●NMB48の城恵理子(19)と川上千尋(19)が、試合前の「ファーストピッチセレモニー」に登場した。投手を務めた城は大きく振りかぶって投球。ボールはノーバウンドで捕手のミットに吸い込まれた。右利きながら左打席に立った川上は“作戦”を明かした。この日は女性ファンを応援する「TORACO DAY」が開催。 2人はTORACO応援隊長を務めている。阪神は初回「3番」福留孝介外野手(41)が右中間席に「4号ソロ」を放ち先制した。ロッテは阪神の先発岩貞祐太投手(26)に対し、 3回まで清田育宏外野手(32)の中前打だけ。阪神は 5回無死 1、 3塁の好機で無得点。 6回に福留の犠飛で 1点を追加した。ロッテは 6回まで 3安打と打線が沈黙。 ロッテは 7回途中から、阪神は 8回から継投に出た。ロッテは 9回表に 4連打と相手失策で同点に追いつき、延長に入った。阪神は12回に山崎憲晴内野手(31)の遊ゴロが、併殺を狙ったロッテの 2塁手・中村奨吾内野手(26)の 1塁悪送球を誘い中谷将大外野手(25)がサヨナラの生還。11回から登板した阪神能見篤史投手(39)が今季「初勝利」。金本知憲監督(50)は、引き分け寸前の“ミラクル”に驚き半分だった。
●最後に奇跡が待っていた。でも、勝ったからこそ冷静に振り返ることができる。ジメジメした試合中盤の攻撃。金本監督も苦笑いの連発だった。まずは 5回だ。先頭・鳥谷敬内野手(36)が「右中間2塁打」でチャンスメークし、陽川尚将内野手(26)も中前打で続いた。無死 1、 3塁で打席に梅野隆太郎捕手(26)。これまでの虎の戦いをみればセーフティースクイズの確率が高いことを誰もが予感していたが、涌井秀章投手(31)の外角スライダーを梅野が見送り、あわてて戻った鳥谷がけん制死。すぐさまリクエストも、判定は覆らず鳥谷の心境をおもんぱかった。さらに決定力不足を象徴したのが 7回だった。中谷、鳥谷、陽川の 3連打で無死満塁。ところが梅野が投ゴロ、代打の代打・原口文仁捕手(26)が空振り三振、「1番・糸原健斗内野手(25)」が 3ゴロで、まさかの「0」-。苦言を呈した。キャンプから、いや就任時からケース打撃など状況判断を徹底した。自分に求められた仕事を考え、プロでうまい飯を食っていくワザを身につけてほしい。その願いからだったが…。「9連戦」初戦でブルペン陣総出。この借りを、打者陣は返すしかない!!
●糸井が信じられない拙守の連続で、 6回の打席終了後、ベンチに下がった。 4回、中村の平凡な打球を“バンザイ”して 2塁打に。 3回の田村、 6回の中村の飛球も何とかキャッチという形。風がいつもと逆、前夜の雨で足元が悪いなどの条件だったが…。さらには試合前のメンバー表が「中堅・糸井」となっていて、試合開始と同時に定位置の右翼に戻るハプニングも。糸井嘉男外野手、中谷将大外野手が試合開始前に守備位置を入れ替えた。試合前に提出されたメンバー表には「センター・糸井」、「ライト・中谷」がスタメンで記されていた。ロッテの「1番」荻野貴司外野手(32)が打席に入る際に、阪神のシート変更がアナウンスされた。糸井には“何かが違う”一日だった。
●いつも以上に黄色く染まった右翼席に 1回、早々と放物線を届けたのは福留だった。梅雨の影響で珍しく左打者に有利な“逆浜風”が吹いていた。フルカウントから涌井の高めに抜けた 130キロフォークを見逃さない。快音とともに白球は右中間フェンスを越え、防球ネットに着弾。 5月17日のDeNA戦(甲子園)で平良から放って以来となる先制の「4号ソロ」に虎党は乱舞。守備につく際、何度も帽子をとり、声援に応えた。一発だけにとどまらない。拙攻が続いていた 6回一死 3塁では中犠飛で追加点。この日は虎党の女子を応援する「TORACOデー」。そのひとりでもある長女・桜楓(はるか)ちゃん( 7)は入りたての小学校を終えると公園で日が暮れるまで遊ぶのが楽しくてしようがないという。まな娘のためにグラウンド同様、常に流れを観察している。「9連戦」は始まったばかり。こんな縁の下の力持ちがいれば強い。
