●25日横浜スタジアムでDeNA-阪神19回戦が行われ、阪神は 2回二死満塁から北條が左前へ先制適時打を放った。DeNAも 2回無死 1、 3塁としたが後続が凡退した。阪神は 4回に高山が 5号満塁本塁打。この回 4点を奪い突き放した。DeNAは 7回ロペスに21号 2ランが出たが、反撃もここまでで「4連敗」。 4位阪神に年間負け越し、 0.5ゲーム差となった。高山で始まり、高山で終わった 3連戦だった。満塁弾もダメ押しの 2点 2塁打も初球の甘い球を見逃さなかった。この 3連戦は相手投手の攻め方が甘かったが、打ち損じせずに仕留めた。成長した証しだろう。開幕から固定できずにいた 1番は上本、 3番が高山で固まったようだ。高山の後ろを打つ 4番福留も調子をキープしている。上本、北條、高山、福留と並ぶオーダーは相手にとって脅威的。ロードを勝ち越したが、このタイミングで打線の形が見えてきたことの方が、金本監督はうれしいだろう。
●北條史也内野手(22)が先制タイムリーを放った。 2回二死満塁でDeNA先発ペトリックから左前打。CS出場権を争う大事な 1戦で、貴重な先制点を生み出した。狙いを定めて、確実に仕留める。好機を作って、つないで、返す。 4連勝を呼び込む先制打こそ、成長の証であった。遊撃の守備も軽快。残り24試合、そして来季も…。勝負強さを兼ね備えた北條が不動のレギュラーになれば、虎の超変革は成就する。
●ドラフト 1位高山俊外野手(23=明治大學)が 5号満塁本塁打を放った。 4回二死満塁で打席に入るとDeNA先発ペトリックの初球、外角チェンジアップを強振。右中間スタンド中段に着弾する特大弾となった。プロ入り初の満塁弾で試合の流れを一気に引き寄せた。阪神の新人選手の満塁本塁打は、2012年伊藤隼太外野手(27)が放って以来、 4年ぶり。続く福留も 2点適時打を放ち、この回一挙 4得点。試合の主導権を完全に握った。金本知憲監督(48)がドラフト 1位高山が放ったプロ初の満塁ホームランを評価した。DeNA 3連戦は猛打賞、猛打賞ときて、この日のグランドスラム。 6回には苦手の内角速球を右翼線へ運ぶ 2点 2塁打も放った。得点圏打率を 0.386(83打数32安打)とし、筒香(DeNA)を抜いてリーグトップに再浮上した。阪神では2007年の上園以来の新人王候補が、夏のロード最後 3試合 8安打の乱れ打ちで打率を 0.279に上げ、ロード勝ち越しに導いた。勢いの止まらない高山が猛虎を上昇気流に乗せる。
●勝つだけじゃない。勝った上で、26日からのヤクルト 3連戦(甲子園)へ向けても、きっちり“充電”する。さあフル回転ウイークへ。 4番・福留孝介外野手(39)が自ら、トドメの一撃を放った。 5- 0で迎えた 6回。高山の 2塁打で 2点を加え、なお無死 2、 3塁。ブロードウェイから粘って 9球目。スライダーを中前に転がした。 3試合連続打点となる 2点打で 9- 0とし、勝負アリ。代走・江越を送られ、 3塁ベンチへ戻った。週 6試合のときは 1試合“休養日”を設けてきたが、今週はフル稼働してほしいというわけ。結果、ハマスタで 2試合が“半ドン”となり、合わせて 1日分!? だ。ルーキーの背中も温かく押す39歳。このまま残り24試合、突っ走っていく。
