳は、どこまでも進化していく。
梅野隆太郎捕手が藤浪の剛球に脱帽だ。
7回一死走者なしの場面でマウンド上の藤浪が大阪桐蔭の後輩・西武森を迎えた。マスクをかぶる梅野はオール直球勝負を選択。結果的に 3球連続の 157キロで左飛に打ち取った。事前の打ち合わせなしだったが、藤浪のギアチェンジを感じて対戦前から配球を決めていたという。｢あれはもう、ここで変化球じゃないだろうと。真っすぐがすごく良かった。 157キロを捕ることで必死でしたよ。びっくりしました｣と笑顔で振り返った。
![阪神先発のランディ・メッセンジャー投手]()
阪神先発のランディ・メッセンジャー投手＝西宮市阪神甲子園球場
阪神の開幕投手に内定しているランディ・メッセンジャー投手が先発し、貫禄の投球だ。この日は変化球を多投。
2回は連打で無死 1、 2塁のピンチを招いたが、坂田をフォークで空振り三振に抑えた。二死後には森を内角低めカーブで空を切らせ、窮地をしのいだ。
寒い天候だったが、 4回無失点。｢宜野座のＤｅＮＡ戦( 2月24日)は真っすぐ主体だったからね。あの試合、変化球が良くなかった。変化球を多めに投げたかったんだ｣と振り返った。
3月27日の開幕中日戦(京セラドーム大阪)での開幕投手が決定的だが｢シーズンに向けての準備さ。それだけだよ｣と自然体だった。
![ランディ・メッセンジャー投手]()
4回無失点のランディ・メッセンジャー投手。開幕投手に内定している右腕は“禁煙投法”で視界良好＝西宮市阪神甲子園球場
開幕投手に内定している男は心配とは無縁だ。オープン戦初登板を 4回 2安打無失点にまとめた。ただ、ひとつ変わったことがあるとすれば、マウンド上でのいで立ち。いつも、下唇の付近にあった膨らみが消えた。家族思いのメッセンジャーはガムを噛んで、レオ打線を封じた。
｢前回投げたときよりも、よかった。前は直球主体で変化球がよくなかったから、きょうは多めに変化球を投げたよ｣
2月24日のＤｅＮＡとの練習試合(宜野座)は反省の弁が目立ったが、この日は一定の満足感はあった様子。 2回無死 1、 2塁のピンチも動じない。坂田をフォーク、森はカーブで空振り三振に仕留めるなど、得意球を駆使して、ピンチを切り抜けた。ゲーム中にスライダーの微調整をしながら、 5Ｋを重ね、昨季の奪三振王が健在ぶりをアピール。快投の裏には嗜好品との決別があった。ジョーク交じりに明かした。
![噛みたばこを口に入れて投球していたメッセンジャー]()
昨年までは噛みたばこを口に入れて投球していたランディ・メッセンジャー投手
｢噛みたばこをやめたんだ。太っていた(ベスト体重から 2キロ増の 122キロでキャンプイン)のは、それがあると思う。普通のたばこと一緒でやめたら、お腹が空くからね｣
日本で聞き慣れない噛みたばこは口内に含む無煙たばこの一種。メジャーでは愛用者が多く、助っ投もその 1人だった。来日してから登板時に必ず使用していたが、今年に入ってやめたという。理由は愛息、愛娘のため。｢ずっと続けていたんだけど、節目というかね。子どもたちも大きくなってきたから｣。昨年11月には第４子となる男の子が生まれ、守るべき家族も増えた。一家の大黒柱は自身の健康を考え、子どもたちの模範となる行動を示している。
｢ニコチンガムも噛んでないよ。シーズンへの準備をしていくだけさ｣
“禁煙ピッチ”で開幕へ視界良好。次は12日のヤクルト戦（甲子園）で先発する見通し。 3
月27日の中日とのシーズン開幕戦(京セラＤ)を見据え、黙々と牙を研いでいく。
![右前安打を放った鳥谷敬内野手]()
1回裏阪神無死、鳥谷敬内野手は右前安打を放った＝西宮市阪神甲子園球場
阪神の新 1番打者、鳥谷敬内野手が止まらない。 1回は右前で出塁すると、 2番上本とランエンドヒットを決めて 3塁へ。内野ゴロの間にホーム生還した。
