●17日=日本時間18日レスリング女子が行われ、 3階級を日本勢が完全制覇。 3つの金メダルを獲得した。これで今大会の日本選手団の金メダル数は10個となり、前回2012年ロンドン五輪の 7個、前々回2008年北京五輪の 9個を超えた。 2桁に乗るのは16個だった2004年アテネ五輪以来、 3大会ぶり。日本は今大会、競泳男子 400メートル個人メドレーで萩野公介選手(22=東洋大學)が日本勢の金メダル第 1号となったのを皮切りに、同じく競泳の女子 200メートル平泳ぎで金藤理絵選手(27=Jaked)が優勝した。また、柔道は男子73キロ級で大野将平選手(24=旭化成)が勝って日本男子に 2大会ぶりの金メダルをもたらし、90キロ級のベイカー茉秋選手(21=東海大學)も優勝。女子では70キロ級の田知本遥選手(26=ALSOK)が唯一の金メダルを獲得した。体操は男子団体が 3大会ぶりの金メダルを獲得し、内村航平選手(27=コナミスポーツ)は個人総合との 2冠に輝いた。そしてこの日のレスリング女子では58キロ級の伊調馨選手(32=ALSOK)が五輪全競技を通じて史上初の女子個人種目 4連覇を達成。48キロ級の登坂絵莉選手(22=東新住建)69キロ級の土性沙羅選手(21=至学館大學)も金を手にした。日本は「金メダル14個、メダル総数30個以上」を目標に掲げている。この日は卓球男子団体が決勝で中国に敗れたものの、銀メダルを獲得。これで銀が 5個、銅は18個で金と合わせてメダルが33個と、総数は目標をクリアした。大会第14日(18日=日本時間19日)はレスリング女子で伊調選手に続いて五輪 4連覇を狙う吉田沙保里選手(33)の53キロ級など、 3階級が行われる。 また、日本バドミントン史上初の金メダルを懸けて高橋礼華選手(26)、松友美佐紀選手(24)組(ともに日本ユニシス)がデンマークのペアと決勝を行う。テコンドーには昨年の世界選手権で日本勢初の優勝を果たした女子57キロ級の浜田真由選手(22=ミキハウス)が登場する。日本はどこまで金メダルを積み上げられるか、注目だ。
●同、レスリングフリースタイル女子48キロ級準決勝・決勝が行われ、世界選手権 3連覇の登坂絵莉選手が決勝進出を決めた。五輪初出場で銀メダル以上を確定させた。 2月のアジア選手権準決勝で敗れた孫亜楠選手(23=中国)に 8- 3の判定勝ちでリベンジを果たした。初戦の 2回戦はジュルジズ・エシモワ選手(28=カザフスタン)に下半身のタックルを決めるなど判定勝ち( 6- 0)で危なげないスタートをきった。続く準々決勝はヘイリー・アウゲロ選手(21=米国)に第 1ピリオドは警告のみの 1ポイントしかリードを奪えなかったが、第 2ピリオドに入り、相手のバックを取るなど地力を発揮。判定勝ち(11- 2)し徐々に調子を上げてきていた。決勝では、世界選手権 3連覇の登坂絵莉選手がマリア・スタドニク選手(28=アゼルバイジャン)を破り、初出場の五輪で金メダルを獲得した。日本レスリングチームで今大会の金メダル第 1号となった。第 2ピリオドも30秒で消極的姿勢で口頭注意を受け、アクティビティタイムに得点できずさらに 1失点。警告も受けた。残り 1分を過ぎて 1点差としたが、相手は逃げ切りを図る。残り13秒で相手の右足をつかむと、執念で離さず持ち上げる。残り 5秒でバックを取り逆転の 2ポイント。世界選手権と同じ相手に同じ展開で逆転勝ちした。今年 2月のアジア選手権で 3年半ぶりに敗れ、連勝記録が「59」で止まった。その屈辱を乗り越えての栄冠だった。表彰台に上がると両手を挙げて振り喜んだ。メダルをじっくりと見つめた。君が代を口ずさみながら掲げられる日の丸を見つめ涙を流した。最後は明るい笑顔を見せた。スタンドでは両親が応援していた。
