● 3日阪神甲子園球場で阪神-DeNA21回戦が行われ、阪神先発能見、DeNA先発山口とも に、ほぼ完璧な立ち上がりで序盤 3イニングをテンポよく、無失点に抑えた。阪神は 4回一死 2 塁で高山が中前適時打を放って先制した。阪神は 7回、福留の 9号ソロで勝ち越した。だが、D eNAは 8回、筒香の 2点適時 2塁打で逆転した。阪神は「7連敗」。DeNA山口は 2桁「10勝 目」、阪神藤川は「6敗目」。金本知憲監督(48)が執念の猛抗議だ。同点の 6回無死 1塁。大和のバ スターエンドランは 2塁正面へのゴロになった。捕球姿勢に入ろうとした 2塁石川の前を 1塁走 者の北條が走って重なる形になった。石川は捕球できず、北條は体勢を崩しながらも 3塁に向か ったが守備妨害とジャッジされ、アウトになった。 1、 3塁 と好機拡大に見えたが、 2塁の梅木謙一塁審(27)は『守備妨害』とジャッジ。これを受けて、金本監督がベンチから飛び出 し、審判団に猛抗議。高代延博 3塁コーチ(62)が審判団に詰め寄るシーンもあった。球場内に金本 コールも巻き起こったが、判定は覆らず、チャンスを生かせなかった。阪神が不運な形で逆転負 けを喫し、 7連敗。自力でのCS進出の可能性が消滅した。 1点をリードした8回に送り込んだ 藤川が、筒香に逆転打を浴びる誤算。さらに、判定にも見放された。最下位危機-。阪神は「7連 敗」を喫して、最下位中日に「1ゲーム差」に迫られた。 6回の攻撃で 1走北條が 2塁手と接触した として守備妨害と判定された金本知憲監督は「かすってもない」と猛抗議したが、覆らず、後味悪 すぎる敗戦で、自力でのクライマックスシリーズ(CS)進出の可能性が消滅した。鳥谷が守備で 気迫を出し、先発の能見も立ち上がりから飛ばした。サターホワイトも力投し、 4番・福留も燃 え、一時勝ち越しの 9号ソロを放った。だが、勝ち越した直後の 8回二死 1、 2塁。藤川が力で 筒香をねじ伏せたが…。フラリと上がった飛球に長打警戒で深く守っていた高山が追いつかず、 左翼線にポトリ。一気に 2者の生還を許した。後味の悪い敗戦。借金もワーストタイの「15」。 しかしまだ17試合、残っている。 3位DeNAに初連敗で「5ゲーム差」。最下位中日とは「1ゲー ム差」。 4日にも、セの一番下に沈む-。甲子園30敗目(20勝 1分け)にも金本監督は前を向いた。 金本阪神の 9月失速なんて誰も見たくない。
●鳥谷敬内野手(35)が18試合ぶりに先発復帰し、12年ぶりのシーズン 3塁守備に就いた。 6番 3 塁で先発。 1回に先頭 1番桑原の 3ゴロを難なくさばくと、 5回には先頭で中前打と 2盗も決め た。 3塁守備はルーキーイヤーの2004年 9月11日横浜戦以来、通算31試合目。先発 3塁は同年 6 月20日巨人戦以来12年ぶりの先発サード、通算14試合目となった。ファンの声援を背中に受けて 快音を響かせ、足でチャンスを作った。だが、勝利が遠い。痛すぎる敗戦の中で、鳥谷が新たな スタートを切った。快音は 1点リードの 5回だ。先頭で山口のスライダーを捉えた。痛烈なゴロ で相手投手の足もとを抜いて中前へ弾き返すと、続く中谷の打席で今季13個目の 2盗を決めた。 山口には 3打数 1安打で今季対戦成績はこれで打率 0.615(13打数 8安打 1本塁打 3打点)。プロ 通算でも 0.455(55打数25安打)と抜群にいい。首脳陣の狙い通り、データ通りの働きを見せた。 守備も無難にこなした。 1回先頭、桑原の打球処理。微妙なバウンドを何とかグラブに収めて 3 ゴロとすると、二死ではロペスのライナーに反応。わずかに届かなかったが、ファウルゾーンへ の打球にも飛びついた。伸び盛りの北條と鳥谷が 3遊間を固める新布陣は来季の基本形となるの か。残り17試合。負けられない戦いの中で、鳥谷が存在価値を証明する。
