14日横浜スタジアムでDeNA-阪神10回戦が行われ、DeNAは 2回、筒香が11号先制ソロを右中間席へ。さらに桑原の 2点適時打で 3点を奪った。阪神は 3回二死 2塁で無得点。DeNAは 7回から須田、三上、山崎康晃とつないで逃げ切った。先発今永が 6回 3安打 1失点で粘り 2勝目を挙げた。阪神は右打者を並べるオーダーも不発に終わり、勝率「5割」に逆戻りした。手を変え、品を変えても…兵は踊らず。苦肉の策として日替わり打線を組む金本知憲監督(48)は、効果が長続きしないことを嘆いた。 2番俊介と 5番新井は今季初先発だった。若手だけでなく、中堅も登用し、チームの活性化を図る。結果を出した選手は次も使う。今季40試合目で早くも30通り目のオーダー-。その 2人は確かに奮起した。新井は 2点を追う 6回一死 1、 3塁で放った鋭い打球は今永のグラブを弾いたことが災いし、 2塁ベースのすぐそばへ…。処理した宮崎が 2塁を踏み、 1塁送球。公式記録は 2ゴロも事実上の併殺となってしまった。超変革を掲げる今季、開幕からD 1位・高山俊外野手(23=明治大學)、横田、江越、D 6位・板山祐太郎外野手(22亜細亜大學)、原口、陽川らが頭角をみせてきたが、スタメンを完全に勝ち取ることはできていない。オーダー編成に毎晩アタマをひねる虎将の悩みは深い。
若虎だけやない、中年もいるで! ともに28歳の大和外野手、今成亮太内野手のアラサーコンビが、 8回の逆転劇を演出した。 1点を追う一死 1塁の場面。 2番でスタメン出場した大和が、会心の同点適時 2塁打を放った。 7回まで 0点に抑え込まれていたDeNA井納をついに捉えた。今季、虎にとっては天敵ともいえる右腕。過去 2試合の対戦でも15イニングで 1点しか奪えていなかった。その井納の高め 145キロ直球を大和は強振。打球は左中間を真っ二つ。割れんばかりの大歓声を身に浴びた。その後、ゴメスの適時打で逆転のホームインを果たした。好機を演出したのは、この回先頭の代打今成だった。 3塁スタメンは 4年目の北條。最近では 3年目の陽川も起用されることが多く、今成は実質 3番手扱いになっていた。勝負の 1打席で、井納の初球スライダーを捉えて中前に運び、流れを呼び込んでいた。価値ある勝利を呼び込んだ 2人に、金本監督も称賛。勝利の立役者となった大和だが、試合後も浮かれることはなかった。
狩野恵輔外野手(33)が代打でタイムリーを放った。 3点を追う 5回二死 1、 2塁で 9番岩貞祐太投手(24)に代わり打席へ立つと、DeNA先発今永の外角直球を左前へ運んだ。
鳥谷敬内野手(34)が通算 300 2塁打を達成した。 2点を追う 9回二死、山崎康晃の低めスライダーをとらえて 1塁線を破った。23打席ぶりの安打が節目の 1本となったが、チームは競り負け。冷静に前をみすえた。阪神在籍期間内での 300 2塁打達成は球団史上 3人目。史上66人目の通算 300 2塁打で気を吐いた。試合前には若手に交じり室内で打ち込んだチーム最高年俸選手( 4億円)が光明の一打。貯金は再び消え、 4位に後退、「5割」に逆戻りになった。鳥谷が23打席ぶりに灯した「H」ランプは、プロ通算 300 2塁打のおまけつき。長かったトンネルの出口が少しだけみえた。試合前、アップ後にバットを手に室内練習場に向かった。浜中打撃コーチに付き添ってもらって30分間の特打。10歳以上年下のD 1位・高山俊外野手、 4年目の北條というスタメン落ちの若手に混じって、必死でバットを振った。コーチの指示ではない。鳥谷が志願していた。連続フルイニング出場( 615試合)を続ける中、チームトップの年俸 4億円男は厳しい立場に置かれていた。打順も 3番から 6番、そして下位の 7番まで降格した。前日の試合後、金本監督から苦言を呈されていた。打ち込むために、守備練習は免除してもらった。34歳がもがいていた。D 1位・今永昇太投手(22=駒澤大學)を攻略できず、勝率「5割」逆戻り。金本監督はファンの思いを代弁した。信頼を取り戻すためのゲームは 103試合も残っている。
