●阪神が初回に 1番高山から四球を挟んで 5連打と打線がつながり 4点。ヤクルトは 2回に 8番谷内の適時 2塁打で 1点を返した。ヤクルトが 6回に大引の左前適時打、山田の 2点適時打で同点に追いついた。阪神メッセンジャーは 5回 1/3を 4失点で降板した。阪神は 4- 4で迎えた延長11回裏、原口が左翼へサヨナラ本塁打を放った。チームは連勝となった。ヤクルトは杉浦が敗戦投手。阪神は 8日巨人戦(甲子園)でタレントの稲村亜美(21)が始球式を行う。回数にちなみ、今回は背番号「8」で登場予定で、聖地・甲子園で 103キロの自己最速超えに挑む。
●原口文仁捕手(25)が試合を決めた。 4- 4の延長11回。先頭で打席に入りヤクルト杉浦の直球をレフト席上段にたたき込んだ。天にバットをかざし、どこまで飛ぶのか見つめた。 1秒、 2秒…。決着を確信し、もう表情は緩んでいた。プロ初サヨナラ弾で、原口が 4時間 6分の死闘に終止符だ。高く高く、京セラの左翼上段席に到達したのを見届けると、白木を放り投げ破顔一笑。大歓声の中、本塁で待つ歓喜の輪へ、ゆっくり歩き出した。今季初のお立ち台で感情が爆発した。 1回の 4点以降は得点が奪えず、 6回に追いつかれて、迎えた延長11回。だれもが一発に願いを懸けた瞬間に、現実とした。カウント 2- 1から杉浦の 4球目、 142キロを一閃。着弾を見届けるより早く、ベンチも虎党も総立ちだ。前日 5日の糸井の決勝 3ランを上回る劇的アーチ。サヨナラで歓喜のシャワーに濡れるのは昨年 5月19日の中日戦(甲子園)以来、自身 2度目。サヨナラ弾となると野球人生初で、チームでも2015年 5月27日の楽天戦(甲子園)での福留以来、 2年ぶり。最高の今季「1号」だ。お立ち台に上がったヒーローは「最高でーす!」と絶叫。試合の結末を見届けた虎党に感謝した。 2安打 2打点と今年も勝負強い。 1軍 2年目も必死に、ひたむきに、駆け抜ける。
●阪神 2番上本博紀内野手(30)は粘りの四球で糸井の 3ランを呼んだ。 7回、先頭梅野が追い込まれながら中前打。代打俊介の送りバント失敗で 1アウト、 1番高山俊外野手(23)の三振で二死 1塁となったが、上本がフルカウントから歩いて 1発が生まれた。上本は謙虚だが、金本監督は 2人を評価した。
●糸井嘉男外野手(35)が先制のタイムリーを放った。 1回無死 1、 2塁の場面。フルカウントからヤクルト館山の直球を右前に転がした。これで開幕から 6試合連続打点となった。前夜の決勝 3ランの勢いそのままに、糸井がまた打った。 1回無死 1、 2塁。フルカウントからエンドランのサインが出ると、館山の速球をとらえ、鋭く右前へ先制打だ。驚異の得点圏打率10割で、自身初の 6試合連続打点。しかも開幕からだ。そして、超人が点火した打線がつながった。福留の四球を挟んで、原口、鳥谷と連続タイムリー。梅野の 3ゴロの間にも加点し、いきなり一挙 4得点を奪った。ヒーローには、なり損ねた。 6回、 2点差に迫られて、なお二死 1、 2塁。遊撃後方、中堅の前へとふらりと舞い上がった山田の飛球に、猛然とチャージ。体を投げ出してつかみに行ったが…。白球は無情にもグラブから飛びだした。中前への 2点 2塁打。試合が振り出しに戻った。常人なら捕れない。ただ、糸井だからこそ-のワンプレーだった。笑顔で球場を後にした。虎将が現役時代の2009年に記録した「開幕 7試合連続打点」は、初体験となる 7日からの伝統の一戦で、決める。
●鳥谷敬内野手(35)が止まらない。 1回、 2点を先制し、なお無死満塁。館山の 143キロを直球をとらえ、左前へ適時打を放った。鳥谷は開幕戦から 5試合連続安打を記録し、打率 5割 2分 6厘でセ・リーグトップをキープした。鋭い打球もありながら 3打席凡退した後、 3点リードの 7回二死 1、 2塁で 1、 2塁間を破った。通算2000安打にも、あと 116本とした。
