「南海キャンディーズ」のしずちゃんことミドル級(69~75キロ)で世界ランキング32位の山崎静代(33)=よしもとクリエイティブエージェンシー=が、初戦の 2回戦でシャフノザ・ニザモワ(24)=ウズベキスタン=に 3回、レフェリーが途中で試合を止めるRSC(レフェリーストップ・コンテスト)で勝った。しずちゃんは国際大会初勝利。15日の 3回戦ではアンドレア・シュトローマイヤー(30)=ドイツ=と対戦する。記事をまとめてみました。
しずちゃんが世紀の1勝を挙げた。ミドル級で出場したお笑いコンビ「南海キャンディーズ」の山崎静代は、初戦となる 2回戦でシャフノザ・ニザモワに 3回 1分54秒、RSC(レフェリーストップコンテスト)で勝ち、15日の 3回戦でアンドレア・シュトローマイヤー(ドイツ)と対戦。今大会でアジア最上位になれば、夢の五輪切符を獲得する。
勝者のコールを受けると、しずちゃんは両手を突き上げた。「無我夢中でした。負けられない気持ちというか、無心で」。右まぶたを腫らした顔から笑みが漏れた。
劣勢から巻き返した。キックボクシングで2006年世界選手権 3位の実績を誇るニザモワの強烈なパンチを浴び、 1回52秒、いきなりスタンディング・ダウンを奪われたが、前へ前へ。 1回を終わって 7―11。それでも前へ。気おされた相手はリズムを失う。 2回55秒にスタンディング・ダウンを奪い返し 9― 7と形勢逆転した。
ミドル級 2回戦で、ウズベキスタン・ニザモワを攻めるしずちゃん(右)
3回は完全なしずちゃんペース。強烈な右ストレートで43秒にスタンディング・ダウン。そして 1分54秒、ワンツーのラッシュで合計 3度目のスタンディング・ダウンを奪ったところでレフェリーが試合を止めた。
終了時の採点は16―18。劣勢から 3回に 2度ダウンを奪いRSCの逆転勝ちだ。「無我夢中。盛り返そうと思ってがむしゃらにいきました。勝ててよかった。次につながって(よかった)」と、試合後も笑顔がはじけた。
「相手が疲れてきていたので、盛り返そうと思った。がむしゃらに打ったけど、絶対にかなわない相手とは思わなかった」。この大会でアジア最上位になれば手に入る五輪切符獲得に向けて第一関門を突破した。
漫画「あしたのジョー」に感動し、2007年から趣味でボクシングを始めた。 2年後に五輪種目に採用され「これは運命」と挑戦を決めた。それ以来、仕事の合間を縫って走り込み、楽屋の鏡の前でシャドーボクシング。 1日の練習時間は最長8時間に及んだ。「争いを好まない」温厚な性格も少しずつ変わってきた。
ミドル級 2回戦でウズベキスタン選手ニザモワ(左)にパンチを放つしずちゃん
多くの後押しを受けた。登場時に巻いていた白い鉢巻きには親友のレスリング女子72キロ級のロンドン五輪代表・浜口京子が「しずちゃん気合!」と書き込んでいた。観客席には無数の日の丸。両親も日本から駆けつけた。梅津正彦トレーナー(43)は先月23日の検診で肝臓などに転移が見つかった。右腹部に皮膚がんを患い治る確率は10%。早急な治療が必要だが、しずちゃんのために中国に同行した。「放っておいたら余命 1年」と宣告された。手術は無事終わったが、今月末に再入院予定。一緒に闘ってくれる人がいる。だからこそ結果で応えたかった。
最後の弟子になるかもしれないが「梅津さんのためにも勝ち取ります」と、師匠にロンドン五輪出場権獲得を誓っていた。
「気合」と書かれた鉢巻きをして入場したしずちゃん
2009年12月に五輪への挑戦を表明した時は「芸人が遊び半分で勝てるのか」という批判を浴びた。だが、練習で腫れた顔のまま、お笑いの舞台に上がり、仕事の合間にはランニング。五輪への熱意で無謀とも思える挑戦を周囲に認めさせた。試合を観戦した父・正英さん(67)は「芸人になる時もそう。あの子は周りがどんなに反対してもやるといったらやってしまう。しかし勝つなんて、自分の娘じゃないみたい」。
日本を出発する前は、公開練習で号泣するなど、重圧から来る精神面の弱さを露呈。その不安も乗り越えた。今日の相手は第8シードのマリア・コバチ(ハンガリー)を破ったサウスポーのシュトローマイヤー(ドイツ)。出場選手も前回の25人から40人に増えた。アジア勢はしずちゃんを入れて5人が16強入りしたが、同ブロックの世界ランク 1位で第 1シードのスペンサー(カナダ)が敗れた。師弟が追い続けてきた夢のロンドンへ、追い風が吹いてきた。
ニザモワと健闘をたたえ合うしずちゃん(左)