●高山俊外野手(23)がクラッチヒッターぶりを見せつけた。両チーム無得点の 4回一死 2塁。 2 度空振りして追い込まれたが、速球を鋭くたたいて中前に運んだ。先制適時打。高山の守備での わずかな遅れが、致命傷になった。長打警戒で深く守っていた 1点リードの 8回二死 1、 2塁。 筒香が打ち上げた左翼へのフライに一瞬スタートが遅れた。猛ダッシュでスライディングキャッ チも、捕球できず逆転を許した。 4回一死 2塁では先制の中前打。ドラフト制以降の阪神の新人 で、1980年の岡田彰布氏と並ぶ 2位タイに浮上も、敗戦に険しい表情だった。
●福留孝介外野手(39)が値千金の勝ち越しアーチを放った。 1- 1の同点の 7回、先頭で打席に 入ると山口の速球 146キロのストレートを完璧に捉えた。打球はライナーで右翼席に一直線。 9 号ソロで再びリードを奪った。一時勝ち越しの一発に球場の空気が一発で変わった。CSへ負け られない一戦。投手陣に報いようと奮起した。
●阪神が攻めの継投策に入った。先発の能見篤史投手(37)は 5回まで変化球の制球がさえて 1安 打無失点に抑えていた。 6回、石川に同点の中犠飛を打たれ、さらに 2四球を与えて二死満塁の ピンチを招いたところでベンチがコーディ・サターホワイト投手(29)への継投を決断。宮崎を遊 ゴロに抑えて、ピンチを脱した。長身助っ人は 7回も 3者凡退。 1点リードに転じた 8回は藤川 に継投したが二死 1、 2塁のピンチで筒香に左翼へ 2点適時 2塁打を許し、逆転された。中10日 のリフレッシュを挟み、 5回まで 1安打投球。毎回の 6三振を奪っていたが、連敗ストップへは 導けなかった。
●藤川球児投手(36)が逆転打を許し、 6敗目( 5勝)を喫した。 1点リードの 8回に登板。一死か ら桑原、石川に連打を許すと、二死 1、 2塁となり 4番筒香を迎えた。 2ボールからの 3球目、 高め 149キロ直球で力ない飛球に打ち取ったが、打球は不運にも左翼線フェアゾーンにポトリ。 守備がもたつく間に 2者の生還を許した。リリーフ転向後は、本拠地甲子園で16試合を投げ16イ ニング連続無失点中だったが、CS出場を争う 3位DeNAとの重要な一戦で記録が途切れてし まった。いつも味方だった聖地が、藤川に厳しい結果を突きつけた。いつもの浜風とは逆向きの 風に押し戻され、筒香の高い飛球は左前にドスッと落ちた。 2者が生還し、まさかの逆転を許し た。福留の千金弾による 1点リードを守ろうと、 3番手として 8回に登板。二死 1、 2塁で迎え た 4番・筒香への 3球目。高め 149キロで押し込んだが、長打を警戒して後方を守っていた左翼 ・高山が懸命の前進もむなしく、前に落とされた。ボールが転々とする間に勝負が決まった。逃 げ切りを託され投げた球児としては、逆転された事実からは逃げられない。リリーフ転向後、16 戦連続で無失点を継続していた甲子園だった。ファンが歌ういつもの登場曲に背中を押されマウ ンドへ登ったが、 6敗目( 5勝)で、自力でのCS進出も消滅させる最悪のシナリオになった。