原口文仁捕手(24)が、検証不要の完璧プレー!これいジョン文句言わせない。“コリジョン騒動”の嫌なイメージを吹き飛ばした。 2点ビハインドの 8回の守り。二死 1、 2塁で代打・下園の右前打に、右翼を守ったD 6位・板山祐太郎外野手がチャージをかけ、本塁前で待っていた原口へノーバウンドの好返球。捕球した原口がすぐさま反転して、 2走・乙坂にタッチ。完ぺきなプレーで失点を防いだ。原口は「いいボールが来たので何もすることなく捕れました」とルーキーをたたえた。横浜出身の板山にとって、この 3連戦が自身初の“凱旋”。両親がスタンドで見守る中、 8回に代打で中前打を放ち、直後に好守。敗戦の中で、若虎がキラリと輝いた。
先発の岩貞祐太投手(24)が今季最短となる、 4回 5安打 3失点で降板した。 2回に先頭のDeNA筒香にソロ本塁打を浴びると、 9番の投手今永に四球を与えるなど制球を乱し、この回 3失点。 5回の攻撃で代打を送られた。試合開始前までセ・リーグ 1位の防御率0.65と、抜群の安定感を誇っていた左腕が、思わぬ形で崩れた。
榎田大樹投手(29)が 5回から 2番手で登板し、 2回無安打無失点と好投した。ロングリリーフもできるのが魅力。首脳陣の信頼を高めていく。
藤川球児投手(35)がリリーフに配置転換後、初めて登板し、 3安打されながら、バックの好守で 1回無失点になんとか抑えた。冷や汗の中継ぎ再デビューとなったが、金本知憲監督は「打たれたけど、球自体はよかった」。試合は 1- 3で敗れ、勝率「5割」に戻った。マウンドで冷や汗をかいても、慌てた素振りは見せない。虎の守護神に君臨した男の矜持だった。 2点差で迎えた 8回。本来の持ち場で再出発した藤川に試練が待っていた。先頭打者のロペスには初球から 6球連続ファウルで粘られた。なんとか遊ゴロに打ち取ったが、倉本にフォークを中前に運ばれた。 146キロ直球で詰まらせた代打・乙坂の打球を鳥谷が捕球できず(記録は内野安打)、一死 1、 2塁となった。戸柱の 3塁線への送りバントは鮮やかなフィールディングで 3塁封殺。二死 1、 2塁にこぎつけたが、代打・下園に右前打…。失点覚悟のシーンだったが、D 6位・板山祐太郎外野手がダイレクト返球。なんとか無失点で切り抜けた。26球を投げ、 1回 3安打無失点。最速は 147キロでファウルは12球、空振りは 2球だった。藤川はやる気をみなぎらせた。次こそは火の玉ストレートを-。球児の完全復活をファンは待ち望んでいる。記事をまとめてみました。
<DeNA 3- 1阪神、10回戦>◇14日◇横浜スタジアム
DeNAは 2回、筒香が11号先制ソロを右中間席へ。さらに桑原の 2点適時打で 3点を奪った。阪神は 3回二死 2塁で無得点。
阪神は 5回二死 1、 2塁から代打狩野の適時打で 1点を返した。 6回は一死 1、 2塁から新井が 2ゴロ併殺に倒れた。
DeNAは 7回から須田、三上、山崎康晃とつないで逃げ切った。先発今永が 6回 3安打 1失点で粘り 2勝目を挙げた。
徐行と書かれた通路を通って引き揚げる金本知憲監督=横浜スタジアム
阪神は右打者を並べるオーダーも不発に終わり、勝率「5割」に逆戻りした。
左腕の今永対策として、野手 8人中、 6人を右打者でそろえた。 5回、代打狩野の左前適時打で 2点差に迫り、中盤に攻め立てる。だが、 6回一死 1、 3塁と 8回二死 1、 2塁を逸機。あと 1本が出ず、今永に白星を献上してしまった。金本知憲監督は「(打線を)固定しようがない。どうやって、このメンバーで固定する方が間違っているし、正直、固定できないよね。俊介も出ていなかったし、中堅も仕事してもらわないといけないし。そういう意味で俊介にいってね。俊介と(新井)良太かな」と話した。 2番俊介と 5番新井は今季初先発だった。若手だけでなく、中堅も登用し、チームの活性化を図る。
金本知憲監督=横浜スタジアム
手を変え、品を変えても…兵は踊らず。苦肉の策として日替わり打線を組む金本監督は、効果が長続きしないことを嘆いた。
「(スタメンを)固定しようがないじゃん。このメンバーでどうやって…。固定しろという方が間違っているし、固定できないわね」と今後も日替わり打線を組まざるを得ない苦悩を明かした。