ミドル級のアジア勢は 5人が 3回戦に進出しており、五輪出場権獲得までの道は険しい。しかも次戦の相手シュトローマイヤーは格上で初戦でシード選手を破り勢いに乗る。それでも世界ランク 1位が敗れるなど今大会は波乱の様相。何が起きても不思議ではない。「強い選手はいっぱいいる。私は一戦一戦強くなっていきたい」。五輪資格は35歳未満。最初で最後の五輪に挑むしずちゃんの顔は完全にボクサーのものだった。
◆梅津正彦トレーナー:(国際大会初勝利に)泣いた分だけ強くなった。しずちゃんは、相手よりは間違いなく泣いてきたので。病院を抜け出してきたかいがあった。
◆山崎 静代:1979年 2月 4日、京都・福知山市生まれ。33歳。大阪・茨木西高時代はサッカー部に所属。聖和短大卒業後、20歳で吉本興業に入り、現在はよしもとクリエイティブエージェンシー所属。2003年に山里亮太と南海キャンディーズを結成、ボケを担当。2004年M―1グランプリ 2位。2006年に映画「フラガール」で本格的に女優デビュー、翌年の日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。2007年からボクシングを始め、現日本ミドル級王者。 182センチ。家族は両親と姉、弟。
◆アマチュアボクシングのルール:今大会は 1回 2分で最大で 4回まで。有効打で 1ポイントとなり、勝敗は得点ポイントの多い方が勝つ。ダウン自体にポイントは付かない。力量差がありすぎる場合やケガで続行不可能の場合などにレフェリーの判断で試合を止めるRSC(レフェリーストップ・コンテスト)は、プロボクシングのTKOに相当する。
国際大会では 5人のジャッジが電子採点器を使用。 5人のうち 3人以上が得点打と認めれば 1点が入り、総得点の多い方が勝利。得点差が15点以上ついた場合はRSCとなる。
◆レフェリーストップコンテスト:プロの試合で使用される用語「レフェリー・ストップ」とほぼ同じ意味でアマチュアの場合は「レフェリーストップコンテスト」と称されRSCと省略される。
▽ロンドン五輪への道:ミドル級の枠は12。当初は今大会の 8強入りが五輪切符の条件とされていたが、各大陸に出場枠があり、内訳はアジア 1、アフリカ 1、アメリカ 2、欧州 3、オセアニアが 1。今大会でアジア選手最上位になれば出場決定。残り 4枠は推薦枠としてアジア、アフリカ、アメリカ、欧州に 1枠ずつ。大会後に行われる第三者委員会で決まる見通し。
しずちゃん逆転勝ちおめでとう!まだまだ先があるので、これからも頑張って欲しい。
今日から始まる交流戦だが、阪神もしずちゃんの様に逆転で良いから勝ちに持って行く様に頑張って欲しい…
人気ブログランキングへ
にほんブログ村
しずちゃんが世紀の1勝を挙げた。ミドル級で出場したお笑いコンビ「南海キャンディーズ」の山崎静代は、初戦となる 2回戦でシャフノザ・ニザモワに 3回 1分54秒、RSC(レフェリーストップコンテスト)で勝ち、15日の 3回戦でアンドレア・シュトローマイヤー(ドイツ)と対戦。今大会でアジア最上位になれば、夢の五輪切符を獲得する。
勝者のコールを受けると、しずちゃんは両手を突き上げた。「無我夢中でした。負けられない気持ちというか、無心で」。右まぶたを腫らした顔から笑みが漏れた。
劣勢から巻き返した。キックボクシングで2006年世界選手権 3位の実績を誇るニザモワの強烈なパンチを浴び、 1回52秒、いきなりスタンディング・ダウンを奪われたが、前へ前へ。 1回を終わって 7―11。それでも前へ。気おされた相手はリズムを失う。 2回55秒にスタンディング・ダウンを奪い返し 9― 7と形勢逆転した。
ミドル級 2回戦で、ウズベキスタン・ニザモワを攻めるしずちゃん(右)
3回は完全なしずちゃんペース。強烈な右ストレートで43秒にスタンディング・ダウン。そして 1分54秒、ワンツーのラッシュで合計 3度目のスタンディング・ダウンを奪ったところでレフェリーが試合を止めた。
終了時の採点は16―18。劣勢から 3回に 2度ダウンを奪いRSCの逆転勝ちだ。「無我夢中。盛り返そうと思ってがむしゃらにいきました。勝ててよかった。次につながって(よかった)」と、試合後も笑顔がはじけた。
「相手が疲れてきていたので、盛り返そうと思った。がむしゃらに打ったけど、絶対にかなわない相手とは思わなかった」。この大会でアジア最上位になれば手に入る五輪切符獲得に向けて第一関門を突破した。
漫画「あしたのジョー」に感動し、2007年から趣味でボクシングを始めた。 2年後に五輪種目に採用され「これは運命」と挑戦を決めた。それ以来、仕事の合間を縫って走り込み、楽屋の鏡の前でシャドーボクシング。 1日の練習時間は最長8時間に及んだ。「争いを好まない」温厚な性格も少しずつ変わってきた。