3回も先頭で中前打を放ち、 2点目のホームイン。 2打数 2安打 1四球でオープン戦打率は 5割 4分 5厘。｢しっかり出塁できているんで｣と納得顔だった。今季はトップバッターとして期待がかかる背番号｢１｣がその適性を見せている。
![安打を放った上本博紀内野手]()
1回、安打を放った上本博紀内野手＝西宮市阪神甲子園球場
巧みなバットコントロールでおもしろいように快音を響かせた。上本博紀内野手が 4安打 2盗塁の大ハッスル。絶好調男のプレーに最強の 2番打者誕生を予感させた。
｢感覚は変わらないです。 1打席 1打席、必死にやるだけです｣
真骨頂は八回一死の 5打席目だった。西武のサウスポー守護神・高橋朋に対し、ホームベースから 1足分離れて打席に立った。追い込まれた 4球目、内角低めのクロスファイアーを右前に運んだ。
内角球への対応が今季のテーマ。昨季は打席ではベースギリギリに立つことが多かったが、現在は臨機応変に対応する。ときに 1足分ほど離れて立ち、ときに昨年短く握りしめていたバットを長く持つことも。
この日は 1回に右前打、 4回に中前打、 6回に中前打。無理に引っ張ろうとせず、センターから右へコンパクトなスイングを徹底した。右方向の安打については｢特に狙っていないです。必要に応じてやっていくだけです｣と状況に応じた打撃と説明した。
![右前に４安打目を放った上本博紀内野手]()
8回、右前に 4安打目を放った上本博紀内野手。攻める 2番が誕生だ！＝西宮市阪神甲子園球場
実戦12試合で打率 0.367(49打数18安打)と高成績。オープン戦に限れば 0.524のハイアベレージだ。出塁率の高い 1番・鳥谷と勝負強い 3番・西岡の接着剤として、最高のインパクトを残している。和田監督は｢全打席内容のあるバッティングだった。 2番でも待つのではなく攻めるタイプ。初球から振っていけるし、追い込まれてからも進塁打できる。つなぐ、塁に出る、つなぐ、どっちもできる２番バッターなので、うまく機能するんじゃないかな｣と新打線に手応えを口にした。上本は最強の 2番打者を目指して。虎の選手会長は｢結果｣を求めていく。
![左越えに適時打を放ったマウロ・ゴメス内野手]()
なんと得点圏打率10割！！ 3回、左越えに適時 2塁打を放ったマウロ・ゴメス内野手＝西宮市阪神甲子園球場
♪得点圏に走者がいる時！ 打率10割、ゴメスはＭＡＸ最強の打者になる。
♪いない時！ 打率 0.000、別に怖くもなんともない助っ人がそこにいる…。
かの有名な｢５５１の蓬莱｣のＣＭを思いだした方も多いのでは？ まるでジキルとハイド？
この 2面性こそが日本一を目指す猛虎の 4番に期待する究極の姿だ。
3回一死 2塁。 2ストライクと追い込まれたが、 2番手岩尾の甘い 128キロスライダーを見逃さない。ゴメスの打球はあっという間に左越えへのタイムリー 2塁打となった。実戦 3試合目の助っ人は、これで走者を置いての成績は 4打数 3安打、打率 0.750。得点圏に限定すれば 2打数 2安打。打ち損じなしの 100％だ。
｢得点圏に走者がいたら必ず打てるとは限らないけれど、走者をかえすのは自分の仕事だと思っているよ｣
![適時打を放ったマウロ・ゴメス内野手]()
3回、適時打を放ったマウロ・ゴメス内野手＝西宮市阪神甲子園球場
どうだ、この自信、このコメント。来日 1年目の昨年、虎史上初の入団１年目で打点王のタイトル( 109打点)を獲得した実績が、信頼感をアップさせる。
走者がいなければ 3打数ノーヒット…。それがどうした。肝心な時だけ打ってくれればいいのだから。
｢まだ、ボール球に手を出しているし、タイミングも合っていない。ゲームの中で、振っていく中で、合わせていきたい。 1試合 1試合を大切にして｣
