●巨人先発畠世周投手(23)が初回の 4球目で危険球退場。阪神は代わった中川皓太投手(23)から 2回まで 2得点を奪った。巨人も 2回に村田修一内野手(36)の「13号ソロ」で反撃。巨人は中川から田原誠次投手(28)、池田駿投手(24)とつなぎ 6回まで無失点。阪神岩貞祐太投手(26)も 5回までピンチの連続も 1失点に抑え、 6回から藤川球児投手(37)につないだ。阪神は 7回に俊介の「4号ソロ」で 1点、 8回に 2点を入れてダメを押した。阪神岩貞「5勝」目。G倒で決めた! 阪神は巨人に 5- 1で勝利し、シーズン「2位」が確定した。 3年ぶりのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージの甲子園開催を決めた金本知憲監督(49)はひと息ついたが、戦いはこれから。聖地から下克上日本一へ-。虎が突き進む!!勝負を決めたのは、昨季自己ワーストの41試合出場に終わった広陵高校の後輩、俊介外野手(30)だった。俊介外野手が一発を含む 3安打の活躍。あのスコット・マシソン投手(33)を冷や汗まみれにさせた。速球に振り負けない。強い虎を取り戻すというマニフェストを実現できた。ときには椅子を蹴り、声を張り上げた苦労がひとつ、実った。金本監督が安堵の表情を見せた。就任 1年目の昨季は「借金12の4位」に終わった。若手とベテランのパイプ役となるべき中堅の低迷は想定外だった。若手を積極起用することで競争心をあおろうとしたが、失敗。しかしシーズン後の秋季練習で、中堅の変化を感じたという。大和が今年30歳にしてスイッチヒッターに挑戦。俊介はもう一度、力強さを求め、打撃フォームを見直した。逆転日本一へ。壁にぶち当たっても負けない、あきらめない。金本監督が作ったハングリー精神むき出しの虎が、再び頂点を目指す。バックネット裏のビジター球団ブースで「2位」確定の勝利を見届けた阪神・四藤慶一郎球団社長(56)は試合後、報道陣に囲まれると表情が穏やかに。栄光のゴールを見据え、東京ドームを後にした。
●試合開始直後の東京ドームが、どよめきと怒声に包まれた。上本博紀内野手(31)が 1回、頭部死球を受けて緊急交代した。無死 2塁で打席へ。巨人先発畠が投げた変化球がすっぽ抜け、バントを試みようと前傾姿勢をとっていた上本のヘルメットの左耳付近を直撃した。その場に倒れ込み、倒れ込んだまましばらく動けず、金本監督や片岡篤史打撃コーチ(48)らが駆け寄り、担架も用意されたが、自力で立ち上がって歩き、ベンチへ退いた。代走森越祐人内野手(29)と交代し、試合中に歩いて球場を後にして、病院に向かった。なお、畠は危険球退場となった。試合後、金本監督も安堵。上本は 9月の「月間打率0.435(62打数27安打)、2本塁打、6打点」と好調だっただけに、離脱となっていればCSへ向けても痛恨だったが、大事に至らず、一安心だ。
●俊介外野手が序盤の攻撃で切り込み隊長としての役割を果たした。値千金のアーチを架けた。剛腕マシソンの外角高め速球を狙い打ちすると、完璧な弾道で右翼席に吸い込まれた。プレーボール直後の 1回、先頭で左中間 2塁打を放ち、先制のホームを踏んだ。 2回は二死 2塁で左腕中川のカーブにタイミングを合わせ、ライナーで右前へ加点タイムリーを放った。早々とマルチ安打を達成し、まずはチームに勢いをつけた。