●藤川球児投手(37)が大ピンチを断ってサヨナラ勝ちを呼び込んだ。 2- 2同点の延長10回、二死満塁で岩崎をリリーフ。「5番」清田相手に 148キロファウル、 146キロボール、 148キロ空振りと全球真っすぐで押し、ラスト 4球目も 149キロの真っすぐで空を切らせた。「火の球」復活で勝利に貢献し、充実の汗をぬぐった。
●ベテランの執念ピッチに“聖地の女神”がほほえんだ! 阪神は延長12回、敵失でロッテに 3- 2とサヨナラ勝ち。中継ぎに配置転換されて 2試合目の能見篤史投手が 2イニングを無失点に抑え、通算「99勝」目となる「今季初勝利」を挙げた。「2連勝」で、借金も「1」。苦しい試合をモノにした勢いを、10日につないでいく!!“神風”が吹いた。 2- 2の延長12回一死 1、 2塁。代打・山崎の遊ゴロの送球を受けた 2塁・中村の 1塁送球が逸れる。中谷が小躍りして生還! 引き分け一転、サヨナラ勝ちだ。今季最多の 4万6723人が沸く。 2回 0封で執念星を呼んだ能見は、笑顔でベンチから飛び出した。今季初のお立ち台で謙虚に話したが、心は燃えていた。ラファエル・ドリス投手(30)が追いつかれて突入した延長戦。10回二死満塁をしのいだ 1歳下の藤川からタスキを受け、39歳が11回からマウンドに立った。今季 2度目、 2軍を含めて 4度目の中継ぎ登板で、初のイニングまたぎも関係なし。12回は二死 2塁から中村を直球で中飛に斬り、珍しくグラブを叩いた。波乱の14年目。メッセンジャー、秋山拓巳投手(27)と先発ローテを確約されて開幕したが…。“投げ抹消”が続いて登板間隔もあく中、「3試合0勝2敗、防御率7.53」。 5月12日に抹消後は 2軍が続いた。次々台頭する若手。それでも虎投最年長のモチベーションが下がることはなかった。若手に混ざって鳴尾浜を黙々と走ってきた。今季初勝利。中継ぎでは 8年ぶりの特別な「1勝」で通算「99勝」目。百戦錬磨の左腕はチームのため身を粉にする覚悟だ。
記事をまとめてみました。
<日本生命セ・パ交流戦:阪神 3x- 2ロッテ>◇ 1回戦◇阪神 1勝 0敗 0分◇ 9日◇阪神甲子園球場
ファーストピッチセレモニーで投球するNMB48の城恵理子さん=阪神甲子園球場
NMB48の城恵理子と川上千尋が、試合前の「ファーストピッチセレモニー」に登場した。
投手を務めた城は大きく振りかぶって投球。ボールはノーバウンドで捕手のミットに吸い込まれた。「練習ではナイスボールも投げられたのですが、本番で出来ず悔しかった。でも届いてよかったです」と笑顔。右利きながら左打席に立った川上は「インパクトを残したいと思って、左で打ちました。福留さんのマネで打ちました」と“作戦”を明かした。
この日は女性ファンを応援する「TORACO DAY」が開催。 2人はTORACO応援隊長を務めている。
ファーストピッチセレモニーを行ったNMB48の城恵理子さん(左)と川上千尋さん=阪神甲子園球場
阪神は初回、「3番」福留が右中間席に「4号ソロ」を放ち先制した。ロッテは阪神の先発岩貞に対し、 3回まで清田の中前打だけ。
阪神は 5回無死 1、 3塁の好機で無得点。 6回に福留の犠飛で 1点を追加した。ロッテは 6回まで 3安打と打線が沈黙。
12回を無失点に抑えベンチに戻る能見篤史投手=阪神甲子園球場
ロッテは 7回途中から、阪神は 8回から継投に出た。ロッテは 9回表に 4連打と相手失策で同点に追いつき、延長に入った。