●同、レスリングフリースタイル女子58キロ級準決勝・決勝が行われ、五輪 4連覇を目指すフリースタイル女子58キロ級の伊調馨選手(32=ALSOK)は、準決勝でユリア・ラトケビッチ選手(31=アゼルバイジャン)と対戦し、10- 0のテクニカルフォール勝ち。決勝進出を決め、金メダルへ王手をかけた。伊調選手は開始早々にタックルを決め、バックを取って 2ポイントを先制した。その後もタックルにきた相手の隙をついてバックを取り加点するなど、相手を圧倒。10- 0のテクニカルフォール勝ちで決勝進出を決めた。初戦となった 2回戦はマルワ・アマリ選手(27=チュニジア)をテクニカルフォール勝ちで完勝。 続く 3回戦はエリフジャレ・エシリルマク選手(30=トルコ)に第 1ピリオド、警告で 1ポイント奪われたが同ピリオド終了間際、バックを取って 2- 1。第 2ピリオドは警告で 1ポイント加点して 3- 1で接戦勝利を収めた。決勝では、伊調馨選手がコブロワゾロボワ選手(23=ロシア)を残り 4秒で逆転し、女子で五輪史上初の 4連覇を果たした。今年 1月の国際大会で13年ぶりの黒星を喫したプレブドルジ選手(モンゴル)を破って勝ち上がった相手だった。同じく 4連覇を目指す53キロ級の吉田沙保里選手(33=フリー)に良い形でバトンをつないだ。第 1ピリオドは相手の消極姿勢からのアクティビティタイムで 1点先行したが、 2分すぎにタックルに入ったところで右足を取られ、逆にバックを取られて 2点を失い逆転された。第 2ピリオドは攻めたがポイントを奪えないまま終盤を迎えた。残り30秒で相手がタックルに入ってきたところを逃さずつかまえた。相手につかまれた右足を必死で外すと、残り 4秒でバックを取った。 2点を加え逆転。そのまま終了の笛が鳴った。 4度目の五輪表彰台で聞く君が代。もう涙はなかった。口ずさみながら、静かに上がっていく日の丸を見つめた。天を仰いで目をつぶった。顔を正面に向けると晴れやかな笑顔になった。
●同、レスリングフリースタイル女子69キロ級準決勝・決勝が行われ、五輪初出場の土性沙羅選手(21=至学館大學)が準決勝でアンナイエンニュ・フランソン選手(29=スウェーデン)を下し、銀メダル以上を確定させた。第 1ピリオドを 1点ビハインドで終えたが、落ち着いて残り 1分半でバックを取り同点。終盤には一気に攻め込んで 7- 3とし、逆転の判定勝ちを決めた。 1回戦は2013年世界選手権女王のアリナ・スタドニク選手(25=ウクライナ)に11- 2で危なげなく判定勝ち。 2回戦はブセ・トスン選手(20=トルコ)にテクニカルフォール勝ち。 3回戦では、ドロシー・イーツ選手(23=カナダ)を 5- 2の逆転判定勝ちで下し、順調な勝ち上がりだった。決勝では、五輪初出場の土性沙羅選手がナタリア・ボロベワ選手(25=ロシア)を破り、重量級で日本女子初の金メダルを獲得した。世界選手権は2013年から連続出場して 3位、 2位、 3位で、初めて世界の頂点に立った。第 1ピリオド 1分19秒で消極的姿勢で2度目の注意を受け、アクティビティタイムに得点できず 1失点。第 2ピリオド 1分29秒にも注意からアクティビティタイムを経て失点。残り 1分30秒ほどで 0- 2と追い込まれた。だが、あきらめなかった。タックルでつかんだ相手の右足を必死でつかみ、両足ではさみ込んでロック。相手の動きを制してバックを取り、 2点を獲得。そのままタイムアップとなった。ポイントは 2- 2で並んだが、土性選手がビッグポイントを取っていることで上回り、勝利を決めた。勝利の瞬間は大きくガッツポーズし、手を打って喜んだ。セコンドの栄強化本部長とガッチリと抱き合った。日の丸を掲げた本部長を肩車して、マットを 1周して喜びを爆発させた。至学館大學の先輩 2人の金メダルが、勇気をくれた。吉田沙保里選手と同じ一志ジュニア教室でレスリングの基礎を学んだ。技術とスタミナがあるので後半型の試合展開が多くなる。世界選手権でもあと 1歩頂点に届かず話していたが、屈辱を力に変えて日本女子重量級に新たな歴史を刻んだ。
