●27日阪神甲子園球場で阪神－ヤクルト15回戦が行われ、｢ＮＭＢ４８｣の薮下柊(17)がファーストピッチセレモニーでノーバンでストライク投球を見せた。阪神は 4回、原口の 3ランで先制すると、打者一巡の猛攻で一挙 9得点。先発能見もヤクルト打線を 6回まで無失点に抑えた。ヤクルトは 8回に一死 1、 2塁としたが連続三振。能見が今季初の完封で 6勝目。チームは 5月 6日以来の 3連勝を飾った。ヤクルト先発杉浦は今季初黒星。
●原口文仁捕手(24)が先制の 9号 3ランを放った。無死 1、 2塁でヤクルト先発杉浦の低めチェンジアップをすくい上げた。高々と上がった打球は浜風にも乗り、左翼スタンド最前列に着弾。幸先よく先制に成功した。 5番原口文仁捕手が人生初の 1イニング 5打点をマークした。 4回無死 1、 2塁の場面で左翼越えの 9号 3ランを放つと、この回 2巡目となった一死満塁で左前 2点適時打を放った。この日はイエローユニホームをまとうイベント｢ウル虎の夏２０１６｣。スタンドが黄色に染まりナインを後押しした。阪神は 4回、球団新記録となる 1イニング10打数連続安打の猛攻で一挙に 9得点。原口文仁捕手が 3ラン＆ 2点打の 1イニング 5打点で、金本知憲監督(48)の球団記録に並んだ。阪神の 1イニング 9得点は、2014年 6月 8日のソフトバンク戦の 1回以来 2年ぶり。球団記録は1969年 5月27日のアトムズ戦(神宮)で記録した 6回の13得点でセ・リーグタイ記録。
●期待された役割に満点で応えた。それがプロ初打点なのだから最高だ。｢ 8番・ 2塁｣で今季 3度目のスタメンとなった荒木郁也内野手(28)が魅せた。 4回。原口の先制 3ランの後、なお無死 1、 3塁。 1ボールからエンドラインのサインが出ると、ヤクルト・杉浦の低めチェンジアップを叩きつけた。 1、 2塁間を破る理想的な打球。 4点目を奪った上、なお 1、 3塁の形を作るとベース上で小さく手を叩いた。大卒 6年目、プロ72打席目で初打点。｢貢献できたことがうれしい｣と謙虚に汗を拭った。ド派手な 9得点のなかで光った“小技”。金本監督も目を細めた。俊足巧打、どこでも守れる器用な男。ただレギュラーを取る“決め手”がないまま 6年目を迎えていた。 3月27日の中日戦では俊足・大和の代走として起用するなど、脚力への信頼度は非常に高い。監督好みのいぶし銀。鳥谷の“休養”の間に、そのしぶい光が強さを増していく。
● 2者生還を見届けた高山俊外野手(23＝明治大学)が、 1塁ベース上で白い歯を見せた。今、セ・リーグで最も勝負強い男が、先発・杉浦をマウンドから引きずり降ろした。 4回。一挙 9得点の猛攻の中で大きな存在感を示した。 4点を奪いなお一死 2、 3塁。たたみ掛けたい場面で 141キロの直球を見事にとらえた。右前への 2点タイムリー。燕の先発右腕にトドメを刺し、打者14人の猛攻をつないだ。得点圏打率は、これで 0.403(62打数25安打)に上昇。広島・新井の 0.402( 102打数41安打)を抜き、リーグトップに躍り出た。この試合で、プロに入って初めてバットを変えた。白木のメープルのバットを、ホワイトアッシュの漆黒のバットに。重さや形状は同じで、中身と色を変えた。一般的にメープルは堅くて弾く素材で、ホワイトアッシュはメープルに比べてしなるといわれている。あくなき向上心を持ち、勝負強さはセ界一。恐るべきルーキーが、これから何度でも打線に火をつける。
●能見篤史投手(37)が通算90勝を完封で飾った。 2回に無死満塁のピンチを招いたが、 7番ジェフンをフォークで空振り三振。続く中村もフォークで 1ゴロ併殺に仕留めた。 9回を 5安打、 104球で投げきり、2011年以来、 6年連続となる完封勝利をマーク。長い長い攻撃が終わった。味方がくれた 9点のプレゼントを抱え、楽に投げられる。一方で、投球間隔が開いたが、能見には関係ないことだった。 104球の熱投。今季 6勝目( 8敗)をあげた。完封勝利は昨年 4月26日の広島戦(マツダ)以来、 1年ぶり。久々なのは完封だけではない。甲子園でも、バッテリーを組んだ原口との勝利も 6月14日のオリックス戦(甲子園)以来。原口と組んだ試合は今季 8度目で 3勝 4敗。 6月を最後に組む機会はなくなり、以降は岡崎がリードを務めていた。捕手との関係を大切に考えてきた。その中で、再び若手の原口と組んで、最後までゼロを重ねた。ひとりで掴みとった勝利ではない。その思いで“能見らしく”白星を積み重ねていく。記事をまとめてみました。
