5日東京ドームで巨人－阪神 3回戦が行われ、巨人は 7回に亀井の 3号ソロでダメ押しし、 2連勝。先発の高木勇人は 2安打完封で、開幕から 2戦 2勝となった。巨人のドラフト 3位高木勇人投手(25＝三菱重工名古屋)がわずか 2安打完封で 3月29日のＤｅＮＡ戦(東京ドーム)で初登板初勝利したのに続き、 2勝目を挙げた。巨人で初登板、 2試合目と続けて白星を挙げた新人は2005年野間口以来、10年ぶり 6人目となった。
和田豊監督(52)は｢タイミングが取れてない。初対戦ということを差し引いても、 3、 4打席はあるから、だんだん合ってくるはずなんだけど｣ともどかしそうに話した。
最終回にようやく快音が響いた。中堅後方に弾む一打は虎の意地だった。鳥谷敬内野手(33)が最後の最後で、巨人の新戦力に食い下がった。 9回二死。あと 1人でゲームセット…というところで、ようやくスライダーをとらえた。中越え 2塁打で、初めて得点圏に走者が進んだ。ため息ばかり続いていた虎党の唯一の救いだ。
前夜は 2安打 3打点と復調の気配をみせていたマット・マートン外野手(33)が 3打数無安打。手も足も出なかった。巨人のルーキー高木勇人に脱帽だ。前日 4日の第 2戦では 2安打 3打点をマーク。一夜明け、 5回に見逃し三振を喫するなど 3打数無安打に封じられた。
ドラフト 3位江越大賀外野手(22＝駒澤大學)が｢ 7番・中堅｣で今季 9試合目で大和に代わって初スタメン出場したが、 3打数無安打に終わった。
捕手としてチームに流れを引き寄せることができなかった。 7回の被弾で勝負あり。梅野隆太郎捕手(23)は守備での課題を残した。
藤浪晋太郎投手(20)が 8回 5安打 3失点で今季初黒星を喫した。 2回に暴投で先制点を献上するなど 2失点。 3回以降は立ち直ったが、 2点ビハインドの 7回には 7番亀井に右越えソロを許した。 9番打者としても 2打席連続で犠打を決められず、表情に悔しさをにじませた。記事をまとめてみました。
![2015.04.05 試合結果]()
＜巨人 3－ 0阪神＞ 3回戦◇ 5日◇東京ドーム
先発は巨人が高木勇人、阪神が藤浪。巨人は 2回に藤浪の暴投と亀井の左犠飛で 2点を先制した。阪神は 3回までは 1安打無得点。
巨人高木勇は緩急をつけた丁寧な投球で、 6回まで 1安打無失点。阪神藤浪も中盤に立ち直り、追加点を許さず終盤に突入した。
巨人は 7回に亀井の 3号ソロでダメ押しし、 2連勝。先発の高木勇人は 2安打完封で、開幕から 2戦 2勝となった。
![片岡治大内野手タッチをかわす先発の高木勇人投手]()
4回表終了後、好捕の巨人 2塁手片岡治大内野手(右)とタッチをかわす先発のドラフト 3位高木勇人投手＝東京ドーム
巨人のドラフト 3位高木勇人投手がわずか 2安打完封で 3月29日のＤｅＮＡ戦(東京ドーム)で初登板初勝利したのに続き、 2勝目を挙げた。
高木勇人は 3回先頭で、梅野に右前打を許したが、走者はわずか 3人。 2塁すら踏ませなかった。 8回まで 1安打の快投。 9回二死から鳥谷に 2塁打され上本に四球。 1、 2塁のピンチを迎えたが、最後は西岡を 125キロの変化球で遊ゴロに仕留めた。完封。わずか 116球、 7奪三振、 3四死球でゼロ行進を完結させた。巨人のルーキーの完封勝利は2011年10月 4日に沢村が達成して以来の 4年ぶり快挙となった。
3月29日のＤｅＮＡ戦で 6回を 2失点に抑え、プロ初登板初勝利を挙げた。球団の新人では1960年の青木宥明(ひろあき)以来、55年ぶりとなる開幕カードでの先発勝利だった。巨人で初登板、 2試合目と続けて白星を挙げた新人は2005年野間口以来、10年ぶり 6人目となった。
![好投した先発の高木勇人投手]()
好投した先発の高木勇人投手＝東京ドーム
