23日長野オリンピックスタジアムで広島－阪神 8回戦が行われ、総力戦となったが、両チームとも譲らず延長12回引き分けた。阪神が広島とのシーソーゲームに引き分け、首位巨人にゲーム差なしの 2位となった。首位巨人とともに勝率 5割で並んだが、勝利数で下回る阪神が 2位につけている。首位から最下位まで 2.5５差という大混戦を必ず抜け出してみせる。
好調の福留孝介外野手(38)が今季 4度目の猛打賞で 3度の好機を作った。
今成亮太内野手(27)が今季第 1号の先制ソロ本塁打を放った。 2回二死、広島先発の黒田から 132キロのスライダーを捉え右中間スタンドへ
柴田講平外野手(28)が同点の 2点 2塁打を放った。 2点ビハインドの 5回。二死 1、 3塁でカウント 2－ 1から広島先発黒田の外角高めに浮いた 136キロシュートを強振。右中間に飛んだ打球は、左翼寄りに守っていた中堅手丸が届かずあいだを割った。
マウロ・ゴメス内野手(30)が起死回生の逆転 3ランを放った。 1点ビハインドの 8回、一死 1、 3塁のチャンスで打席に立つと、広島 2番手大瀬良の 146キロ直球を強振。完璧に捉えた打球は長野の空を高々と舞い、阪神ファンの待つ左翼スタンドへ。たった一振りで試合の流れを変えた 7号 3ランとなった。打った瞬間、本塁打を確信し、バットを高々と放り投げた。ゴメスが起死回生の一時逆転 3ラン。試合開始から降り続いていた雨が止み、三日月が顔を出した長野の夜空に大きなアーチを描いた。
岩田稔投手(31)が 4回 8安打 3失点で降板した。
信じられない光景に信州の虎党が息をのむ。ストライクが入らない。どうしたんだ。なぜなんだ。呉昇桓(オ・スンファン)投手(32)が大乱調。単独首位の絶好機をぶち壊してしまった。 6－ 5の 9回。そのまま逃げ切れば、 4月 3日以来の単独首位だった。こんな悪夢を誰が想像しただろうか。 8回に 4番・ゴメスが起死回生の 7号 3ランを放ち、逆転に成功。午後 6時 1分の試合開始直前から雨が降り出し、 2回攻撃終了時に34分間、中断した。山あい特有のゲリラ的な雨で、土はぬかるみ、人工芝でも場所によっては水が浮いていた。安藤、福原、呉昇桓と勝利の方程式“ＡＦＯ”がそれぞれ点を取られた。昨季を含めて、初めての総崩れとなり、虎今季最長 5時間13分のロング試合となった。
歳内宏明投手(21)が延長10回から登板。 4四球を与えるも要所を締め、 2回 2/3を無失点に抑えた。昇格後 2試合を無失点と好調をキープしている。12回二死 2塁で、マウンドを島本に譲ったが、 2回 2/3を無失点にしのいだ。記事をまとめてみました。
＜広島 6－ 6阪神＞ 8回戦◇23日◇長野オリンピックスタジアム
阪神は 2回、今成の 1号ソロで先制。 2回表終了時に降雨で34分間の中断を挟んだ。広島は 2、 3回と満塁の好機も無得点。
広島は 4回、丸の 2ラン、エルドレッドの中前適時打で 3点を取り逆転。阪神は 5回二死 1、 3塁で柴田の 2点 2塁打で同点に。
阪神は 8回、ゴメスの 3ランで逆転。広島はその裏 1点を取り、 9回無死 1、 2塁で丸の 2塁打で 6－ 6の同点。延長に突入した。
総力戦となったが、両チームとも譲らず延長12回引き分けた。
12回表阪神二死 1塁、大和が 2盗死となり、阪神の勝利の可能性が消え、阪神ベンチも意気消沈。左端は和田豊監督＝長野オリンピックスタジアム
阪神が広島とのシーソーゲームに引き分け、首位巨人にゲーム差なしの 2位となった。
2点をリードされた 5回、柴田の 2点 2塁打で同点に追いつくと、 1点を勝ち越され迎えた 8回に、ゴメスが 3ランを放ち再逆転。 4連勝がみえたが、 9回守護神呉昇桓が大乱調。同点に追いつかれ延長戦にもつれ込むと、そのまま決着がつかず、痛み分けとなった。
この結果、首位巨人とともに勝率 5割で並んだが、勝利数で下回る阪神が 2位につけている。