●先発ランディ・メッセンジャー投手(35)が攻守で大活躍し、今季11勝目を挙げた。メッセンジャーが、球団の投手では10年ぶりの猛打賞。投げては 6回 6安打 1失点で、ハーラートップに 1差と迫る11勝目( 8敗)だ。今後もフル回転を期待する大黒柱を、ベンチは93球で降板させた。CS確保へ勝負の秋も、メッセンジャーは投げまくる。 150キロ超の速球や落差の鋭いフォークなどを駆使して、DeNA打線を寄せつけない。 剛腕だけでなく、バットも振るった。メッセンジャーが、球団の投手では10年ぶりの猛打賞。二死からのチャンスメークが 2度、先頭での 2塁打が 1度。“M砲”の快音がいずれも得点に絡み、大量点を呼び込んだ。自身来日初の 3安打猛打賞は、虎の投手では2006年 8月19日のヤクルト戦(神宮)で福原が記録して以来。虎の助っ人投手では2002年のムーア以来の打ちっぷりだった。バッキー、ウィリアムスを抜き、虎助っ人最長の在籍 8年目となる来季残留も決定的。2013年 4月26日以来 8戦白星がなく、自身 3連敗中だった横浜で 3年 4カ月ぶりに勝った。記事をまとめてみました。
<DeNA 3- 9阪神、19回戦>◇25日◇横浜スタジアム 阪神は 2回二死満塁から北條が左前へ先制適時打を放った。DeNAも 2回無死 1、 3塁としたが後続が凡退した。
阪神は 4回に高山が 5号満塁本塁打。高山は 6回にも満塁で 2点適時打。さらに福留の 2点打で、この回 4点を奪い突き放した。
DeNAは 7回ロペスに21号 2ランが出たが、反撃もここまでで「4連敗」。 4位阪神に年間負け越し、 0.5ゲーム差となった。
4回表阪神二死満塁、高山俊外野手は中越え満塁本塁打を放ち出迎えた金本知憲監督(右)と笑顔でタッチした=横浜スタジアム
高山で始まり、高山で終わった 3連戦だった。満塁弾もダメ押しの 2点 2塁打も初球の甘い球を見逃さなかった。この 3連戦は相手投手の攻め方が甘かったが、打ち損じせずに仕留めた。成長した証しだろう。
高山にとってもチームにとっても大きいのは、 1番上本の存在だ。凡打に終わってもファウルで粘って相手投手に球数を投げさせ、プレッシャーをかけるから、うしろの打者は球筋を見極められる。
開幕から固定できずにいた 1番は上本、 3番が高山で固まったようだ。高山の後ろを打つ 4番福留も調子をキープしている。上本、北條、高山、福留と並ぶオーダーは相手にとって脅威的。ロードを勝ち越したが、このタイミングで打線の形が見えてきたことの方が、金本監督はうれしいだろう。
CS出場を争う 3位DeNAに 0.5差としたが、勢いでは阪神が上だろう。ただ、夏のロードを乗り切ったあとの 9月に失速した例が、過去にはたくさんある。油断は禁物だ。
DeNAは投打ともに元気がなかった。山田が復帰して打線の調子が戻ってきたヤクルトとの 3連戦(26日から)が試金石になる。 (サンケイスポーツ専属評論家・上田二朗)
2回表阪神二死満塁、北條史也内野手は左前適時打を放ちサムアップポーズを見せた=横浜スタジアム
北條史也内野手が先制タイムリーを放った。
2回二死満塁でDeNA先発ペトリックから左前打。「打ったのはシュート。(前打者の)上本さんがフォアボールを選んで満塁になったので、カウントを取りにくると思って初球から狙っていきました」。
CS出場権を争う大事な 1戦で、貴重な先制点を生み出した。
2回、 3遊間を破る先制タイムリーを放った北條史也内野手。勝負強くなってきた=横浜スタジアム
北條が生まれ変わった。狙いを定めて、確実に仕留める。好機を作って、つないで、返す。 4連勝を呼び込む先制打こそ、成長の証であった。
「ランディ(メッセンジャー)も頑張って投げて打っていたし、早く点を取りたかった」
2回二死走者なしから、今成、メッセンジャーの連打と上本の四球でつくった満塁機。四球の後、セオリー通りの初球を狙ったが、空振り。「どしっとしたスイングができず、ダメなときにいつも打撃コーチから注意されている伸び上がるようなスイングになっていた。次の球はそうならないように軸回転を意識しました」。 2球目のシュートを鋭く左前に運んだ。
「最初がダメ過ぎたんで…」
得点圏打率がようやく 2割に乗った(試合前まで同 0.194)。鳥谷から遊撃を奪ったものの、数字がついてこず、もどかしい日々だった。
