西岡剛内野手(31)が 7日、沖縄・宜野座キャンプの実戦形式のシート打撃で存在感を示した。一死 1、 3塁の状況で、鶴と勝負。 3球目の変化球をとらえ、完璧なライナーで右前に運んだ。今季の“初タイムリー”で、健在ぶりをアピールした格好。過去 2年は重傷を負い、長期離脱を強いられていた。正念場のシーズンだが、まずは順調に過ごす。上本、大和との 2塁のレギュラー争いは熱を帯びてきた。
春季キャンプ( 7日、沖縄・宜野座村)で西岡剛内野手がシート打撃で右前適時打を放ち、順調な調整ぶりを披露。昨季の｢右肘内側側副靱帯の損傷｣からの完全復活を期す男が健在ぶりをアピールすれば、上本博紀内野手(29)も快音。大和外野手(28)との 2塁手バトルはヒートアップ。 3塁を狙う今成亮太内野手(28)も右越えの 3塁打を放ち、 3塁争いも過熱してきた。一気に競争激化の気配だ。前日は大和が、この日は上本もタイムリーを放った。 2塁のポジションを争う 3人が、そろってアピール。これには金本新監督もうれしい悲鳴だ。 2年連続でけがに泣いた男にとって、競争激化は想定内。首位打者 1回、盗塁王 2度。実績最上位のスピードスターが、完全復活へと加速する。
阪神春季キャンプで宜野座に詰めかけた8000人のファンから最も大きな拍手を受けたのは今成亮太内野手(28)だった。 2日続けて行われた一死 1、 3塁を想定した実戦練習。鶴の速球をフルスイングすると打球は、前日 6日は越えなかった右翼手の頭上を越えていった。昨季93試合で、打率 0.283、 1本塁打、16打点。右肋(ろく)軟骨損傷や左太もも痛など、相次ぐ故障でレギュラーに定着できなかった。年明けには松田(ソフトバンク)、糸井(オリックス)らとグアムで自主トレ。今成は｢僕はそんなに足は速くはないが、相手のスキをつく走塁もやっていきたい。打撃、守備でもアピールしていきたい｣と走攻守でアピールを誓った。本気になったムードメーカーが自分の居場所をつかみとる。
春季キャンプでプロ 3年目の岩崎優投手(24)がブルペンで 120球の投げ込みを行った。前日 6日にシート打撃で好投した同期の岩貞祐太投手(24)への対抗心もあって志願した。スタミナ面の課題を残し、わずか 3勝だった昨季の失敗を糧にローテ争いに挑む。スライダー、チェンジアップなど変化球も試しながら、 1球 1球、状況をイメージしてから左腕をしならせた。前日 6日にシート打撃に登板したが新井に甘く入ったスライダーを左翼席に運ばれた。打者 9人に被安打｢４｣。かたや開幕ローテのライバルである岩貞は打者 9人に被安打｢１｣で金本監督に｢急浮上したね｣といわしめた。ブルペンでフィニッシュした瞬間、見守っていた虎党から拍手が湧き起こっていた。先発 4本柱に続く若い投手の台頭を誰もが待ち望んでいる。
春季 2軍キャンプ( 7日、高知・安芸)で 2軍キャンプに臨時コーチとして参加しているＯＢの江夏豊氏(67)が 7日、ドラフト 1位の高山俊外野手(22＝明治大學)を｢いいツラしとる｣と絶賛した。フリー打撃で 4発のサク越えを放った黄金ルーキーは前日 6日の講演会で、しっかりと大先輩の目を見て質問。真摯な態度で江夏氏が定める大物の条件をクリアした。前日 6日に開いた講演会で高山から質問を受けた。その間、大先輩の目を見つめていたという。視線をそらさないことはいい打者の第一条件。江夏氏は現役晩年、気になる好打者を呼んで質問していた。勝負の世界で生き残るために考え出した“性格判断術”を物差しにしたとき、相手の目を見て話す高山から、かつてしのぎを削った好敵手たちを思いだすほどの資質を感じたという。高山は江夏氏の見立て通り、大物ぶりを見せつけた。屋外フリー中、キャンプ視察にかけつけた坂井信也オーナー(67＝阪神電鉄会長)と江夏氏がじっと見守っていた。いいところを見せようと力むことなく、掛布 2軍監督から教わった右膝の使い方を意識して打ち込んだ。レジェンド左腕もほれた逸材は、20日の対外試合が実戦復帰の目安に設定されている。江夏氏のお墨付きを得た将来の中軸候補が、一気にペースを上げる。阪神春季 2軍キャンプ安芸キャンプを視察した坂井オーナーが高山を絶賛した。思わず足を止め、高山の屋外フリー打撃を見守った。予定されていた取材時間が約20分ずれ込むほどだった。記事をまとめてみました。
