●岩貞祐太投手(25)が今季初実戦となる紅白戦に紅組の 2番手で登板し、 2回 1安打無失点と好投した。昨季10勝を挙げ、ローテの軸として期待される左腕が、順調な調整ぶりを示した。宜野座球場のスタンドを埋めたファンが、寒さでかじかむ両手を打ち鳴らした。キッチリと“リベンジ”を果たし、 1安打無失点ピッチ。予定の 2回を終え、マウンドを降りる岩貞に拍手が降り注いだ。 3回から紅組の 2番手で登板。坂本を 2飛、植田は遊ゴロに料理して打席に迎えた背番号｢２｣を、ねじ伏せた。捕手の内角要求に応え、ズバズバとキレのいい直球を投げた。見逃し、見逃し、ファウル、ファウル。直球を 4球続けて胸元を攻めると、 5球目のチェンジアップで体勢を崩し、投ゴロに仕留めた。 4回に高山に直球を中前に運ばれたが、許した安打はその 1本だけ。メッセンジャー、藤浪、能見らとともに先発ローテの軸として期待されている男が、上々のスタートを切った。
●第 1段階クリアだ。原口文仁捕手(24)が紅白戦に紅組の｢４番・１塁｣で出場。“今季初安打”となる適時 2塁打を放つと、途中からマスクをかぶり、素早いスローイングで 2盗を阻止。課題の肩で成長を見せ、正捕手獲りへ大きくアピールした。糸を引くような軌道が確かな成長を示した。正捕手獲りへ、大きなポイントとなるスローイングで原口が魅せた。たとえ紅白戦でも、たった 1つでも、刺したという結果は自信となるはずだ。 1塁で出場し、 4回から捕手へ。迎えた 6回。表の攻撃で白組の梅野が二盗を刺した直後だ。一死 1塁。打者・荒木の 4球目にスタートした 1走・北條をストライク送球で完ぺきに仕留めた。オフから右肩をリハビリし、慎重に仕上げてきた。意識するのは、しっかり足を使うことだが、この日は軽快なステップワークで流れるような動き。持ち前の打撃でも快音を響かせた。 1回二死 1塁。岩田の直球をとらえ、右中間を破る先制 2塁打。実戦 4打席目で“今季初安打”だ。千里の道も一歩から。まずはしっかりと踏み出した。
●ドラフト 5位・糸原健斗内野手(24＝ＪＸ－ＥＮＥＯＳ)が第 3クール初日の11日に行われた紅白戦で、 2安打 1打点 1盗塁。観戦に訪れた坂井信也オーナー(69＝電鉄本社会長)から大絶賛された。内野ならどこでも守ることができる。レギュラー争いに、名乗りをあげた。最高気温12度。大寒波が押し寄せる沖縄を、躍動するＤ 5位ルーキーが熱くした。今キャンプ最多 1万人の視線を一身に集めたのが糸原だ。 8日の紅白戦は 2塁を守ったが、この日は紅組の｢２番・遊撃｣に入った。 1回一死で岩田の真っすぐを左前へ鋭くはじき返し、 2戦連続安打。 3－ 0の 2回二死 3塁では、岩田の高めのスライダーをとらえ、適時中前打。“プロ初打点”もマークした。さらに続く板山の 2球目にスタートを切って、マスクを被る明治大學の 1年後輩・坂本から 2盗を決めてみせた。島根・開星高校時代は、金本監督が現役時代に鍛えた広島市内のジム｢アスリート｣に通ったほど。“同門”の後輩のいきなりの活躍に指揮官はうれしい“誤算”を強調。13日のＤｅＮＡとの練習試合(宜野座)にも｢使うんじゃないかな｣と、対外試合デビューを示唆した。スタンドの｢Ｇ００７｣が眉間にしわをよせる。遊撃は北條＆鳥谷という牙城があるものの、内野ならどこでも守ることもできる。巨人・森中スコアラーは徹底マークを宣言した。わずか 2試合で、強烈な存在感を示した24歳。タイガースに、沖縄に、確実に新風を呼んでいる。
●ＦＡでオリックスから阪神に新加入した糸井嘉男外野手(35)が、今キャンプ初の本格的にマシン打撃を行った。｢右膝関節炎｣の影響で別メニュー調整が続くが、力強く51スイングを披露し｢ボチボチですよ。いい感じ｣と手応え。屋外でのランニングメニューも解禁し、軽めのダッシュや階段上りも敢行した。着実に超人らしさを取り戻し、宜野座ドームを跳び出さん勢いだ。フルスイングではないものの、糸井の打球は突き破りそうな勢いでネットをえぐった。虎入り後初の本格マシン打撃。甲高い音を響かせ続けた。昼下がりのドーム内。ティー打撃の94スイングを終えた糸井が、ストレートを投じる機械の前へ直行した。 8日にもバントでマシンと向き合い、我慢できなかったようすで 2スイングしたが、この日は満を持してバットを構えた。 