●中 5日で先発だったランディ・メッセンジャー投手(35)は、打線の援護に応えられなかった。全てのイニングで先頭打者を出すなど、 6回途中 4失点。 2戦連続で白星とならなかった。初回に打線に爆発し、 4点を先取。波に乗って快投したいところだったが、この日はピリッとしない。 2回に下位打線につかまり、 1点。 6回にはヤクルト大引に適時左前打を浴び、走者を 2人残した状態で交代となった。ベンチに戻るとグラブをたたきつけたが、試合後も厳しい表情だった。
●助っ人コンビも仕事きっちりだ。マルコス・マテオ投手(32)は 4- 4の 8回に登板し、山田を空振り三振など 3人斬り。 9回はラファエル・ドリス投手(29)だ。バレンティンをフォークで空振り三振に仕留めるなど、こちらも三者凡退。今季初ホールドにも気を引き締めた。
●藤川球児投手(36)の力投がサヨナラ勝利を呼び込んだ。同点の延長10回から登板。 2イニング目に入った11回は持ち前の速球でグイグイと押して山田を一邪飛、バレンティンを中飛に抑える 3者凡退で、リズム良く攻撃に転じた。今季 1勝目が舞い込んできたが冷静そのもの。救援陣が過労気味のなかで、きっちり仕事を果たした。劇的勝利を呼んだ功労者は、我慢を重ねた救援陣だ。 6回に追いつかれて以降の 7、 8、 9、10、そして11回。ゼロを重ねた男たちにこそスポットライトを当てよう。そして、その主役はもちろん、延長に入っての 2イニングを投げ、今季初勝利を手にした藤川だ。多くを語ろうとしない偉大なる元ストッパー。だが、延長10回から投じた28球の中身は濃かった。MAX 148キロ。 6つのアウトのうち、飛球が 4つ。金本監督はそこを絶賛した。分かっていても打てない火の玉ストレートで空振りや凡フライを重ねていた頃から時は流れている。でも、ここ一番で片鱗を感じさせ、指揮官を唸らせたのだった。そんな中、唯一、主役が反応してくれたプレーがあった。詰まった 1塁ゴロをダイビングキャッチした原口が、トップスピードで走り込んでくる藤川にトス。後ろから来る球を走りながらキャッチする、超人的センスは、全盛時と全く変わらなかった。 4日のヤクルト戦は 1回を 3者三振。そして、この日の快投。イニングまたぎも平気でこなす。メジャーから戻って 2年目。男は今、新たな働き場所で輝きを取り戻しつつある。
●前日 4日のヤクルト戦で大乱調だった藤浪晋太郎投手(22)が 5日、投球フォームの修正に乗り出した。捕手を座らせて投球練習を行う際に、ベルト付近でグラブを静止し、投球時に高く上げるフォームで試投した。前日まではグラブを胸の高さで静止させていた。さらに藤川からも投球についての助言を受けるシーンも見られた。記事をまとめてみました。
<阪神5-4ヤクルト>◇6日◇京セラドーム大阪
阪神が初回に 1番高山から四球を挟んで 5連打と打線がつながり 4点。ヤクルトは 2回に 8番谷内の適時 2塁打で 1点を返した。
ヤクルトが 6回に大引の左前適時打、山田の 2点適時打で同点に追いついた。阪神メッセンジャーは 5回 1/3を 4失点で降板した。
両軍とも終盤にチャンスを作ったが、勝ち越し点が奪えず。カード勝ち越しが決まる試合は延長戦に突入した。
阪神は 4- 4で迎えた延長11回裏、原口が左翼へサヨナラ本塁打を放った。チームは連勝となった。ヤクルトは杉浦が敗戦投手。
11回裏阪神無死、原口文仁捕手は左越えにサヨナラ本塁打を放った=京セラドーム大阪
阪神は 8日巨人戦(甲子園)でタレントの稲村亜美が始球式を行う。
「神スイング」「神ピッチング」としてテレビやCMなどで人気を博した稲村が務めた始球式は今回で 8度目。
回数にちなみ、今回は背番号「8」で登場予定で、聖地・甲子園で 103キロの自己最速超えに挑む。
11回裏阪神無死、原口文仁捕手は左越えサヨナラ本塁打を放った=京セラドーム大阪
