●先発は楽天は則本昂大投手(27)、阪神は岩貞祐太投手(26)。 1回、両チームともに先頭打者が安打で出塁したが、後続が打てず。 3回までともに無得点。楽天は 4回一死満塁と攻めるもジャフェット・アマダー内野手(31)、茂木栄五郎内野手(24)が連続三振。阪神は 6回二死 1、 2塁としたが、伊藤隼太外野手(29)が右飛に倒れた。楽天は 8回、今江敏晃内野手(34)が右翼線へ先制打。阪神は 9回、中谷将大外野手(25)と高山俊外野手(25)の適時打で逆転。阪神が若虎勢の活躍で、苦手則本をマウンドから引きずり下ろした。楽天先発則本の前に 8回まで無得点。 0対 1で迎えた 9回一死 2塁、「7番」中谷将大外野手が右中間に同点 2塁打を決めて盛り返す。続く代打原口文仁捕手(26)も 3遊間を抜き、なおも一死 1、 3塁。ここで代打高山俊外野手が勝ち越しの左前適時打を放ち、則本を降板させた。藤川球児投手(37)が 2年ぶりのセーブを挙げた。勝ち投手は阪神桑原謙太朗投手(32)が今季「初勝利」。チームは試合前の時点で則本に過去 3試合対戦で「防御率0.72」と抑え込まれていたが、初めて黒星をつけることに成功した。金本阪神が初めて 1試合 5犠打を記録した。相手先発は難敵則本。 0対 1で迎えた 9回無死 1塁では「6番」鳥谷敬内野手(36)に犠打を指令し、この回 2得点の逆転劇につなげた。チームでは2013年10月 1日中日戦以来 5年ぶり、 1リーグ時代を含めて球団最多タイとなる 1試合 5犠打。
●阪神は 0- 1の 9回、中谷将大外野手が球界のエース、楽天・則本から右中間へ起死回生の「同点適時2塁打」。高山の適時打で決勝ホームを踏み、 2- 1の逆転勝利に導いた。チームは「2連勝」で交流戦初のカード勝ち越しを決め、「2位」浮上。17日、同一カード3連勝で借金を完済する!!捕るな! 抜けてくれ!中谷の、ベンチの、そして仙台の虎党の祈りがこもった白球が、右中間の芝生に弾んだ。完封負け寸前で、起死回生の同点 2塁打。大逆転劇を演じたヒーローは、手のひらに残る感触に、興奮を抑えられなかった。球界のエース・則本の前に11三振を奪われ、「0」行進。熱投の岩貞が 8回に力尽き、 0- 1で 9回に突入した。先頭の伊藤隼が四球を選び、鳥谷の犠打で一死 2塁から、運命の打席に立った。カウント 1- 2から 5球目の外角スライダーに必死に腕を伸ばした。 2塁ベース上で激しくガッツポーズ。続く代打・原口&高山と炎の 3連打で決勝のホームインだ。金本監督も最敬礼だ。計 5犠打の執念采配に若虎が応え、交流戦初のカード勝ち越し。「2位」に浮上した。この日は 1塁で出場したが、本職はセンターだ。高山が復調気配で、外野も守れるナバーロも来日したが、その座は譲らない。首位広島を「3.5ゲーム」差で追う虎の中心には、中谷がいる。
●岩貞祐太投手が 7回 1/3を 6安打 1失点と好投し、勝利に貢献した。白星はつかなかったものの、球界を代表する投手の則本に対して 1歩も引かず、両者譲らず 7回まで無得点の試合を演じた。 8回に嶋基宏捕手(33)に左翼線への 2塁打、藤田一也内野手(35)に右前打を許し、 1、 3塁のピンチを招いたところで降板した。今季「4勝」目はならなかったが、則本に“投げ勝った”といっていいだろう。香田勲男投手コーチ(53)は評価。惜しくも今季「4勝」目を逃したが、交流戦の防御率は「1.21」。安定感のある投球を続けており、たたえた。熱投を金本監督も高く評価した。今季は菅野智之投手(28=巨人)、菊池雄星投手(26=西武)、涌井秀章投手(31=ロッテ)らエース級との投げ合いが続く。目標を高く。エース左腕への道を駆け上がっている。