＜阪神 9－ 0ヤクルト、15回戦＞◇27日◇阪神甲子園球場
｢ＮＭＢ４８｣の薮下柊(17)がファーストピッチセレモニーでノーバンでストライク投球を見せた。
セレモニー後は｢劇場にあったブルマで(シャドーピッチング)練習をしていたら、フォームが固まって良かった｣とブルマでの特訓の成果を甲子園のマウンドで披露した。
｢今日の試合も勝って欲しいです｣と大好きな阪神へエールを送った。
ファースト・ピッチで甲子園のマウンドから投げる｢ＮＭＢ４８｣薮下柊＝阪神甲子園球場
阪神は初回二死 2、 3塁とするも先制点を奪えず。ヤクルトも 2回に無死満塁をつくるも、中村が併殺打に倒れて無得点。
阪神は 4回、原口の 3ランで先制すると、打者一巡の猛攻で一挙 9得点。先発能見もヤクルト打線を 6回まで無失点に抑えた。
ヤクルトは 8回に一死 1、 2塁としたが連続三振。能見が今季初の完封で 6勝目。チームは 5月 6日以来の 3連勝を飾った。ヤクルト先発杉浦は今季初黒星。
能見篤史投手(右)は完封勝利を挙げてハイタッチ＝阪神甲子園球場
阪神打線が 4回に一挙 9得点を奪う猛攻をみせた。
先頭江越が右前で出塁すると、続く福留が左前打。無死 1、 2塁から原口が 9号 3ランを放った。原口の 1発を号砲に、ここから打線が爆発する。ゴメスが左前、新井が中前、荒木が右前適時打。能見の犠打を挟んで、今度は高山が右前 2点適時打。北條が四球を選ぶと、 1巡した江越が再び右前打。一死満塁で福留が押し出し四球、続く原口が左前 2点適時打でゴメスも左前打。最後は新井が併殺打に倒れたが、犠打と四球を挟んで10連打とつながった。
4回裏阪神無死 1、 2塁、原口文仁捕手は左越え本塁打を放った＝阪神甲子園球場
原口文仁捕手が先制の 9号 3ランを放った。
無死 1、 2塁でヤクルト先発杉浦の低めチェンジアップをすくい上げた。高々と上がった打球は浜風にも乗り、左翼スタンド最前列に着弾。幸先よく先制に成功した。
本塁打を放った原口文仁捕手(左)とヤクルトに完封得勝利した能見篤史投手はガッツポーズ＝阪神甲子園球場
5番原口文仁捕手が人生初の 1イニング 5打点をマークした。 4回無死 1、 2塁の場面で左翼越えの 9号 3ランを放つと、この回 2巡目となった一死満塁で左前 2点適時打を放った。
この日はイエローユニホームをまとうイベント｢ウル虎の夏２０１６｣。スタンドが黄色に染まりナインを後押しした。原口は｢(本塁打は)風と球場の雰囲気ですね。ウル虎の？ 夏？ 最高っすね｣と笑顔で話した。
阪神は 4回、球団新記録となる 1イニング10打数連続安打の猛攻で一挙に 9得点。原口文仁捕手が 3ラン＆ 2点打の 1イニング 5打点で、金本知憲監督の球団記録に並んだ。
原口が 1イニング 5打点。球団では2003年 5月31日の巨人戦(東京Ｄ)の 9回に記録した金本知憲以来、 2人目。プロ野球記録は1951年飯島滋弥(大映)、1993年池山隆寛(ヤクルト)の 7打点。
4回、適時打を放った原口文仁捕手。この回 2打席目＝阪神甲子園球場
阪神が 4回、球団新記録の10打数連続安打。1936年 4月30日の名古屋戦(甲子園)の 1回に 3四球を挟み記録しているが、1972年以前の規則では四球で記録が途切れるため、このときは参考記録。プロ野球記録は、ヤクルトが2009年 6月14日のオリックス戦の 5回に記録した11打数連続安打。
阪神の 1イニング 9得点は、2014年 6月 8日のソフトバンク戦の 1回以来 2年ぶり。球団記録は1969年 5月27日のアトムズ戦(神宮)で記録した 6回の13得点でセ・リーグタイ記録。