原口文仁捕手が試合を決めた。 4- 4の延長11回。先頭で打席に入りヤクルト杉浦の直球をレフト席上段にたたき込んだ。
お立ち台に上がったヒーローは「最高でーす!」と絶叫。「打った瞬間、自分の中でも最高でした。うれしいのひと言です。皆さんのために必死のパッチで打ちました!」と、試合の結末を見届けた虎党に感謝した。
よっしゃ! やったぞ! とばかりバットを放り上げ、 1塁ベンチに叫ぶ原口文仁捕手=京セラドーム大阪
連夜の劇弾、今度はサヨナラだ!! 阪神は 4- 4の延長11回、原口文仁捕手が左翼へ豪快な一発。死闘にケリをつける自身初のサヨナラアーチで、チームを 2連勝、勝率 5割に導いた。最高の流れで、さあ、 7日から甲子園で首位巨人と伝統の一戦だ!
天にバットをかざし、どこまで飛ぶのか見つめた。 1秒、 2秒…。決着を確信し、もう表情は緩んでいた。プロ初サヨナラ弾で、原口が 4時間 6分の死闘に終止符だ。高く高く、京セラの左翼上段席に到達したのを見届けると、白木を放り投げ破顔一笑。大歓声の中、本塁で待つ歓喜の輪へ、ゆっくり歩き出した。
「もう打った瞬間、自分のなかでも完璧で、最高です! (金本監督と抱き合って)いや、もううれしいの一言です」
バンザーイ! 両手を上げてホームインの原口文仁捕手をナインが歓喜の出迎え。最高の瞬間だ!=京セラドーム大阪
今季初のお立ち台で感情が爆発した。 1回の 4点以降は得点が奪えず、 6回に追いつかれて、迎えた延長11回。だれもが一発に願いを懸けた瞬間に、現実とした。
カウント 2- 1から杉浦の 4球目、 142キロを一閃。着弾を見届けるより早く、ベンチも虎党も総立ちだ。前日 5日の糸井の決勝 3ランを上回る劇的アーチ。サヨナラで歓喜のシャワーに濡れるのは昨年 5月19日の中日戦(甲子園)以来、自身 2度目。サヨナラ弾となると野球人生初で、チームでも2015年 5月27日の楽天戦(甲子園)での福留以来、 2年ぶり。最高の今季「1号」だ。
チームを今季初の連勝に導き、勝率も五分に戻した。金本監督も「ホームランは期待してなかった。何とかツーベースを打ってくれないか、と。まさかといったら失礼になりますが、本当にしんどい試合をサヨナラ勝ちでね」と最敬礼だ。
延長11回、サヨナラ本塁打を放った原口文仁捕手=京セラドーム大阪
勝負強い孝行息子も、昨年のこの時期はまだ育成選手。 4月27日に支配下へ返り咲いてブレークし、ようやく支えてくれた人たちへの恩返しを始めた。オフには妹・美佳さんに車をプレゼント。それでも「まだまだ、です。持ち上げられて終わってしまったらダメなんです」。激変する環境の中でも、変わることなくただ、自らを磨いた。
「縁がある数字を提示していただいて迷ったんですが…」と背番号変更の打診も固辞。多くのファンが「94」に袖を通してくれている。それに、インパクトがあるこの数字が好きだ。変えずに行くと決めた後の、昨年暮れ。飲食店でたまたま隣り合ったテーブルの少年が、所属するサッカーチームの「94」のユニホームを着ていた。「いい番号だね」と声をかけたが、少し悔しかった。
ヒーローインタビューに臨む原口文仁捕手=京セラドーム大阪
「あんなことってあるんですね…。他の競技の選手も含めて、僕しかいないと思っていたのに! 『94』は僕とあの子くらいです!」
これより軽い番号は、もっと虎を勝たせてからもらうと決めている。 7日からは、甲子園で巨人戦。「この勢いをつなげたい。初戦を取れるように集中したい」と意気込むと、お決まりのセリフでお立ち台を締めた。
「遅くまでありがとうございました! みなさんのために、必死のパッチで打ちましたぁ~!!」
2安打 2打点と今年も勝負強い。 1軍 2年目も必死に、ひたむきに、駆け抜ける。
◇延長十一回、原口にサヨナラソロを浴びたヤクルト・杉浦稔大投手
「自分でも 2イニング目は(球威が)落ちたかなと思う」
★新妻への一発!