●藤川球児投手が 2年ぶりセーブを記録した。 1点リードの 9回にマウンドにあがり、 1イニングを無失点に抑えた。先頭アマダー、茂木と 2者で三振を奪うも、銀次内野手(30)に中前打、聖澤諒外野手(32)に四球と 1、 2塁にピンチが拡大。だが、最後は田中和基外野手(23)を捕邪飛に退け、捕手原口がキャッチをアピールするとホットした笑みを浮かべた。藤川は落ち着いた表情だった。守護神のラファエル・ドリス投手(30)が高熱のため出場選手登録を抹消されており、背番号「22」が、かつての場所に戻ってきた。藤川がセーブをマークするのは2016年 8月10日広島戦(マツダスタジアム)以来。香田投手コーチもたたえた。藤川がフッと笑い、無数のジェット風船が舞った。バックネット前ギリギリで、原口がフラつきながら27個目のアウトをつかむ。危なかった。だが、勝ちきった。火の玉ストレートで 9回にくっきりと「0」を焼きつけ、 2年ぶりセーブだ。仕切り直しの 8球目を中前打され、聖沢は四球で二死 1、 2塁。長打が出れば逆転サヨナラの大ピンチを背負ったが、くぐってきた修羅場の数が違う。続く田中を捕邪飛に仕留め、勝ちきった。さすがは藤川。虎党にもう一度、風船をいっぱいまで膨らませる時間を作りながら締めくくった。虎復帰 1年目だった2016年 8月10日の広島戦(マツダ)以来 675日ぶり、日米通算 226個目の「セーブ」だ。高橋聡文投手(35)、マルコス・マテオ投手(34)、ドリスら救援陣のコンディション不良が続く中、藤川が存在感を示している。 5月10日の巨人戦(東京ドーム)から、登板 9試合連続無失点。その間 9回 2/3を投げ、13奪三振。確実に温まってきた藤川の右腕が、虎の最終回に仁王立ちする。
記事をまとめてみました。
<日本生命セ・パ交流戦:楽天 1- 2阪神>◇ 2回戦◇阪神 2勝 0敗 0分◇16日◇楽天生命パーク宮城
先発は楽天は則本、阪神は岩貞。 1回、両チームともに先頭打者が安打で出塁したが、後続が打てず。 3回までともに無得点。
楽天は 4回一死満塁と攻めるもアマダー、茂木が連続三振。阪神は 6回二死 1、 2塁としたが、伊藤隼が右飛に倒れた。
楽天は 8回、今江が右翼線へ先制打。阪神は 9回、中谷と高山の適時打で逆転。藤川が 2年ぶりのセーブを挙げた。勝ち投手は阪神桑原が今季「初勝利」。負け投手は楽天則本が「7敗」目。
9回表阪神一死 1、 3塁、則本昂大投手から左前適時打を放った高山俊外野手=楽天生命パーク宮城
阪神が若虎勢の活躍で、苦手則本をマウンドから引きずり下ろした。
楽天先発則本の前に 8回まで無得点。 0対 1で迎えた 9回一死 2塁、「7番」中谷将大外野手が右中間に同点 2塁打を決めて盛り返す。続く代打原口文仁捕手も 3遊間を抜き、なおも一死 1、 3塁。ここで代打高山俊外野手が勝ち越しの左前適時打を放ち、則本を降板させた。
2018年 6月16日 9回表阪神一死 1、 3塁、代打高山俊外野手は左前に勝ち越し適時打を放った=楽天生命パーク宮城
試合を振り出しに戻した中谷は「岩貞さんがずっと頑張っていたので、点も取りたいという気持ちがありました。自分の中でもバントミスだったり、ミスをしてたので、なんとか返してやろうという気持ちで打席に入りました。すごい投手なので、何も考えずに食らいついていこうという思いだけでした」と笑顔。チームは試合前の時点で則本に過去 3試合対戦で「防御率0.72」と抑え込まれていたが、初めて黒星をつけることに成功した。