●Gの勝負手だったマシソンを粉砕した。梅野隆太郎捕手(26)と中谷将大外野手(24)。福岡工業大学附属城東高校コンビが 3- 1の 8回にそろって適時打を放ち、勝利を決定づけた。まずは先輩の梅野だ。二死 1、 3塁。外角 148キロをとらえると。強烈な当たりが助っ人を強襲し、 1、 2塁間へ転がった。 5試合ぶりの打点に塁上で手をたたいた。 1年後輩の中谷も続いた。なお二死 1、 2塁から代打で打席へ。内角 148キロにバットを折られながらも左前に落とした。巨人・高橋由伸監督(42)は 1点ビハインドの 7回からマシソンを投入してきたが 7回は俊介の一発、そして 8回は連打。試合前時点で11回 2/3を 1失点と虎を封じてきた右腕を力強くKOし、金本監督は喜んだ。リードでも岩貞を引っ張った梅野。 8月の終盤から正捕手の座を坂本に奪われたが、試合に出られない時期も努力を続けてきたから今がある。出ないときこそ、やれることをやる-。フリー打撃の時間を普段より長く取った日もあれば、スローイングを繰り返し、球の回転を念入りに確認した日もあった。再びつかんだチャンス。Gの頼みの綱を引きずり下ろし、勝利した手応えを自信に変えて、CSも勝ち進む。
●阪神先発の岩貞祐太投手が粘りの投球で踏ん張った。 1回から制球が定まらず苦しい投球。いきなり連打され、一死 1、 3塁のピンチを招くが、阿部慎之助内野手(38)を外角低めスライダーで引っ掛けさせ、 2ゴロ併殺で切り抜けた。 2点リードの 2回には先頭村田に左翼ポール直撃の「ソロ本塁打」を浴びた。この日は逆球が多く、荒れ球が目立ったが、スライダーやチェンジアップが効果的に決まった。勝利投手の権利を手にして 5回 1失点で降板。あの夜の悔しさを力に変えた。逃げない、攻める-。岩貞は東京ドームでの苦い記憶を胸に刻み、思い切り腕を振った。 5回 1失点で今季「5勝」目。過去の自分と決別し、 7月 2日のヤクルト戦(甲子園)以来、90日ぶりの白星をつかみ取った。目の前の打者だけに集中していた。これでいい。吹っ切れた背番号「17」が、CSを戦う金本阪神に加わった。
●虎が誇るドミニカンリリーバー 2人も、「2位」を決めるべく 4点リードの 8、 9回に登板。 1人の走者も許さず試合を締めた。 8回に阿部、村田、長野を 8球で料理したマルコス・マテオ投手(33)は、62戦目の登板だったが元気いっぱい。 9回を 3人で斬ったラファエル・ドリス投手(29)は61試合目の登板でも 159キロを計時し変わらぬ頼もしさを見せた。
記事をまとめてみました。
<巨人 1- 5阪神>◇24回戦◇阪神 9勝13敗 2分◇30日◇東京ドーム
巨人先発畠が初回の 4球目で危険球退場。阪神は代わった中川から 2回まで 2得点を奪った。巨人も 2回に村田の「13号ソロ」で反撃。
巨人は中川から田原、池田とつなぎ 6回まで無失点。阪神岩貞も 5回までピンチの連続も 1失点に抑え、 6回から藤川につないだ。
阪神は 7回に俊介の「4号ソロ」で 1点、 8回に 2点を入れてダメを押した。これで「2位」が決まった。巨人は連勝が「4」で止まった。阪神岩貞「5勝」目。巨人畠は「4敗」。
7回表阪神一死、右越え本塁打を放ち、ナインと笑顔でハイタッチを交わす俊介外野手=東京ドーム
G倒で決めた! 阪神は巨人に 5- 1で勝利し、シーズン「2位」が確定した。俊介外野手が一発を含む 3安打の活躍。 3年ぶりのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージの甲子園開催を決めた金本知憲監督は「ホッとしました」とひと息ついたが、戦いはこれから。聖地から下克上日本一へ-。虎が突き進む!!