1スイング目で鈍い 3塁線への当たりを放つと、思わず顔をしかめバットを離して両手を振った。打撃用の皮手袋を装着し忘れていた。バットにスプレーも振り、今度こそ準備万端。そこからは圧巻だった。強振でなくとも、芯を食った打球はすさまじい勢いのライナーになった。打撃メニューの前には今キャンプ初の屋外トレーニングも敢行。サブグラウンドで、約 100メートルのジョギングを 2往復、30メートルの軽めの直線ダッシュを 6本、同じように曲線ダッシュを 4本、階段登りも 6本行った。階段は 2、 3段飛ばしで、右膝関節炎の影響を感じさせない動きだった。グラウンドで暴れられるその日まで。復帰への階段は一段一段のぼる。記事をまとめてみました。
今季初実戦の岩貞祐太投手。２回１安打と安定感のある投球をみせた＝沖縄・宜野座村球場
阪神春季キャンプ(11日、沖縄・宜野座) 岩貞祐太投手が今季初実戦となる紅白戦に紅組の 2番手で登板し、 2回 1安打無失点と好投した。昨季10勝を挙げ、ローテの軸として期待される左腕が、順調な調整ぶりを示した。
宜野座球場のスタンドを埋めたファンが、寒さでかじかむ両手を打ち鳴らした。キッチリと“リベンジ”を果たし、 1安打無失点ピッチ。予定の 2回を終え、マウンドを降りる岩貞に拍手が降り注いだ。
｢この前のフリー打撃で打たせたので、きょうは打たせないようにと思っていた｣
紅白戦で投球する岩貞祐太投手＝沖縄・宜野座村球場
いたずらっぽく笑いながら北條との“再戦”を振り返った。 3回から紅組の 2番手で登板。坂本を 2飛、植田は遊ゴロに料理して打席に迎えた背番号｢２｣を、ねじ伏せた。
捕手の内角要求に応え、ズバズバとキレのいい直球を投げた。見逃し、見逃し、ファウル、ファウル。直球を 4球続けて胸元を攻めると、 5球目のチェンジアップで体勢を崩し、投ゴロに仕留めた。
打撃投手を務めた 7日のフリー打撃で北條に投げ、18スイング中安打性の当たりは 5本も、そのうちの 1本は推定 125メートル弾。引き立て役になったが、この日は圧倒。 4回に高山に直球を中前に運ばれたが、許した安打はその 1本だけ。
3回から登板の岩貞祐太投手＝沖縄・宜野座村球場
｢昨年のギクシャクした投げ方とはちょっと違って、安定感が出たように感じた。僕は打者目線でしかみてないけど。威圧感も出てきたんじゃないかな｣。見守った金本監督は高く評価した。 昨秋のキャンプ後は肩を休め、キャッチボールを始めたのは昨年末。オフも投げ続けていた 1年前とは違う調整法だが、状態に心配はない。 ｢いっぱい練習して、また頑張ります｣ メッセンジャー、藤浪、能見らとともに先発ローテの軸として期待されている男が、上々のスタートを切った。 ☆岩貞について中日・佐藤スコアラー ｢投げっぷりがいい。去年の自信が、いい形で出ている。順調でしょう｣
第 1段階クリアだ。原口文仁捕手が紅白戦に紅組の｢４番・１塁｣で出場。“今季初安打”となる適時 2塁打を放つと、途中からマスクをかぶり、素早いスローイングで 2盗を阻止。課題の肩で成長を見せ、正捕手獲りへ大きくアピールした。
糸を引くような軌道が確かな成長を示した。正捕手獲りへ、大きなポイントとなるスローイングで原口が魅せた。たとえ紅白戦でも、たった 1つでも、刺したという結果は自信となるはずだ。
｢そうですね。 1つ、段階をクリアできたんじゃないかなと。これで、普通にやっていけるんじゃないかと思います｣
1塁で出場し、 4回から捕手へ。迎えた 6回。表の攻撃で白組の梅野が二盗を刺した直後だ。一死 1塁。打者・荒木の 4球目にスタートした 1走・北條をストライク送球で完ぺきに仕留めた。
北條史也内野手の 2盗を阻止した原口文仁捕手。正妻奪取へ第１関門を突破だ＝沖縄・宜野座村球場
オフから右肩をリハビリし、慎重に仕上げてきた。意識するのは、しっかり足を使うことだが、この日は軽快なステップワークで流れるような動き。｢本当ですか？ (見た人がそう)感じてくれたなら、よかったです｣と少しだけ頬を緩め、汗をぬぐった。
持ち前の打撃でも快音を響かせた。 1回二死 1塁。岩田の直球をとらえ、右中間を破る先制 2塁打。実戦 4打席目で“今季初安打”だ。
｢やっと 1本出たので少しホッとしました。これからもしっかり結果を残していきたいです｣