1塁転向が決まると、新婚の原口は「バット一本で家族を支えていかないと」と燃えた。実はこのヤクルト 3連戦から同居を始めている。オープン戦中も、京セラの試合後に「僕も『早く帰る練習』をしないとダメですね」とイメージトレーニング? していたが…。試合後の練習には手を抜かないが、帰宅の支度はよりテキパキを心がける。チームを救う一発は、新居で待つ新妻へ捧げる一発でもあった。
◇データBOX◇
◎…阪神のサヨナラ勝ちは昨年9月30日の巨人戦(甲子園)以来
◎…阪神選手のサヨナラ本塁打は、2015年5月27日の楽天戦(甲子園)の福留以来、2年ぶり。
◎…原口は自身初のサヨナラ弾。サヨナラ打は昨年5月19日の中日戦(甲子園)で、2-2の九回一死満塁で又吉から中越え打を放って以来、2度目。
1回裏阪神無死 1塁、安打を放った上本博紀内野手=京セラドーム大阪
阪神 2番上本は粘りの四球で糸井の 3ランを呼んだ。 7回、先頭梅野が追い込まれながら中前打。代打俊介の送りバント失敗で 1アウト、 1番高山の三振で二死 1塁となったが、上本がフルカウントから歩いて 1発が生まれた。「いつもと同じ気持ちで入りました」。上本は謙虚だが、金本監督は「梅野はなんとか粘って中前にどうにか運んで。上本も四球を選んでよくつないで。回すべき人によく回した」と 2人を評価した。
糸井嘉男外野手が先制のタイムリーを放った。 1回無死 1、 2塁の場面。フルカウントからヤクルト館山の直球を右前に転がした。これで開幕から 6試合連続打点となった。
糸井は「 1番、 2番が連打でチャンスメークしてくれたので、絶対先制するという強い気持ちで打ち返すことができてよかったです」とコメントした。
1回裏阪神無死 1、 2塁、右前に先制適時打を放ち手を叩いて喜ぶ糸井嘉男外野手=京セラドーム大阪
頼りになる。前夜の決勝 3ランの勢いそのままに、糸井がまた打った。 1回無死 1、 2塁。フルカウントからエンドランのサインが出ると、館山の速球をとらえ、鋭く右前へ先制打だ。
「 1、 2番が連打でチャンスメークしてくれた。絶対先制するという強い気持ちで打ち返すことができてよかった」
驚異の得点圏打率10割で、自身初の 6試合連続打点。しかも開幕からだ。そして、超人が点火した打線がつながった。福留の四球を挟んで、原口、鳥谷と連続タイムリー。梅野の 3ゴロの間にも加点し、いきなり一挙 4得点を奪った。
ヒーローには、なり損ねた。 6回、 2点差に迫られて、なお二死 1、 2塁。遊撃後方、中堅の前へとふらりと舞い上がった山田の飛球に、猛然とチャージ。体を投げ出してつかみに行ったが…。白球は無情にもグラブから飛びだした。中前への 2点 2塁打。試合が振り出しに戻った。
1回に先制打を放った糸井嘉男外野手。これで自己最長、開幕 6試合連続打点だ=京セラドーム大阪
中村外野守備走塁コーチは「俺が後ろに下がらせていた。よく追いついてくれたよ」と話すと、「本人が一番悔しいんじゃない?」。金本監督も「やっぱりメッセに申し訳ない気持ちを本人がもっていると思う」という。常人なら捕れない。ただ、糸井だからこそ-のワンプレーだった。
「勝ってよかった~。明日から特守やね!! See You(またあした)!!」
笑顔で球場を後にした。虎将が現役時代の2009年に記録した「開幕 7試合連続打点」は、初体験となる 7日からの伝統の一戦で、決める。
◇一回に4得点の口火を切る中前打を放った高山俊外野手
「初球から積極的に、ということは 1打席目がもっとも思っている。そういう気持ちを強くもって、 2打席目も続けていきたい」