あのマシソンを冷や汗まみれにさせた。速球に振り負けない。強い虎を取り戻すというマニフェストを実現できた。ときには椅子を蹴り、声を張り上げた苦労がひとつ、実った。金本監督が安堵の表情を見せた。
「優勝こそできなかったんですけど、その後の目標は『2位』だったんで。ホッとしています。本当にキツかったですね」
7回にマシソンから一発を放った俊介外野手。速球を粉砕した=東京ドーム
勝負を決めたのは、昨季自己ワーストの41試合出場に終わった広陵高の後輩、俊介だった。
2- 1の 7回一死。総力戦の巨人がマシソンを投入した直後。外角直球を逆方向にはじき返すと、打球は低い弾道で右翼フェンスをまたいだ。「入るとは思わなかった。(若手に)負けていられないと思うので。もっと頑張りたい」。苦労人の30歳の「4号ソロ」で勝負あり、だった。
引き分け以上で「2位」という伝統の一戦は、嵐の船出だった。俊介が 2塁打で口火を切った 1回、続く上本が頭部死球を受け、病院直行となった。 2回。二死 2塁から 2点目をもぎとる右前適時打を放ち、不穏な空気を消したのも俊介だった。
必死な姿に金本監督は目を細める。「今年は中堅がほんまに…。昨年は若手 3人(高山、原口、北條)が出たけど、今年は上本、俊介、大和と、中堅が意地をみせてくれているんで」。
俊介外野手(左)を笑顔で出迎える金本知憲監督=東京ドーム
就任 1年目の昨季は「借金12の4位」に終わった。若手とベテランのパイプ役となるべき中堅の低迷は想定外だった。若手を積極起用することで競争心をあおろうとしたが、失敗。しかしシーズン後の秋季練習で、中堅の変化を感じたという。
大和が今年30歳にしてスイッチヒッターに挑戦。俊介はもう一度、力強さを求め、打撃フォームを見直した。片岡打撃コーチは「ヘッドの使い方とか。練習から打球が変わっていた」と振り返る。状態を上げてきた選手をコーチ陣が見極め、その進言に耳を傾けた指揮官。やるべきことをやった結果だからこそ、ミスをしても会見で「僕の責任」とかばった。ある中堅は「新聞に載っている監督のコメントをみて救われました」と話す。
ヒーローインタビューを終え、声援に応える俊介外野手=東京ドーム
この日のスタメンも「ほぼコーチ陣が決めた。僕、何にもしてないんですよ。きょうはイエスマンでした」と舌を出した虎将。今季で自ら申し出た 2年契約が切れる。 7月に坂井オーナーから続投要請を受けた。球団はシーズン終了後を目安に複数年契約を提示する方針だが、そんな期待に、まずは 3年ぶりの「2位」、CS甲子園開催という結果で、応えた。
「プレーに出ていると思う。中堅の力というのは大きいね」
逆転日本一へ。壁にぶち当たっても負けない、あきらめない。金本監督が作ったハングリー精神むき出しの虎が、再び頂点を目指す。
7回、本塁打を放った俊介外野手=東京ドーム
阪神が2014年以来の「2位」を確定させた。「1番」で起用した俊介が「4号ソロ」を含む 3安打 2打点の活躍。先発岩貞が 5回 1失点で「5勝」目を挙げた。自慢のリリーフ陣が無失点リレーで巨人につけいるスキを与えなかった。試合後の金本知憲監督の談話は以下の通り。
-「2位」が決定した
金本監督 優勝こそできなかったが、その後の目標は「2位」だったので、ホッとしています。
-苦しい道のりだった
金本監督 中盤から後半にかけて、先発投手陣のケガやいろいろアクシデントがあったが、リリーフがカバーしてくれた。きつかったですね。
桑原謙太朗投手(左)らナインを出迎える金本知憲監督=東京ドーム
-先発岩貞は 5回 1失点
金本監督 コントロールに苦しんでいたが、悪いなりに、何とか 5回をね。梅野もしっかりリードしてくれて、どうにか持ったという印象です。
-リリーフが好投
金本監督 そこがうちの一番の強み。 7回以降は 9人で終わった。完璧だった。
-1番俊介が活躍
金本監督 昨日打てなくて、どうかと思ったが、片岡コーチが「俊介でいこう」と言ったので、分かったと。ナイスアドバイスだった。
-次は巨人との最終戦