照準はあくまで中日を迎える27日の開幕戦(京セラＤ)。だから、調子はこれから上げていく段階だろう。キャンプ前に車上荒らしに遭い、パスポートを紛失し、来日が遅れたが、大きな影響はなかったといえる。勝負強さは“いつでも開幕ＯＫ”の状態。ことしも｢得点圏のゴメス｣がライバルを震え上がらせる。
かつて昔、日本ハム球団時代の事だった。虎ちゃんが、球団関係者時代の事だ。当時の監督は、大澤啓二(本名＝大澤昭)氏だった。
それまで、 4番だったり 6番だったりで打の名(迷)選手と言われた古屋英夫氏(現・阪神 2軍監督)を、通称｢日替わり弁当打線｣という形でどこに置くか分からない打線で行った時が有った。打順なんてどこでも自分自身が出せればどこでも同じなんだと感じた物だった。 1年間で全打席に入ったのは、彼が最初で最後かも知れない。当時少年ファンだった人たちは、既に中年の部類に入っているのでしょうね。
｢最強の 2番打者誕生｣といわれる上本が、今年のタイガースを引っ張ってくれれば、そこに見えて来るのは｢二文字｣なのでは無いでしょうか。
ガンバレ！阪神！我らのタイガース！勝利を掴め！
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2015年春季キャンプ日程
![2015年 日程と結果(2月)]()
2015年 練習試合・オープン戦 日程と結果( 2月)
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2015年 オープン戦・公式戦 日程と結果( 3月)
![2015年 公式戦 日程と結果(4月)]()
2015年 公式戦 日程と結果( 4月)
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阪神の開幕投手に内定しているランディ・メッセンジャー投手(33)が先発し、貫禄の投球だ。この日は変化球を多投。 3月27日の開幕中日戦(京セラドーム大阪)での開幕投手が決定的だが｢シーズンに向けての準備さ。それだけだよ｣と自然体だった。来日してから登板時に噛みたばこを必ず使用していたが、今年に入ってやめたという。
阪神の新 1番打者、鳥谷敬内野手(33)が止まらない。 1回は右前で出塁すると、 2番上本とランエンドヒットを決めて 3塁へ。内野ゴロの間にホーム生還した。
巧みなバットコントロールでおもしろいように快音を響かせた。上本博紀内野手(28)が 4安打 2盗塁の大ハッスル。絶好調男のプレーに最強の 2番打者誕生を予感させた。
3回一死 2塁。 2ストライクと追い込まれたが、 2番手岩尾の甘い 128キロスライダーを見逃さない。マウロ・ゴメス内野手(30)の打球はあっという間に左越えへのタイムリー 2塁打となった。記事をまとめてみました。
＜オープン戦：阪神 4－ 0西武＞◇ 6日◇甲子園
藤浪晋太郎投手が 6日の西武戦(甲子園)で中継ぎ登板し、大阪桐蔭の 1学年後輩である西武森友哉捕手プロ初対戦。森を圧倒した。
7回一死走者なしでプロ初対戦。初球はボール気味の内角 153キロで豪快な空振りを奪うと、 2球目からは 3球連続で自己最速タイの 157キロを記録。空振り、ファウルの後、左飛に打ち取った。
計 4球すべてが直球。｢全球ストレートは梅さん(梅野)の計らいかな、と。真っすぐで押そうとしっかり腕を振りました。打たれたら何を言われるか分からないんで｣と冗談交じりにニッコリ。 3回で 3三振を奪い、先輩の貫禄を示した。 2安打無四球で無失点と調整は順調だ。
進化を確認した和田豊監督は大台の 160キロ到達に太鼓判を押した。
7回表西武一死、藤浪晋太郎投手は西武森友哉捕手への 4球目に 157キロで左飛とした＝西宮市阪神甲子園球場
