阪神は 9月30日、和田豊監督(53)の今季限りでの退任を発表した。大阪市内の電鉄本社で行われた球団取締役会で、和田監督からの「リーグ優勝を逃した責任をとり、今シーズンをもって退任したい」との申し出を了承。CS争いが決着していない段階ながら発表となった。南信男阪神球団社長(60)は「監督とは 8月くらいから『去年( 2位)の上をいかんといかんぞ』という話をしてきているから」と、広島入りした夜、退任を通告していたことを明かした。なお、南阪神球団社長が「日本シリーズ終了までやっていただく」と話したように、今日 1日のヤクルト戦、甲子園最終戦となる広島戦ペナントレース残り 2試合と、ポストシーズンも、引き続き指揮を執る。
とことん話し合う。じっくり待つ-。OBの金本知憲氏(47)を来季の新監督に招へいする方針を固めた阪神が、交渉について“長期戦”を覚悟していることが 1日、分かった。すでに球団サイドが金本氏に水面下で接触したことも判明。答えを急がせることなく、本人の意思を最大限に尊重していく。コーチ経験がなく、いきなり人気球団の指揮官として現場に戻ることへの戸惑いは当然だ。ましてチームは課題が山積している。ベテランや外国人依存の影響で若手が伸び悩む中、大幅な若返りで新しいタイガースを作ろうとしている。過渡期の虎を立て直すのは相当な覚悟がいる。金本氏が望む環境、布陣をどれだけ整えられるか。その折衝が非常に重要。だからこそ、とことん話し合い、球団の考えを伝えていくつもりだ。
阪神は 1日、黒瀬春樹内野手(30)と来季契約を更新しないと発表した。後はトライアウトを受ける方向で現役続行を目指す。
渡辺亮投手(33)が 1日、西宮市内で会見し、今季限りでの現役引退を表明した。2012年まで50試合以上の登板を 5度も達成するなど鉄腕ぶりを発揮。通算15勝 3敗、防御率2.64の好成績を残したが、2013年に右肩を故障してからは出番が減っていた。
CS出場みえた! 左太もも裏を痛めてリハビリ中の上本博紀内野手(29)が 1日、鳴尾浜で故障後初めて内野ノックを受けた。順調なら、 5日のフェニックスリーグ( 2軍選手中心の教育リーグ)・DeNA戦(SOKKEN)で実戦復帰することも判明。チームがクライマックスシリーズ(CS)に進出すれば、10日からのファーストステージに間に合うことが濃厚だ。記事をまとめてみました。
退任が発表された和田豊監督
阪神は 9月30日、和田豊監督の今季限りでの退任を発表した。大阪市内の電鉄本社で行われた球団取締役会で、和田監督からの「リーグ優勝を逃した責任をとり、今シーズンをもって退任したい」との申し出を了承。CS争いが決着していない段階ながら発表となった。
南信男阪神球団社長は「( 9月26日)広島遠征の土曜日に話をしました。その時に『優勝を逃したら(辞任を)申し出るつもりでした』と言っていた。監督とは 8月くらいから『去年( 2位)の上をいかんといかんぞ』という話をしてきているから」と、広島入りした夜、退任を通告していたことを明かした。
和田監督は、真弓前監督の後を受け、2012年から指揮を執った。初年度は 5位に沈んだが、 2年目は 2位、 3年目となった昨季は 2位からCSを初制覇して、日本シリーズ進出を果たした。単年契約を更新し、 4年目に突入した今季は歴史的な大混戦の中で苦しみながらも 8月に首位に立つと、 9月上旬まで首位を守った。
だが、最後の12連戦でつまずいた。 7試合を終えた時点で 1勝 6敗と大失速。27日の広島戦に敗れて優勝が消滅した。電鉄本社、球団ともに「優勝争い」を続投の目安としていたが、それが不可能となったことで退任を決断したという。
なお、南阪神球団社長が「日本シリーズ終了までやっていただく」と話したように、今日 1日のヤクルト戦、甲子園最終戦となる広島戦ペナントレース残り 2試合と、ポストシーズンも、引き続き指揮を執る。