延長12回引き分けに終わり引き揚げる阪神ナイン＝長野オリンピックスタジアム
阪神は 1点を追う 8回、ゴメスが逆転 3ランを放ったが、 9回、呉昇桓投手が同点に追いつかれ、 4月 3日以来の単独首位を逃した。虎今季最長の 5時間13分を戦い、延長12回ドロー。セ・リーグの貯金が消滅した日に勝率でトップの巨人に並んだ猛虎。首位から最下位まで 2.5５差という大混戦を必ず抜け出してみせる。
10回、安打を放った福留孝介外野手＝長野オリンピックスタジアム
好調の福留孝介外野手が今季 4度目の猛打賞で 3度の好機を作った。｢(延長12回の長い試合で)先発が誰かも忘れちゃったよ。もう12時だよ。チャンスを広げられたことはよかった｣。 1回一死 1塁で、黒田から右前打。この日を含めて右腕から 9打数 3安打と好相性を証明すると、 8回は一死 2塁で大瀬良から右前打。逆転を呼び、延長10回先頭でも左前打で出塁した。 3番に座ってから 4試合で19打数 9安打、打率 0.474。｢自分のアプローチは変わらない｣と冷静に語った。
2回表阪神二死、今成亮太内野手は右越えソロ本塁打を放った＝長野オリンピックスタジアム
今成亮太内野手が今季第 1号の先制ソロ本塁打を放った。
2回二死、広島先発の黒田から 132キロのスライダーを捉え右中間スタンドへ。｢ 2ボールだったので思い切って振りにいきました。何とかスタンドまで届いてくれて良かったです｣
ここまで 2戦 2敗の難敵から先取点を奪った。
接戦を最初に動かしたのは今成だ。 2回二死、右中間へ 1号ソロ。初対戦の黒田から放った。
｢メジャーで活躍した投手。胸を借りるつもりでいきました。制球がいいので、有利なカウントのときに勝負しないと｣。 2ボールからスライダーに反応した。直後に降雨によって試合が中断。｢幻(記録なし)になるかなと思ったけど。いいスイングができたことはよかったです｣と振り返った。
5回表阪神二死 1、 3塁、柴田講平外野手は右中間適時 2塁打を放った＝長野オリンピックスタジアム
柴田講平外野手が同点の 2点 2塁打を放った。
2点ビハインドの 5回。二死 1、 3塁でカウント 2－ 1から広島先発黒田の外角高めに浮いた 136キロシュートを強振。右中間に飛んだ打球は、左翼寄りに守っていた中堅手丸が届かずあいだを割った。 1塁走者の鳥谷がこの間に一気にホームインし同点に追いついた。｢高めのボールを逃さず打ち返すことが出来ました。逆転された直後に取り返すことが出来て良かったです｣と語った。
8回表阪神一死 1、 3塁、左越えに逆転３点本塁打を放ったマウロ・ゴメス内野手＝長野オリンピックスタジアム
マウロ・ゴメス内野手が起死回生の逆転 3ランを放った。
1点ビハインドの 8回、一死 1、 3塁のチャンスで打席に立つと、広島 2番手大瀬良の 146キロ直球を強振。完璧に捉えた打球は長野の空を高々と舞い、阪神ファンの待つ左翼スタンドへ。たった一振りで試合の流れを変えた 7号 3ランとなった。
1点を追う 8回、マウロ・ゴメス内野手が逆転の 7号 3ランを放った。雨の長野に特大の虹を架けた＝長野オリンピックスタジアム
打った瞬間、本塁打を確信し、バットを高々と放り投げた。ゴメスが起死回生の一時逆転 3ラン。試合開始から降り続いていた雨が止み、三日月が顔を出した長野の夜空に大きなアーチを描いた。
｢ストライクゾーンに来たボールを積極的にいこうと思っていた｣
3－ 4の 8回だ。先頭・鳥谷が四球で出塁し、福留の右前打で一死 1、 3塁。Ｇ砲はこの回から登板した大瀬良の初球を狙った。 146キロの内角低めの直球を思い切り叩いた打球は、阪神ファンが待つ左翼スタンド中段へ一直線だ。ゆっくりとダイヤモンドを一周し、笑顔の和田監督に続き、ベンチ前に並ぶチームメートとハイタッチ。今成とのパフォーマンスの後、 7回に暴投で広島に勝ち越し点を献上した安藤と抱き合った。
8回、逆転 3ランを放ったマウロ・ゴメス内野手＝長野オリンピックスタジアム