◇データBOX◇
◎…糸井の 6試合連続打点は自己最長(これまでは 5試合)。また開幕から 6試合連続打点は、阪神では2009年の金本知憲( 7試合)以来。
3回、安打を放った鳥谷敬内野手=京セラドーム大阪
鳥谷は開幕戦から 5試合連続安打を記録し、打率 5割 2分 6厘でセ・リーグトップをキープした。
鋭い打球もありながら 3打席凡退した後、 3点リードの 7回二死 1、 2塁で 1、 2塁間を破った。「いい打席も悪い打席もある。いい打席を増やせるように。明日も勝てるように頑張ります」と冷静に前を向いた。
7回裏阪神二死 1、 2塁、鳥谷敬内野手は右前安打を放った=京セラドーム大阪
鳥谷が止まらない。 1回、 2点を先制し、なお無死満塁。館山の 143キロを直球をとらえ、左前へ適時打を放った。「つなぐ気持ちで打席に入り、逆らわずにうまく打ち返すことができました」。これで開幕から 6試合連続安打。 3回にも中前打を放ち、 6戦中、 5試合で複数安打と絶好調だが「相手の投手が違うので、またあした頑張ります」と気を引き締め直した。通算2000安打にも、あと 116本とした。
先発のランディ・メッセンジャー投手=京セラドーム大阪
中 5日で先発だったランディ・メッセンジャー投手は、打線の援護に応えられなかった。全てのイニングで先頭打者を出すなど、 6回途中 4失点。 2戦連続で白星とならなかった。
初回に打線に爆発し、 4点を先取。波に乗って快投したいところだったが、この日はピリッとしない。 2回に下位打線につかまり、 1点。 6回にはヤクルト大引に適時左前打を浴び、走者を 2人残した状態で交代となった。「状態は悪くなかった」とし、次回に向けて「球数を減らしたい。自分は5回で終わるピッチャーではない」と悔しさをにじませた。
6回途中、走者を残し降板するランディ・メッセンジャー投手=京セラドーム大阪
中 5日の阪神・メッセンジャーは 5回 1/3を 7安打 4失点。 4- 1の 6回、大引に左前適時打を許し、なお一死 1、 2塁で降板。 3番手の桑原が二死 1、 2塁から山田に不運な 2点打を浴びて追いつかれ、 2勝目を逃した。「状態は悪くない。ちょっとのことで(ストライク)ゾーンを外れて、余計いらいらしてしまった。自分は 5回で降りる投手ではない。そこがいらいらします」。ベンチに戻るとグラブをたたきつけたが、試合後も厳しい表情だった。
投球するマルコス・マテオ投手=京セラドーム大阪
助っ人コンビも仕事きっちりだ。マテオは 4- 4の 8回に登板し、山田を空振り三振など 3人斬り。「どのタイミングでもマウンドにいける投球を心がけているよ。これを続けていければいいかなと思う」。 9回はドリスだ。バレンティンをフォークで空振り三振に仕留めるなど、こちらも三者凡退。「 1球目の球でストライクをとることを意識した。 1個ずつアウトを重ねることが大切。しっかり打者を意識したい」と今季初ホールドにも気を引き締めた。
阪神7番手の藤川球児投手=京セラドーム大阪
藤川球児投手の力投がサヨナラ勝利を呼び込んだ。同点の延長10回から登板。 2イニング目に入った11回は持ち前の速球でグイグイと押して山田を一邪飛、バレンティンを中飛に抑える 3者凡退で、リズム良く攻撃に転じた。
今季 1勝目が舞い込んできたが「また、明日なので。もう終わったことなので」と冷静そのもの。救援陣が過労気味のなかで、きっちり仕事を果たした。
金本監督も「 2イニング行ってくれて、昔のいい時の球児を思い出すようなね。フライアウトを取ってくれて、さすが」と評価した。