この日も阪神打線相手に、 140キロ台の直球、緩いカーブに打者の手元でボールが横に変化する通称｢高木ボール｣(カットボール)を駆使し、凡打の山を築いた。社会人 3年目から毎年、ドラフト候補に名が挙がっては指名漏れを経験したが、社会人生活の 7年間は決して無駄ではなかったことを証明した。
お立ち台に上がった高木は｢キャッチャーも阿部さんで、野手の方にも助けてもらった。初勝利から 1週間？ 次ぎと思ってきょうのために準備してきた。とにかく自分の投球をしようと心がけました。熱い声援をずっとしていただいたので 1球 1球大事に投げました｣と満面の笑みをみせた。そして、｢ファンにアピールは？｣と聞かれ、｢僕は僕です！｣と答えると、場内が沸いた。
原監督は｢見事ですね。投げっぷりがいい、自分を疑わずにね。彼はプロ野球人としてスタートしたばかりですが、いいスタートを切りましたね｣とルーキーの力投を称えていた。
![敗れて引き揚げる和田豊監督]()
敗れて引き揚げる阪神・和田豊監督＝東京ドーム
阪神は打線が巨人の新人高木勇人の前に手も足も出ず、わずか２安打で今季初の零敗を喫した。和田監督は｢タイミングが取れてない。初対戦ということを差し引いても、 3、 4打席はあるから、だんだん合ってくるはずなんだけど｣ともどかしそうに話した。
直球、変化球ともに捉え切れず、得点圏に走者を進めたのは 9回だけ。 3打数無安打のゴメスは｢変化球も多彩で、直球も良かった｣と評価。今後も対戦する可能性は大きいが、対策を問われると｢分からない｣とお手上げ状態だった。
![高木勇人投手から中越え打を放った鳥谷敬内野手]()
9回、打ちあぐねていた高木勇人投手から中越え 2塁打を放った鳥谷敬内野手。意地を見せた＝東京ドーム
最終回にようやく快音が響いた。中堅後方に弾む一打は虎の意地だった。鳥谷敬内野手が最後の最後で、巨人の新戦力に食い下がった。
｢最後に打てたのはよかったです｣
9回二死。あと 1人でゲームセット…というところで、ようやくスライダーをとらえた。中越え 2塁打で、初めて得点圏に走者が進んだ。ため息ばかり続いていた虎党の唯一の救いだ。
｢(藤浪)晋太郎が頑張っていたし、なんとか点を取りたかったけど｣
結果は今季初の完封負け。ドラフト 3位・高木勇人投手に手も足も出なかった。スコアボードの｢０｣の横に並ぶ｢２｣はあまりにも寂しい。散発 2安打、今季最短わずか 2時間14分でゲームセット。やはり初モノには弱いのか。初対戦の先発投手には今季 1勝 2敗となった。
｢右打者も左打者も関係なく、内外にいいコースに決まっていた｣
主将自身も 6回一死 1塁で遊ゴロ併殺に倒れた。この回と 3回、無死からの走者を投手・藤浪の犠打失敗で生かせなかったこともあるが、攻撃陣がカバーしたいところで、直球に差し込まれた内野ゴロが目立った。
![阪神打線が手も足も出なかった高木勇人投手]()
阪神打線が手も足も出なかった巨人・高木勇人投手。翻弄された＝東京ドーム
関川打撃コーチは｢序盤にシュートも含めた直球系に対応できていれば｣と、悔やむ。円陣で｢コンパクトに打とう｣という指示も飛んだが、実らなかった。中盤からはスライダーも多投されて目先を変えられた。
3日に11安打で初戦を取りながら、後の 2試合は打線が後手にまわった。｢次は打てるように頑張ります｣と鳥谷。再戦があれば負けられない。だが、気持ちはまず次の戦いに向いた。前夜( 4日)は休養でスタメンを外れた福留も同じだ。 2打数無安打はすでに過去。さっそく切り替えた。
｢明後日から甲子園で仕切り直し。それでいいんじゃないですか｣
7日から今季初の本拠地で 6連戦だ。練習も打ち込みもしやすくなる。打線にとって、大きなアドバンテージになるはずだ。
![三振に倒れたマット・マートン外野手]()
5回、三振に倒れたマット・マートン外野手＝東京ドーム
前夜は 2安打 3打点と復調の気配をみせていたマット・マートン外野手が 3打数無安打。手も足も出なかった。巨人のルーキー高木勇人に脱帽だ。