自身の中に漂っていたモヤモヤ感を吹き飛ばした。 1回 1、 3塁のチャンスで併殺打に倒れるなど、 8回まで先発・黒田の前に 3打数無安打。 3回の守備では失策もあったが、 4度目の打席でしっかりと結果を残した。21日のヤクルト戦(甲子園)では走塁で緩慢と受け取られかねないプレーを犯し、試合後にチーム首脳からお叱りを受けていたが、一発回答の汚名返上弾となった。
｢毎試合、ベストを尽くしてやっているし、それがいい結果になったのかなと思う｣
この日の試合前練習では、フリー打撃でサク越えを連発した。｢またいった！！｣｢スゲ～な！！｣。スタンドから次々とあがる歓声。普段はプロ野球を生観戦する機会が少ない長野のファンを、たちまち虜にしてみせた。
和田監督は｢あれが 4番の仕事だと思う｣と賛辞をおくった。 9回に呉昇桓が抑えに失敗して同点にされてしまったが、ゴメスの一発の価値は変わらない。富山に舞台を移す24日の試合でも、期待に応えてみせる。
8回、守備に就くときにファンの声援に応えるマウロ・ゴメス内野手＝長野オリンピックスタジアム
岩田稔投手が 4回 8安打 3失点で降板した。
2回、 3回と満塁のピンチをつくるも、後続を断ちしのいでいたが、 1点リードの 4回につかまった。一死 2塁から広島 1番丸に逆転 2ランを被弾。なおも二死 1、 3塁としエルドレッドに中前適時打を浴び 3失点。 5回の攻撃時に代打を送られた。｢粘り強く投げたかったのですが、粘ることが出来ませんでした｣。
2回表終了時には降雨による34分間の中断もあり、最後までリズムを作れず無念の降板となった。
4回裏一死 2塁、岩田稔投手は広島・丸から本塁打を浴びスパイクの土を落とす＝長野オリンピックスタジアム
信じられない光景に信州の虎党が息をのむ。ストライクが入らない。どうしたんだ。なぜなんだ。呉昇桓投手が大乱調。単独首位の絶好機をぶち壊してしまった。
｢(悪天候は)同じ条件だった。先頭で四球を出したのがいけなかった。途中からではダメ｣
6－ 5の 9回。そのまま逃げ切れば、 4月 3日以来の単独首位だった。こんな悪夢を誰が想像しただろうか。 8回に 4番・ゴメスが起死回生の 7号 3ランを放ち、逆転に成功。その裏に福原が新井にソロを浴びたものの 1点リードならば十分と誰もが思った。
9回のマウンドに上がった呉昇桓投手＝長野オリンピックスタジアム
和田監督が気合の入った表情で球審に守護神の名前を告げる。呉昇桓も胸を張ってマウンドに上がった。だが、先頭・会沢に四球を許し、さらにバントの構えをしていた野間にぶつけた。あてられた野間が逆に喜び、呉昇桓は苦々しい顔をした。無死 1、 2塁から 1番・丸に投じた 142キロ直球をあっけなく弾き返された。同点になる右翼線 2塁打を献上し、右腕は深いため息を吐いた。
和田監督は｢ 7、 8、 9回のところの投手がね。きょうはつかまったけど、全力を尽くした結果だし…｣とリーグトップの208Ｓを挙げている右腕をかばったが、万全の準備をしていたか、疑問点が残る。和田監督は｢初めて投げるから。コントロールがきかなかった｣と話し、中西コーチは｢マウンドを気にしていたな。(広島の)黒田も滑った｣と話した。
9回、 1点リードを守れなかった呉昇桓投手。下を向いてベンチに戻った＝長野オリンピックスタジアム
1年一度の地方球場。広島は前日22日に長野に移動後、全体練習を行った。阪神は甲子園で先発投手のみの指名練習を選択した。長野には東京駅から北陸新幹線を乗り継ぐため、移動に多く時間がかかるが｢なぜ地方球場なのに練習をしないのか｣と首をかしげる球団関係者もいたのは事実。中継ぎ陣が長野のマウンドを確認したのは、この日の練習が初めてだった。土の違い、傾斜など特に投手は神経質なはずだが…。
