金本知憲監督(47)が 4日、高知県安芸市で行っている秋季キャンプで｢がらっと変わってくれた選手も何人かいた。練習に目的意識を持ってやれば、成果が上がってくるとあらためて思った｣と、ここまでの 4日間を総括した。日程の都合上この日で一時的にキャンプ地を離れるが、後半また合流する予定。先入観なく密着指導を重ねた結果、江越大賀外野手(22)らが次々と変わり身をみせた。今後は鳴尾浜などに足を運び、キャンプ後半に再び安芸に戻る。南国の強い日差しに照らされながら、金本監督が収穫十分の第 1クールを総括した。まだ序章に過ぎないが、充実感が言葉の端々ににじんだ。選手たちが、どんな“大人”になっているか。虎のオヤジはワクワクしながら、機上の人となった。
阪神 1軍秋季キャンプで大和外野手(27)が、大砲になった！？ 打撃練習で75スイング中、左翼席への 5連発を含む10本のサク越えをマーク。プロ入り 7年で、 1軍ではわずか 1本塁打。長打力とは無縁と思われていた背番号０が、新しいスイングで新境地。｢強く振ること｣を重要テーマに掲げる金本知憲監督の期待に、応えてみせた。この日の打撃練習の主役は、江越や陽川といった未来の主砲候補ではなかった。大和が細い体を目いっぱい使ってサク越え 5連発。打撃投手とマシンと向き合い、75スイング中、10本のアーチをかけた。来シーズンはバットでも魅せる。大和が決意をにじませた。
北條史也内野手(21)が、外野守備に新境地をみせた。高代延博ヘッドコーチ(61)発案の守備位置を入れ替えるシャッフルノックで、左翼手に挑戦。捕球や中継プレーを本職顔負けにこなしてみせた。どこでも守れるなら、出場機会も増えるはず。金本知憲監督に、猛アピールだ。午前中に行われたのは単なるシートノックではなく、高代ヘッドコーチ発案のシャッフルノック。今成が右翼、江越が遊撃－と、普段はつかない守備位置で打球を追った。北條は陽川、新井とともに左翼へ。ところが｢中学時代はセンターを守ったこともある｣という背番号｢２｣は、複雑な中継プレーも本職顔負けにこなしてみせた。まずは 1軍で試合に出ないと、アピールすらできない。北條がユニーク練習のなかで、チャンスの糸口をつかんだ。
阪神 2軍秋季キャンプ( 4日、鳴尾浜球場)で掛布雅之 2軍監督(60)が、 1塁挑戦中の来季 3年目の横田慎太郎外野手(20)の守備の構え方にダメ出し。｢五郎丸になるな｣と、話題のラグビー日本代表ＦＢ五郎丸歩(29＝ヤマハ発動機)の代名詞といえるポーズをとって、指導した。狙いはリラックスした捕球態勢を促すため。ユーモアを交えて、有望株を育てあげる。今年60歳のミスタータイガースが軽く膝を曲げ、かがむような姿勢をとった。両手を合わせ、人さし指を立てる－。それは紛れもなく一大ブームを起こしたラグビー日本代表ＦＢ五郎丸のポーズ。時の人になりきり、来季 3年目の横田にダメ出しだ。流行をも駆使して、40歳離れた選手にも、わかりやすく伝えられるところが掛布 2軍監督のよさ。突然の五郎丸ポーズをはじめ、ユーモアをたっぷり交えて、若き才能を開花させていく。
セ、パ両リーグは 4日、2016年シーズンの交流戦の日程を発表した。来年 5月31日から 6月19日まで計 108試合を行う。各カード 3試合の18試合制で、隔年で本拠地と敵地で 3連戦を戦うため、ことしホームだったカードは来年ビジターとなる。球団史上初の 2年連続日本一につなげたソフトバンクは中日と、14年ぶりにセ・リーグを制したヤクルトは北海道日本ハムと顔を合わせる。金本監督の阪神は梨田監督の楽天と新監督同士で対戦する。記事をまとめてみました。
多くの記者陣を引き連れて移動する金本知憲監督＝安芸市営タイガース球場