｢いい投球だった。ストライクを取れていたし、スピードを変えていたりもした｣。 5回先頭の打席では 1ボール 2ストライクから真ん中カットボールを見逃し三振。｢あとの 2打席はいい感じだったけど、三振は中から急に入ってきて(バットが)止まってしまった。あのボールは頭になかった｣と阿部のリードに脱帽していた。
前日 4日の第 2戦では 2安打 3打点をマーク。一夜明け、 5回に見逃し三振を喫するなど 3打数無安打に封じられた。三振の打席では内角を突く変化球に苦戦。｢頭になかったよ。ああいうピッチングをされ続けたら、(相手にとって)いいピッチングが続く。コーナーにうまく投げて打ち崩された｣と潔かった。
![三振に倒れた江越大賀外野手]()
2回、三振に倒れたドラフト 3位江越大賀外野手＝東京ドーム
ドラフト 3位江越大賀外野手が｢ 7番・中堅｣で今季 9試合目で大和に代わって初スタメン出場したが、 3打数無安打に終わった。｢相手投手の真っすぐにキレがあり、スライダーも大きく曲がってきた。絞りきれなかった｣。
巨人の先発ルーキー高木勇人の前に 2三振を喫するなど 3打数無安打。プロ初安打はお預けとなったが、最後まで出場した。｢次はしっかり結果を出したい｣と前向きだった。
｢初めは緊張しました。でも途中からはいつも通りにできました｣と振り返った。
![高木勇人投手から右前打を放った梅野隆太郎捕手]()
3回、高木勇人投手から右前打を放った梅野隆太郎捕手。 3試合連続安打もリードを反省＝東京ドーム
捕手としてチームに流れを引き寄せることができなかった。 7回の被弾で勝負あり。梅野隆太郎捕手は守備での課題を残した。
｢相手にとって大きな一発になった。反省です｣
一死から亀井に右翼席に運ばれた。 2回に 2失点したが、そこからは藤浪をうまくリード。｢(藤浪は)前回、立ち上がりに失点しているので気をつけた。シュート回転はしていたが、真っすぐはよくなっていった。粘って粘って最終回を迎えたかった｣。20歳の右腕が尻上がりに調子を上げる中、逆転の機会を狙っていたが、終盤に浴びた一発を悔んだ。
バットでは 3回の先頭で右前打を放ち、 3試合連続安打。しかし、上本の打席で 1塁から飛び出してしまい、タッチアウトになった。その裏の守備では、片岡の 2盗の場面で 2塁に悪送球。失点にはつながらなかったが、攻守でのミスが目立った。
｢終盤の 1点を防げるようにしないといけない。自分もできることがあった｣
最後まで反省しきりだったが、この悔しさをバネに成長するしかない。 7日からの甲子園(ＤｅＮＡ戦)では鉄壁の守備を見せる。
![亀井に右越えソロ本塁打を浴びた藤浪晋太郎投手]()
7回裏巨人、藤浪晋太郎投手(右)は亀井に右越えソロ本塁打を浴びた＝東京ドーム
藤浪晋太郎投手が 8回 5安打 3失点で今季初黒星を喫した。
2回に暴投で先制点を献上するなど 2失点。 3回以降は立ち直ったが、 2点ビハインドの 7回には 7番亀井に右越えソロを許した。 9番打者としても 2打席連続で犠打を決められず、｢攻撃の流れを止めてしまった。 1番反省したい｣と表情に悔しさをにじませた。
![犠打失敗の藤浪晋太郎投手]()
3回、犠打失敗の藤浪晋太郎投手。手痛いミスだった＝東京ドーム
しっかりせんかい！！藤浪は 2回に暴投で先制点を献上するなど、 8回完投も 3失点で今季初黒星。課題の左打者に打たれた上に 2度のバント失敗もあり、和田豊監督は試合後、苦言を呈した。連敗で首位から陥落したが、 7日からは甲子園に戻って、本拠地開幕戦(ＤｅＮＡ)。出直しや！！
最後まで 1人で投げ抜いても、白星はついてこなかった。今季２試合目は 5安打 3失点でプロ初の完投負け。序盤の乱調が響いて、初黒星を喫した藤浪に、和田監督が苦言を呈した。
｢振り返ってみるとやられているのは左(打者)なんだよな。対策はしているんだろうけど。右は何とか抑えられるんだけど、あまりにも右と左の差が激しすぎる｣
![険しい表情の和田豊監督]()
藤浪晋太郎投手(手前)のバント失敗に険しい表情の和田豊監督＝東京ドーム