実家でテレビ観戦した原口の家族も大騒ぎだ。父・秀一さん(62)は｢(本塁打が)もう 9本ですよ！ みんなびっくりしてひっくり返りました｣と声を弾ませた。遠征から帰るたびに｢いま鳴尾浜に帰ったよ｣と電話をくれるという。いつも｢きょうはよく打てたね！？｣と尋ねる家族に｢よくわからない。振ったら打てちゃった！｣とおどけるという。
4回、荒木郁也内野手がエンドランを成功。プロ 6年目で初打点もマークだ＝阪神甲子園球場
期待された役割に満点で応えた。それがプロ初打点なのだから最高だ。｢ 8番・ 2塁｣で今季 3度目のスタメンとなった荒木郁也内野手が魅せた。 4回。原口の先制 3ランの後、なお無死 1、 3塁。 1ボールからエンドラインのサインが出ると、ヤクルト・杉浦の低めチェンジアップを叩きつけた。
｢ゴロを何とか転がそうと思っていました｣
1、 2塁間を破る理想的な打球。 4点目を奪った上、なお 1、 3塁の形を作るとベース上で小さく手を叩いた。大卒 6年目、プロ72打席目で初打点。｢打点はたまたま。勝ったことが一番。貢献できたことがうれしい｣と謙虚に汗を拭った。
ド派手な 9得点のなかで光った“小技”。金本監督も｢本来は 1アウトでの作戦。ノーアウトだったから、迷ったんだけど。今年初めて 1、 3塁で(エンドランが)決まったね。何回か試みたけど。 1点入って、さらに 1、 3塁というね。最高の形で決まってくれた｣と目を細めた。
4回、適時打を放った荒木郁也内野手＝阪神甲子園球場
俊足巧打、どこでも守れる器用な男。ただレギュラーを取る“決め手”がないまま 6年目を迎えていた。同じ日本大学第三高校－明治大学の後輩・高山の陰に隠れていたが、金本監督の目が光ったのは春季キャンプだった。捕手の送球メーンの盗塁練習で、何度もセーフとなる姿を見逃さなかった。
｢走るとわかっていて決めるんだからね｣
3月27日の中日戦では俊足・大和の代走として起用するなど、脚力への信頼度は非常に高い。 5回には 1ゴロを内野安打にし、今季初のマルチ安打も決めた。この日、遊撃に北條を初起用した指揮官は｢ 2塁との兼ね合いもある｣と説明。つまり相手が右腕なら 2塁・荒木、遊撃・北條。左腕なら 2塁・北條、遊撃・大和というわけだ。
｢初打点ボール？ もらってないです。いわれてから気づいたんで｣と荒木。監督好みのいぶし銀。鳥谷の“休養”の間に、そのしぶい光が強さを増していく。
４回阪神は一挙９点を奪う＝阪神甲子園球場
◆データＢＯＸ◆
◎…荒木はプロ 6年目86試合72打席目で初打点。初出場は2011年 5月20日のソフトバンク戦(ヤフーＤ、代走)。初打席は2013年 4月 3日の中日戦(京セラＤ、左飛)。初安打は2014年 5月 5日のヤクルト戦(神宮、中安)。
◎…阪神の先発野手全員安打は７月２４日の広島戦（マツダ）以来。この時は先発メッセンジャーも記録し、先発全員安打だった
◎…阪神の 1イニング 6連打は2013年 5月26日の北海道日本ハム戦(甲子園)の 1回 6安打( 6得点)以来。球団記録は1946年 9月19日の中部日本戦(後楽園)の 4回に記録した 9連打。
4回に 2点打を放った高山俊外野手。得点圏打率でトップに躍り出た＝阪神甲子園球場
2者生還を見届けた高山俊外野手が、 1塁ベース上で白い歯を見せた。今、セ・リーグで最も勝負強い男が、先発・杉浦をマウンドから引きずり降ろした。
｢外野フライでも１点入る場面で、内野も前に来ていたので、内野ゴロを打たないように。ボールを上げていこうと思っていました｣
4回。一挙 9得点の猛攻の中で大きな存在感を示した。 4点を奪いなお一死 2、 3塁。たたみ掛けたい場面で 141キロの直球を見事にとらえた。右前への 2点タイムリー。燕の先発右腕にトドメを刺し、打者14人の猛攻をつないだ。
得点圏打率は、これで 0.403(62打数25安打)に上昇。広島・新井の 0.402( 102打数41安打)を抜き、リーグトップに躍り出た。 1回にも右前打を放つなど、バットで示す存在感は後半戦に入って増すばかりだが、好調な今も変化を恐れない。常に成長を追い求めている。