退任発表から一夜明け、神宮の室内で心境を語った和田豊監督
神宮でのヤクルト-阪神は 1日、雨のため中止。 2日に順延された。 9月30日に正式に退任が発表された和田豊監督は、報道陣の前で初めて心境を吐露。後任監督の話題が大きくなるなか、応援してくれるファン、戦っている選手に対して「申し訳ない」と話すと、改めて胴上げ阻止とCS進出、日本一へ、最後まで戦い抜くことを誓った。
雨の神宮。和田監督はじっと室内練習場でナインの動きを見守った。 9月27日の広島戦に敗れて10年ぶりの優勝の可能性は消え、前日には自身の退任が正式発表された。一夜明け、心境を問われた指揮官は、「世間を騒がせてというか…」と静かに口を開いた。
「ただ、選手はまだ戦っているんで。(ファン、選手に)申し訳ない気持ちもある」
練習中、顔をしかめる和田豊監督=神宮外苑
球団はOBの金本知憲氏(47)を招へいする方針を固めるなど、すでに虎の話題は来シーズンへいっている。ただ、まだCS、日本一へ向けた戦いは残っているだけに、選手の心境をおもんぱかった。もちろん自身の心には、一切の揺れはない。「(退任発表されても)気持ちの上では変わりはありません」と言い切った。
まずは、 2日。順延となったヤクルトとの“大一番”だ。
「選手たちも目の前で胴上げは見たくないと思う。なんとか阻止する。タイガースファンにも見せたくないしね」
日大の後輩、真中監督を目の前で胴上げさせるわけにはいかない。何より選手の意地を見たい。フラストレーションが溜まりっぱなしの虎党の溜飲も下げたい-。残り 2試合。まずはヤクルトの胴上げを阻止し、 4日のシーズン最終戦では、 1.5差で追ってくる 4位広島を撃破する。
「優勝は逃したけど、(日本一になる)チャンスはあるからね。もう 1回勝負するという…。最後まで全力を尽くしますよ」
失速したまま終わるわけにはいかない。和田野球、 4年間の集大成。必ず有終の美を飾ってみせる。
とことん話し合う。じっくり待つ-。OBの金本知憲氏を来季の新監督に招へいする方針を固めた阪神が、交渉について“長期戦”を覚悟していることが 1日、分かった。すでに球団サイドが金本氏に水面下で接触したことも判明。答えを急がせることなく、本人の意思を最大限に尊重していく。
誠心誠意を持って、時間をかけて話し合う覚悟だ。虎の至宝である金本氏を、どう新しい挑戦へと導けるか。球団関係者はその交渉について、スタンスを明かした。
「粘り強く、交渉していきたい。金本氏にも、いろいろ条件があるでしょうから」
9月30日に大阪・野田の阪神電鉄本社で坂井オーナーと南球団社長が直接会談し、金本氏を新監督に招へいする方針を固めた。今後のスケジュール調整もあり、球団サイドがこの日までに電話などで接触を行ったことも判明した。ただ、答えを急がせることはしない。
中村GMが急逝し、編成トップを失った。和田監督退任と、まさに激動のときを迎えている。今月22日に迫ったドラフト会議はもちろん、選手編成、外国人選手の問題など、決めなければいけないことは山ほどある。新監督を早急に決めて動き出したいのは山々だ。
ただ球団サイドは、金本氏は評論家としてバックネット裏から野球を勉強しながら、充実の日々を過ごしているという情報もキャッチしている。球団幹部の一人は「ご家族が反対されているとも聞いている」と話す。 9月26日には、金本氏はサンケイスポーツの取材に対して「自分でも大きく報道されていることに、びっくりしていますわ」と複雑な心境を吐露していた。コーチ経験がなく、いきなり人気球団の指揮官として現場に戻ることへの戸惑いは当然だ。
阪神が監督として招へいに動くOBの金本知憲氏。球団は誠心誠意、時間をかけて話し合っていく覚悟だ
ましてチームは課題が山積している。ベテランや外国人依存の影響で若手が伸び悩む中、大幅な若返りで新しいタイガースを作ろうとしている。過渡期の虎を立て直すのは相当な覚悟がいる。金本氏が望む環境、布陣をどれだけ整えられるか。その折衝が非常に重要。だからこそ、とことん話し合い、球団の考えを伝えていくつもりだ。