金本監督 (CSで対戦の)可能性もあるので、巨人の最終戦になるが、きっちりと勝ちたいと思う。
バックネット裏のビジター球団ブースで「2位」確定の勝利を見届けた阪神・四藤球団社長は試合後、報道陣に囲まれると表情が穏やかに。「とりあえず『2位』が決まったので、また次やね」。「次」とはもちろん、来るべきCSであり、その先に待つ日本シリーズ。栄光のゴールを見据え、東京ドームを後にした。
★「2位」になると…
クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージには「2位」でも「3位」でも出場できるが、「2位」と「3位」では大きな違いがある。試合は「2位」球団の主催となるため入場料や放映権料、グッズの売り上げなど収入はすべて「2位」球団の総取り。 1試合あたり 3億円近い売り上げがあるといわれている。また「1勝1敗1分け」か「0勝0敗3分け」となった場合、「2位」球団が勝ち上がる(1勝1分けとなった場合は、3戦目は行われない)。本拠地で試合ができるというだけではなく、「2位」死守は球団にとって死活問題だ。
1回、頭部に死球を受けた上本博紀内野手。大事にいたらず何よりだった=東京ドーム
上本博紀内野手が 1回、頭部死球を受けて緊急交代した。無死 2塁で打席へ。巨人先発畠が投げた初球の抜けた内角球が左ほおあたりを直撃した。その場に倒れ込み、金本監督や片岡打撃コーチらが駆け寄り、担架も用意されたが、自力で立ち上がって歩き、ベンチへ退いた。
代走森越と交代し、試合中に歩いて球場を後にして、病院に向かった。なお、畠は危険球退場となった。
1回表阪神無死 2塁、頭部死球を受けた上本博紀内野手のもとへ駆け寄り心配そうな表情を見せる金本知憲監督(中央)=東京ドーム
上本博紀内野手が 1回、頭部死球を受けて緊急交代した。
無死 2塁で打席へ。巨人先発畠が投げた初球の抜けた内角球が左ほおあたりを直撃した。その場に倒れ込み、金本監督や片岡打撃コーチらが駆け寄り、担架も用意されたが、自力で立ち上がって歩き、ベンチへ退いた。代走森越と交代し、試合中に歩いて球場を引き揚げ、都内の病院で受診。軽い頭部の打撲で、球団広報は「明日以降、問題なく試合に出られる」と説明した。
1回表阪神無死 1塁、頭部に死球を受け倒れ込んだ上本博紀内野手。左は金本知憲監督=東京ドーム
試合開始直後の東京ドームが、どよめきと怒声に包まれた。上本博紀内野手が30日、巨人戦の 1回無死 2塁で、頭部に死球を受けた。先発・畠の変化球がすっぽ抜け、バントを試みようと前傾姿勢をとっていた上本のヘルメットの左耳付近を直撃。倒れ込んだまましばらく動けず、指揮官やトレーナーらが駆け寄った。
担架も用意されたが、何とか自力で歩いてベンチへ戻り、代走・森越を送られて途中交代。 1回の守備中に東京都内の病院へ向かった。畠は試合開始からわずか 4球で危険球退場となった。
畠世周投手は上本への危険球のため、わずか 4球で降板となった=東京ドーム
球団によると、幸い頭部の軽い打撲で、脳振とうもなく、異常は見られなかった。10月 1日以降の試合にも出場できそうだという。
試合後、金本監督も「大丈夫みたい。ちょっと震えとったからね、あぁ…と思ったけど、大丈夫みたいね」と安堵。上本は 9月の「月間打率0.435(62打数27安打)、2本塁打、6打点」と好調だっただけに、離脱となっていればCSへ向けても痛恨だったが、大事に至らず、一安心だ。
2回表阪神二死 2塁、適時打を放った俊介外野手=東京ドーム
俊介外野手が序盤の攻撃で切り込み隊長としての役割を果たした。
プレーボール直後の 1回、先頭で左中間 2塁打を放ち、先制のホームを踏んだ。 2回は二死 2塁で左腕中川のカーブにタイミングを合わせ、ライナーで右前へ加点タイムリーを放った。「送りバントでチャンスを作ってもらったので、なんとかランナーをかえそうと思い、強引にならず逆方向に打ち返すことができました」。早々とマルチ安打を達成し、まずはチームに勢いをつけた。