実戦打撃練習で右前安打を放った西岡剛内野手＝沖縄・宜野座村野球場
西岡剛内野手が 7日、沖縄・宜野座キャンプの実戦形式のシート打撃で存在感を示した。
一死 1、 3塁の状況で、鶴と勝負。 3球目の変化球をとらえ、完璧なライナーで右前に運んだ。今季の“初タイムリー”で、健在ぶりをアピールした格好。
西岡は｢まだまだです。結果が出ているだけです｣と言葉少なだった。
片岡打撃コーチは｢この時期に変化球をためて打てた。しっかり調整できている。まあ、まだ 2月 7日やで｣と評価する。過去 2年は重傷を負い、長期離脱を強いられていた。正念場のシーズンだが、まずは順調に過ごす。上本、大和との 2塁のレギュラー争いは熱を帯びてきた。
安打を放った西岡剛内野手＝沖縄・宜野座村野球場
春季キャンプで西岡剛内野手がシート打撃で右前適時打を放ち、
順調な調整ぶりを披露。昨季の｢右肘内側側副靱帯の損傷｣からの完全復活を期す男が健在ぶりをアピールすれば、上本博紀内野手も快音。大和外野手との 2塁手バトルはヒートアップ。 3塁を狙う今成亮太内野手も右越えの 3塁打を放ち、 3塁争いも過熱してきた。
サングラスの下に隠した闘志が、バットからあふれ出た。南国らしい強い日差しを浴び、一層、存在感が増す。 2塁手争いがいよいよ本格化。バチバチと火花が散るようなアピールの応酬の中で、西岡が順調ぶりを結果で示した。
｢(自身の状態は)まだまだ。結果がでただけ｣
シート打撃で右前打を放った西岡剛内野手。勝負強さはキラリ。 2塁は譲れない＝沖縄・宜野座村野球場
淡々と話して車に乗り込んだが、言葉以上に結果は雄弁だった。前日 6日に続いて行われたシート打撃。一死 1、 3塁の場面での第 1打席で、鶴のスライダーを見事にとらえた。低いライナーで 1、 2塁間を突破。見守った片岡打撃コーチが｢この時期に変化球をタメて打てたということは、しっかり調整ができているんじゃないかな｣と話せば、偵察部隊は困り顔。中日・佐藤スコアラーは｢西岡が元気だったら、すごく打線のバリエーションが増える。 1番でも使うことができる。(阪神は周囲に)駒がないといわれるけど、全然、あるじゃない｣と戦々恐々だった。
一気に競争激化の気配だ。前日は大和が、この日は上本もタイムリーを放った。 2塁のポジションを争う 3人が、そろってアピール。これには金本新監督もうれしい悲鳴だ。
シート打撃で安打を放った西岡剛内野手＝沖縄・宜野座村野球場
競争激化に｢そやね。うん｣とうなずくと、｢最後の最後までね、どうしようかというくらい、 3人とも順調にいってほしいですね。本当に｣とさらなるアピール合戦を期待した。
2塁で再挑戦する今キャンプでは、スローイングの量を減らすなど、慎重に進めている。守備は段階を踏んでいくが、バットは全開近し。首脳陣を安心させた。
指揮官は｢スローイングを調整しながら、やってくれている方じゃないですか。ノックのボールまでの(入る)スピードもまずまずあるんじゃないかなと思う｣と現状の動きに合格点を与えた。
2年連続でけがに泣いた男にとって、競争激化は想定内。首位打者 1回、盗塁王 2度。実績最上位のスピードスターが、完全復活へと加速する。
シート打撃で 3塁打を放った今成亮太内野手(左)はマウロ・ゴメス内野手(右)に手荒い祝福を受けた＝沖縄・宜野座村野球場
阪神春季キャンプで宜野座に詰めかけた8000人のファンから最も大きな拍手を受けたのは今成亮太内野手だった。
｢きのうは(右飛で)ライトオーバーができなかったので悔しかったが、きょうはできました｣
2日続けて行われた一死 1、 3塁を想定した実戦練習。鶴の速球をフルスイングすると打球は、前日 6日は越えなかった右翼手の頭上を越えていった。 6日には 3塁を争うは新井がチーム初アーチを放った。ライバルに負けていられない。｢どん欲な気持ちでアピールしていきたい｣と力を込めた。