別の球団関係者も「シーズンを終えた直後(10月 5日以降)に行われるオーナー報告会で新体制への移行を発表できるのは理想だが、もちろん、期限を決めているわけではない。まずは金本氏の考えをじっくりと聞きたい」と話した。
心のハリを、動かすことができるか-。近日中に行われる金本氏との直接交渉では、 3年を軸としている契約年数だけではなく、条件面など幅をもたせて柔軟に対応する方針を固めた。
坂井信也オーナー(67)はこの日、電鉄本社のロビーで新監督招へいの進展を問われると「(まだ)知りません」とだけ話し、車に乗り込んだ。同じくOBの岡田彰布氏(57)も候補としてリストアップしているが、まずは金本氏に全力を注ぐ構え。しっかりと気持ちを伝えるべく、時間には、こだわらない。
首位に立っていた 8月、電鉄本社は来季も和田監督続投の方針を固めたが、 3位に落ち、自力 2位が消滅した 9月23日に白紙に。翌24日には電鉄本社と球団内で新監督として金本氏待望論が浮上していることが判明。27日のV逸決定を受け和田監督が辞任の意向を固めると、金本氏が次期監督の最有力候補、2005年V監督の岡田彰布氏も候補に浮上。30日に和田監督退任が正式発表され、坂井オーナー&南球団社長の会談で金本氏を新監督に招へいする方針を固めた。
◆金本知憲(かねもと・ともあき):元外野手。1968(昭和43)年 4月 3日生まれ、47歳。広島県出身。広陵高校から東北福祉大學を経て1992年D 4位で広島入団。2003年にFAで阪神に移籍し同年、2005年と 2度のリーグVに貢献。1492試合連続フルイニング出場は世界記録。2012年引退。通算2578試合、打率 0.285、 476本塁打、1521打点。打点王 度、ベストナイン 7度。右投げ左打ち。 1メートル80、88キロ。
鳴尾浜の球団施設に姿を見せた黒瀬春樹内野手
阪神は 1日、黒瀬春樹内野手と来季契約を更新しないと発表した。
西宮市の球団事務所でその旨を通告。黒瀬は「昨日(呼び出しの)電話がありました。寂しいけど、しょうがない。実力がなかったです」と肩を落とした。
県岐阜商業高校から2003年ドラフト 2巡目で西武に入団。2011年 5月に江草仁貴(現広島)とのトレードで阪神入りした。だが内野のユーティリティーも上本ら若手の台頭に押され、ここ 2年間は 1軍出場がなかった。
「甲子園でヒットを打てたことが思い出です。西武で成績を残していないのに、タイガースで 5年間もやらせてもらって本当に感謝しています。でも、また野球がしたい思いが強いので…」。今後はトライアウトを受ける方向で現役続行を目指す。
引退会見で花束を贈られる渡辺亮投手。小さい体で奮闘してきた
渡辺亮投手が 1日、西宮市内で会見し、今季限りでの現役引退を表明した。
「自分の思ったようなボールが投げられなくなったので。そろそろかなと思いました」
日本生命から2006年に大学・社会人ドラフト 4巡目で入団。2007年から 1軍に定着して、すべてリリーフで通算 362試合に登板した。
2012年まで50試合以上の登板を 5度も達成するなど鉄腕ぶりを発揮。通算15勝 3敗、防御率2.64の好成績を残したが、2013年に右肩を故障してからは出番が減っていた。
また黒瀬春樹内野手(30)は来季の契約を結ばないことを通告された。「高校を出てから野球しかやっていないし、できるだけ続けたい」と現役続行を希望した。
CS出場みえた! 左太もも裏を痛めてリハビリ中の上本博紀内野手が 1日、鳴尾浜で故障後初めて内野ノックを受けた。順調なら、 5日のフェニックスリーグ( 2軍選手中心の教育リーグ)・DeNA戦(SOKKEN)で実戦復帰することも判明。チームがクライマックスシリーズ(CS)に進出すれば、10日からのファーストステージに間に合うことが濃厚だ。