●岩貞祐太投手(24)が 4日のDeNA戦(甲子園)に先発し、約 1カ月ぶりの白星を目指す。 3日 は、キャッチボールや短距離ダッシュで調整。 8月 2日の同カード(横浜)以来勝利がなく、特に 甲子園では 5月 6日のヤクルト戦で勝利して以来、 6戦勝ちなしで 4連敗中だ。チームと自身の 悪い流れを振り払う。 記事をまとめてみました。
<阪神 2- 3DeNA、21回戦 (阪神13勝 7敗 1分)>◇ 3日◇阪神甲子園球場
阪神先発能見、DeNA先発山口ともに、ほぼ完璧な立ち上がりで序盤 3イニングをテンポよ く、無失点に抑えた。
阪神は 4回一死 2塁で高山が中前適時打を放って先制した。DeNAは 6回一死 1、 3塁で石川 の中犠飛で同点に追いついた。
阪神は 7回、福留の 9号ソロで勝ち越した。だが、DeNAは 8回、筒香の 2点適時 2塁打で 逆転した。阪神は「7連敗」。DeNA山口は 2桁「10勝目」、阪神藤川は「6敗目」。
6回裏阪神無死 1塁、金本知憲監督は北條史也内野手の守備妨害について梅木 2塁塁審(中央) に猛抗議=阪神甲子園球場
金本知憲監督が執念の猛抗議だ。同点の 6回無死 1塁。大和のバスターエンドランは 2塁 正面へのゴロになった。
捕球姿勢に入ろうとした 2塁石川の前を 1塁走者の北條が走って重なる形になった。石川は捕 球できず、北條は体勢を崩しながらも 3塁に向かったが守備妨害とジャッジされ、アウトになった。
これを受けて、金本監督がベンチから飛び出し、審判団に猛抗議。北條も接触していないジェ スチャーを示して不満をあらわにした。高代 3塁コーチが審判団に詰め寄るシーンもあった。球 場内に金本コールも巻き起こったが、判定は覆らず、チャンスを生かせなかった。
6回裏阪神、北條史也内野手が 2塁手石川雄洋内野手の守備を妨害したとしてアウトの判定に 猛抗議する金本知憲監督=阪神甲子園球場
阪神が不運な形で逆転負けを喫し、 7連敗。自力でのCS進出の可能性が消滅した。
1点をリードした8回に送り込んだ藤川が、筒香に逆転打を浴びる誤算。さらに、判定にも見 放された。
同点に追いつかれた直後の 6回無死 1塁。大和の打球が 2塁正面へのゴロになった。捕球体勢 に入ろうとした 2塁石川の目の前を 1塁走者北條が走り過ぎた。石川は捕球できず、北條は体勢 を崩しながらも 3塁に向かったが守備妨害とジャッジされ、アウトになった。
この判定に金本知憲監督が猛抗議。鬼の形相で審判団に詰め寄ったが判定は覆らなかった。
試合後、金本監督は「全く問題外でしょう。ビデオも見たけど、全く当たってもかすってもない」 と怒り心頭。大きいプレーになったか、と問われ「ノーアウト 1、 3塁とワンアウト 1塁。小さい わけがない」と最後まで怒りが収まらない様子だった。
なんでや!! 6回の好機で、北條史也内野手が 2塁手に接触したとして守備妨害と判定され ると、金本知憲監督(右)は審判に猛抗議=阪神甲子園球場
最下位危機-。阪神は「7連敗」を喫して、最下位中日に「1ゲーム差」に迫られた。 6回の攻撃 で 1走北條が 2塁手と接触したとして守備妨害と判定された金本知憲監督は「かすってもない」と 猛抗議したが、覆らず、後味悪すぎる敗戦で、自力でのクライマックスシリーズ(CS)進出の可 能性が消滅した。
勝利の女神にも見放されたか…。微妙な判定とアンラッキーな打球。怒号と悲鳴とタメ息が交 錯し、甲子園が今季ワースト、 4年ぶりとなる「7連敗」に泣いた。金本監督の声が低く沈んだ。