金本知憲監督が 4日、高知県安芸市で行っている秋季キャンプで｢がらっと変わってくれた選手も何人かいた。練習に目的意識を持ってやれば、成果が上がってくるとあらためて思った｣と、ここまでの 4日間を総括した。日程の都合上この日で一時的にキャンプ地を離れるが、後半また合流する予定。
阪神はこの日も内外野手のポジションを入れ替えてシートノックを行うなど、新体制の改革が進んでいる。選手と積極的にコミュニケーションをとる場面も目立ち、金本監督は｢厳しさも持ちながらディスカッションはどんどんしたい。選手は家族だと思っている｣と思いを口にした。
金本知憲監督(中央)はリレーのスターターを務める。江越大賀外野手(右)らの成長に手応え十分だ＝安芸市営タイガース球場
金本知憲監督が 4日、所用のため安芸秋季キャンプ第 1クールを 1日早く打ち上げた。先入観なく密着指導を重ねた結果、江越大賀外野手(22)らが次々と変わり身をみせた。選手らを｢家族｣と表現し、その成長に確かな手応えを感じて、高知をあとにした。今後は鳴尾浜などに足を運び、キャンプ後半に再び安芸に戻る。
南国の強い日差しに照らされながら、金本監督が収穫十分の第 1クールを総括した。まだ序章に過ぎないが、充実感が言葉の端々ににじんだ。
｢短期間でもガラッと変わった選手もいた。やはり目的意識を(与えて)やれば成果が出るというのを改めて思った｣
アドバイスで江越が変わり身を見せたことを喜んだ金本知憲監督＝安芸市営タイガース球場
所用のため、第 1クールを 1日残してこの日、一時帰阪。10月下旬の秋季練習(甲子園)から指導を始め、安芸に入って 4日間。わずかな期間でも、成果が表れていることを感じていた。
｢選手は家族だと思っている｣
このフレーズが、すべてを物語っていた。
就任会見で生え抜きの 4番を育成することを約束。来季大卒 2年目の江越は有力候補で、早々に名前をあげた。これまで体が突っ込む癖があり、軸回転でスイングできなかったが、修正に成功。｢ 1、 2ポイントのアドバイスだが、きのう試合形式で内角球を打ってくれた｣。紅白戦で 2 2塁打 1打点。いずれもこれまで苦手としていた内角の直球だった。
走塁＆バント練習で指示を出す金本知憲監督＝安芸市営タイガース球場
来季大卒 3年目で、いまだ 1軍経験がない陽川にも｢まだティー打撃で『言ったことを守れるレベル』だが、できている｣と進歩を認めた。
江越に陽川、そして大和も、この日のフリー打撃で５連発を披露するなど、短期間で大変身を遂げた。指導に応えてくれたことが、心底うれしかった。
選手との接し方で心に決めているのが、先入観を持たないこと。｢体つきで方向性を決めない。『小さい、振れない、だから逆方向』というのは違うと思う。イメージ(先入観)を持たないということ｣。そして、対話。｢コミュニケーションを大事にしたい。いろいろな話を聞いてあげたいし、ディスカッションはどんどんしたい｣。一方通行は実にならない。
アップ中の選手の前でバットを持つ金本知憲監督＝安芸市営タイガース球場
だから、敷居も低くした。リレーではスターター役を務め、シートノックでは 1塁の守備に入って、江越らを驚かせた。｢選手に対するプレッシャーですね。『きちんと投げろよ』と｣と意図を語ったが、厳しく、明るく若虎のなかに飛び込む姿は、まさにアニキならぬ“オヤジ”。喜怒哀楽を振りまきながら、“わが子”らを導いた。
｢同じようなことをやっていたのかと思い出すだけで、ゾッとする｣
午後 4時半。会見場に現れると｢超ネムイ｣と苦笑いした。現役バリバリの選手と走り回り、クタクタ。でも、チルドレンの成長が活力となる。
今度は鳴尾浜などを視察して再び、キャンプ後半に安芸入りする。選手たちが、どんな“大人”になっているか。虎のオヤジはワクワクしながら、機上の人となった。
大和外野手は 5連発を含む10発。金本監督の｢強く振る｣を体現してみせた＝安芸市営タイガース球場