優勝を逃した上、 2位も風前の灯火の虎だが、ようやく明るい話題が届いた。鳴尾浜の黒土の上で、軽快な動きを披露したのは背番号「4」。リハビリを続けている上本がポストシーズンの出場へ、大きく前進した。
「まだ軽くなので」
本人は慎重な姿勢を崩さなかったが、復帰への青写真ははっきりと見えてきた。
左太もも裏を痛めて登録を抹消されたのが 9月12日。この日はスパイクをはいて、初めてダイヤモンドの中でノックを受けた。 2塁や 3塁で動きを確認して、患部に問題はなし。見守った古屋 2軍監督は「 5日に出られるんじゃないかな」と明かした。
実戦復帰のメドが立った上本博紀内野手。ポストシーズンでの活躍を狙う
2軍は 4日から宮崎に移動し、 5日から開催されるフェニックスリーグに参加するが、選手会長はその初戦、DeNA戦からオーダーに名を連ねることが濃厚だ。 2日には全体練習に合流して、屋外でのフリー打撃なども開始する。異常がなければ、そのままファーム本隊と行動をともにすることが決まった。
「DHでは意味がないだろう」と同 2軍監督。最初から、 2塁の守備にも就く予定だ。
1軍は 2日にも 3位以上が確定する。CSファーストステージは10日から。平田ヘッドコーチは「 8割くらいと聞いている。(フェニックスに) 5日間くらい出て、ファーストステージはどうだろうなあ」と、あくまで今後の経過報告を待つが、正 2塁手の復帰は、戦力として大きいはずだ。
故障直後はレギュラーシーズン中の復帰も検討されていたが、リーグ優勝の可能性が消えたため無理は避けてきた。すべてはポストシーズンで力を出すためだ。和田監督が指揮を執った 4年間で主力選手にまで成長した男。退任が決まっている指揮官の最後の戦いで戦列に復帰すべく、宮崎で最終調整を行う。
残り試合も 2試合となった。この時期になると、来る人去る人のニュースが入ってくるが、残り試合を全員野球でファン皆が待ち望む「二文字」に向かって前進だ!
ガンバレ!阪神!我らのタイガース!勝利を掴め!
2015年 公式戦 日程と結果(10月)
10月 1日現在順位表
10月 1日現在対戦表
※阪神タイガース公式スマホ携帯サイト
◇公式戦全試合実況速報
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とことん話し合う。じっくり待つ-。OBの金本知憲氏(47)を来季の新監督に招へいする方針を固めた阪神が、交渉について“長期戦”を覚悟していることが 1日、分かった。すでに球団サイドが金本氏に水面下で接触したことも判明。答えを急がせることなく、本人の意思を最大限に尊重していく。コーチ経験がなく、いきなり人気球団の指揮官として現場に戻ることへの戸惑いは当然だ。ましてチームは課題が山積している。ベテランや外国人依存の影響で若手が伸び悩む中、大幅な若返りで新しいタイガースを作ろうとしている。過渡期の虎を立て直すのは相当な覚悟がいる。金本氏が望む環境、布陣をどれだけ整えられるか。その折衝が非常に重要。だからこそ、とことん話し合い、球団の考えを伝えていくつもりだ。
阪神は 1日、黒瀬春樹内野手(30)と来季契約を更新しないと発表した。後はトライアウトを受ける方向で現役続行を目指す。
渡辺亮投手(33)が 1日、西宮市内で会見し、今季限りでの現役引退を表明した。2012年まで50試合以上の登板を 5度も達成するなど鉄腕ぶりを発揮。通算15勝 3敗、防御率2.64の好成績を残したが、2013年に右肩を故障してからは出番が減っていた。
CS出場みえた! 左太もも裏を痛めてリハビリ中の上本博紀内野手(29)が 1日、鳴尾浜で故障後初めて内野ノックを受けた。順調なら、 5日のフェニックスリーグ( 2軍選手中心の教育リーグ)・DeNA戦(SOKKEN)で実戦復帰することも判明。チームがクライマックスシリーズ(CS)に進出すれば、10日からのファーストステージに間に合うことが濃厚だ。記事をまとめてみました。