「選手の何とか(する)、どうにかするという気持ちは見えた。そのうえで勝ち運がなく…。審判 の判定とか、ポテンヒット。これで負けたようなもんだから」
6回、 1走北條史也内野手(左)は大和外野手のゴロで 2塁へ走り、審判から 2塁手の石川雄洋 内野手(右)と接触したと判定された=阪神甲子園球場
やるせなかった。同点の 6回無死 1塁。大和の際に、バスターを仕掛けた。 2塁ベース右へゴ ロが飛ぶ。 1走・北條が駆け抜けると、 2塁手・石川が転倒。白球は中堅前へ抜けた。 1、 3塁 と好機拡大に見えたが、 2塁の梅木謙一塁審は『守備妨害』とジャッジ。金本監督は 1塁ベ ンチから 2塁付近まで飛び出し、猛抗議した。納得がいかない北條も、 3塁コーチの高代ヘッド も審判に激しく詰め寄るが押し返された。
「まったく問題外でしょ。(審判は) 2塁手に当たったっていうが、まったく当たってない。かす ってもない。連盟の方に抗議? 当然、そうなるでしょう」
意見書提出を示唆し、憤った指揮官に北條も「何にも(打球にも 2塁手にも)当たっていないです」 と激しく同調。実際、 2塁手との接触についてはなかった模様だが、このケースではリプレー検 証は適用されない。審判が守備妨害だと判断した以上、どうしようもなかった。
6回、北條史也内野手の守備妨害を巡って抗議する金本知憲監督=阪神甲子園球場
この一戦に、チーム一丸、強い気持ちで臨んでいた。練習開始の直後。外野に向かった指揮官 はその場にいた中継ぎ投手を集めた。「プレーオフ(CS)に向けて、きょうの試合が大事。がんば っていこう」。最近はビハインドでの登板が続くリリーフ陣へ、熱い思いを伝えた。
スタメンには「 3塁・鳥谷」を書き込んだ。土俵際のチームには主将の力が不可欠と、最善の手 を打った。その鳥谷が守備で気迫を出し、先発の能見も立ち上がりから飛ばした。サターホワイト も力投し、 4番・福留も燃え、一時勝ち越しの 9号ソロを放った。
だが、勝ち越した直後の 8回二死 1、 2塁。藤川が力で筒香をねじ伏せたが…。フラリと上が った飛球に長打警戒で深く守っていた高山が追いつかず、左翼線にポトリ。一気に 2者の生還を 許した。後味の悪い敗戦。借金もワーストタイの「15」。しかしまだ17試合、残っている。
3位DeNAに初連敗で「5ゲーム差」。最下位中日とは「1ゲーム差」。 4日にも、セの一番下 に沈む-。
甲子園30敗目(20勝 1分け)にも金本監督は「あす以降も同じように、きょうくらいのファイティ ングポーズでやってほしい」と前を向いた。金本阪神の 9月失速なんて誰も見たくない。
▽野球規則5・09b走者アウト
(3)走者が、送球を故意に妨げた場合。または打球を処理しようとした野手の妨げになった場 合。【注1】“野手が打球を処理する”とは、野手が打球に対して守備しはじめてから打球をつ かんで送球し終わるまでの行為をいう。したがって、走者が、前記のどの守備行為でも妨害すれ ば、打球を処理しようとしている野手を妨げたことになる。
▽阪神意見書提出VTR
5月11日の巨人戦(甲子園)で、原口が捕球態勢に入って走路に入ったとして、アウトがセーフ に覆るコリジョンルールによる判定について、翌12日にNPB(日本野球機構)に意見書を提出。 7 月22日から「送球がそれてやむを得ず走路に入った場合は対象外」と運用基準が変更された。
1回表無死、DeNA桑原将志外野手のゴロをさばく 3塁手の鳥谷敬内野手=阪神甲子園球場