●同、男子テニス:ウエスタン・アンド・サザン・オープン シングルス 2回戦が、米シンシナティで行われ、リオデジャネイロ五輪で、日本テニス96年ぶりのメダルとなる銅メダルを獲得した世界 7位の錦織圭選手(26=日清食品)が貫禄の初戦突破だ。同68位で予選勝者のミハイル・ユージニー選手(ロシア)に 6- 3、 6- 2の 1時間20分でストレート勝ち。 3回戦進出を決めた。次戦は、同13位のゴフィン選手(ベルギー)と同21位のトミック選手(オーストラリア)の勝者と対戦する。記事をまとめてみました。
☆<リオデジャネイロ五輪第13日:レスリング>◇17日=日本時間18日◇カリオカアリーナ
レスリング女子の 3階級を日本勢が完全制覇。 3つの金メダルを獲得した。これで今大会の日本選手団の金メダル数は10個となり、前回2012年ロンドン五輪の 7個、前々回2008年北京五輪の 9個を超えた。 2桁に乗るのは16個だった2004年アテネ五輪以来、 3大会ぶり。
レスリング女子で日本勢が 3階級を制覇し、金メダルを手に笑顔を見せる(左から)69キロ級の土性沙羅選手、58キロ級の伊調馨選手、48キロ級の登坂絵莉選手=リオデジャネイロ・カリオカアリーナ
日本は今大会、競泳男子 400メートル個人メドレーで萩野公介選手が日本勢の金メダル第 1号となったのを皮切りに、同じく競泳の女子 200メートル平泳ぎで金藤理絵選手が優勝した。
また、柔道は男子73キロ級で大野将平選手が勝って日本男子に 2大会ぶりの金メダルをもたらし、90キロ級のベイカー茉秋選手も優勝。女子では70キロ級の田知本遥選手が唯一の金メダルを獲得した。
体操は男子団体が 3大会ぶりの金メダルを獲得し、内村航平選手は個人総合との 2冠に輝いた。
そしてこの日のレスリング女子では58キロ級の伊調馨選手が五輪全競技を通じて史上初の女子個人種目 4連覇を達成。48キロ級の登坂絵莉選手、69キロ級の土性沙羅選手も金を手にした。
女子58キロ級で獲得した金メダルを持ち笑顔の伊調馨選手=リオデジャネイロ・カリオカアリーナ
日本の金メダルの最高獲得数は、1964年東京五輪と2004年アテネ五輪の16個が最高。1972年ミュンヘン大会の13個、1968年メキシコ大会の11個と続く。現在の10個は1984年ロサンゼルス五輪と同数。
日本は「金メダル14個、メダル総数30個以上」を目標に掲げている。この日は卓球男子団体が決勝で中国に敗れたものの、銀メダルを獲得。これで銀が 5個、銅は18個で金と合わせてメダルが33個と、総数は目標をクリアした。
女子69キロ級で獲得した金メダルを手に笑顔の土性沙羅選手=リオデジャネイロ・カリオカアリーナ
大会第14日(18日)はレスリング女子で伊調選手に続いて五輪 4連覇を狙う吉田沙保里選手の53キロ級など、 3階級が行われる。
また、日本バドミントン史上初の金メダルを懸けて高橋礼華選手、松友美佐紀選手組がデンマークのペアと決勝を行う。テコンドーには昨年の世界選手権で日本勢初の優勝を果たした女子57キロ級の浜田真由選手が登場する。
日本はどこまで金メダルを積み上げられるか、注目だ。
試合後、 3人の金メダリストが並んで記念撮影をする(左から)土性沙羅選手、伊調馨選手、登坂絵莉選手=リオデジャネイロ・カリオカアリーナ