阪神 1軍秋季キャンプで大和外野手が、大砲になった！？ 打撃練習で75スイング中、左翼席への 5連発を含む10本のサク越えをマーク。プロ入り 7年で、 1軍ではわずか 1本塁打。長打力とは無縁と思われていた背番号０が、新しいスイングで新境地。｢強く振ること｣を重要テーマに掲げる金本知憲監督の期待に、応えてみせた。
打撃ケージの後で見守ったコーチ陣からの｢ 5本目！｣というかけ声とともに、打球は左翼席まで伸びていった。これがあの大和？ 2番や下位打線でつなぎ役の印象の強い背番号｢０｣が、大砲に変身。インパクトの強いスイングで、サク越えを連発した。
｢ゴロではなく、フライを遠くに飛ばす意識でやっている。継続してやっていきたいです｣
この日の打撃練習の主役は、江越や陽川といった未来の主砲候補ではなかった。大和が細い体を目いっぱい使ってサク越え 5連発。打撃投手とマシンと向き合い、75スイング中、10本のアーチをかけた。
金本知憲監督(右)はこれぞ大和本来の姿と強調した＝安芸市営タイガース球場
｢僕の目には大和のよさが出始めた。もとに戻り始めたと思っている。大和はインサイドを引っ張る打者。その長所が消えていたと思っていた｣
金本監督も、変わり身に目を細めた。
今季 123試合に出場し、打率 0.225、 0本塁打、12打点。打撃不振に陥り、中堅のレギュラーの座を江越や伊藤隼に奪われた。守備ではチーム随一といわれ、2014年にはゴールデングラブ賞を獲得したほど。定位置奪取には、打撃復活が鍵だった。
片岡打撃コーチは｢(今季は打つときに)軸足がずれていた｣と指摘する。そのため球にパワーが伝わらず、振り負けていた。今キャンプでは下半身をやわらかく使い、インパクトでヘッドを効かせるスイングに取り組んでいる。その成果がジワリと出始めた。
｢自分の中では強く打てていると思う。下半身を使ってスイングできています｣と本人も手応え十分。来シーズンはバットでも魅せる。大和が決意をにじませた。
北條史也内野手は左翼でシートノックを受ける。本職顔負け！？＝安芸市営タイガース球場
阪神 1軍秋季キャンプでどこでも守れます！ 北條史也内野手が、外野守備に新境地をみせた。高代延博ヘッドコーチ発案の守備位置を入れ替えるシャッフルノックで、左翼手に挑戦。捕球や中継プレーを本職顔負けにこなしてみせた。どこでも守れるなら、出場機会も増えるはず。金本知憲監督に、猛アピールだ。
内野手が外野で、外野手が内野でノックを受けた。慣れないポジションに多くの選手が戸惑うなか、北條がひときわ目立つ動きをみせた。
｢新鮮で楽しかった。テンションが上がりますね。いろいろなポジションが守れたら、チャンスが広がると思います｣
遊撃に入った梅野隆太郎捕手はトスをする＝安芸市営タイガース球場
午前中に行われたのは単なるシートノックではなく、高代ヘッドコーチ発案のシャッフルノック。今成が右翼、江越が遊撃－と、普段はつかない守備位置で打球を追った。北條は陽川、新井とともに左翼へ。ところが｢中学時代はセンターを守ったこともある｣という背番号｢２｣は、｢去年より肩が強くなったので、いい球がいくようになりました｣と、複雑な中継プレーも本職顔負けにこなしてみせた。
本来は内野手、外野手が互いの気持ちがわかるように－という意図がこめられていたが、金本監督は思わぬ収穫に｢北條もね。外野もいけるなという感じはした｣とニンマリだ。 2塁の上本を中堅に、 3塁の今成を捕手に挑戦させている。複数のポジションをこなせれば、それだけ戦略の幅は広がる。北條は 2遊間に加えて、今季は 3塁にも挑戦。さらに外野もＯＫとなれば、胸が弾まないわけはない。
伊藤隼太外野手はいつもの中堅ではなく 3塁へ＝安芸市営タイガース球場
打撃も成長中だ。指揮官から直々に指導を受け、｢トップの位置を引いて、(バットの)先で(ボールを)持っていくよういわれました。ヘッドが振れていたと思います｣と効果を実感。｢野球に対して厳しい方だと思っていたけど、自分の形が縮こまらずにやらせていただいている。やりやすいですね｣と感謝しきりだった。