退任が発表された和田豊監督
阪神は 9月30日、和田豊監督の今季限りでの退任を発表した。大阪市内の電鉄本社で行われた球団取締役会で、和田監督からの「リーグ優勝を逃した責任をとり、今シーズンをもって退任したい」との申し出を了承。CS争いが決着していない段階ながら発表となった。
南信男阪神球団社長は「( 9月26日)広島遠征の土曜日に話をしました。その時に『優勝を逃したら(辞任を)申し出るつもりでした』と言っていた。監督とは 8月くらいから『去年( 2位)の上をいかんといかんぞ』という話をしてきているから」と、広島入りした夜、退任を通告していたことを明かした。
和田監督は、真弓前監督の後を受け、2012年から指揮を執った。初年度は 5位に沈んだが、 2年目は 2位、 3年目となった昨季は 2位からCSを初制覇して、日本シリーズ進出を果たした。単年契約を更新し、 4年目に突入した今季は歴史的な大混戦の中で苦しみながらも 8月に首位に立つと、 9月上旬まで首位を守った。
だが、最後の12連戦でつまずいた。 7試合を終えた時点で 1勝 6敗と大失速。27日の広島戦に敗れて優勝が消滅した。電鉄本社、球団ともに「優勝争い」を続投の目安としていたが、それが不可能となったことで退任を決断したという。
なお、南阪神球団社長が「日本シリーズ終了までやっていただく」と話したように、今日 1日のヤクルト戦、甲子園最終戦となる広島戦ペナントレース残り 2試合と、ポストシーズンも、引き続き指揮を執る。
退任発表から一夜明け、神宮の室内で心境を語った和田豊監督
神宮でのヤクルト-阪神は 1日、雨のため中止。 2日に順延された。 9月30日に正式に退任が発表された和田豊監督は、報道陣の前で初めて心境を吐露。後任監督の話題が大きくなるなか、応援してくれるファン、戦っている選手に対して「申し訳ない」と話すと、改めて胴上げ阻止とCS進出、日本一へ、最後まで戦い抜くことを誓った。
雨の神宮。和田監督はじっと室内練習場でナインの動きを見守った。 9月27日の広島戦に敗れて10年ぶりの優勝の可能性は消え、前日には自身の退任が正式発表された。一夜明け、心境を問われた指揮官は、「世間を騒がせてというか…」と静かに口を開いた。
「ただ、選手はまだ戦っているんで。(ファン、選手に)申し訳ない気持ちもある」
練習中、顔をしかめる和田豊監督=神宮外苑
球団はOBの金本知憲氏(47)を招へいする方針を固めるなど、すでに虎の話題は来シーズンへいっている。ただ、まだCS、日本一へ向けた戦いは残っているだけに、選手の心境をおもんぱかった。もちろん自身の心には、一切の揺れはない。「(退任発表されても)気持ちの上では変わりはありません」と言い切った。
まずは、 2日。順延となったヤクルトとの“大一番”だ。
「選手たちも目の前で胴上げは見たくないと思う。なんとか阻止する。タイガースファンにも見せたくないしね」
日大の後輩、真中監督を目の前で胴上げさせるわけにはいかない。何より選手の意地を見たい。フラストレーションが溜まりっぱなしの虎党の溜飲も下げたい-。残り 2試合。まずはヤクルトの胴上げを阻止し、 4日のシーズン最終戦では、 1.5差で追ってくる 4位広島を撃破する。
「優勝は逃したけど、(日本一になる)チャンスはあるからね。もう 1回勝負するという…。最後まで全力を尽くしますよ」
失速したまま終わるわけにはいかない。和田野球、 4年間の集大成。必ず有終の美を飾ってみせる。
とことん話し合う。じっくり待つ-。OBの金本知憲氏を来季の新監督に招へいする方針を固めた阪神が、交渉について“長期戦”を覚悟していることが 1日、分かった。すでに球団サイドが金本氏に水面下で接触したことも判明。答えを急がせることなく、本人の意思を最大限に尊重していく。