昨季93試合で、打率 0.283、 1本塁打、16打点。右肋(ろく)軟骨損傷や左太もも痛など、相次ぐ故障でレギュラーに定着できなかった。年明けには松田(ソフトバンク)、糸井(オリックス)らとグアムで自主トレ。｢自分の体力のなさを痛感したし、すごくいい刺激になりました｣。
昨秋のキャンプから捕手に再挑戦。宜野座キャンプでのシートノックでは 2塁にも入ったが、目指すは 3塁でのスタメン出場だ。
実戦打撃で 3塁打を放ち 3塁へ走る今成亮太内野手＝沖縄・宜野座村野球場
今成、新井の激しい競争に加え、 3塁には新加入のヘイグがいる。西岡、上本、大和の三つどもえ競争の 2塁に負けない激しいバトルが演じられている。金本監督は｢ヘイグとダブルリョウタ(今成亮太、新井良太)。(新井)良太も、きのうはホームラン打ったりして。迷うというか、今からだけど、今成の打撃は捨てがたいよね。良太のパワーも捨てがたいし…｣とうれしい悩みを明かした。
今成は｢僕はそんなに足は速くはないが、相手のスキをつく走塁もやっていきたい。打撃、守備でもアピールしていきたい｣と走攻守でアピールを誓った。本気になったムードメーカーが自分の居場所をつかみとる。
ブルペンで 120球を投げた岩崎優投手。シート打撃登板翌日に異例の投げ込み＝沖縄・宜野座村野球場
春季キャンプでプロ 3年目の岩崎優投手がブルペンで 120球の投げ込みを行った。前日 6日にシート打撃で好投した同期の岩貞祐太投手(24)への対抗心もあって志願した。スタミナ面の課題を残し、わずか 3勝だった昨季の失敗を糧にローテ争いに挑む。
岩崎が燃えていた。表情はいつものように淡々としていたがブルペン投球をみれば明らかだった。体はパンパンに張っている。その中で 120球の投げ込みを志願した。
｢もともと投げることは決めていました。今までは 7割ぐらいの力感でやっていましたが、終始力を入れて投げました｣
スライダー、チェンジアップなど変化球も試しながら、 1球 1球、状況をイメージしてから左腕をしならせた。右打席に入った矢野作戦兼バッテリーコーチから｢いい球や｣と声が飛ぶ。金本監督が捕手の後ろから40分間も熱視線を送っていたが｢ずっといたのですか！？ 気づかなかったです｣。どこまでも集中していた。
岩崎の投球を背後から見守る金本知憲監督(左はサンスポ専属評論家、佐野慈紀氏)＝沖縄・宜野座村野球場
前日 6日にシート打撃に登板したが新井に甘く入ったスライダーを左翼席に運ばれた。打者 9人に被安打｢４｣。かたや開幕ローテのライバルである岩貞は打者 9人に被安打｢１｣で金本監督に｢急浮上したね｣といわしめた。同じ大卒 3年目、ともに左腕。｢あまり気にしないようにしていてもやっぱり気になります。シートで自分は打たれて向こうは抑えて…。きょうのブルペンでも多少は気が入りました｣。この瞬間だけ少し白い歯をみせながら悔しかった心境を吐露した。
昨季は 3勝10敗、防御率3.51。中盤につかまる傾向が強かった。香田投手コーチは｢スタミナが課題というのもあった上での 120球。昨日、シートで投げて、その後、下半身のウエートもやっていたのにね。意識の高さを感じた｣とうなずいた。何より、若い 2人が自然と火花を散らしていることがうれしい。
岩崎は｢いいバランスで投げられました｣と納得顔だった。ブルペンでフィニッシュした瞬間、見守っていた虎党から拍手が湧き起こっていた。先発 4本柱に続く若い投手の台頭を誰もが待ち望んでいる。
江夏氏に｢いいツラしとる｣と絶賛された高山俊外野手。最高のホメ言葉だ＝高知・安芸市営球場
春季 2軍キャンプで 2軍キャンプに臨時コーチとして参加しているＯＢの江夏豊氏が 7日、ドラフト 1位の高山俊外野手を｢いいツラしとる｣と絶賛した。フリー打撃で 4発のサク越えを放った黄金ルーキーは前日 6日の講演会で、しっかりと大先輩の目を見て質問。真摯な態度で江夏氏が定める大物の条件をクリアした。
伝説の左腕が足を止めた。ルーキー高山がフリー打撃に臨み、 118スイングで 4本のサク越えを放った。打撃の結果ではない。超一流の打者と紙一重の勝負を繰り広げてきた勝負師には、虎の黄金ルーキーに漂うオーラが見えた。