☆<リオデジャネイロ五輪第13日:レスリング>◇17日=日本時間18日◇フリースタイル女子48キロ級準決勝・決勝◇カリオカアリーナ
世界選手権 3連覇の登坂絵莉選手が決勝進出を決めた。五輪初出場で銀メダル以上を確定させた。
2月のアジア選手権準決勝で敗れた孫亜楠選手(中国)に 8- 3の判定勝ちでリベンジを果たした。
第 1ピリオド、投げにかかったところをかわされ、ポイントを許した。だが、第 2ピリオドにバックを奪い、アンクルホールドも決めて逆転した。
フリースタイル女子48キロ級準決勝で孫亜楠選手(左)を破り、ガッツポーズを見せる登坂絵莉選手=リオデジャネイロ・カリオカアリーナ
試合前には「ずっと憧れてきた舞台で楽しみ。世界選手権のチャンピオンは 3回なっているので、何が何でもオリンピックでチャンピオンになりたい」と話し、並々ならぬ決意で臨んでいた。
初戦の 2回戦はジュルジズ・エシモワ選手(カザフスタン)に下半身のタックルを決めるなど判定勝ち( 6- 0)で危なげないスタートをきった。
続く準々決勝はヘイリー・アウゲロ選手に第 1ピリオドは警告のみの 1ポイントしかリードを奪えなかったが、第 2ピリオドに入り、相手のバックを取るなど地力を発揮。判定勝ち(11- 2)し徐々に調子を上げてきていた。
フリースタイル女子48キロ級準決勝 登坂絵莉選手=リオデジャネイロ・カリオカアリーナ
フリースタイル女子48キロ級で世界選手権 3連覇中の登坂絵莉選手は、準決勝で 2月のアジア選手権で敗れた孫亜楠選手を下し、決勝進出で銀メダル以上を確定させた。
第 1ピリオド、投げに行ったのが裏目となり、バックを奪われ 2ポイントを奪われたが、第 2ピリオドで、バックを奪うと、アンクルホールドでポイントを重ね 8- 2で勝利を挙げた。
フリースタイル女子48キロ級決勝でマリア・スタドニク選手を破り優勝した登坂絵莉選手は、金メダルを笑顔で口にする=リオデジャネイロ・カリオカアリーナ
世界選手権 3連覇の登坂絵莉選手がマリア・スタドニク選手(アゼルバイジャン)を破り、初出場の五輪で金メダルを獲得した。日本レスリングチームで今大会の金メダル第 1号となった。
厳しい展開を最後の最後でひっくり返した。相手は2015年の世界選手権の決勝で対戦し、終了間際に逆転した難敵だった。第 1ピリオド開始 1分で場外に押し出されて 1失点。第 2ピリオドも30秒で消極的姿勢で口頭注意を受け、アクティビティタイムに得点できずさらに 1失点。警告も受けた。残り 1分を過ぎて 1点差としたが、相手は逃げ切りを図る。残り13秒で相手の右足をつかむと、執念で離さず持ち上げる。残り 5秒でバックを取り逆転の 2ポイント。世界選手権と同じ相手に同じ展開で逆転勝ちした。
マリア・スタドニク選手(右)を攻める登坂絵莉選手=リオデジャネイロ・カリオカアリーナ
試合後は栄強化本部長を肩車してマットを 1周。さらに日の丸を掲げて 1周した。目にはうっすらと涙が浮かんでいた。「良かったです。(勝った瞬間は)いろんな人の顔が浮かびました。感謝です。特に弱いときから信じてくれた家族です」と話した。
最後の場面は「もうここしかないと思って、これで取れなかったら後悔すると思って力を入れて、最後取りました」と振り返った。今年 2月のアジア選手権で 3年半ぶりに敗れ、連勝記録が「59」で止まった。その屈辱を乗り越えての栄冠だった。
アゼルバイジャンのマリア・スタドニク選手(下)を破り、金メダルを獲得した登坂絵莉選手=リオデジャネイロ・カリオカアリーナ
表彰台に上がると両手を挙げて振り喜んだ。メダルをじっくりと見つめた。君が代を口ずさみながら掲げられる日の丸を見つめ涙を流した。最後は明るい笑顔を見せた。「(金メダルは)本当に最高ですね。柔道の田知本(遥)さんに見せてもらっていたので、自分もこれが欲しいな思った。自分の手に入ったんだなと思いました。」とメダルを実感していた。