2回、適時打を放った北條史也内野手=横浜スタジアム
ところが10日の広島戦(マツダ)で決勝打を放つと、21日の巨人戦(東京D)でも決勝の 2点 2塁打。金本監督も「最近チャンスで結果を出してくれている」と 8月からの激変にうなずいた。
23日に閉幕したリオデジャネイロ五輪期間中、女子レスリング69キロ級で金メダルを獲得した土性沙羅が大の北條ファンだったことが話題になった。 7月に対面したこともあり、北條も「もちろん覚えています」。球団営業部も甲子園での始球式に招待できないかと検討を開始した。今季の始球式はすでに埋まっているため厳しいが、球団幹部は「来季中にも実現できれば」と話している。さらにたくましくなった姿を土性に見せることができるはずだ。
「クリーンアップにつなぐという気持ちをもってやっている。これからも続けていきたいです」
遊撃の守備も軽快。残り24試合、そして来季も…。勝負強さを兼ね備えた北條が不動のレギュラーになれば、虎の超変革は成就する。
4回表阪神二死満塁、高山俊外野手は満塁本塁打を放った=横浜スタジアム
ドラフト 1位高山俊外野手が 5号満塁本塁打を放った。
4回二死満塁で打席に入るとDeNA先発ペトリックの初球、外角チェンジアップを強振。右中間スタンド中段に着弾する特大弾となった。「前の打席ではチャンスで回ってきたのにランナーをかえせなかったので、この打席ではなんとかしたいと思って打ちにいきました。気持ちでいきました」。
前日まで 2日連続で 3安打猛打賞の活躍をしていたルーキーが、この日も爆発。プロ入り初の満塁弾で試合の流れを一気に引き寄せた。
阪神の新人選手の満塁本塁打は、2012年伊藤隼太が放って以来、 4年ぶり。
6回表阪神無死満塁、右 2点適時 2塁打を放った高山俊外野手=横浜スタジアム
ドラフト 1位高山俊外野手が、この日 6打点目となる 2点 2塁打を放った。
6回無死満塁で、DeNA 2番手ブロードウェイから右翼線に運んだ。 4回にはプロ入り初の満塁弾を放っており、新人離れした活躍でチームをけん引している。
続く福留も 2点適時打を放ち、この回一挙 4得点。試合の主導権を完全に握った。
4打点で勝利に貢献した高山俊外野手(右)は金本知憲監督とハイタッチ=横浜スタジアム
金本知憲監督がドラフト 1位高山が放ったプロ初の満塁ホームランを評価した。「率を下げてまで長打を狙えという教え方は一切してきていない。率と長打が伴う打撃を指導してきたし、その成果かな。打球が上がり始めたこの感覚を忘れないで欲しいね」。
DeNA 3連戦は猛打賞、猛打賞ときて、この日のグランドスラム。 6回には苦手の内角速球を右翼線へ運ぶ 2点 2塁打も放った。「俺も(新人から) 2年ぐらいは内角の速い球を打てずに苦しんだ時期があった。苦手な球は待って読んで打つぐらいでないとね」。新人時代の自身の体験を振り返り、内角球を克服しつつあるゴールデンルーキーの適応力に目を細めた。
ヒーローインタビューを終えスタンドにあいさつする高山俊外野手=横浜スタジアム
高山俊外野手が自身初の満塁本塁打など 6打点をマーク。チームの4連勝に貢献し、ヒーローインタビューを受けた。
-気分は
高山:最高です。
-満塁の打席
高山:その前の打席で満塁のチャンスつぶしてたんで、何とかして 1点という気持ちで、それが最高の形になってくれてよかったです。
-手ごたえ
高山:よかったです。
-満塁本塁打でのダイヤモンド1周
高山:うーん、まあ、1本目から変わんないですけど、こういう大事な試合で、打てた 1本なの で、それはすごくうれしいです。
4回、満塁本塁打を放った高山俊外野手を迎える金本知憲監督=横浜スタジアム
- 6回も満塁。初球を右越えに 2塁打
高山:あそこも、もう1点欲しいところだったのでよかったです。