まずは 1軍で試合に出ないと、アピールすらできない。北條がユニーク練習のなかで、チャンスの糸口をつかんだ。
野球ではこのポーズはダメだよ！ 掛布雅之 2軍監督は五郎丸ポーズを取って横田慎太郎外野手の“欠点”を解説する＝鳴尾浜球場
阪神 2軍秋季キャンプで掛布雅之 2軍監督が、 1塁挑戦中の来季 3年目の横田慎太郎外野手の守備の構え方にダメ出し。｢五郎丸になるな｣と、話題のラグビー日本代表ＦＢ五郎丸歩の代名詞といえるポーズをとって、指導した。狙いはリラックスした捕球態勢を促すため。ユーモアを交えて、有望株を育てあげる。
平日にもかかわらず詰めかけた虎党の目が、丸くなった。午前11時23分。突然、掛布 2軍監督の口から野球とは関係のない、アノ有名人の名前が飛び出した。
｢お前は五郎丸か。五郎丸になるな！｣
横田慎太郎外野手(右)はミットと左手が接したまま構えていた。肩に力が入っている！？＝鳴尾浜球場
その直後。今年60歳のミスタータイガースが軽く膝を曲げ、かがむような姿勢をとった。両手を合わせ、人さし指を立てる－。それは紛れもなく一大ブームを起こしたラグビー日本代表ＦＢ五郎丸のポーズ。時の人になりきり、来季 3年目の横田にダメ出しだ。
｢(捕球前に)ずっとファーストミットと(左)手をくっつけているから。彼(五郎丸)の場合は体幹を整えるという意味があるけど、横田は腕の力を抜かないとね｣
度々、五郎丸ポーズを取り、報道陣に丁寧に説明。指摘のきっかけはシートノック中にあった。今秋キャンプから一塁守備に挑戦中の横田の捕球態勢に悪癖を発見。構えると力んで背中が丸まり、ミットと左手が接していた。確かに五郎丸ポーズに似ている。
掛布雅之 2軍監督は｢五郎丸か！｣と自らポーズを取ってダメ出し＝鳴尾浜球場
本家のルーチンは両腕を内に絞ることで体幹を意識し、キックの際に体の軸がぶれないようにする狙いがあるが、野球では不要。体が固まってしまうと守備範囲が狭くなり、速い打球に対応できない。要は脱力のススメというわけだ。藤本 2軍守備走塁コーチは｢捕る前に体が硬くなっているから。リラックスしろということ｣と説明した。
指導の効果は早速出たようで若武者も満足げ。｢外野と違って打球が来るまでが( 1塁は)速いので。これから(ミットと左)手を離して守ろうと思います｣。ミスタータイガースは｢これも(本職の)外野の守りのプラスになる｣と、相乗効果を期待した。
流行をも駆使して、40歳離れた選手にも、わかりやすく伝えられるところが掛布 2軍監督のよさ。突然の五郎丸ポーズをはじめ、ユーモアをたっぷり交えて、若き才能を開花させていく。
セ、パ両リーグは 4日、2016年シーズンの交流戦の日程を発表した。来年 5月31日から 6月19日まで計 108試合を行う。各カード 3試合の18試合制で、隔年で本拠地と敵地で 3連戦を戦うため、ことしホームだったカードは来年ビジターとなる。
交流戦はパ主催の 6試合で始まる。今季、交流戦最高勝率チームとなり、球団史上初の 2年連続日本一につなげたソフトバンクは中日と、14年ぶりにセ・リーグを制したヤクルトは北海道日本ハムと顔を合わせる。高橋新監督を迎えた巨人はオリックスと、金本監督の阪神は梨田監督の楽天と新監督同士で対戦する。
守備位置を変えてまで守備を強化する練習。実に良いですね。来シーズンこそ全員野球でファン皆が待ち望む｢二文字｣に向かって前進だ！
ガンバレ！阪神！我らのタイガース！勝利を掴め！
2015年順位表
2015年対戦表
クライマックスシリーズ ファイナルステージ
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