ファンはこんなしびれる戦いを待っていた。 1球 1球に聖地がどよめく。注目を集めた藤浪ｖｓ森は、先輩に軍配が上がった。プロ入り後初めて実現した大阪桐蔭高バッテリー対決。オール直球で後輩をねじ伏せた藤浪は誇らしげだった。
｢打たれると(森に)何を言われるかわからないので、しっかり打ち取れてよかった。ランナーがいなかったので、余裕がありました｣
そのときは七回に訪れた。一死後、背番号｢１９｣の目の色が一瞬で変わった。打席にはかつての女房役。高校 3年時、ともにこの甲子園で春夏連覇を達成し、マウンドで抱き合った 1年後輩と相対した。
後輩森に対して、自己最速タイの 157キロを 3球連続で投げた藤浪晋太郎投手。先輩の貫禄を見せつけた＝西宮市阪神甲子園球場
5135人の観客が固唾をのんで見守る。視線が 2人に集まり、まるでこの勝負のためだけにステージが用意されたようだった。注目の初球。 153キロの直球にフルスイングした森のバットは空を切った。ここから藤浪のギアは一気にトップへ。真ん中低めの 2球目で空振りを奪うと、内角の 3球目はファウル。そして、最後は真ん中高めで左飛に打ち取った。甲子園のスコアボードは 3球すべて自己最速タイとなる｢ 157キロ｣を表示していた。先輩のプライドを懸けたオール直球勝負。
｢ファンサービス…とまではいきませんが、梅野さんの計らいでしょう｣。ベンチに戻る森は思わず、藤浪とのすれ違い際｢球、速いわ｣と叫び、脱帽していた。
2年前のドラフト会議では森の阪神入りを熱望していた。再びバッテリーを組む夢は叶わなかったが、思い出の甲子園で“ショータイム”を演じた。｢力強いスイングだった。これからも頑張ってほしい｣とエールを送った。
7回西武森友哉捕手に対する藤浪晋太郎投手の 3球目 ファール＝西宮市阪神甲子園球場
6回から 3イニングを投げたこの日は、 2安打しか許さず、 150キロを超える直球を連発。｢今まで10割で投げていたのを 8割の力で投げられている。軽い力で全力の球に近づいている｣。理想としている“脱力投法”にまた一歩前進した。この日の森の打席のように、大事な場面で力を入れれば、さらに球速がアップすることを証明。和田監督は｢まだまだ速くなる｣とキッパリ。 160キロの大台に向け｢近い将来、いけるんちゃう？ これだけ冷えて(気温 8度)いても 157キロが出るんだから。伸びしろという点ではまだまだある｣と太鼓判を押した。
もっとも藤浪は｢球速にこだわっていない。もっと低めに集めて、精度高く、投げられるようにしたい｣と話した。 2月28日のオリックスとの練習試合(安芸)の 5回無失点に続き、この日も３回０封。それでも、まだまだ満足していない。 3年目を迎えた20歳は、どこまでも進化していく。
梅野隆太郎捕手が藤浪の剛球に脱帽だ。
7回一死走者なしの場面でマウンド上の藤浪が大阪桐蔭の後輩・西武森を迎えた。マスクをかぶる梅野はオール直球勝負を選択。結果的に 3球連続の 157キロで左飛に打ち取った。事前の打ち合わせなしだったが、藤浪のギアチェンジを感じて対戦前から配球を決めていたという。｢あれはもう、ここで変化球じゃないだろうと。真っすぐがすごく良かった。 157キロを捕ることで必死でしたよ。びっくりしました｣と笑顔で振り返った。
阪神先発のランディ・メッセンジャー投手＝西宮市阪神甲子園球場
阪神の開幕投手に内定しているランディ・メッセンジャー投手が先発し、貫禄の投球だ。この日は変化球を多投。
2回は連打で無死 1、 2塁のピンチを招いたが、坂田をフォークで空振り三振に抑えた。二死後には森を内角低めカーブで空を切らせ、窮地をしのいだ。
寒い天候だったが、 4回無失点。｢宜野座のＤｅＮＡ戦( 2月24日)は真っすぐ主体だったからね。あの試合、変化球が良くなかった。変化球を多めに投げたかったんだ｣と振り返った。