阪神は12回に山崎の遊ゴロが、併殺を狙ったロッテ中村の 1塁悪送球を誘い中谷がサヨナラの生還。11回から登板した阪神能見が今季「初勝利」。ロッテは南が「初黒星」。
延長12回、サヨナラ勝ちでファンにあいさつに出てきた金本知憲監督=阪神甲子園球場
金本阪神がラッキーなサヨナラ勝ちで「2位」を守った。 2- 2同点の延長12回一死 1、 2塁。梅野の代打山崎が遊ゴロを打ち、送球が 2塁にわたって封殺。
だが 1塁送球が暴投となり、 2塁走者の中谷がホームを駆け抜けた。金本知憲監督は「( 9回に)追いつかれたあと、嫌なムードがあったんですけど、(能見ら)リリーフがきっちり抑えてくれたので、こういう勝ちが転がり込んできたのかなと思います」と笑顔。
「いや、想像はしてなかったですけどね。選手のときは経験はありますけどね。まさかの結末でしたね」と、引き分け寸前の“ミラクル”に驚き半分だった。
12回、山崎憲晴内野手(中央)は遊ゴロ併殺崩れでサヨナラ勝利し、ナインと歓喜=阪神甲子園球場
阪神がロッテとの延長戦を制し「2連勝」とした。延長12回に代打・山崎憲晴内野手が放った打球を相手が悪送球。その間に 2塁走者が生還し、サヨナラ勝ちを決めた。延長11回から 2イニングを無失点に抑えた能見篤史投手が今季初勝利を挙げた。
阪神は 2点リードの 9回に抑えのドリスが打たれ、 2- 2で延長戦に突入した。延長12回、一死 1、 2塁の場面で代打・山崎が登場。ロッテの「7番手・南」から放った打球は遊ゴロだったが、併殺を狙ったロッテの 2塁手・中村が 1塁へ悪送球。ファウルグラウンドにボールが転がる間に 2塁走者が生還し、サヨナラ勝ちを決めた。
3走の鳥谷敬内野手が飛び出し、戻れずにタッチアウト…=阪神甲子園球場
最後に奇跡が待っていた。でも、勝ったからこそ冷静に振り返ることができる。ジメジメした試合中盤の攻撃。金本監督も苦笑いの連発だった。
「飛び出しちゃうんだから…。まぁ、あそこは痛いといえば痛いですよね」
まずは 5回だ。先頭・鳥谷が「右中間2塁打」でチャンスメークし、陽川も中前打で続いた。無死 1、 3塁で打席に梅野。これまでの虎の戦いをみればセーフティースクイズの確率が高いことを誰もが予感していたが、涌井の外角スライダーを梅野が見送り、あわてて戻った鳥谷がけん制死。すぐさまリクエストも、判定は覆らず「もうちょっと早めに(梅野はバットを)引いてやらないとね。ランナーは判断はちょっと難しい」と鳥谷の心境をおもんぱかった。
5回無死 1、 3塁でセーフティーバントの構えから、見送る梅野隆太郎捕手=阪神甲子園球場
さらに決定力不足を象徴したのが 7回だった。中谷、鳥谷、陽川の 3連打で無死満塁。ところが梅野が投ゴロ、代打の代打・原口が空振り三振、「1番・糸原」が 3ゴロで、まさかの「0」-。「どういう形でもいいから、なんとか1点欲しかったんですけど。ちょっと嫌な雰囲気はあった」と苦言を呈した。
キャンプから、いや就任時からケース打撃など状況判断を徹底した。自分に求められた仕事を考え、プロでうまい飯を食っていくワザを身につけてほしい。その願いからだったが…。「9連戦」初戦でブルペン陣総出。この借りを、打者陣は返すしかない!! ☆延長十二回に先頭で左前打を放ち、サヨナラのホームを踏んだ中谷将大外野手 「(勝てて)よかったです。塁に出ることだけを考えていました」
7回、安打を放った中谷将大外野手=阪神甲子園球場
★阪神、最近の拙攻VTR