本調子でなかった今永を相手に、 4回まで無安打。 5回に代打狩野の適時打で 1点を返しただけだった。貯金が再び消滅した。
新井と俊介を今季初めてスタメン起用した。前夜決勝アーチの新井を 5番にウエスタン打率 3割の俊介を 2番に起用した。結果を出した選手は次も使う。今季40試合目で早くも30通り目のオーダー-。
14日スタメン=横浜スタジアム
その 2人は確かに奮起した。新井は 2点を追う 6回一死 1、 3塁で放った鋭い打球は今永のグラブを弾いたことが災いし、 2塁ベースのすぐそばへ…。処理した宮崎が 2塁を踏み、 1塁送球。公式記録は 2ゴロも事実上の併殺となってしまった。
「 2番・中堅」の俊介も 1回に宮崎の飛球を好捕するも、打撃では 2打数無安打 1四球で途中交代となった。金本監督は「(新井の結果は)紙一重かな。抜けていたらひっくり返すことができたと思うけどね」と淡々と話した。
超変革を掲げる今季、開幕からD 1位・高山俊外野手、横田、江越、D 6位・板山祐太郎外野手、原口、陽川らが頭角をみせてきたが、スタメンを完全に勝ち取ることはできていない。オーダー編成に毎晩アタマをひねる虎将の悩みは深い。
若虎だけやない、中年もいるで! ともに28歳の大和外野手、今成亮太内野手のアラサーコンビが、 8回の逆転劇を演出した。 1点を追う一死 1塁の場面。 2番でスタメン出場した大和が、会心の同点適時 2塁打を放った。
大和「うまいことバットに乗りました」
7回まで 0点に抑え込まれていたDeNA井納をついに捉えた。今季、虎にとっては天敵ともいえる右腕。過去 2試合の対戦でも15イニングで 1点しか奪えていなかった。その井納の高め 145キロ直球を大和は強振。打球は左中間を真っ二つ。割れんばかりの大歓声を身に浴びた。その後、ゴメスの適時打で逆転のホームインを果たした。
8回表、代打で中前打を放った今成亮太内野手(左)、左越え適時 2塁打を放った大和外野手=横浜スタジアム
好機を演出したのは、この回先頭の代打今成だった。 3塁スタメンは 4年目の北條。最近では 3年目の陽川も起用されることが多く、今成は実質 3番手扱いになっていた。勝負の 1打席で、井納の初球スライダーを捉えて中前に運び、流れを呼び込んでいた。
価値ある勝利を呼び込んだ 2人に、金本監督も「『中年』の意地をね。若手だけじゃないぞという。そういうところを見せてもらった。中堅はチャンスは正直、少ないけどね。そのチャンスを生かしてくれた。救ってくれましたねホント」と称賛。勝利の立役者となった大和だが、試合後も浮かれることはなかった。「毎日アピールに必死。必死にやるだけです」。決勝本塁打の新井を含め、中堅勢の活躍でもぎとった白星だった。
5回表阪神二死 1、 2塁、代打で今永から左前適時打を放った狩野恵輔外野手=横浜スタジアム
狩野恵輔外野手が代打でタイムリーを放った。
3点を追う 5回二死 1、 2塁で 9番岩貞祐太投手に代わり打席へ立つと、DeNA先発今永の外角直球を左前へ運んだ。代打の切り札として、見事に役割を果たした。
鳥谷敬内野手は 9回、DeNAの守護神山崎康晃(手前)から右翼線に 2塁打を放った。通算 300 2塁打は23打席ぶりのヒットだった=横浜スタジアム
鳥谷敬内野手が通算 300 2塁打を達成した。 2点を追う 9回二死、山崎康晃の低めスライダーをとらえて 1塁線を破った。23打席ぶりの安打が節目の 1本となったが、チームは競り負け。「 1本打てたのは良かったけど、チームが負けてしまったので…。また明日、勝てるように頑張ります」と冷静に前をみすえた。
阪神在籍期間内での 300 2塁打達成は球団史上 3人目。
8回裏DeNA一死 1塁、鳥谷敬内野手は乙坂の遊撃内野安打をはじき、マウンド横まで追いかけた=横浜スタジアム
不振の鳥谷敬内野手が 1- 3で迎えた 9回二死から、23打席ぶりの安打となる右翼線 2塁打を放った。史上66人目の通算 300 2塁打で気を吐いた。試合前には若手に交じり室内で打ち込んだチーム最高年俸選手( 4億円)が光明の一打。貯金は再び消え、 4位に後退、「5割」に逆戻りになった。