3月27日の開幕中日戦(京セラドーム大阪)での開幕投手が決定的だが｢シーズンに向けての準備さ。それだけだよ｣と自然体だった。
4回無失点のランディ・メッセンジャー投手。開幕投手に内定している右腕は“禁煙投法”で視界良好＝西宮市阪神甲子園球場
開幕投手に内定している男は心配とは無縁だ。オープン戦初登板を 4回 2安打無失点にまとめた。ただ、ひとつ変わったことがあるとすれば、マウンド上でのいで立ち。いつも、下唇の付近にあった膨らみが消えた。家族思いのメッセンジャーはガムを噛んで、レオ打線を封じた。
｢前回投げたときよりも、よかった。前は直球主体で変化球がよくなかったから、きょうは多めに変化球を投げたよ｣
2月24日のＤｅＮＡとの練習試合(宜野座)は反省の弁が目立ったが、この日は一定の満足感はあった様子。 2回無死 1、 2塁のピンチも動じない。坂田をフォーク、森はカーブで空振り三振に仕留めるなど、得意球を駆使して、ピンチを切り抜けた。ゲーム中にスライダーの微調整をしながら、 5Ｋを重ね、昨季の奪三振王が健在ぶりをアピール。快投の裏には嗜好品との決別があった。ジョーク交じりに明かした。
昨年までは噛みたばこを口に入れて投球していたランディ・メッセンジャー投手
｢噛みたばこをやめたんだ。太っていた(ベスト体重から 2キロ増の 122キロでキャンプイン)のは、それがあると思う。普通のたばこと一緒でやめたら、お腹が空くからね｣
日本で聞き慣れない噛みたばこは口内に含む無煙たばこの一種。メジャーでは愛用者が多く、助っ投もその 1人だった。来日してから登板時に必ず使用していたが、今年に入ってやめたという。理由は愛息、愛娘のため。｢ずっと続けていたんだけど、節目というかね。子どもたちも大きくなってきたから｣。昨年11月には第４子となる男の子が生まれ、守るべき家族も増えた。一家の大黒柱は自身の健康を考え、子どもたちの模範となる行動を示している。
｢ニコチンガムも噛んでないよ。シーズンへの準備をしていくだけさ｣
“禁煙ピッチ”で開幕へ視界良好。次は12日のヤクルト戦（甲子園）で先発する見通し。 3
月27日の中日とのシーズン開幕戦(京セラＤ)を見据え、黙々と牙を研いでいく。
1回裏阪神無死、鳥谷敬内野手は右前安打を放った＝西宮市阪神甲子園球場
阪神の新 1番打者、鳥谷敬内野手が止まらない。 1回は右前で出塁すると、 2番上本とランエンドヒットを決めて 3塁へ。内野ゴロの間にホーム生還した。
3回も先頭で中前打を放ち、 2点目のホームイン。 2打数 2安打 1四球でオープン戦打率は 5割 4分 5厘。｢しっかり出塁できているんで｣と納得顔だった。今季はトップバッターとして期待がかかる背番号｢１｣がその適性を見せている。
1回、安打を放った上本博紀内野手＝西宮市阪神甲子園球場
巧みなバットコントロールでおもしろいように快音を響かせた。上本博紀内野手が 4安打 2盗塁の大ハッスル。絶好調男のプレーに最強の 2番打者誕生を予感させた。
｢感覚は変わらないです。 1打席 1打席、必死にやるだけです｣
真骨頂は八回一死の 5打席目だった。西武のサウスポー守護神・高橋朋に対し、ホームベースから 1足分離れて打席に立った。追い込まれた 4球目、内角低めのクロスファイアーを右前に運んだ。
内角球への対応が今季のテーマ。昨季は打席ではベースギリギリに立つことが多かったが、現在は臨機応変に対応する。ときに 1足分ほど離れて立ち、ときに昨年短く握りしめていたバットを長く持つことも。
この日は 1回に右前打、 4回に中前打、 6回に中前打。無理に引っ張ろうとせず、センターから右へコンパクトなスイングを徹底した。右方向の安打については｢特に狙っていないです。必要に応じてやっていくだけです｣と状況に応じた打撃と説明した。