誠心誠意を持って、時間をかけて話し合う覚悟だ。虎の至宝である金本氏を、どう新しい挑戦へと導けるか。球団関係者はその交渉について、スタンスを明かした。
「粘り強く、交渉していきたい。金本氏にも、いろいろ条件があるでしょうから」
9月30日に大阪・野田の阪神電鉄本社で坂井オーナーと南球団社長が直接会談し、金本氏を新監督に招へいする方針を固めた。今後のスケジュール調整もあり、球団サイドがこの日までに電話などで接触を行ったことも判明した。ただ、答えを急がせることはしない。
中村GMが急逝し、編成トップを失った。和田監督退任と、まさに激動のときを迎えている。今月22日に迫ったドラフト会議はもちろん、選手編成、外国人選手の問題など、決めなければいけないことは山ほどある。新監督を早急に決めて動き出したいのは山々だ。
ただ球団サイドは、金本氏は評論家としてバックネット裏から野球を勉強しながら、充実の日々を過ごしているという情報もキャッチしている。球団幹部の一人は「ご家族が反対されているとも聞いている」と話す。 9月26日には、金本氏はサンケイスポーツの取材に対して「自分でも大きく報道されていることに、びっくりしていますわ」と複雑な心境を吐露していた。コーチ経験がなく、いきなり人気球団の指揮官として現場に戻ることへの戸惑いは当然だ。
阪神が監督として招へいに動くOBの金本知憲氏。球団は誠心誠意、時間をかけて話し合っていく覚悟だ
ましてチームは課題が山積している。ベテランや外国人依存の影響で若手が伸び悩む中、大幅な若返りで新しいタイガースを作ろうとしている。過渡期の虎を立て直すのは相当な覚悟がいる。金本氏が望む環境、布陣をどれだけ整えられるか。その折衝が非常に重要。だからこそ、とことん話し合い、球団の考えを伝えていくつもりだ。
別の球団関係者も「シーズンを終えた直後(10月 5日以降)に行われるオーナー報告会で新体制への移行を発表できるのは理想だが、もちろん、期限を決めているわけではない。まずは金本氏の考えをじっくりと聞きたい」と話した。
心のハリを、動かすことができるか-。近日中に行われる金本氏との直接交渉では、 3年を軸としている契約年数だけではなく、条件面など幅をもたせて柔軟に対応する方針を固めた。
坂井信也オーナー(67)はこの日、電鉄本社のロビーで新監督招へいの進展を問われると「(まだ)知りません」とだけ話し、車に乗り込んだ。同じくOBの岡田彰布氏(57)も候補としてリストアップしているが、まずは金本氏に全力を注ぐ構え。しっかりと気持ちを伝えるべく、時間には、こだわらない。
首位に立っていた 8月、電鉄本社は来季も和田監督続投の方針を固めたが、 3位に落ち、自力 2位が消滅した 9月23日に白紙に。翌24日には電鉄本社と球団内で新監督として金本氏待望論が浮上していることが判明。27日のV逸決定を受け和田監督が辞任の意向を固めると、金本氏が次期監督の最有力候補、2005年V監督の岡田彰布氏も候補に浮上。30日に和田監督退任が正式発表され、坂井オーナー&南球団社長の会談で金本氏を新監督に招へいする方針を固めた。
◆金本知憲(かねもと・ともあき):元外野手。1968(昭和43)年 4月 3日生まれ、47歳。広島県出身。広陵高校から東北福祉大學を経て1992年D 4位で広島入団。2003年にFAで阪神に移籍し同年、2005年と 2度のリーグVに貢献。1492試合連続フルイニング出場は世界記録。2012年引退。通算2578試合、打率 0.285、 476本塁打、1521打点。打点王 度、ベストナイン 7度。右投げ左打ち。 1メートル80、88キロ。
鳴尾浜の球団施設に姿を見せた黒瀬春樹内野手
阪神は 1日、黒瀬春樹内野手と来季契約を更新しないと発表した。