最後の打者になりたくなかった。 2点を追う 9回二死走者なし。鋭い打球が右翼線を破る。 1塁を蹴って、 2塁に向かう。忘れかけていた感触だった。鳥谷が23打席ぶりに灯した「H」ランプは、プロ通算 300 2塁打のおまけつき。長かったトンネルの出口が少しだけみえた。
8回、DeNA・乙坂の打球を捕球できない鳥谷敬内野手=横浜スタジアム
「 1本、打ててなかったので…。明日につながるかなと思います」
守護神山崎康晃のスライダーをコンパクトに振り抜いた。 6日のヤクルト戦(甲子園)の第 1打席で左前打を放って以来 5試合ぶりの安打。今季記録した自己ワーストの25打席連続無安打が迫っていたが、目前で断った。
試合前、アップ後にバットを手に室内練習場に向かった。浜中打撃コーチに付き添ってもらって30分間の特打。10歳以上年下のD 1位・高山俊外野手、 4年目の北條というスタメン落ちの若手に混じって、必死でバットを振った。コーチの指示ではない。鳥谷が志願していた。
7回、凡打の鳥谷敬内野手(投手はDeNA・須田幸太)=横浜スタジアム
打撃だけじゃなく、守備でも不本意なプレーが続いている。 8回一死 2塁では藤川が詰まらせた乙坂の打球を捕れず(記録は内野安打)にピンチを拡大した。連続フルイニング出場( 615試合)を続ける中、チームトップの年俸 4億円男は厳しい立場に置かれていた。打順も 3番から 6番、そして下位の 7番まで降格した。
前日の試合後、金本監督から「流れに任せているのじゃなく、自分で上がってこないと」と苦言を呈されていた。「自分でいろいろ考えてやっています」。打ち込むために、守備練習は免除してもらった。34歳がもがいていた。
9回、安打を放った鳥谷敬内野手、投手はDeNA・山崎康晃=横浜スタジアム
「 1本出たのはよかったんですが、チームが負けてしまったので…。また明日、勝てるように頑張ります」
D 1位・今永昇太投手を攻略できず、勝率「5割」逆戻り。金本監督は「まぁ、あの 1本じゃまだトリ自身も吹っ切れないと思うけど、キッカケにはしてほしい」とファンの思いを代弁した。信頼を取り戻すためのゲームは 103試合も残っている。
★2016年の鳥谷敬内野手
金本監督から長打力を期待され、開幕戦では 6番スタート。なかなか状態が上がらず、 3月27日- 4月 2日まで自己ワーストの25打席連続無安打を記録した。打率が上昇した時期もあったが、長続きせず、打順は 4番、 8番、 9番以外を経験。守りも精彩を欠き、 5失策はリーグ 4位。
本塁突入の乙坂智外野手(右)にタッチした原口文仁捕手(左)。リプレー検証不要の完ぺきアウトだった=横浜スタジアム
原口文仁捕手が、検証不要の完璧プレー!これいジョン文句言わせない。
“コリジョン騒動”の嫌なイメージを吹き飛ばした。 2点ビハインドの 8回の守り。二死 1、 2塁で代打・下園の右前打に、右翼を守ったD 6位・板山祐太郎外野手がチャージをかけ、本塁前で待っていた原口へノーバウンドの好返球。捕球した原口がすぐさま反転して、 2走・乙坂にタッチ。完ぺきなプレーで失点を防いだ。
「コリジョンを考える余裕もないですし、僕はベストなプレーをしただけです」。右翼を守った板山が必死のプレーを強調すれば、原口は「いいボールが来たので何もすることなく捕れました」とルーキーをたたえた。
8回、本塁を狙う乙坂智外野手(右)の走路を原口文仁捕手はベースの前に出て、空けていた=横浜スタジアム
11日の巨人戦8甲子園)で原口が走路をまたいでいたとしてセ・リーグで初めてコリジョンルールが適用され、アウトがセーフの判定に変わった。13日にはNPB側から説明があったが議論は平行線。決着していない中で原口が前に出て、走路を空けた形で捕球してからタッチ。リプレー検証不要のアウトを完成させた。
横浜出身の板山にとって、この 3連戦が自身初の“凱旋”。両親がスタンドで見守る中、 8回に代打で中前打を放ち、直後に好守。「いいところを見せられたことはよかった」。敗戦の中で、若虎がキラリと輝いた。
右越え本塁打を筒香に打たれ下を向く岩貞祐太投手=横浜スタジアム
先発の岩貞祐太投手が今季最短となる、 4回 5安打 3失点で降板した。