2回、右適時打を放った俊介外野手=東京ドーム
俊介外野手が値千金のアーチを架けた。
1点差に迫られていた 7回一死走者なし。剛腕マシソンの外角高め速球を狙い打ちすると、完璧な弾道で右翼席に吸い込まれた。
今季「4号」を「追加点の欲しいところでしたし、出塁することを考えて、ボール気味の球でしたが、思い切って打ちに行きました。いい結果になってくれて良かったです」と振り返った。
7回表阪神一死、右越え本塁打を放った俊介外野手=東京ドーム
阪神が宿敵巨人に快勝し、「2位」を確定させた。「1番センター」でスタメン出場した俊介外野手が、 7回の値千金「ソロアーチ」を含む 3安打と大活躍。ヒーローインタビューで喜びを語った。
- 2回に適時打
俊介 いい場面でヒットを打てたっていうのは、ほんとによかったと思います。
- 7回の本塁打。マシソンの速球を右翼スタンドへ
俊介 自分でもびっくりしています。
-感触は
俊介 入るとは思わなかったんで、とにかく抜けろって走りました。
観衆の声援に応える、ヒーローの俊介外野手=東京ドーム
-チームは「2位」が確定した
俊介 甲子園でやれるっていうのはいいことだと思うので、よかったです。
-心強いファンがついてる
俊介 日本一のファンだと思ってますし、ファンの皆さんの力で勝ちたいと思います。
-残り 3試合
俊介 まだまだ 1戦 1戦、自分たちの野球をして、勝って、クライマックスに臨みたいと思います。
8回にマシソン投手(手前)を強襲する適時打を放った梅野隆太郎捕手=東京ドーム
Gの勝負手だったマシソンを粉砕した。梅野と中谷。福岡工大城東高コンビが 3- 1の 8回にそろって適時打を放ち、勝利を決定づけた。
「久しぶりに貢献できたと思います。いつもこの状態でいけるようにしたいです」
まずは先輩の梅野だ。二死 1、 3塁。外角 148キロをとらえると。強烈な当たりが助っ人を強襲し、 1、 2塁間へ転がった。 5試合ぶりの打点に塁上で手をたたいた。
1年後輩の中谷も続いた。なお二死 1、 2塁から代打で打席へ。内角 148キロにバットを折られながらも左前に落とし、「いいところに飛んでくれました。対応できていたので、結果がついてきてくれてよかったです」と笑顔で振り返った。
8回、適時打を打った中谷将大外野手=東京ドーム
巨人・高橋監督は 1点ビハインドの 7回からマシソンを投入してきたが 7回は俊介の一発、そして 8回は連打。試合前時点で11回 2/3を 1失点と虎を封じてきた右腕を力強くKOし、金本監督は「自力で『2位』をつかんでくれた。マシソンに 2イニング( 1回 2/3)で 3点なんて…。全部真っすぐをとらえてくれた。見事でしたね」と喜んだ。
リードでも岩貞を引っ張った梅野。 8月の終盤から正捕手の座を坂本に奪われたが、試合に出られない時期も努力を続けてきたから今がある。
「チームにとって結果が優先。(自分は)結果が出せていないから。試合に出なくてもできることはあると思うし、試合に出ないときにどれだけ準備できるかが大事だと思っています」
出ないときこそ、やれることをやる-。フリー打撃の時間を普段より長く取った日もあれば、スローイングを繰り返し、球の回転を念入りに確認した日もあった。
再びつかんだチャンス。Gの頼みの綱を引きずり下ろし、勝利した手応えを自信に変えて、CSも勝ち進む。
阪神先発の岩貞祐太投手が粘りの投球で踏ん張った。
1回から制球が定まらず苦しい投球。いきなり連打され、一死 1、 3塁のピンチを招くが、阿部を外角低めスライダーで引っ掛けさせ、 2ゴロ併殺で切り抜けた。 2点リードの 2回には先頭村田に左翼ポール直撃の「ソロ本塁打」を浴びた。
この日は逆球が多く、荒れ球が目立ったが、スライダーやチェンジアップが効果的に決まった。勝利投手の権利を手にして 5回 1失点で降板。「先に取ってもらった点を守るのではなく、攻める気持ちを持って投げました。先発として任された試合で 5回までしか投げることができず、中継ぎの方に負担を掛けてしまい、申し訳ないです」と振り返った。