5日のオリックス戦(甲子園)、 2- 3の 5回一死 3塁で代打・北條がセーフティースクイズも、投手のほぼ正面。相手失策で一死 1、 3塁となり、植田が再びセーフティースクイズもファウル(結局空振り三振)。そのまま敗れ、金本監督は「普段何やっているんか」と苦言。 3日の西武戦(メットライフ)では 0- 2の 3回一死 1、 3塁でのエンドランで植田が 2ゴロ併殺など、好機でなかなか 1点がとれないシーンが目立つ。
引き上げる金本知憲監督=阪神甲子園球場
阪神がロッテとの延長戦を制し「2連勝」。延長12回に代打・山崎憲晴内野手が放った打球を相手が悪送球。その間に 2走が生還し、サヨナラ勝ちを決めた。延長11回から 2イニングを無失点だった能見篤史投手が今季初勝利を挙げた。以下は金本監督の一問一答。
--延長12回サヨナラ勝ち
「九回に追いつかれた時は嫌なムードがあったが、リリーフがきっちり抑えてくれて、いい場面がきた」
--予想外の展開だった
「まったく想像していなかった。まさか」
力投する岩貞祐太投手=阪神甲子園球場
--藤川、能見が延長戦で好投
「最初の 2点も(福留)孝介。ピンチを凌いで、最後にああいうチャンスがきた。頼もしいといえばそうだが、若手が頑張らないといけない」
--能見について
「短いイニングなので、いいところであるボールのキレとかが生きてくる。あとは経験とか技術とか。リリーフに大きな一枚が来てくれたという感じ」
--岩貞は7回無失点と好投
「調子は悪かったと思うが、 7回 0点で、勝ちがつかないのは残念。きょうは岩貞に勝ちがつかないこと一番残念」
9回、ロッテ・清田育宏外野手の投前犠打を捕球後、 1塁悪送球したラファエル・ドリス投手=阪神甲子園球場
--追加点をなかなか奪えなかった
「何回か得点圏に走者を進めて、無死満塁もあった。そこでどういう形でもいいから、なんとかバットに当てて 1点という意地を見せてほしい。点が取れない嫌な雰囲気あったが、それは結果論」
--ドリスについて
「 6球で 2点差が同点とは思わなかった。ただ球自体は悪くないと思っているので、コースが甘いとかそういう部分だと思う」
--あしたに向けて
「きょうはほぼ勝ちパターンの投手をつぎ込んだので、この勝ちをあしたの試合に生かしたい」
4回、中村奨吾内野手の飛球を後逸する糸井嘉男外野手=阪神甲子園球場
糸井が信じられない拙守の連続で、 6回の打席終了後、ベンチに下がった。 4回、中村の平凡な打球を“バンザイ”して 2塁打に。 3回の田村、 6回の中村の飛球も何とかキャッチという形。風がいつもと逆、前夜の雨で足元が悪いなどの条件だったが…。金本監督も「 3回ああいう守備をみせられると、うーん、変えた方がいいのかなという…」と明かした。
さらには試合前のメンバー表が「中堅・糸井」となっていて、試合開始と同時に定位置の右翼に戻るハプニングも。指揮官は「馬場マネジャーのミスです」と笑ったが、糸井には“何かが違う”一日だった。
メンバー表交換で守備位置の変更を告げる金本知憲監督=阪神甲子園球場
糸井嘉男外野手、中谷将大外野手が試合開始前に守備位置を入れ替えた。
試合前に提出されたメンバー表には「センター・糸井」、「ライト・中谷」がスタメンで記されていた。
しかし開始直前のキャッチボールでは中谷がセンター、糸井がライトの位置に入った。ロッテの「1番」荻野貴司が打席に入る際に、阪神のシート変更がアナウンスされた。
1回、先制の「4号ソロ」を放つ福留孝介外野手。頼もしいキャプテンだ=阪神甲子園球場
これぞ、仕事人。いつも以上に黄色く染まった右翼席に 1回、早々と放物線を届けたのは福留だった。
「 2アウトから、まずは塁に出ようとコンパクトに振りにいきましたが、風に助けられました」
梅雨の影響で珍しく左打者に有利な“逆浜風”が吹いていた。フルカウントから涌井の高めに抜けた 130キロフォークを見逃さない。快音とともに白球は右中間フェンスを越え、防球ネットに着弾。 5月17日のDeNA戦(甲子園)で平良から放って以来となる先制の「4号ソロ」に虎党は乱舞。守備につく際、何度も帽子をとり、声援に応えた。