-狙ってた
高山:常に初球から甘いボール来たらっていう気持ちなので、そういう気持ちで打ちました。
-メッセンジャーが先発のときはよく打つ
高山:全部の試合で打てればいいんですけど、ハイ。
-この3連戦で8安打。好調の要因は
高山:それは分からないですけど、 1つ上のチームに、何が何でも勝つという気持ちがつながってると思います。
-明日から甲子園に戻る
高山:まだまだこれから大事な試合が続くので、選手も一生懸命頑張るので、応援してください。
2回、内野ゴロに倒れタッチを逃れようと 1塁へ駆け込む高山俊外野手とタッチを試みる DeNAホセ・ロペス内野手=横浜スタジアム
どえらいやっちゃ!! 高山俊外野手が 4回にプロ初となる 5号グランドスラム。 6回にも 2点 2塁打を放ち、 1試合 6打点の大暴れだ。新人王にばく進するD 1位ルーキーの大暴れでDeNAに 3連勝し、 3位に 0.5差接近。夏のロードを勝ち越して、さあ本拠地甲子園へ。どこよりも熱い虎の夏は、まだまだ終わらない。
2万8670人の観客が一瞬言葉を失った。弾丸のような打球が右中間スタンド中段に突き刺さる。静寂の直後、左翼席から大歓声がわき起こる。高山がプロ初のグランドスラム。一撃で 3位・DeNAを沈めた。
2回、打者・高山俊外野手のアウトの判定にベンチで手をあげる金本知憲監督=横浜スタジアム
「前の打席で満塁のチャンスをつぶしていたので、何とかして 1点(取りたい)と思っていた。それが最高の形になってよかった。打った瞬間いったかなと思った」
1点リードの 4回だ。二死走者なしからメッセンジャー、上本の連打と北條の四球で塁を埋めて迎えた第 3打席。ペトリックの初球チェンジアップを撃ち砕いた。
高校や大学の公式戦でも経験がないと振り返るグランドスラムは、新人では2012年の伊藤隼太以来 4年ぶり。 2回二死満塁で 3塁へのゴロに必死で走った。 1塁送球が本塁側にそれ、タッチをかわしたようにも見えたが、判定はアウト。すぐにベンチにもどらなかった。「悔しい打席になったので、何としても」。同じ満塁の次打席で最高の結果を出した。
4回、高山俊外野手がプロ初の満塁弾。スタンド中段まで運んだ=横浜スタジアム
金本監督は「前半は(あまり)ホームランが出なかったけど、元々、打率も残せて長打も出るタイプ。率と長打がともなう打撃の仕方というのをね、指導してきたから。その成果かな」と目を細めた。「これ(この感覚)を忘れてはいけない」とクギを刺すことも忘れなかった。
6回無死満塁でも 2番手ブロードウェイの初球をとらえ内角高めの 149キロを右越えに弾き返す 2点 2塁打。鳥谷もできなかった新人 6打点の荒稼ぎだ。得点圏打率を 0.386(83打数32安打)とし、筒香(DeNA)を抜いてリーグトップに再浮上した。
4回、満塁本塁打を放った高山俊外野手=横浜スタジアム
月間打率 0.366をマークした 7月の下旬。チーム関係者の「 3割打ってほしいな」の言葉にルーキーも「打ちたいですね」とうなずいた。1998年の高橋由伸(巨人)以来の新人 3割を意識。そのためにトレーナーの助言を守っている。体重低下を防ぐため、試合後にもしっかり食事を摂り、スマートフォンの画面を深夜に長時間見ると、脳が興奮して眠りが浅くなると聞くと、夜中にはさわるのをやめている。阪神では2007年の上園以来の新人王候補が、夏のロード最後 3試合 8安打の乱れ打ちで打率を 0.279に上げ、ロード勝ち越しに導いた。
4回、満塁本塁打を放った高山俊外野手を迎えるベンチ=横浜スタジアム
DeNAに 3連勝し、今季 2度目の 4連勝で、 3位に 0.5差に接近した。勢いをつけて26日から高校球児に明け渡していた本拠地・甲子園に戻り、ヤクルトを迎え撃つ。 「 1試合 1試合必死で打っていきたい。大事な試合が続きますし、一生懸命頑張るので応援よろしくお願いします」 2夜連続のヒーローインタビューで声を張り上げた。勢いの止まらない高山が猛虎を上昇気流に乗せる。