鳥谷敬内野手が18試合ぶりに先発復帰し、12年ぶりのシーズン 3塁守備に就いた。 6番 3 塁で先発。 1回に先頭 1番桑原の 3ゴロを難なくさばくと、 5回には先頭で中前打と 2盗も決めた。
「準備というか、( 3塁は2013年)WBCでもやっていたんで。ポジションは自分で決めることで はないので」
サラリと振り返ったが、 3塁守備は2004年 9月11日横浜戦以来、通算31試合目。先発 3塁は同 年 6月20日巨人戦以来、通算14試合目となった。
鳥谷敬内野手が先発復帰。逆転CS進出へ「6番・三塁」で出場したが…=阪神甲子園球場
試合前のスタメン発表にスタンドが「おぉ~」と沸いた。ルーキーイヤーの2004年 6月20日の巨 人戦(東京D)以来12年ぶりの先発サード。ファンの声援を背中に受けて快音を響かせ、足でチャ ンスを作った。だが、勝利が遠い。痛すぎる敗戦の中で、鳥谷が新たなスタートを切った。
「準備とかは別に。WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)でも( 3塁を)やっていました し。ポジションは自分で決められることじゃないので」
5回、安打を放った鳥谷敬内野手=阪神甲子園球場
敗戦後、静かに口を開いた。「 6番・ 3塁」で 8月11日の広島戦(マツダ)以来、18試合ぶりの先 発出場。快音は 1点リードの 5回だ。先頭で山口のスライダーを捉えた。痛烈なゴロで相手投手 の足もとを抜いて中前へ弾き返すと、続く中谷の打席で今季13個目の 2盗を決めた。山口には 3 打数 1安打で今季対戦成績はこれで打率 0.615(13打数 8安打 1本塁打 3打点)。プロ通算で も 0.455(55打数25安打)と抜群にいい。首脳陣の狙い通り、データ通りの働きを見せた。
守備も無難にこなした。 1回先頭、桑原の打球処理。微妙なバウンドを何とかグラブに収め て 3ゴロとすると、二死ではロペスのライナーに反応。わずかに届かなかったが、ファウルゾー ンへの打球にも飛びついた。
1回、 3塁線の鋭い打球に飛びつこうとする鳥谷敬内野手。12年ぶりのスタメン 3塁を無難に こなした=阪神甲子園球場
8月12日の中日戦(京セラD)でスタメンを外れた。金本監督は遊撃での復帰を一番に考え、慎 重だったが「何回も(本人と)話をして。やっとこう、前向きというかね。バッティングの調子はま だ戻ってないんだけど。本調子じゃないけれど、こういう時期なんで」と、CS進出に向けてこれ 以上負けられないタイミングで決断。「しばらくは( 3塁で)いきます」と当面 3塁起用を継続する 方針を明かした。
伸び盛りの北條と鳥谷が 3遊間を固める新布陣は来季の基本形となるのか。残り17試合。負け られない戦いの中で、鳥谷が存在価値を証明する。
4回裏阪神一死 2塁、中前へ先制適時打を放った高山俊外野手=阪神甲子園球場
高山俊外野手がクラッチヒッターぶりを見せつけた。 両チーム無得点の 4回一死 2塁。 2度空振りして追い込まれたが、速球を鋭くたたいて中前に 運んだ。先制適時打。「ここまでタイミングが合っていなかったので、空振りにならないようにコ ンパクトなスイングを心掛けていました。それがいい結果につながったと思います」と振り返った。
試合前まで得点圏打率 3割 7分 5厘はリーグ 2位。データ通りに勝負強さを示した。
8回、懸命に前進したが、高山俊外野手は筒香嘉智外野手の詰まった打球を捕球できなかった。 長打に備えて後ろに守っていた=阪神甲子園球場