優勝した登坂絵莉選手=リオデジャネイロ・カリオカアリーナ
スタンドでは両親が応援していた。「『思い切ってやってこい』と言われていたので、絶対に勝って喜ばしてやると思っていた。人生で今のところ一番の親孝行ですね」と笑った。
女子レスリングで先陣を切る金メダル。「重圧はなかったんですが、自分だけメダルを取れないとか悔しい思いをしてきたので、自分がメダルを取ることでみんなに勢いを付けられると思って取りました。これからみんなを応援します」と、大きな役割を果たした安堵も感じさせる優しい笑顔で話した。
☆<リオデジャネイロ五輪第13日:レスリング>◇17日=日本時間18日◇フリースタイル女子58キロ級準決勝・決勝◇カリオカアリーナ
五輪 4連覇を目指すフリースタイル女子58キロ級の伊調馨選手は、準決勝で
ユリア・ラトケビッチ選手(アゼルバイジャン)と対戦し、10- 0のテクニカルフォール勝ち。決勝進出を決め、金メダルへ王手をかけた。
伊調選手は開始早々にタックルを決め、バックを取って 2ポイントを先制した。その後もタックルにきた相手の隙をついてバックを取り加点するなど、相手を圧倒。10- 0のテクニカルフォール勝ちで決勝進出を決めた。
アゼルバイジャンのユリア・ラトケビッチ選手(右)を攻める伊調馨選手=リオデジャネイロ・カリオカアリーナ
女子史上初の五輪 4連覇を目指す伊調馨選手が、ユリア・ラトケビッチ選手をテクニカルフォールで下し決勝進出、まずは銀メダル以上を確定させた。
決勝はワレリア・コブロワゾロボワ選手(ロシア)と対戦する。
圧巻だった。開始40秒で先制すると、第 1ピリオド 2分にバックを取り、そのまま一気にポイントを重ね試合を決めた。吉田沙保里と並ぶ“霊長類最強女子”が 4度目の頂点へあと一歩と迫った。
フリースタイル女子58キロ級準決勝でユリア・ラトケビッチ選手(左)にテクニカルフォール勝ちをし決勝に進出した伊調馨選手=リオデジャネイロ・カリオカアリーナ
勝利への執念を感じさせる戦いぶりだった。
初戦となった 2回戦はマルワ・アマリ選手(27=チュニジア)をテクニカルフォール勝ちで完勝。
続く 3回戦はエリフジャレ・エシリルマク選手(30=トルコ)に第 1ピリオド、警告で 1ポイント奪われたが同ピリオド終了間際、バックを取って 2- 1。第 2ピリオドは警告で 1ポイント加点して 3- 1で接戦勝利を収めた。
フリースタイル女子58キロ級決勝 4連覇を果たした伊調馨選手は、手で「4」をつくり金メダルにキス=リオデジャネイロ・カリオカアリーナ
伊調馨選手がコブロワゾロボワ選手(ロシア)を残り 4秒で逆転し、女子で五輪史上初の 4連覇を果たした。今年 1月の国際大会で13年ぶりの黒星を喫したプレブドルジ選手(モンゴル)を破って勝ち上がった相手だった。同じく 4連覇を目指す53キロ級の吉田沙保里選手に良い形でバトンをつないだ。
第 1ピリオドは相手の消極姿勢からのアクティビティタイムで 1点先行したが、 2分すぎにタックルに入ったところで右足を取られ、逆にバックを取られて 2点を失い逆転された。第 2ピリオドは攻めたがポイントを奪えないまま終盤を迎えた。残り30秒で相手がタックルに入ってきたところを逃さずつかまえた。相手につかまれた右足を必死で外すと、残り 4秒でバックを取った。 2点を加え逆転。そのまま終了の笛が鳴った。
ロシア・コブロワゾロボワ選手(下)を攻める伊調馨選手=リオデジャネイロ・カリオカアリーナ