◆データBOX◆
◎…阪神の満塁アーチは2014年の 8月 5日のヤクルト戦(神宮)での新井貴浩(現広島)以来、 2年ぶり。
◎…高山が新人一番乗りの満塁本塁打。12球団を通じての新人の満塁弾は2012年 9月27日のヤクルト戦(神宮)での阪神・伊藤隼太以来、 4年ぶり。
◎…高山は 1試合 6打点。 4月22日の広島戦(マツダ)で鳥谷( 6打点)が記録して以来、今季 2人目。球団記録は1951年 5月29日の名古屋戦(日生)で藤村が記録した 9打点。
6回、試合を決めるダメ押し 2点打を放った福留孝介外野手。自ら途中交代を勝ち取った=横浜スタジアム
勝つだけじゃない。勝った上で、26日からのヤクルト 3連戦(甲子園)へ向けても、きっちり“充電”する。金本阪神にとっては、最高の形だ。さあフル回転ウイークへ。 4番・福留が自ら、トドメの一撃を放った。
「 1つ 1つ、大事な場面だと思っているから。結果は出ないより、出るに越したことはないから、続けていきたい」
7点リードの 6回無死 2、 3塁で中前に 2点打を放った福留孝介外野手=横浜スタジアム
冷静に振り返ったのは 5- 0で迎えた 6回だ。高山の 2塁打で 2点を加え、なお無死 2、 3塁。ブロードウェイから粘って 9球目。スライダーを中前に転がした。 3試合連続打点となる 2点打で 9- 0とし、勝負アリ。代走・江越を送られ、 3塁ベンチへ戻った。
これには金本監督も「点が入ったら代えようと思っていた。きっちり高山と孝介で 4点とってくれたから、すんなりと(交代)」とニヤリだ。
23日の 1戦目。 3回までに 9点を奪い、そうそうと福留をベンチに下げると「(今週は) 6試合がんばってもらおうかなという魂胆。孝介には内緒だけど」と話していた。週 6試合のときは 1試合“休養日”を設けてきたが、今週はフル稼働してほしいというわけ。結果、ハマスタで 2試合が“半ドン”となり、合わせて 1日分!? だ。
6回、適時打を放った福留孝介外野手=横浜スタジアム
指揮官は「まだ(本人に)伝えてないんだけどね。ちょっと言いにくくてさ」とおどけたが、責任感の強い主砲は承知の上だ。「(首脳陣に)間隔をとってもらっているんで。自分の体調を見ながら、行けるところまで行って…と考えている」と頼もしく話した。
4連勝中、13打数 7安打(打率 0.538)、 4打点、 4四球。前を打つ好調の 3番・高山と、最高の流れを作っている。「(高山は)今に満足することなく、もっと続けてほしい。今の感覚を忘れないでほしいね」。ルーキーの背中も温かく押す39歳。このまま残り24試合、突っ走っていく。
4回表二死満塁、右越え満塁本塁打を放った高山俊外野手(右)はランディ・メッセンジャー投手とタッチした=横浜スタジアム
メッセンジャーが、球団の投手では10年ぶりの猛打賞。投げては 6回 6安打 1失点で、ハーラートップに 1差と迫る11勝目( 8敗)だ。
今後もフル回転を期待する大黒柱を、ベンチは93球で降板させた。香田投手コーチは「いろんな要素を含んでの交代。前回よりボールに角度があった。彼らしいボールが戻ってきている」と説明。何度も出塁していたことに加え、次回も中 5日の登板になる見込みであることも考慮したもようだ。余力十分に31日の中日戦(ナゴヤD)に先発するとみられる。CS確保へ勝負の秋も、メッセンジャーは投げまくる。
1回、阪神先発のランディ・メッセンジャー投手=横浜スタジアム