高山の守備でのわずかな遅れが、致命傷になった。長打警戒で深く守っていた 1点リードの 8 回二死 1、 2塁。筒香が打ち上げた左翼へのフライに一瞬スタートが遅れた。猛ダッシュでスラ イディングキャッチも、捕球できず逆転を許した。
4回一死 2塁では先制の中前打。「コンパクトに振ったことがよかった」と今季54打点目を挙げ た。ドラフト制以降の阪神の新人で、1980年の岡田彰布氏と並ぶ 2位タイに浮上も、敗戦に険し い表情だった。
7回本塁打を放った福留孝介外野手=阪神甲子園球場
福留孝介外野手が値千金の勝ち越しアーチを放った。 同点の 7回、先頭で打席に入ると山口の速球を完璧に捉えた。打球はライナーで右翼席に一直 線。 9号ソロで再びリードを奪った。「先頭バッターだったので塁に出ようと思って打席に入りま した。能見もコーディ(サターホワイト)も頑張って投げてくれていたので、バッターで何とかし たいと思っていました。結果としては一番いいものが出せてよかったです」と話した。
7回裏阪神無死、右越え勝ち越し本塁打を放ちポーズを取りながら 1塁に向かう福留孝介外野手 =阪神甲子園球場
これぞ 4番だ。 1- 1の同点で迎えた 7回、福留が 146キロのストレートをとらえた。右翼ポ ール際へ一直線に飛ぶ 9号ソロ。一時勝ち越しの一発に球場の空気が一発で変わった。
「先頭バッターだったので塁に出ようと思って打席に入りました。能見もコーディ(サターホワイト) も頑張って投げてくれていたので、バッターでなんとかしたいと思っていました」
CSへ負けられない一戦。投手陣に報いようと奮起した。 8月30日の中日戦(ナゴヤD)ではベ ースカバーを怠った藤浪をベンチで叱責した。行動に結果が伴うところが、 4番の責任感だろう。 しかし、勝てなければ喜べない。試合後は無言で立ち去った。勝利につながる一打がほしい。
6回表DeNA二死満塁、ピンチで降板となった能見篤史投手=阪神甲子園球場
阪神が攻めの継投策に入った。先発の能見篤史投手(37)は 5回まで変化球の制球がさえて 1安 打無失点に抑えていた。
6回、石川に同点の中犠飛を打たれ、さらに 2四球を与えて二死満塁のピンチを招いたところ でベンチがサターホワイトへの継投を決断。宮崎を遊ゴロに抑えて、ピンチを脱した。長身助っ 人は 7回も 3者凡退。 1点リードに転じた 8回は藤川に継投したが二死 1、 2塁のピンチで筒香 に左翼へ 2点適時 2塁打を許し、逆転された。
6回、DeNA・高城俊人捕手に四球を与えボールを放る能見篤史投手=阪神甲子園球場
能見は序盤の快投から一転、悔しい降板に追い込まれた。 1- 0の 6回先頭で高城に四球。犠 打と安打で一死 1、 3塁とされ、石川に同点犠飛を許すと、さらに連続四球を与え同点の二死満 塁で金本監督は 2番手サターホワイトを告げた。
「慎重になった? そうですけど…先頭(への四球)でしょうね」と 6回の乱調を悔やみ切れない。 中10日のリフレッシュを挟み、 5回まで 1安打投球。毎回の 6三振を奪っていたが、連敗ストッ プへは導けなかった。
8回、投球する藤川球児投手=阪神甲子園球場
藤川球児投手が逆転打を許し、 6敗目( 5勝)を喫した。
1点リードの 8回に登板。一死から桑原、石川に連打を許すと、二死 1、 2塁となり 4番筒香 を迎えた。 2ボールからの 3球目、高め 149キロ直球で力ない飛球に打ち取ったが、打球は不運 にも左翼線フェアゾーンにポトリ。守備がもたつく間に 2者の生還を許した。