2回に先頭のDeNA筒香にソロ本塁打を浴びると、 9番の投手今永に四球を与えるなど制球を乱し、この回 3失点。 5回の攻撃で代打を送られた。
岩貞は「 9番バッターをしっかりと抑えておかないといけませんでした。いいピッチャーとの投げ合いで 3失点は大きかったですし、 2回は最小失点で粘らないといけませんでした」と肩を落とした。試合開始前までセ・リーグ 1位の防御率0.65と、抜群の安定感を誇っていた左腕が、思わぬ形で崩れた。
5回から登板した榎田大樹投手=横浜スタジアム
榎田大樹投手が 5回から 2番手で登板し、 2回無安打無失点と好投した。「あれが仕事なので。準備はしていました」。許した走者は筒香の四球だけ。「岩貞も左投手だったし、打者をみて(イメージして)入ることができました。できれば3人(ずつ)で終わらせたかったのですが」。ロングリリーフもできるのが魅力。首脳陣の信頼を高めていく。
なんとか 8回を無失点で切り抜けた藤川球児投手。冷や汗の再出発だ=横浜スタジアム
藤川球児投手がリリーフに配置転換後、初めて登板し、 3安打されながら、バックの好守で 1回無失点になんとか抑えた。冷や汗の中継ぎ再デビューとなったが、金本知憲監督は「打たれたけど、球自体はよかった」。試合は 1- 3で敗れ、勝率「5割」に戻った。
マウンドで冷や汗をかいても、慌てた素振りは見せない。虎の守護神に君臨した男の矜持だった。 2点差で迎えた 8回。本来の持ち場で再出発した藤川に試練が待っていた。
8回、リリーフカーで登場した藤川球児投手。新たな一歩だ=横浜スタジアム
「まだまだこれからですね。(フォークを投げるときは)まだ腕が振れていないという感じがある。(中継ぎの調整方法も)前のことなので。新しくやらないといけないね」
先頭打者のロペスには初球から 6球連続ファウルで粘られた。なんとか遊ゴロに打ち取ったが、倉本にフォークを中前に運ばれた。 146キロ直球で詰まらせた代打・乙坂の打球を鳥谷が捕球できず(記録は内野安打)、一死 1、 2塁となった。戸柱の 3塁線への送りバントは鮮やかなフィールディングで 3塁封殺。二死 1、 2塁にこぎつけたが、代打・下園に右前打…。失点覚悟のシーンだったが、D 6位・板山祐太郎外野手がダイレクト返球。なんとか無失点で切り抜けた。
「(外野が)前進守備をしていたのはわかっていたからね」
8回、DeNA・戸柱のバントを処理し 3塁へ投げる藤川球児投手=横浜スタジアム
26球を投げ、 1回 3安打無失点。最速は 147キロでファウルは12球、空振りは 2球だった。ヒヤヒヤのリリーフ再出発となったが、金本監督は「打たれたけど、球自体はよかった。あとはコントロールかな」と及第点を与えた後「フォークを振らなかったやん、あんまり。なんかわかるんかな、という感じはしたけどね」と課題を指摘した。
4年ぶりにタテジマに復帰した今季、開幕先発ローテを勝ち取ったものの 5試合で 1勝 2敗、防御率6.12。スタミナ面やチーム事情により中継ぎに転向となった。11日の巨人戦(甲子園)からブルペンで出番に備えていた。もちろん納得できる内容ではないが、新たなスタートだ。
藤川は「チームがいい方向に進むようにやれといわれたところでやるだけ」とやる気をみなぎらせた。次こそは火の玉ストレートを-。球児の完全復活をファンは待ち望んでいる。
かつて昔、北海道日本ハムが日本ハム球団時代の事だが、当時 4番に完全に固定されていた古屋英夫内野手(現・阪神 2軍チーフ兼守備走塁コーチ)を毎試合打順変更を行い、どこからでも打てる為に相手球団をまごつかせるという手法(「大澤親分の日替わり弁当打線」と言われた)を使ったが、今の阪神とは異なる事だ。安定しないからと言って、あっちこち打順を変更するのでは無く、ある程度固定をして「この打順でダメなら 2軍へ…」という様にして行くべきでは無いだろうか。全員野球でファン皆が待ち望む「二文字」に向かって前進だ! ガンバレ!阪神!我らのタイガース!勝利を掴め!
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