2回、阿部に右前に運ばれると、セペダに四球。井端に犠打で送られると、亀井への初球はストレートが｢(指に)ひっかからずに投げてしまった｣と藤浪。すっぽ抜けて梅野のミットをかすめる暴投で先制点を献上。その亀井に簡単に左犠飛を打ち上げられると、 7回には追加点となる 3号ソロを右翼席にたたき込まれた。被安打 5のうち 3安打は左打者から。今季の左打者の被打率は実に 0.400だ。
打席の藤浪にため息が降り注いだのは、 3回無死 1塁の 3バント失敗。巨人のドラフト 3位右腕・高木勇人投手にバントの構えで 2球連続ファウル…。 1ボール後のスリーバントは再びファウルエリアに転がり(三振)、 1番鳥谷の前で走者を進めることができなかった。和田監督は試合後、顔をしかめた。
｢そこだわ、今日は。やるべきことができていないから相手にプレッシャーをかけられなかった｣
![亀井に本塁打を浴びた藤浪晋太郎投手]()
7回、巨人・亀井に本塁打を浴びた藤浪晋太郎投手＝東京ドーム
2点を追う 6回無死 1塁でも藤浪の犠打は投前に転がり、 2塁封殺。藤浪は｢自分が攻撃の流れを止めてしまいました｣と猛省した。
自主トレを一緒に過ごした前田(広島)から脱力投法を学び、この日も 1四球で 104球完投と成長の跡もみせている。
｢最初は、バランスが悪くて、上半身と下半身がかみ合わなかった。なんとかごまかしながら(投げました)。途中で切り替えて、修正できた｣。それなりの手応えもあるが、克服しなければならない課題は残ったままだ。和田監督が厳しいコメントを残したのも、真のエースとして一本立ちしてほしい親心の表れだろう。初の連敗で首位から陥落したが、セ・リーグは首位から 1ゲーム以内に 4チームと大混戦の気配で、どの球団にもチャンスがある。だからこそ、 1点を争うゲームが大切になる。
7日は甲子園開幕となるＤｅＮＡ戦。開幕 3連勝後の関東遠征は 2カード連続の負け越し( 2勝 4敗)で貯金は ｢１｣となったが、ここから本来の戦いを取り戻す。
和田監督は｢もう 1回、本拠地帰って開幕やわ。引きずることはないし、もう 1回本拠地で開幕の気持ちでいきます｣と気を引き締めた。藤浪同様、チームも原点から巻き返す。
どうしても初物に弱い…。弱いと言うよりも弱すぎる。この現状を打破しない限り後が無い。全員野球でファン皆が待ち望む｢二文字｣ゲットだ！
ガンバレ！阪神！我らのタイガース！勝利を掴め！
![2015年 公式戦 日程と結果(4月)]()
2015年 公式戦 日程と結果( 4月)
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4月 5日現在順位表
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和田豊監督(52)は｢タイミングが取れてない。初対戦ということを差し引いても、 3、 4打席はあるから、だんだん合ってくるはずなんだけど｣ともどかしそうに話した。
最終回にようやく快音が響いた。中堅後方に弾む一打は虎の意地だった。鳥谷敬内野手(33)が最後の最後で、巨人の新戦力に食い下がった。 9回二死。あと 1人でゲームセット…というところで、ようやくスライダーをとらえた。中越え 2塁打で、初めて得点圏に走者が進んだ。ため息ばかり続いていた虎党の唯一の救いだ。
前夜は 2安打 3打点と復調の気配をみせていたマット・マートン外野手(33)が 3打数無安打。手も足も出なかった。巨人のルーキー高木勇人に脱帽だ。前日 4日の第 2戦では 2安打 3打点をマーク。一夜明け、 5回に見逃し三振を喫するなど 3打数無安打に封じられた。
ドラフト 3位江越大賀外野手(22＝駒澤大學)が｢ 7番・中堅｣で今季 9試合目で大和に代わって初スタメン出場したが、 3打数無安打に終わった。
捕手としてチームに流れを引き寄せることができなかった。 7回の被弾で勝負あり。梅野隆太郎捕手(23)は守備での課題を残した。