リリーフ転向後は、本拠地甲子園で16試合を投げ16イニング連続無失点中だったが、CS出場 を争う 3位DeNAとの重要な一戦で記録が途切れてしまった。試合後は「結果が全てなので。申 し訳ない」と肩を落とした。ここまで40試合に登板し、防御率は4.65。
8回表DeNA二死 1、 2塁、藤川球児投手は筒香嘉智外野手に左前適時 2塁打を打たれ勝ち 越しを許した=阪神甲子園球場
いつも味方だった聖地が、藤川に厳しい結果を突きつけた。いつもの浜風とは逆向きの風に押 し戻され、筒香の高い飛球は左前にドスッと落ちた。 2者が生還し、まさかの逆転を許した。
「結果がすべてなので、申し訳ないです」
福留の千金弾による 1点リードを守ろうと、 3番手として 8回に登板。一死から桑原に右前打 は許したが、最速 151キロもマークし打者を十分に押し込んでいた。石川の中堅へ抜けようかと いうゴロを、 2塁・大和がダイビングキャッチ。 2塁へグラブトスしたが、浮いて 2塁ベースカ バーの北條がつかめなかった(記録は 2塁内野安打)。続くロペスは空振り三振に仕留めたが、不 運には続きがあった。二死 1、 2塁で迎えた 4番・筒香への 3球目。高め 149キロで押し込んだ が、長打を警戒して後方を守っていた左翼・高山が懸命の前進もむなしく、前に落とされた。ボ ールが転々とする間に勝負が決まった。
8回、DeNA・筒香の適時 2塁打の打球を滑り込むも捕れなかったレフトの高山俊外野手 =阪神甲子園球場
金本監督としても「まあ、見ての通りで。完全に打ち取ったのが、決勝点。球児も本当に抑えこ んで、結果、あそこに落ちたっていう。それだけ。見ての通りで」と淡々と振り返るしかない。香田 投手コーチは「あれも野球でしょうね…」と悔しさをかみ殺した。
逃げ切りを託され投げた球児としては、逆転された事実からは逃げられない。リリーフ転向後、 16戦連続で無失点を継続していた甲子園だった。ファンが歌ういつもの登場曲に背中を押されマ ウンドへ登ったが、 6敗目( 5勝)で、自力でのCS進出も消滅させる最悪のシナリオになった。
前を向くしかない。球児も「自分の仕事をしていきたい」と言葉をしぼり出した。不運も受け止 め、進むしかない。
岩貞が 4日のDeNA戦(甲子園)に先発し、約 1カ月ぶりの白星を目指す。「チームが勝つつも りで、僕も全力で腕を振ってやっていきたい。今の順位に満足していないですし、もっと上にい るべきだと思っています」と頼もしい。 3日は、キャッチボールや短距離ダッシュで調整。 8月 2 日の同カード(横浜)以来勝利がなく、特に甲子園では 5月 6日のヤクルト戦で勝利して以来、 6 戦勝ちなしで 4連敗中だ。チームと自身の悪い流れを振り払う。
見方にしなければならない審判を敵に回しての敗北。そのあげく、CSまで消えた…。こんなんじゃ、やってられないですね。全員野球でファン皆が待ち望む「二文字」に向かっての前進も完全に無くなった! ガンバレ!阪神!我らのタイガース!勝利を掴め!
2016年 公式戦 日程と結果(09月)
2016年 公式戦順位表
2016年 ファーム試合日程・結果(09月)
◇公式戦全試合実況速報 公式戦全試合をテキスト速報!タイガース迂遠実況で応援気分を盛り上げます。ほかにも対戦中の選手の成績が」一目で分かる「観戦モード」も必見!
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