西宮市の球団事務所でその旨を通告。黒瀬は「昨日(呼び出しの)電話がありました。寂しいけど、しょうがない。実力がなかったです」と肩を落とした。
県岐阜商業高校から2003年ドラフト 2巡目で西武に入団。2011年 5月に江草仁貴(現広島)とのトレードで阪神入りした。だが内野のユーティリティーも上本ら若手の台頭に押され、ここ 2年間は 1軍出場がなかった。
「甲子園でヒットを打てたことが思い出です。西武で成績を残していないのに、タイガースで 5年間もやらせてもらって本当に感謝しています。でも、また野球がしたい思いが強いので…」。今後はトライアウトを受ける方向で現役続行を目指す。
引退会見で花束を贈られる渡辺亮投手。小さい体で奮闘してきた
渡辺亮投手が 1日、西宮市内で会見し、今季限りでの現役引退を表明した。
「自分の思ったようなボールが投げられなくなったので。そろそろかなと思いました」
日本生命から2006年に大学・社会人ドラフト 4巡目で入団。2007年から 1軍に定着して、すべてリリーフで通算 362試合に登板した。
2012年まで50試合以上の登板を 5度も達成するなど鉄腕ぶりを発揮。通算15勝 3敗、防御率2.64の好成績を残したが、2013年に右肩を故障してからは出番が減っていた。
また黒瀬春樹内野手(30)は来季の契約を結ばないことを通告された。「高校を出てから野球しかやっていないし、できるだけ続けたい」と現役続行を希望した。
CS出場みえた! 左太もも裏を痛めてリハビリ中の上本博紀内野手が 1日、鳴尾浜で故障後初めて内野ノックを受けた。順調なら、 5日のフェニックスリーグ( 2軍選手中心の教育リーグ)・DeNA戦(SOKKEN)で実戦復帰することも判明。チームがクライマックスシリーズ(CS)に進出すれば、10日からのファーストステージに間に合うことが濃厚だ。
優勝を逃した上、 2位も風前の灯火の虎だが、ようやく明るい話題が届いた。鳴尾浜の黒土の上で、軽快な動きを披露したのは背番号「4」。リハビリを続けている上本がポストシーズンの出場へ、大きく前進した。
「まだ軽くなので」
本人は慎重な姿勢を崩さなかったが、復帰への青写真ははっきりと見えてきた。
左太もも裏を痛めて登録を抹消されたのが 9月12日。この日はスパイクをはいて、初めてダイヤモンドの中でノックを受けた。 2塁や 3塁で動きを確認して、患部に問題はなし。見守った古屋 2軍監督は「 5日に出られるんじゃないかな」と明かした。
実戦復帰のメドが立った上本博紀内野手。ポストシーズンでの活躍を狙う
2軍は 4日から宮崎に移動し、 5日から開催されるフェニックスリーグに参加するが、選手会長はその初戦、DeNA戦からオーダーに名を連ねることが濃厚だ。 2日には全体練習に合流して、屋外でのフリー打撃なども開始する。異常がなければ、そのままファーム本隊と行動をともにすることが決まった。
「DHでは意味がないだろう」と同 2軍監督。最初から、 2塁の守備にも就く予定だ。
1軍は 2日にも 3位以上が確定する。CSファーストステージは10日から。平田ヘッドコーチは「 8割くらいと聞いている。(フェニックスに) 5日間くらい出て、ファーストステージはどうだろうなあ」と、あくまで今後の経過報告を待つが、正 2塁手の復帰は、戦力として大きいはずだ。
故障直後はレギュラーシーズン中の復帰も検討されていたが、リーグ優勝の可能性が消えたため無理は避けてきた。すべてはポストシーズンで力を出すためだ。和田監督が指揮を執った 4年間で主力選手にまで成長した男。退任が決まっている指揮官の最後の戦いで戦列に復帰すべく、宮崎で最終調整を行う。
残り試合も 2試合となった。この時期になると、来る人去る人のニュースが入ってくるが、残り試合を全員野球でファン皆が待ち望む「二文字」に向かって前進だ!
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