藤浪晋太郎投手(20)が 8回 5安打 3失点で今季初黒星を喫した。 2回に暴投で先制点を献上するなど 2失点。 3回以降は立ち直ったが、 2点ビハインドの 7回には 7番亀井に右越えソロを許した。 9番打者としても 2打席連続で犠打を決められず、表情に悔しさをにじませた。記事をまとめてみました。
＜巨人 3－ 0阪神＞ 3回戦◇ 5日◇東京ドーム
先発は巨人が高木勇人、阪神が藤浪。巨人は 2回に藤浪の暴投と亀井の左犠飛で 2点を先制した。阪神は 3回までは 1安打無得点。
巨人高木勇は緩急をつけた丁寧な投球で、 6回まで 1安打無失点。阪神藤浪も中盤に立ち直り、追加点を許さず終盤に突入した。
巨人は 7回に亀井の 3号ソロでダメ押しし、 2連勝。先発の高木勇人は 2安打完封で、開幕から 2戦 2勝となった。
4回表終了後、好捕の巨人 2塁手片岡治大内野手(右)とタッチをかわす先発のドラフト 3位高木勇人投手＝東京ドーム
巨人のドラフト 3位高木勇人投手がわずか 2安打完封で 3月29日のＤｅＮＡ戦(東京ドーム)で初登板初勝利したのに続き、 2勝目を挙げた。
高木勇人は 3回先頭で、梅野に右前打を許したが、走者はわずか 3人。 2塁すら踏ませなかった。 8回まで 1安打の快投。 9回二死から鳥谷に 2塁打され上本に四球。 1、 2塁のピンチを迎えたが、最後は西岡を 125キロの変化球で遊ゴロに仕留めた。完封。わずか 116球、 7奪三振、 3四死球でゼロ行進を完結させた。巨人のルーキーの完封勝利は2011年10月 4日に沢村が達成して以来の 4年ぶり快挙となった。
3月29日のＤｅＮＡ戦で 6回を 2失点に抑え、プロ初登板初勝利を挙げた。球団の新人では1960年の青木宥明(ひろあき)以来、55年ぶりとなる開幕カードでの先発勝利だった。巨人で初登板、 2試合目と続けて白星を挙げた新人は2005年野間口以来、10年ぶり 6人目となった。
好投した先発の高木勇人投手＝東京ドーム
この日も阪神打線相手に、 140キロ台の直球、緩いカーブに打者の手元でボールが横に変化する通称｢高木ボール｣(カットボール)を駆使し、凡打の山を築いた。社会人 3年目から毎年、ドラフト候補に名が挙がっては指名漏れを経験したが、社会人生活の 7年間は決して無駄ではなかったことを証明した。
お立ち台に上がった高木は｢キャッチャーも阿部さんで、野手の方にも助けてもらった。初勝利から 1週間？ 次ぎと思ってきょうのために準備してきた。とにかく自分の投球をしようと心がけました。熱い声援をずっとしていただいたので 1球 1球大事に投げました｣と満面の笑みをみせた。そして、｢ファンにアピールは？｣と聞かれ、｢僕は僕です！｣と答えると、場内が沸いた。
原監督は｢見事ですね。投げっぷりがいい、自分を疑わずにね。彼はプロ野球人としてスタートしたばかりですが、いいスタートを切りましたね｣とルーキーの力投を称えていた。
敗れて引き揚げる阪神・和田豊監督＝東京ドーム
阪神は打線が巨人の新人高木勇人の前に手も足も出ず、わずか２安打で今季初の零敗を喫した。和田監督は｢タイミングが取れてない。初対戦ということを差し引いても、 3、 4打席はあるから、だんだん合ってくるはずなんだけど｣ともどかしそうに話した。
直球、変化球ともに捉え切れず、得点圏に走者を進めたのは 9回だけ。 3打数無安打のゴメスは｢変化球も多彩で、直球も良かった｣と評価。今後も対戦する可能性は大きいが、対策を問われると｢分からない｣とお手上げ状態だった。
9回、打ちあぐねていた高木勇人投手から中越え 2塁打を放った鳥谷敬内野手。意地を見せた＝東京ドーム
最終回にようやく快音が響いた。中堅後方に弾む一打は虎の意地だった。鳥谷敬内野手が最後の最後で、巨人の新戦力に食い下がった。
｢最後に打てたのはよかったです｣
9回二死。あと 1人でゲームセット…というところで、ようやくスライダーをとらえた。中越え 2塁打で、初めて得点圏に走者が進んだ。ため息ばかり続いていた虎党の唯一の救いだ。