投球する阪神先発の岩貞祐太投手=東京ドーム
あの夜の悔しさを力に変えた。逃げない、攻める-。岩貞は東京ドームでの苦い記憶を胸に刻み、思い切り腕を振った。 5回 1失点で今季「5勝」目。過去の自分と決別し、 7月 2日のヤクルト戦(甲子園)以来、90日ぶりの白星をつかみ取った。
「キャッチャーに助けられながらの展開になった。長いイニングを投げられなかった悔しさはあります」
笑みはなかった。先発を任された身として 6回からリリーフに後を託してしまった。バッテリーを組んだ梅野のリードに感謝し、自分自身の投球にはまだ満足できなかった。それでも一歩、前に踏み出せた。
1点を先制してもらった直後の 1回に陽岱鋼、マギーの連打で無死 1、 2塁といきなりピンチを迎えたが、坂本を遊ゴロ。阿部も 127キロのスライダーで 2ゴロ併殺に仕留めた。 2点リードの 2回には、先頭の村田に内角低めの直球をうまくすくわれ、左翼ポール直撃のソロを浴びたが、失点はこの一発のみ。 4回二死満塁で小林を見逃し三振、 5回も二死 1、 2塁から阿部を 2飛と、必死に踏ん張った。
悔しさを胸に、東京ドームで「5勝」目を挙げた岩貞祐太投手=東京ドーム
宿敵巨人の本拠地マウンドは「自分の力のなさを痛感させられた」という 8月 8日以来。四球を連発し、 4回 7安打 6四球 6失点で早々にKOされた。そして試合中に強制帰阪。涙をグッとこらえ、ドームを後にした。だが、つらい記憶から目を背けず、翌日から鳴尾浜で汗を流した。
「あの試合、いいことは 1つもなかったです。でも、あの悔しさだけを持ってやってきた。それ以外は忘れて、あの悔しさだけを…」
自分の武器は何か。思い切りの良さ、そして豪快な腕の振り。重要なのは技術ではなく、気持ちの部分だった。大事なものをもう 1度、見つめ直し、試合前時点で「4戦3敗、防御率10.00」と散々だった巨人から、今季初白星をつかんだ。
試合後、「悔しさを晴らせたか?」と問われ、「自分のなかではピンチになっても 1人 1人、打ち取ることを考えていました。(CSで)次、登板があれば、がむしゃらに投げたい」と答えた。目の前の打者だけに集中していた。これでいい。吹っ切れた背番号「17」が、CSを戦う金本阪神に加わった。
★岩貞祐太投手「帰れ!」VTR
8月 8日の巨人戦(東京ドーム)に先発した岩貞は 1回から失点すると、 0- 2の 3回に 5四球を含む 3安打 4失点。 4回 6失点で「9敗」目を喫した。試合中に強制帰阪させた金本監督は、 1- 6で敗れた試合後「見ての通りですね。見ての通りですよ。もう、抹消ですね」と怒り心頭だった。
◇データBOX◇
◎…岩貞は自身ワーストタイだった連敗を「5」でストップ。また巨人戦は昨季、 4試合で「3勝0敗(1完封)、防御率0.58」だったが、今季は 5試合目で初勝利となった。
8回、投球するマルコス・マテオ投手=東京ドーム
虎が誇るドミニカンリリーバー 2人も、「2位」を決めるべく 4点リードの 8、 9回に登板。 1人の走者も許さず試合を締めた。 8回に阿部、村田、長野を 8球で料理したマテオは、62戦目の登板だったが「 3試合残っているからね。そこに集中したい」と元気いっぱい。 9回を 3人で斬ったドリスは61試合目の登板でも 159キロを計時し「(点差があっても)それは関係ない。一人一人に向かっていくだけだ」と変わらぬ頼もしさを見せた。
全員野球でファン皆が待ち望む「二文字」に向かって、全員で力を合わせて進め! ガンバレ!阪神!我らのタイガース!勝利を掴め!
2017年 公式戦 順位表
2017年 公式戦 日程と結果(09月)
2017年 公式戦 日程と結果(10月)
どんな相手にも立ち向かう。どんな局面でも己の限界にトライする。
その精神を全員が強く持ち、タイガースが変革し続ける一年にしたい。
そうした強い思いをスローガンとして表現しています。
※このスローガン・デザインは、2017年のシーズンロゴとしても展開して参ります。