2イニングをゼロに封じた藤川球児投手。ベテランの奮投が劇勝を呼びこんだ=京セラドーム大阪
劇的勝利を呼んだ功労者は、我慢を重ねた救援陣だ。 6回に追いつかれて以降の 7、 8、 9、10、そして11回。ゼロを重ねた男たちにこそスポットライトを当てよう。そして、その主役はもちろん、延長に入っての 2イニングを投げ、今季初勝利を手にした藤川だ。
「もう終わったので、また明日です」
多くを語ろうとしない偉大なる元ストッパー。だが、延長10回から投じた28球の中身は濃かった。MAX 148キロ。 6つのアウトのうち、飛球が 4つ。金本監督はそこを絶賛した。
「 2イニングいってくれてね。昔のいい時の球児を思い出すようなね。フライアウトを取ってくれてね。さすがでした」
分かっていても打てない火の玉ストレートで空振りや凡フライを重ねていた頃から時は流れている。でも、ここ一番で片鱗を感じさせ、指揮官を唸らせたのだった。
ところが、それに関しても藤川は「きょうだけなので」と素っ気ない。
藤川球児投手(右から 2人目)は原口文仁捕手と歓喜の抱擁=京セラドーム大阪
そんな中、唯一、主役が反応してくれたプレーがあった。見る者に、何より「球児の躍動」を感じさせたのが10回一死 1塁から俊足・上田を迎えた場面。詰まった 1塁ゴロをダイビングキャッチした原口が、トップスピードで走り込んでくる藤川にトス。後ろから来る球を走りながらキャッチする、超人的センスは、全盛時と全く変わらなかった。
「長くやっているんで、 1つだけ自分らしさを挙げるとしたらベースカバー。当たり前のことをしっかりできるというのが重要ですから」
広島との開幕 3連戦。先発が早々とマウンドを去った。踏ん張るべき中継ぎ陣もピンチ、ピンチの連続。壊滅状態の中に、藤川もいた。開幕 2戦目の今月 1日、今季初登板は 1回を投げて 3四球で 1失点。そこに寂しさを感じたファンも多かったはず。が、 4日のヤクルト戦は 1回を 3者三振。そして、この日の快投。イニングまたぎも平気でこなす。
メジャーから戻って 2年目。男は今、新たな働き場所で輝きを取り戻しつつある。
◇データBOX◇
◎…藤川のイニングまたぎでの登板は今季初。昨年は中継ぎに再転向後に 2度。前回の昨年 8月 7日のヤクルト戦(神宮)では、 5- 3の 7回から 3番手で登板し、 2回 3失点で逆転を許した。
藤川球児投手(右)は藤浪晋太郎投手に投球指導を行う=京セラドーム大阪
前日 4日のヤクルト戦で大乱調だった藤浪が 5日、投球フォームの修正に乗り出した。
捕手を座らせて投球練習を行う際に、ベルト付近でグラブを静止し、投球時に高く上げるフォームで試投した。前日まではグラブを胸の高さで静止させていた。さらに藤川からも投球についての助言を受けるシーンも見られた。「(フォーム変更は)今日だけに限ったことではないので」。次回先発予定の11日DeNA戦に向け、試行錯誤を続ける。
今シーズンは、全員野球でファン皆が待ち望む「二文字」に向かって、全員で力を合わせて進め! ガンバレ!阪神!我らのタイガース!勝利を掴め!
オープン戦順位表
2017年 公式戦 順位表
2017年 公式戦 日程と結果(04月)
2017年 公式戦 日程と結果(05月)
どんな相手にも立ち向かう。どんな局面でも己の限界にトライする。
その精神を全員が強く持ち、タイガースが変革し続ける一年にしたい。
そうした強い思いをスローガンとして表現しています。
※このスローガン・デザインは、2017年のシーズンロゴとしても展開して参ります。