まだ 2戦目ながら｢やっと｣と感じるのは、それだけ結果に飢えているからだろう。 3打数 1安打の試合後は、メイン球場で約 1時間の特打を敢行。金本監督から付きっきりで指導を受けた。
｢(踏み出したときの)“割れ”の部分と、腰の回転。きょうは感じがよかったので、 1日 1日継続していきたいです｣
原口文仁捕手は遊撃・糸原健斗内野手へのストライク送球で、北條史也内野手の 2盗を阻止した＝沖縄・宜野座村球場
ケージにも入ってアドバイスした指揮官は｢俺が思っとるところと彼が悩んでいることが一致したから。多分、今のままでも、そこそこ打つと思う。でももうひと皮ふた皮むけたら、もっと長打も打てるし、率も上がる。貴重な右打者だから｣と説明。スローイングについても｢捕ってからも速かったし、いい球を放っていた｣と評価した。 もちろん大事なのはこれから。刺した直後の 6回二死。荒木の 2盗は、投手・歳内がモーションを盗まれた面もあって、止められなかった。 ｢とにかく捕ってから速く(投げる)練習していきたいです｣と原口。千里の道も一歩から。まずはしっかりと踏み出した。
原口文仁捕手＝沖縄・宜野座村野球場
☆原口の送球について中日・佐藤スコアラー
｢きょうに関しては(走るのが)見え見えの場面で、（投球も）ストレートだから。これからどうなっていくか、見ていきたいですね｣
★いい競争期待！
原口が盗塁を刺したことについて、矢野作戦兼バッテリーコーチは｢アウトにできるタイミングだったからね。次は(荒木に)盗まれとったから｣と、まだまだこれからと強調した。この日はライバルの岡崎が 2安打。｢(岡崎は)守りはいい選手だから。(捕手陣が)いい競争をしてくれたらいい｣と期待した。
2回、適時中前打を放った糸原健斗内野手。左腕も苦にせず、 2安打の猛アピールだ＝沖縄・宜野座村野球場
沖縄に糸原旋風や！ ドラフト 5位・糸原健斗内野手(24＝ＪＸ－ＥＮＥＯＳ)が第 3クール初日の11日に行われた紅白戦で、 2安打 1打点 1盗塁。観戦に訪れた坂井信也オーナーから大絶賛された。内野ならどこでも守ることができる。レギュラー争いに、名乗りをあげた。
最高気温12度。大寒波が押し寄せる沖縄を、躍動するＤ 5位ルーキーが熱くした。今キャンプ最多 1万人の視線を一身に集めたのが糸原だ。
｢結果が出ているので、これを継続したいです。ストライクゾーンにきた球を、自分のポイントでとらえられるようにと意識しています。結果が出るに越したことはないので、よかったです｣
8日の紅白戦は 2塁を守ったが、この日は紅組の｢２番・遊撃｣に入った。 1回一死で岩田の真っすぐを左前へ鋭くはじき返し、 2戦連続安打。 3－ 0の 2回二死 3塁では、岩田の高めのスライダーをとらえ、適時中前打。“プロ初打点”もマークした。さらに続く板山の 2球目にスタートを切って、マスクを被る明大の 1年後輩・坂本から 2盗を決めてみせた。
糸原健斗内野手は 2回には 2盗に成功。足でもみせた＝沖縄・宜野座村野球場
｢左(腕)は全然、苦じゃない。塁に出たら、積極的にいこうと思った。 1つ決まってよかったです｣
前回の紅白戦では右腕・松田から左翼フェンス直撃の 2塁打。今回は左腕相手も、中堅から逆方向に力強くはじき返す持ち前の打撃をみせた。相手投手の左右にも関係なし。遊撃の守備もそつなくこなし、足もある。何よりも、新人とは思えない存在感－。神戸から宜野座入りした坂井オーナーが絶賛した。
｢実戦向きの選手やね。すぐに試合に出てくる雰囲気がある。即戦力といえる存在だと思う。うまいこと打っていた｣
島根・開星高時代は、金本監督が現役時代に鍛えた広島市内のジム｢アスリート｣に通ったほど。“同門”の後輩のいきなりの活躍に指揮官は｢必死さは感じる。足も聞いていたより、速いよ｣と、うれしい“誤算”を強調。13日のＤｅＮＡとの練習試合(宜野座)にも｢使うんじゃないかな｣と、対外試合デビューを示唆した。
2回、 2盗を決めた糸原健斗内野手＝沖縄・宜野座村野球場
スタンドの｢Ｇ００７｣が眉間にしわをよせる。遊撃は北條＆鳥谷という牙城があるものの、内野ならどこでも守ることもできる。巨人・森中スコアラーは｢パンチ力がある。オープン戦の結果次第では、(開幕スタメンの)チャンスはあると思う。今後も(球団に)報告するために、見ていく｣と徹底マークを宣言した。