ミドル級 2回戦でウズベキスタン選手ニザモワ(左)にパンチを放つしずちゃん
多くの後押しを受けた。登場時に巻いていた白い鉢巻きには親友のレスリング女子72キロ級のロンドン五輪代表・浜口京子が「しずちゃん気合!」と書き込んでいた。観客席には無数の日の丸。両親も日本から駆けつけた。梅津正彦トレーナー(43)は先月23日の検診で肝臓などに転移が見つかった。右腹部に皮膚がんを患い治る確率は10%。早急な治療が必要だが、しずちゃんのために中国に同行した。「放っておいたら余命 1年」と宣告された。手術は無事終わったが、今月末に再入院予定。一緒に闘ってくれる人がいる。だからこそ結果で応えたかった。
最後の弟子になるかもしれないが「梅津さんのためにも勝ち取ります」と、師匠にロンドン五輪出場権獲得を誓っていた。
「気合」と書かれた鉢巻きをして入場したしずちゃん
2009年12月に五輪への挑戦を表明した時は「芸人が遊び半分で勝てるのか」という批判を浴びた。だが、練習で腫れた顔のまま、お笑いの舞台に上がり、仕事の合間にはランニング。五輪への熱意で無謀とも思える挑戦を周囲に認めさせた。試合を観戦した父・正英さん(67)は「芸人になる時もそう。あの子は周りがどんなに反対してもやるといったらやってしまう。しかし勝つなんて、自分の娘じゃないみたい」。
日本を出発する前は、公開練習で号泣するなど、重圧から来る精神面の弱さを露呈。その不安も乗り越えた。今日の相手は第8シードのマリア・コバチ(ハンガリー)を破ったサウスポーのシュトローマイヤー(ドイツ)。出場選手も前回の25人から40人に増えた。アジア勢はしずちゃんを入れて5人が16強入りしたが、同ブロックの世界ランク 1位で第 1シードのスペンサー(カナダ)が敗れた。師弟が追い続けてきた夢のロンドンへ、追い風が吹いてきた。
ニザモワと健闘をたたえ合うしずちゃん(左)
ミドル級のアジア勢は 5人が 3回戦に進出しており、五輪出場権獲得までの道は険しい。しかも次戦の相手シュトローマイヤーは格上で初戦でシード選手を破り勢いに乗る。それでも世界ランク 1位が敗れるなど今大会は波乱の様相。何が起きても不思議ではない。「強い選手はいっぱいいる。私は一戦一戦強くなっていきたい」。五輪資格は35歳未満。最初で最後の五輪に挑むしずちゃんの顔は完全にボクサーのものだった。
◆梅津正彦トレーナー:(国際大会初勝利に)泣いた分だけ強くなった。しずちゃんは、相手よりは間違いなく泣いてきたので。病院を抜け出してきたかいがあった。
◆山崎 静代:1979年 2月 4日、京都・福知山市生まれ。33歳。大阪・茨木西高時代はサッカー部に所属。聖和短大卒業後、20歳で吉本興業に入り、現在はよしもとクリエイティブエージェンシー所属。2003年に山里亮太と南海キャンディーズを結成、ボケを担当。2004年M―1グランプリ 2位。2006年に映画「フラガール」で本格的に女優デビュー、翌年の日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。2007年からボクシングを始め、現日本ミドル級王者。 182センチ。家族は両親と姉、弟。
◆アマチュアボクシングのルール:今大会は 1回 2分で最大で 4回まで。有効打で 1ポイントとなり、勝敗は得点ポイントの多い方が勝つ。ダウン自体にポイントは付かない。力量差がありすぎる場合やケガで続行不可能の場合などにレフェリーの判断で試合を止めるRSC(レフェリーストップ・コンテスト)は、プロボクシングのTKOに相当する。
国際大会では 5人のジャッジが電子採点器を使用。 5人のうち 3人以上が得点打と認めれば 1点が入り、総得点の多い方が勝利。得点差が15点以上ついた場合はRSCとなる。
◆レフェリーストップコンテスト:プロの試合で使用される用語「レフェリー・ストップ」とほぼ同じ意味でアマチュアの場合は「レフェリーストップコンテスト」と称されRSCと省略される。
▽ロンドン五輪への道:ミドル級の枠は12。当初は今大会の 8強入りが五輪切符の条件とされていたが、各大陸に出場枠があり、内訳はアジア 1、アフリカ 1、アメリカ 2、欧州 3、オセアニアが 1。今大会でアジア選手最上位になれば出場決定。残り 4枠は推薦枠としてアジア、アフリカ、アメリカ、欧州に 1枠ずつ。大会後に行われる第三者委員会で決まる見通し。
しずちゃん逆転勝ちおめでとう!まだまだ先があるので、これからも頑張って欲しい。
今日から始まる交流戦だが、阪神もしずちゃんの様に逆転で良いから勝ちに持って行く様に頑張って欲しい…
人気ブログランキングへ
にほんブログ村