「相手がタックルに入ってきてくれたので、最後のチャンスだと思って、ここしかないと思って取りにいったんですけど、取れて良かった」と劇的な逆転を振り返った。
勝ち名乗りを受けるとホッとした表情を浮かべた。普段は勝ってもパフォーマンスはしないが、日の丸を渡されると掲げてマットを 1周して涙を浮かべた。マットを降りるとスタンド最前列に降りてきた姉・千春さんに駆け寄り握手。父と2014年11月に亡くなった母トシさんの遺影を見て涙があふれた。「最後はお母さんが助けてくれたと思います」と涙声で話した。
ロシア・コブロワゾロボワ選手(左)と対戦する伊調馨選手=リオデジャネイロ・カリオカアリーナ
4度目の五輪表彰台で聞く君が代。もう涙はなかった。口ずさみながら、静かに上がっていく日の丸を見つめた。天を仰いで目をつぶった。顔を正面に向けると晴れやかな笑顔になった。
「内容がもっといい試合ができれば良かったと思いますけど、金メダルを取ったことでたくさんの人が喜んでくれたので良かったです。自分一人の力では勝てなかったと思いますし、たくさんの人が背中を押してくれたので最後のポイントが取れたと思います。きつくて苦しくてつらい部分が多い 4年間ですけど、終わってみるとオリンピックって本当にいいものだなと思います」。
試合後にマットを降りる際は試合場に向けて深く一礼した。「アテネからここまで。区切りとしてリオを考えていたので、周りにいる人、日本で応援してくれる人に向けて感謝を込めました」と話した。すべてをかけて臨んだ五輪で、女子の個人種目では誰にもできなかった金字塔を打ち立てた。
レスリング女子58キロ級決勝 勝利して喜ぶ伊調馨選手=カリオカアリーナ・カリオカアリーナ
フリースタイル女子58キロ級の伊調馨選手は、決勝でワレリア・コブロワゾロボワ選手を下し、女子の個人種目で五輪初となる 4連覇を達成した。
伊調選手は第 1ピリオド、先にポイントを奪い 1- 0とリードを奪ったが、タックルに入ったところで足を取られるとバックを奪われ 1- 2。第 2ピリオドは、終盤でコブロワゾロボワ選手にタックルを仕掛けられると、これを返し粘りながらバックを奪い、 3- 2で逆転の勝利を挙げた。
伊調選手は試合後、「内容はあまり良くなかったが、たくさんの人が喜んでくれた。もっといい試合をしたかった」と苦しんでつかんだ勝利を振り返った。「相手がタックルに入ってきてくれた。最後のチャンスだと思って、ここしかないと思った。(ポイントが)取れてよかった」と、終了間際につかんだ逆転のポイントにホッとした表情を浮かべた。これで五輪 4連覇。「最後はお母さんが助けてくれたと思います」と、2014年11月に亡くした母・トシさんを思って涙を浮かべた。
優勝し涙ぐむ伊調馨選手=リオデジャネイロ・カリオカアリーナ
☆<リオデジャネイロ五輪第13日:レスリング>◇17日=日本時間18日◇フリースタイル女子69キロ級準決勝・決勝◇カリオカアリーナ
五輪初出場の土性沙羅選手(21=至学館大學)が準決勝でアンナイエンニュ・フランソン選手(29=スウェーデン)を下し、銀メダル以上を確定させた。
第 1ピリオドを 1点ビハインドで終えたが、落ち着いて残り 1分半でバックを取り同点。終盤には一気に攻め込んで 7- 2とし、逆転の判定勝ちを決めた。
フリースタイル女子69キロ級準決勝でアンナイエンニュ・フランソン選手を攻める土性沙羅選手=リオデジャネイロ・カリオカアリーナ
1回戦は2013年世界選手権女王のアリナ・スタドニク選手(ウクライナ)に11- 2で危なげなく判定勝ち。 2回戦はブセ・トスン選手(トルコ)にテクニカルフォール勝ち。 3回戦では、ドロシー・イーツ選手(カナダ)を 5- 2の逆転判定勝ちで下し、順調な勝ち上がりだった。