6回、犠飛を放った福留孝介外野手=阪神甲子園球場
一発だけにとどまらない。拙攻が続いていた 6回一死 3塁では中犠飛で追加点。「若い 2人(糸原、植田)が作ってくれたチャンスだったので、最低限の仕事ができてよかった」とうなずいた。
この日は虎党の女子を応援する「TORACOデー」。そのひとりでもある長女・桜楓(はるか)ちゃん( 7)は入りたての小学校を終えると公園で日が暮れるまで遊ぶのが楽しくてしようがないという。「やっぱり心配だからさ。遊ぶなら(自宅から)見える公園にしろ、といっている。すぐにのぞけるようにね」。まな娘のためにグラウンド同様、常に流れを観察している。
金本監督は「ベテランの活躍が目立っている。本当に頼もしい」と最敬礼する。「9連戦」は始まったばかり。こんな縁の下の力持ちがいれば強い。
10回表ロッテ二死満塁、清田育宏外野手は空振り三振に倒れた=阪神甲子園球場
藤川球児投手が大ピンチを断ってサヨナラ勝ちを呼び込んだ。
2- 2同点の延長10回、二死満塁で岩崎をリリーフ。「5番」清田相手に 148キロファウル、 146キロボール、 148キロ空振りと全球真っすぐで押し、ラスト 4球目も 149キロの真っすぐで空を切らせた。「勝ってよかった」。「火の球」復活で勝利に貢献し、充実の汗をぬぐった。
延長11回から 2イニングを抑え、今季初勝利の能見篤史投手=阪神甲子園球場
ベテランの執念ピッチに“聖地の女神”がほほえんだ! 阪神は延長12回、敵失でロッテに 3- 2とサヨナラ勝ち。中継ぎに配置転換されて 2試合目の能見篤史投手が 2イニングを無失点に抑え、通算「99勝」目となる「今季初勝利」を挙げた。「2連勝」で、借金も「1」。苦しい試合をモノにした勢いを、10日につないでいく!!
“神風”が吹いた。 2- 2の延長12回一死 1、 2塁。代打・山崎の遊ゴロの送球を受けた 2塁・中村の 1塁送球が逸れる。中谷が小躍りして生還! 引き分け一転、サヨナラ勝ちだ。今季最多の 4万6723人が沸く。 2回 0封で執念星を呼んだ能見は、笑顔でベンチから飛び出した。
「勝ってほしいというのもありましたけど…。そのへんは運がよかったのかなと思いました」 今季初のお立ち台で謙虚に話したが、心は燃えていた。「球児がしっかり切ってくれたのもあるしね」。ドリスが追いつかれて突入した延長戦。10回二死満塁をしのいだ 1歳下の藤川からタスキを受け、39歳が11回からマウンドに立った。
ラッキーなサヨナラ勝ちに喜ぶ虎ナイン。能見篤史投手の熱投が流れを呼び込んだ=阪神甲子園球場
「一つずつ(アウトを取る)ということは変わらない。冷静になりながらも、腕を(強く)振っていくことが大事」
今季 2度目、 2軍を含めて 4度目の中継ぎ登板で、初のイニングまたぎも関係なし。「後ろ(救援)での 2イニング目と先発での 2イニング目は違う。勝負になる」。12回は二死 2塁から中村を直球で中飛に斬り、珍しくグラブを叩いた。
ベテランの熱投で「2連勝」、借金も「1」に。「まさかの結末」と笑った金本監督は、「能見本来の良さ、球のキレとかは先発のときより生きてくる。経験と技術。本当に一枚大きなリリーフが入ってきた」と最敬礼だ。
波乱の14年目。メッセンジャー、秋山と先発ローテを確約されて開幕したが…。“投げ抹消”が続いて登板間隔もあく中、「3試合0勝2敗、防御率7.53」。 5月12日に抹消後は 2軍が続いた。
サヨナラ勝ちに笑顔が弾ける能見篤史投手=阪神甲子園球場