午後 6時 1分の試合開始直前から雨が降り出し、 2回攻撃終了時に34分間、中断した。山あい特有のゲリラ的な雨で、土はぬかるみ、人工芝でも場所によっては水が浮いていた。安藤、福原、呉昇桓と勝利の方程式“ＡＦＯ”がそれぞれ点を取られた。昨季を含めて、初めての総崩れとなり、虎今季最長 5時間13分のロング試合となった。
9回、ピンチの呉昇桓投手＝長野オリンピックスタジアム
呉昇桓は｢最初からしっかりといかないといけなかった。点をとられてからでは遅い｣と言い訳しなかった。負けなかったのは救い。首位巨人が敗れ、ついにゲーム差｢０｣で並んだ。開幕当初を除けば、首位から最下位が 2.5差にひしめく事態は史上初だ。この大混戦を抜け出すためには、呉昇桓の力は欠かせない。代えの利かない守護神がゲームを締めくくることを虎党は信じている。
10回から登板した歳内宏明投手＝長野オリンピックスタジアム
歳内宏明投手が延長10回から登板。 4四球を与えるも要所を締め、 2回 2/3を無失点に抑えた。昇格後 2試合を無失点と好調をキープしている。
単独首位は逃したが、半歩前進、巨人に並びかけた。勝てなかったけど負けなかった。立役者は 4年目右腕だ。今季 2度目の 1軍登板だった歳内が、延長10回から登板し、思い切り右腕を振った。12回二死 2塁で、マウンドを島本に譲ったが、 2回 2/3を無失点にしのいだ。
延長10回から登板し、無失点に抑えた歳内宏明投手＝長野オリンピックスタジアム
｢とにかく弱気にならないように、強い気持ちをもって投げました｣
1点リードの 9回に満を持して登板した呉昇桓時点でブルペンはもぬけの殻。まさかの乱調で同点とされた。すでに安藤も福原も投げている。松田、高宮もベンチにいた。突然の指名だった。
｢でも、試合に出ていないときも気持ちを切らさずにいましたから。それにブルペンでの調子もよかったし｣
長野といえば川中島の古戦場が有名。この日の試合も信玄と謙信の激戦のようだった？！
プレッシャーは相当だった。まして、流れは完全に広島だった中で、再三のピンチを耐えた。11回は二死 1、 2塁のピンチを招くも代打・小窪をシュートで左飛に。12回は無死から連続四球も会沢のバント失敗(併殺)で救われ、最後は島本に託した。
和田監督は｢ベンチにいる全員が死力を尽くしてやった結果。最後まで何とか…。逃げ切るのとは違うけど、とにかくよく頑張ってくれた。延長で投げた投手だね｣とねぎらい、中西投手コーチも｢歳内がよく頑張った｣とたたえた。
かつてこの地で上杉謙信と武田信玄が争った“川中島の合戦”のように、死闘となった。激戦で名を挙げた歳内が長野での粘投を、きっかけにさらなる飛躍を目指す。
延長11回二死まで投げ、マウンドを降りる歳内宏明投手。ナインにハイタッチで迎えられる＝長野オリンピックスタジアム
◆データＢＯＸ◆
◎…セ・リーグは全チームが勝率 5割以下となった。全球団が60試合以上を消化したケースでは史上初の事態だ。交流戦でセが44勝61敗 3分けとパ・リーグに大きく負け越したことが、この珍しい現象を引き起こした。全球団が60試合以上を消化し、首位から最下位まで 2.5ゲーム差となるのも史上初。
◎…阪神は広島に引き分け33勝33敗 1分けの勝率 0.50。巨人がＤｅＮＡに敗れ、35勝35敗で同じく勝率 0.500。セ・リーグの順位決定は勝率の高いチームを上位とし、同率の場合は勝利数の多いチームを上位とするため、阪神は勝率で巨人に並んだが、勝ち数は巨人が上回っているため、巨人 1位、阪神 2位。順位に変動はない。
長野で鯉(軍)を釣り上げたと思ったら、釣った鯉にしっぽを噛まれてしまった…。今日(24日)は、富山市民球場アルペンスタジアムでの試合だ！全員野球でファン皆が待ち望む｢二文字｣に向かって前進だ！
ガンバレ！阪神！我らのタイガース！勝利を掴め！
2015年 公式戦 日程と結果( 6月)
2015年 公式戦 日程と結果( 7月)
6月23日現在順位表
6月23日現在対戦表
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