1回、安打を放った高山俊外野手＝阪神甲子園球場
この試合で、プロに入って初めてバットを変えた。白木のメープルのバットを、ホワイトアッシュの漆黒のバットに。重さや形状は同じで、中身と色を変えた。
｢(素材の違いを)感じられるようになれたらなと思いますし、試合で何がいいのかまだ分からないので、試してみようと思いました｣
一般的にメープルは堅くて弾く素材で、ホワイトアッシュはメープルに比べてしなるといわれている。真新しいバットを試合前練習で持ち込むと｢きょうは使おうと決めていました｣。ためらいなく 5打席すべてで握った。
｢感触(の違い)とかは、まだよく分からないですし、いつも白だったので黒には違和感がありました｣と苦笑いも、そこは打撃センスの固まりの男。 2安打 2打点で勝利に貢献したが、満足はしていない。
｢もう 1本打ちたかったですし、四球なり、もう 1回塁に出ないといけなかった｣
あくなき向上心を持ち、勝負強さはセ界一。恐るべきルーキーが、これから何度でも打線に火をつける。
完封勝利を飾りメッセンジャー投手(右)とグータッチする能見篤史投手＝阪神甲子園球場
能見篤史投手が通算90勝を完封で飾った。
2回に無死満塁のピンチを招いたが、 7番ジェフンをフォークで空振り三振。続く中村もフォークで 1ゴロ併殺に仕留めた。 9回を 5安打、 104球で投げきり、2011年以来、 6年連続となる完封勝利をマーク。能見は｢久しぶりに長いイニングを投げられたので良かった｣と、振り返った。
大量リードにもゼロだけを並べた能見篤史投手。今季初完封だ＝阪神甲子園球場
長い長い攻撃が終わった。味方がくれた 9点のプレゼントを抱え、楽に投げられる。一方で、投球間隔が開いたが、能見には関係ないことだった。
｢(攻撃が長かった難しさ？)全然ない、うれしい。少しは楽に？ 少しどころじゃない！｣
打線の勢いに乗るように 5、 6、 7回と三者凡退。 8回には暴投も絡んで一死 2、 3塁とされたが、比屋根、荒木を連続で空振りに斬ると、 9回も荒木の失策で走者を出しながら、打者 3人で抑えた。今季は左肘への不安から球数制限が設けられていたがそれも外れ、 104球の熱投。今季 6勝目( 8敗)をあげた。
完封勝利は昨年 4月26日の広島戦(マツダ)以来、 1年ぶり。これで 6年連続の完封となったが｢出ないよりは出た方がいい｣。金本監督も｢球数も少なく、テンポもよく、久々に、能見らしさが出たピッチング｣と賞賛の言葉を惜しまなかった。
久々なのは完封だけではない。甲子園でも、バッテリーを組んだ原口との勝利も 6月14日のオリックス戦(甲子園)以来。原口と組んだ試合は今季 8度目で 3勝 4敗。 6月を最後に組む機会はなくなり、以降は岡崎がリードを務めていた。
前回19日の巨人戦(甲子園)では、ドラフト 2位ルーキーの坂本を自ら指名。しかし、 2回 2/3を 6失点で今季最短でＫＯ。それでも試合後には、坂本に自らの考えを伝えるなど、捕手との関係を大切に考えてきた。その中で、再び若手の原口と組んで、最後までゼロを重ねた。
｢ひさびさに組んでこうやって抑えるんだっていうのが分かったし、原口にとっても、僕にとってもよかった｣
ひとりで掴みとった勝利ではない。その思いで“能見らしく”白星を積み重ねていく。
◆データＢＯＸ◆
◎…能見の完封は昨年 4月26日の広島戦(マツダ)以来、通算10度目。チームでは 5月27日の巨人戦(東京Ｄ)の岩貞、 6月 2日の楽天戦(コボスタ)の藤浪に続き、今季 3人目。無失点勝利は 7月 7日の巨人戦(東京Ｄ、 6－ 0)以来、今季11度目。
夏の暑さで燕が転けてきたのか、それにしても能見がよく頑張ってくれた。これからも、全員野球でファン皆が待ち望む｢二文字｣に向かって前進だ！ ガンバレ！阪神！我らのタイガース！勝利を掴め！
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