土性選手は昨年の世界選手権で銅メダルを取り、五輪代表に内定。「五輪では絶対に優勝」と頂点を目標に掲げていた。
決勝進出を決めガッツポーズをみせる土性沙羅選手=リオデジャネイロ・カリオカアリーナ
フリースタイル女子69キロ級の土性沙羅選手は、準決勝でアンナイエンニュ・フランソン選手を下し、決勝進出で銀メダル以上を確定させた。
土性選手は第 1ピリオド、場外でポイントを奪われたが、第 2ピリオドの終盤にバックを奪い 2- 2とすると、投げを決めるなど 7- 2とし勝利を挙げた。
五輪初出場の土性沙羅選手がナタリア・ボロベワ選手(ロシア)を破り、重量級で日本女子初の金メダルを獲得した。世界選手権は2013年から連続出場して 3位、 2位、 3位で、初めて世界の頂点に立った。
第 1ピリオド 1分19秒で消極的姿勢で2度目の注意を受け、アクティビティタイムに得点できず 1失点。第 2ピリオド 1分29秒にも注意からアクティビティタイムを経て失点。残り 1分30秒ほどで 0- 2と追い込まれた。だが、あきらめなかった。タックルでつかんだ相手の右足を必死でつかみ、両足ではさみ込んでロック。相手の動きを制してバックを取り、 2点を獲得。そのままタイムアップとなった。ポイントは 2- 2で並んだが、土性選手がビッグポイント( 1度の機会に加わる得点が大きい方を優位とする)を取っていることで上回り、勝利を決めた。
フリースタイル女子69キロ級決勝 優勝し、金メダルに笑顔で手にする土性沙羅選手=リオデジャネイロ・カリオカアリーナ
勝利の瞬間は大きくガッツポーズし、手を打って喜んだ。セコンドの栄強化本部長とガッチリと抱き合った。日の丸を掲げた本部長を肩車して、マットを 1周して喜びを爆発させた。「本当にうれしいというのが率直な気持ちです。たくさんの人に応援され、支えられての金メダルだと思います。うれしくて涙が出ました。金メダルを取ったら肩車をしようと思っていた。(練習で)いつも重い選手を肩車しているので重くなかったです」と興奮冷めやらぬ様子で話した。
至学館大學の先輩 2人の金メダルが、勇気をくれた。「前の試合の(伊調)馨さん、(登坂)絵莉さんが最後まであきらめずに勝ったので、あきらめずにやって良かったです」と感謝した。
吉田沙保里選手と同じ一志ジュニア教室でレスリングの基礎を学んだ。技術とスタミナがあるので後半型の試合展開が多くなる。世界選手権でもあと 1歩頂点に届かず「失点をなくすことが一番大事」と話していたが、屈辱を力に変えて日本女子重量級に新たな歴史を刻んだ。
○<男子テニス:ウエスタン・アンド・サザン・オープン>◇17日=日本時間18日◇シングルス 2回戦◇米シンシナティ
リオデジャネイロ五輪で、日本テニス96年ぶりのメダルとなる銅メダルを獲得した世界 7位の錦織圭選手が貫禄の初戦突破だ。同68位で予選勝者のミハイル・ユージニー選手(ロシア)に 6- 3、 6- 2の 1時間20分でストレート勝ち。 3回戦進出を決めた。
錦織選手は、リオ五輪 3位決定戦終了後、その日の14日夜には自家用ジェットで、 1度、拠点とする米フロリダの自宅に戻り、翌日の15日にシンシナティ入りした。 3位決定戦後、わずか 3日後にこの日の試合を迎え、さすがに「最高に足が重い」と苦笑い。それでも、 2度の 4大大会 4強の経験があるベテラン相手に、 6割ぐらいの力でストレート勝ちだ。次戦は、同13位のゴフィン選手(ベルギー)と同21位のトミック選手(オーストラリア)の勝者と対戦する。
サーブを打つ錦織圭選手=米シンシナティ
レスリング女子でいきなり金が3 個も!これからもドンドン増えていくと思われている。いったい最後にはどの位のメダル数になるのでしょうね。ガンバレ!日本!我らのジャパン!勝利を掴め!