キャンプインに際し、島根・雲南市に住む母・洋子さん(54)から｢とにかく体に気をつけて。大先輩と一緒にできる、いい機会なんだからね。あいさつをしっかりしなさい｣とＬＩＮＥ(無料通信アプリ)で激励され、｢頑張るわ｣と返信。短い言葉に思いを込め、結果で示した。
｢(遊撃の守備は)まだまだ出足が遅いので、 1歩目を意識してやっていきたいです｣
わずか 2試合で、強烈な存在感を示した24歳。タイガースに、沖縄に、確実に新風を呼んでいる。
紅白戦の 2回、適時打を放った糸原健斗内野手＝沖縄・宜野座村野球場
☆“指定席”なし！！激しい内野争い
虎の内野ポジションを確約された選手はいない。遊撃は鳥谷、北條の 2人が激しいバトル。 2塁は上本、糸原、荒木の他に、安芸キャンプ参加の大和、西岡もいる。 3塁は新外国人のキャンベルやＤ 1位・大山、今成、板山らが候補。 1塁争いは、正捕手を狙う原口や、板山、中谷、キャンベルら。どこのポジションも“指定席”はなく、内野ならどこでも守れる糸原のアピールで、競争は激しさを増すことになる。
◇糸原 健斗(いとはら・けんと)
内野手。1992(平成 4)年11月11日生まれ、24歳。島根県雲南市出身。大東西小 2年で野球を始め、開星高校では 2年春、 3年春夏甲子園出場。高校通算29本塁打。明治大學では 3、 4年時に｢明治神宮大会｣に出場し、 2年連続準優勝に貢献。ＪＸ－ＥＮＥＯＳでは 3塁手。2017年Ｄ 5位で阪神入団。 1メートル75、80キロ。右投げ左打ち。年俸 800万円。背番号｢３３｣。
マシン打撃を本格的に再開した糸井嘉男外野手。また一つギアを上げた＝沖縄・宜野座村野球場
フリーエージェント(ＦＡ)でオリックスから阪神に新加入した糸井嘉男外野手が、今キャンプ初の本格的にマシン打撃を行った。｢右膝関節炎｣の影響で別メニュー調整が続くが、力強く51スイングを披露し｢ボチボチですよ。いい感じ｣と手応え。屋外でのランニングメニューも解禁し、軽めのダッシュや階段上りも敢行した。
着実に超人らしさを取り戻し、宜野座ドームを跳び出さん勢いだ。フルスイングではないものの、糸井の打球は突き破りそうな勢いでネットをえぐった。虎入り後初の本格マシン打撃。甲高い音を響かせ続けた。
｢ボチボチですよ。いい感じ｣
昼下がりのドーム内。ティー打撃の94スイングを終えた糸井が、ストレートを投じる機械の前へ直行した。 8日にもバントでマシンと向き合い、我慢できなかったようすで 2スイングしたが、この日は満を持してバットを構えた。 1スイング目で鈍い 3塁線への当たりを放つと、思わず顔をしかめバットを離して両手を振った。打撃用の皮手袋を装着し忘れていた。バットにスプレーも振り、今度こそ準備万端。
糸井嘉男外野手は屋外でのトレーニングも再開。軽めのダッシュなどを行った＝沖縄・宜野座村野球場
そこからは圧巻だった。強振でなくとも、芯を食った打球はすさまじい勢いのライナーになった。見守った本屋敷トレーナーも｢何割くらいにしてください、とお願いしているけど、きょうの時点でもかなり打球が速かった。(オリックス時代以来)久しぶりに打つのを見たけど、やはりえげつない打球。状態がよかったので、レベルを上げていこうということです｣と目を見張るしかなかった。
打撃メニューの前には今キャンプ初の屋外トレーニングも敢行。サブグラウンドで、約 100メートルのジョギングを 2往復、30メートルの軽めの直線ダッシュを 6本、同じように曲線ダッシュを 4本、階段登りも 6本行った。階段は 2、 3段飛ばしで、右膝関節炎の影響を感じさせない動きだった。
今キャンプでも一番の冷え込みの中で行われた屋外トレに、｢きょうは中の方がよかったんちゃう？ 寒さには強い？ 弱い。超弱い｣と糸井節も相変わらず好調。久々に走ったよろこびを問われると｢まだ思いっきり走ってないから。ゆっくり、しっかりやります｣と自分に言い聞かせるように話した。
グラウンドで暴れられるその日まで。復帰への階段は一段一段のぼる。
練習に臨む糸井嘉男外野手＝沖縄・宜野座村野球場
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