｢(藤浪)晋太郎が頑張っていたし、なんとか点を取りたかったけど｣
結果は今季初の完封負け。ドラフト 3位・高木勇人投手に手も足も出なかった。スコアボードの｢０｣の横に並ぶ｢２｣はあまりにも寂しい。散発 2安打、今季最短わずか 2時間14分でゲームセット。やはり初モノには弱いのか。初対戦の先発投手には今季 1勝 2敗となった。
｢右打者も左打者も関係なく、内外にいいコースに決まっていた｣
主将自身も 6回一死 1塁で遊ゴロ併殺に倒れた。この回と 3回、無死からの走者を投手・藤浪の犠打失敗で生かせなかったこともあるが、攻撃陣がカバーしたいところで、直球に差し込まれた内野ゴロが目立った。
阪神打線が手も足も出なかった巨人・高木勇人投手。翻弄された＝東京ドーム
関川打撃コーチは｢序盤にシュートも含めた直球系に対応できていれば｣と、悔やむ。円陣で｢コンパクトに打とう｣という指示も飛んだが、実らなかった。中盤からはスライダーも多投されて目先を変えられた。
3日に11安打で初戦を取りながら、後の 2試合は打線が後手にまわった。｢次は打てるように頑張ります｣と鳥谷。再戦があれば負けられない。だが、気持ちはまず次の戦いに向いた。前夜( 4日)は休養でスタメンを外れた福留も同じだ。 2打数無安打はすでに過去。さっそく切り替えた。
｢明後日から甲子園で仕切り直し。それでいいんじゃないですか｣
7日から今季初の本拠地で 6連戦だ。練習も打ち込みもしやすくなる。打線にとって、大きなアドバンテージになるはずだ。
5回、三振に倒れたマット・マートン外野手＝東京ドーム
前夜は 2安打 3打点と復調の気配をみせていたマット・マートン外野手が 3打数無安打。手も足も出なかった。巨人のルーキー高木勇人に脱帽だ。
｢いい投球だった。ストライクを取れていたし、スピードを変えていたりもした｣。 5回先頭の打席では 1ボール 2ストライクから真ん中カットボールを見逃し三振。｢あとの 2打席はいい感じだったけど、三振は中から急に入ってきて(バットが)止まってしまった。あのボールは頭になかった｣と阿部のリードに脱帽していた。
前日 4日の第 2戦では 2安打 3打点をマーク。一夜明け、 5回に見逃し三振を喫するなど 3打数無安打に封じられた。三振の打席では内角を突く変化球に苦戦。｢頭になかったよ。ああいうピッチングをされ続けたら、(相手にとって)いいピッチングが続く。コーナーにうまく投げて打ち崩された｣と潔かった。
2回、三振に倒れたドラフト 3位江越大賀外野手＝東京ドーム
ドラフト 3位江越大賀外野手が｢ 7番・中堅｣で今季 9試合目で大和に代わって初スタメン出場したが、 3打数無安打に終わった。｢相手投手の真っすぐにキレがあり、スライダーも大きく曲がってきた。絞りきれなかった｣。
巨人の先発ルーキー高木勇人の前に 2三振を喫するなど 3打数無安打。プロ初安打はお預けとなったが、最後まで出場した。｢次はしっかり結果を出したい｣と前向きだった。
｢初めは緊張しました。でも途中からはいつも通りにできました｣と振り返った。
3回、高木勇人投手から右前打を放った梅野隆太郎捕手。 3試合連続安打もリードを反省＝東京ドーム
捕手としてチームに流れを引き寄せることができなかった。 7回の被弾で勝負あり。梅野隆太郎捕手は守備での課題を残した。
｢相手にとって大きな一発になった。反省です｣
一死から亀井に右翼席に運ばれた。 2回に 2失点したが、そこからは藤浪をうまくリード。｢(藤浪は)前回、立ち上がりに失点しているので気をつけた。シュート回転はしていたが、真っすぐはよくなっていった。粘って粘って最終回を迎えたかった｣。20歳の右腕が尻上がりに調子を上げる中、逆転の機会を狙っていたが、終盤に浴びた一発を悔んだ。
バットでは 3回の先頭で右前打を放ち、 3試合連続安打。しかし、上本の打席で 1塁から飛び出してしまい、タッチアウトになった。その裏の守備では、片岡の 2盗の場面で 2塁に悪送球。失点にはつながらなかったが、攻守でのミスが目立った。