次々台頭する若手。それでも虎投最年長のモチベーションが下がることはなかった。安藤 2軍育成コーチは「こちらが何か言わなくても、自分のやるべきことはわかっている選手。手を抜く選手じゃないし、本当によく走っていた」と話す。本人は「年々、疲れがとれにくくなってる」と笑うが、若手に混ざって鳴尾浜を黙々と走ってきた。
左の中継ぎが岩崎しかいない 1軍事情で、 5月末に中継ぎへ配置転換が決定。急な通告にも「しっかり仕事をするだけ」と受け入れ、直後の 6月 1- 3日の筑後遠征(ソフトバンク戦)に緊急参戦。 3試合で 2度、中継ぎ登板し、 5日に昇格。急激な変化にも順応できたのは、日々の妥協なき準備だ。「連投がきかない体じゃない」-。そう言い切ったのは、39歳のプライドでもあった。
今季初勝利。中継ぎでは 8年ぶりの特別な「1勝」で通算「99勝」目。「(100勝は)できたらいい。でも自分の仕事をしっかりしないとなかなかそういうのもないので。自分の勝利を目指すんじゃなく、リリーフのためにもしっかり頑張りたい」。多くは語らない。百戦錬磨の左腕はチームのため身を粉にする覚悟だ。
12回、山崎憲晴内野手は遊ゴロ併殺崩れでサヨナラ勝利し万歳=阪神甲子園球場
☆能見篤史投手について香田勲男投手コーチ
「さすがというか。救援になって初めてのイニングまたぎで、どうかな、という部分もあったけれど、ベテランらしく、よく投げてくれました」
◇データBOX◇
◎…阪神・能見が中継ぎで白星を挙げるのは通算 3度目。2010年10月 2日の広島戦(マツダ)以来、 8年ぶり。
◎…阪神のサヨナラ勝ちは今季 2度目。相手のミスでサヨナラ勝ちするのは、2015年 9月29日のDeNA戦(甲子園、○ 4- 3)。 9回に捕逸で 3走・江越が生還した。
◎…今季、雨で中止となった次の試合は、これで「7戦7勝」。
11回表終了時、タッチを交わす梅野隆太郎捕手と能見篤史投手(左から)=阪神甲子園球場
阪神が延長12回に相手失策でサヨナラ勝ちした。11回から救援し 2イニングをゼロに抑えた能見篤史投手が今季「初勝利」、通算「99勝」目を挙げた。能見の試合後のヒーローインタビューは以下の通り。
- 2回無失点、いかがでしたか
能見 先発も頑張って、リリーフもつないできたので、自分もそれに乗っかって頑張るだけだと思いました。
-12回はピンチの場面。どんなことを思って投げていましたか
能見 高めに行かないようにと、あとは自信を持って投げることだけでした。
-本格的にリリーフ転向。リリーフとして上がる甲子園のマウンド。いつもと違うところはありましたか
能見 試合の中に入っていくので、そのへんは試合状況を見ながらというか、いろんな流れがあると思うので、そういうのを感じながらマウンドに上がっています。
リリーフで「99勝」目をあげガッツポーズする能見篤史投手=阪神甲子園球場
-ベンチでサヨナラの瞬間を迎えました。どんな気持ちで
能見 本当に勝って欲しいというのもありましたけど、そのへんは運がよかったかなと思います。
-今季初白星で、能見投手は通算「99勝」目です。「100勝」にあと「1勝」です
能見 できたらいいですし、まあでも自分の仕事をしっかりしないとなかなかそういうのもないので。自分の勝利を目指すんじゃなくて、本当にね、リリーフのためにもしっかり頑張りたいと思います。
-最後に今季最多のファンにひと言
能見 なかなか苦しい試合が続いてますけど、ピッチャーがゲームを作って、なんとかチームが勝てるように頑張りたいと思います。
全員野球でファン皆が待ち望む「二文字」に向かって、全員で力を合わせて進め! ガンバレ!阪神!我らのタイガース!勝利を掴め!
2018年公式戦・交流戦順位表
2018年 公式戦 日程と結果(06月)
2018年 公式戦 日程と結果(07月)