8回、右前に 4安打目を放った上本博紀内野手。攻める 2番が誕生だ！＝西宮市阪神甲子園球場
実戦12試合で打率 0.367(49打数18安打)と高成績。オープン戦に限れば 0.524のハイアベレージだ。出塁率の高い 1番・鳥谷と勝負強い 3番・西岡の接着剤として、最高のインパクトを残している。和田監督は｢全打席内容のあるバッティングだった。 2番でも待つのではなく攻めるタイプ。初球から振っていけるし、追い込まれてからも進塁打できる。つなぐ、塁に出る、つなぐ、どっちもできる２番バッターなので、うまく機能するんじゃないかな｣と新打線に手応えを口にした。上本は最強の 2番打者を目指して。虎の選手会長は｢結果｣を求めていく。
なんと得点圏打率10割！！ 3回、左越えに適時 2塁打を放ったマウロ・ゴメス内野手＝西宮市阪神甲子園球場
♪得点圏に走者がいる時！ 打率10割、ゴメスはＭＡＸ最強の打者になる。
♪いない時！ 打率 0.000、別に怖くもなんともない助っ人がそこにいる…。
かの有名な｢５５１の蓬莱｣のＣＭを思いだした方も多いのでは？ まるでジキルとハイド？
この 2面性こそが日本一を目指す猛虎の 4番に期待する究極の姿だ。
3回一死 2塁。 2ストライクと追い込まれたが、 2番手岩尾の甘い 128キロスライダーを見逃さない。ゴメスの打球はあっという間に左越えへのタイムリー 2塁打となった。実戦 3試合目の助っ人は、これで走者を置いての成績は 4打数 3安打、打率 0.750。得点圏に限定すれば 2打数 2安打。打ち損じなしの 100％だ。
｢得点圏に走者がいたら必ず打てるとは限らないけれど、走者をかえすのは自分の仕事だと思っているよ｣
3回、適時打を放ったマウロ・ゴメス内野手＝西宮市阪神甲子園球場
どうだ、この自信、このコメント。来日 1年目の昨年、虎史上初の入団１年目で打点王のタイトル( 109打点)を獲得した実績が、信頼感をアップさせる。
走者がいなければ 3打数ノーヒット…。それがどうした。肝心な時だけ打ってくれればいいのだから。
｢まだ、ボール球に手を出しているし、タイミングも合っていない。ゲームの中で、振っていく中で、合わせていきたい。 1試合 1試合を大切にして｣
照準はあくまで中日を迎える27日の開幕戦(京セラＤ)。だから、調子はこれから上げていく段階だろう。キャンプ前に車上荒らしに遭い、パスポートを紛失し、来日が遅れたが、大きな影響はなかったといえる。勝負強さは“いつでも開幕ＯＫ”の状態。ことしも｢得点圏のゴメス｣がライバルを震え上がらせる。
かつて昔、日本ハム球団時代の事だった。虎ちゃんが、球団関係者時代の事だ。当時の監督は、大澤啓二(本名＝大澤昭)氏だった。
それまで、 4番だったり 6番だったりで打の名(迷)選手と言われた古屋英夫氏(現・阪神 2軍監督)を、通称｢日替わり弁当打線｣という形でどこに置くか分からない打線で行った時が有った。打順なんてどこでも自分自身が出せればどこでも同じなんだと感じた物だった。 1年間で全打席に入ったのは、彼が最初で最後かも知れない。当時少年ファンだった人たちは、既に中年の部類に入っているのでしょうね。
｢最強の 2番打者誕生｣といわれる上本が、今年のタイガースを引っ張ってくれれば、そこに見えて来るのは｢二文字｣なのでは無いでしょうか。
ガンバレ！阪神！我らのタイガース！勝利を掴め！
2015年春季キャンプ日程
2015年 練習試合・オープン戦 日程と結果( 2月)
2015年 オープン戦・公式戦 日程と結果( 3月)
2015年 公式戦 日程と結果( 4月)
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