｢なんか持っている。きょうのフリーバッティングを見てもね。そして、堂々と昨日も俺の顔を見て質問してきたから。お～、いいツラしとるなと｣
前日 6日に開いた講演会で高山から質問を受けた。その間、大先輩の目を見つめていたという。視線をそらさないことはいい打者の第一条件。江夏氏は現役晩年、気になる好打者を呼んで質問していた。
｢分かっとるけど、どこ出身だ、というふうに聞くんだ。俺の顔を見ていってくるやつは向こうっ気が強い。キヨシ(元巨人・中畑清)とかね｣
トスバッティングをする高山俊外野手＝高知・安芸市営球場
勝負の世界で生き残るために考え出した“性格判断術”を物差しにしたとき、相手の目を見て話す高山から、かつてしのぎを削った好敵手たちを思いだすほどの資質を感じたという。もし現役時代に戻り、高山と対戦するならば｢フルカウントになってまともに勝負にいくとカチーンといかれるタイプやね。低めのボール球を放るとひっかかってくる。四球なんて選びたくない、打ちたいタイプじゃないかな｣と楽しそうに攻略法を明かすほど。 1月12日の新人研修会のように人生の大先輩をも引き込む魅力がある。
高山は江夏氏の見立て通り、大物ぶりを見せつけた。屋外フリー中、キャンプ視察にかけつけた坂井信也オーナーと江夏氏がじっと見守っていた。いいところを見せようと力むことなく、掛布 2軍監督から教わった右膝の使い方を意識して打ち込んだ。
サク越えは 4発にとどまったが｢自分のバッティングに必死だったので｣と気にする様子なし。目を見て話すことについて｢普通のことですが、そういっていただいたことはうれしい｣と声を弾ませた。掛布 2軍監督は｢プロ向きの性格をしているんじゃないか｣と話した。
｢縁あってタイガースに入ってきた。いいものを持っていれば掛布も使うんじゃない？ 1軍のベンチにも入れると思う。ベストの状態になれば沖縄に参加する。そういういい素材だよ｣
レジェンド左腕もほれた逸材は、20日の対外試合が実戦復帰の目安に設定されている。江夏氏のお墨付きを得た将来の中軸候補が、一気にペースを上げる。
視察した坂井オーナー(左)は臨時コーチを務める江夏氏(右)と談笑＝高知・安芸市営球場
阪神春季 2軍キャンプ安芸キャンプを視察した坂井オーナーが高山を絶賛した。思わず足を止め、高山の屋外フリー打撃を見守った。予定されていた取材時間が約20分ずれ込むほどだった。
｢非常に雰囲気があり、期待できると確信しました｣とうれしそうに話した。
昨秋のドラフト前に球団編成部と戦略を練る際｢なかなか打てないチームだから、打てる選手が必要では｣と高山を 1位に推した。最終的に現場とも意見が一致。順調な様子を確認し、一安心だ。
新人が躍動している姿を目に焼き付ける一方で、キャンプ前に右肩関節唇損傷の大けがで 2軍に強制送還された伊藤隼に｢いつまでも待っています。しっかり焦らず治しなさい｣と声をかけた。｢みんなに競り合ってもらうのが一番。けがせんように、みんなに頑張ってほしい｣と話して球場を後にした。
★阪神・高山の新人研修会ＶＴＲ
1月12日に東京都内で行われた｢ＮＰＢ新人選手研修会｣に参加した高山は毎年恒例の講義｢話し方、インタビューへの対応｣で壇上へ招かれ、模擬インタビューに挑戦。講師を務めた元ニッポン放送アナウンサー深沢弘氏(80)から｢声が小さい｣とダメ出しを受けたが、直後の休憩時間に高山が深沢氏の元へ向い｢ありがとうございました｣とお礼。この態度に驚いた深沢氏は｢10年くらいやってるけど、初めてだ｣と絶賛した。
★掛布監督も納得
掛布 2軍監督は高山の現状について｢右足の使い方を指導して、『打ちます』といって、今も打っているでしょう｣と説明した。この日から指揮官が招いた江夏氏が臨時コーチとして安芸キャンプに参加。投手を隣に座らせて、身ぶり手ぶりで指導するなど、江夏氏のコーチングに納得顔。｢レベルに合わせてやってくれていると思う。自分で決めかねてきたことでも、ちょっと背中を押してくれるとね。精神的な部分で選手には楽になってくれれば｣と期待を寄せた。
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