｢終盤の 1点を防げるようにしないといけない。自分もできることがあった｣
最後まで反省しきりだったが、この悔しさをバネに成長するしかない。 7日からの甲子園(ＤｅＮＡ戦)では鉄壁の守備を見せる。
7回裏巨人、藤浪晋太郎投手(右)は亀井に右越えソロ本塁打を浴びた＝東京ドーム
藤浪晋太郎投手が 8回 5安打 3失点で今季初黒星を喫した。
2回に暴投で先制点を献上するなど 2失点。 3回以降は立ち直ったが、 2点ビハインドの 7回には 7番亀井に右越えソロを許した。 9番打者としても 2打席連続で犠打を決められず、｢攻撃の流れを止めてしまった。 1番反省したい｣と表情に悔しさをにじませた。
3回、犠打失敗の藤浪晋太郎投手。手痛いミスだった＝東京ドーム
しっかりせんかい！！藤浪は 2回に暴投で先制点を献上するなど、 8回完投も 3失点で今季初黒星。課題の左打者に打たれた上に 2度のバント失敗もあり、和田豊監督は試合後、苦言を呈した。連敗で首位から陥落したが、 7日からは甲子園に戻って、本拠地開幕戦(ＤｅＮＡ)。出直しや！！
最後まで 1人で投げ抜いても、白星はついてこなかった。今季２試合目は 5安打 3失点でプロ初の完投負け。序盤の乱調が響いて、初黒星を喫した藤浪に、和田監督が苦言を呈した。
｢振り返ってみるとやられているのは左(打者)なんだよな。対策はしているんだろうけど。右は何とか抑えられるんだけど、あまりにも右と左の差が激しすぎる｣
藤浪晋太郎投手(手前)のバント失敗に険しい表情の和田豊監督＝東京ドーム
2回、阿部に右前に運ばれると、セペダに四球。井端に犠打で送られると、亀井への初球はストレートが｢(指に)ひっかからずに投げてしまった｣と藤浪。すっぽ抜けて梅野のミットをかすめる暴投で先制点を献上。その亀井に簡単に左犠飛を打ち上げられると、 7回には追加点となる 3号ソロを右翼席にたたき込まれた。被安打 5のうち 3安打は左打者から。今季の左打者の被打率は実に 0.400だ。
打席の藤浪にため息が降り注いだのは、 3回無死 1塁の 3バント失敗。巨人のドラフト 3位右腕・高木勇人投手にバントの構えで 2球連続ファウル…。 1ボール後のスリーバントは再びファウルエリアに転がり(三振)、 1番鳥谷の前で走者を進めることができなかった。和田監督は試合後、顔をしかめた。
｢そこだわ、今日は。やるべきことができていないから相手にプレッシャーをかけられなかった｣
7回、巨人・亀井に本塁打を浴びた藤浪晋太郎投手＝東京ドーム
2点を追う 6回無死 1塁でも藤浪の犠打は投前に転がり、 2塁封殺。藤浪は｢自分が攻撃の流れを止めてしまいました｣と猛省した。
自主トレを一緒に過ごした前田(広島)から脱力投法を学び、この日も 1四球で 104球完投と成長の跡もみせている。
｢最初は、バランスが悪くて、上半身と下半身がかみ合わなかった。なんとかごまかしながら(投げました)。途中で切り替えて、修正できた｣。それなりの手応えもあるが、克服しなければならない課題は残ったままだ。和田監督が厳しいコメントを残したのも、真のエースとして一本立ちしてほしい親心の表れだろう。初の連敗で首位から陥落したが、セ・リーグは首位から 1ゲーム以内に 4チームと大混戦の気配で、どの球団にもチャンスがある。だからこそ、 1点を争うゲームが大切になる。
7日は甲子園開幕となるＤｅＮＡ戦。開幕 3連勝後の関東遠征は 2カード連続の負け越し( 2勝 4敗)で貯金は ｢１｣となったが、ここから本来の戦いを取り戻す。
和田監督は｢もう 1回、本拠地帰って開幕やわ。引きずることはないし、もう 1回本拠地で開幕の気持ちでいきます｣と気を引き締めた。藤浪同様、チームも原点から巻き返す。
どうしても初物に弱い…。弱いと言うよりも弱すぎる。この現状を打破しない限り後が無い。全員野球でファン皆が待ち望む｢二文字｣ゲットだ！
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