阪神先発ランディ・メッセンジャー投手が攻守で大活躍し、今季11勝目を挙げた。序盤から中盤にかけて、再三、得点圏への走者を許すが、要所で踏ん張った。 150キロ超の速球や落差の鋭いフォークなどを駆使して、DeNA打線を寄せつけない。 5回一死 3塁。石川を外角低めへ完璧に制球したフォークで空振り三振に仕留めると、ロペスには 151キロ直球で右飛に抑え、ピンチ脱出。剛柔を使い分けた投球術が光った。
メッセンジャーは「狙ったところに行かなかったフォークは1球くらい。カーブも良かったね」と納得顔だ。 6回 1失点は盤石の内容だった。
この日は打撃でも来日初の 3安打をマーク。いずれも得点に絡む好打だった。「高校のときに( 3安打は)あったかな。もう、こんなことはないだろう」と照れ笑いする。長男ローム君の 5歳のバースデーでもあり「ウイニングボールは、いいプレゼントになるね」と話した。
2回は二死 1塁から右前打を放ち、先制機につなげたランディ・メッセンジャー投手=横浜スタジアム
剛腕だけでなく、バットも振るった。メッセンジャーが、球団の投手では10年ぶりの猛打賞。二死からのチャンスメークが 2度、先頭での 2塁打が 1度。“M砲”の快音がいずれも得点に絡み、大量点を呼び込んだ。
「ピッチングだけじゃない。打席に立っている以上はバッティングも仕事だからね。モウダショウ? 高校のときにはあるけど、もうこんなことはないんじゃないかな」
まずは 0- 0の 2回二死 1塁で、右前へライナー性の安打。北條の先制打につなげた。 1- 0の 4回二死走者なしでは、叩きつけた高いバウンドで中前へ抜いた。そこから塁が埋まり、高山の満塁弾で勝負が決まった。先に踏んだ本塁で、バンザイをしながらルーキーを迎えた。
6回の第 3打席で 3安打目となる左中間 2塁打を放ったランディ・メッセンジャー投手。来日初の猛打賞と投打で大暴れ=横浜スタジアム
マルチ安打は今季 2度目だったが、 6回にはオマケの左中間 2塁打。自身来日初の 3安打猛打賞は、虎の投手では2006年 8月19日のヤクルト戦(神宮)で福原が記録して以来。虎の助っ人投手では2002年のムーア以来の打ちっぷりだった。
投げては 6回 6安打 1失点で、ハーラートップに 1差と迫る11勝目( 8敗)だ。 3度も先頭打者に長打を浴び何度もピンチを背負ったが、要所で変化球を制球よく投げ込み、最少失点で粘った。 自信があった打撃に、この日は執念も乗り移っていた。米国スパークス高では背番号は投手のような「14」だったが「背が小さい順で決めたんだよ」と言うほどの“大型内野手”だった。 4番を張り遊撃、 3塁、 1塁をこなした。青春時代に戻ったかのように、快音で白星をたぐり寄せた。ウイニングボールを絶対に届けたい人がいた。
6回、 2塁打を放ったランディ・メッセンジャー投手=横浜スタジアム
「きょうは(長男)ロームの 5歳の誕生日だったから、絶対にいい投球をして、プレゼントにしようと思っていたんだ」 バッキー、ウィリアムスを抜き、虎助っ人最長の在籍 8年目となる来季残留も決定的。2013年 4月26日以来 8戦白星がなく、自身 3連敗中だった横浜で 3年 4カ月ぶりに勝った。「ヒサシブリネ!」と豪快に笑い、 4人の子を持つ優しい父の顔に戻った。
◆データBOX◆
◎…メッセンジャーの猛打賞( 1試合 3安打以上)は来日初。阪神の投手では2006年 8月19日のヤクルト戦(神宮)で福原が記録して以来、10年ぶり。助っ人の猛打賞は2002年のムーア以来14年ぶり。ムーアはこの年猛打賞を 2度記録していた。
ワッショイ!ワッショイ!飛騨じゃなかった… 3夜連続、秘打!高山祭りだ!Aクラスに戻るのも時間の問題となった!全員野球でファン皆が待ち望む「二文字」に向かって前進だ! ガンバレ!阪神!我らのタイガース!勝利を掴め!
2016年 公式戦 日程と結果(08月)
2016年 公式戦順位表
2016年 ファーム試合日程・結果(08月)