9回表阪神一死 1、 3塁、金本知憲監督(左)は「左前勝ち越し適時打」を放ち相手投手交代で一旦ベンチへ戻った高山俊外野手と笑顔のタッチ=楽天生命パーク宮城
金本阪神が初めて 1試合 5犠打を記録した。相手先発は難敵則本。 0対 1で迎えた 9回無死 1塁では「6番」鳥谷に犠打を指令し、この回 2得点の逆転劇につなげた。
チームでは2013年10月 1日中日戦以来 5年ぶり、 1リーグ時代を含めて球団最多タイとなる 1試合 5犠打。金本知憲監督は「今日は 1点勝負だなと。 1点、 2点を取れたらラッキーぐらいの感じだったので。得点圏に送れば相手がミスすることもあるし、そういう考えでね」と狙いを振り返った。
9回、中谷将大外野手が“鬼の形相”で則本のスライダーに食らいついた=楽天生命パーク宮城
これぞ執念、これが猛虎魂だ! 阪神は 0- 1の 9回、中谷将大外野手が球界のエース、楽天・則本から右中間へ起死回生の「同点適時2塁打」。高山の適時打で決勝ホームを踏み、 2- 1の逆転勝利に導いた。チームは「2連勝」で交流戦初のカード勝ち越しを決め、「2位」浮上。17日、同一カード3連勝で借金を完済する!!
捕るな! 抜けてくれ! 中谷の、ベンチの、そして仙台の虎党の祈りがこもった白球が、右中間の芝生に弾んだ。完封負け寸前で、起死回生の同点 2塁打。大逆転劇を演じたヒーローは、手のひらに残る感触に、興奮を抑えられなかった。
「周り(のこと)まで考えられないですね。自分が打ったことがうれしすぎて。すごいピッチャーなので何も考えずに、食らいついていこうという思いだけでした」
8回、安打を放った福留孝介外野手=楽天生命パーク宮城
球界のエース・則本の前に11三振を奪われ、「0」行進。熱投の岩貞が 8回に力尽き、 0- 1で 9回に突入した。先頭の伊藤隼が四球を選び、鳥谷の犠打で一死 2塁から、運命の打席に立った。
カウント 1- 2から 5球目の外角スライダーに必死に腕を伸ばした。 2塁ベース上で激しくガッツポーズ。続く代打・原口&高山と炎の 3連打で決勝のホームインだ。
「岩貞さんがずっと頑張っていた。自分もミスをしていたので何とか返してやろうと」。 5回無死 2塁でバントを 2度ファウルし、強行も投ゴロで走者を進められず。自身もチームも土俵際で、執念のひと振りだった。
「『俺は中谷やぞ!』 『20本』打ったんだから、投手を見下すくらいで打席に立って欲しい」-。浜中 2軍打撃コーチの言葉が耳に残る。昨季チームトップ「20本塁打」を放つも、不振で開幕 2軍。「もう、何がダメなのかもわからない…」と暗い闇に迷い込んだ。
9回、勝ち越しにガッツポーズの金本知憲監督=楽天生命パーク宮城
浜中コーチは当時を「『打席の中で自信がない』と言っていた」と振り返る。だからこそ「自分で考えて、見つけないといけない」と技術指導よりもまず、強い気持ち、戦う姿勢を求めた。中谷も自宅で、あえて 1軍のテレビ中継をみながらバットを振った。がむしゃらになって 5月22日に 1軍に戻ってきた。
「得点圏打率0.429」の勝負強さで前日の「決勝2ラン」に続く千金打。虎が過去 3度、 7回 1点、完封、完投と抑えこまれてきた則本とは、この日が自身初対戦。“名前負け”することなく、まさに「俺は中谷やぞ!」と、ここ一番で打ち砕いた。
「一番しびれるところ。同点の勝ち越しの場面よりも負けているときの方が一番プレッシャーがかかる。特に 9回、しかも 2ストライクとられて、最高の結果。勝負強いところをみせてくれた」と金本監督も最敬礼だ。「きょうは絶対 1点勝負」と計 5犠打の執念采配に若虎が応え、交流戦初のカード勝ち越し。「2位」に浮上した。
9回、「適時2塁打」を放った中谷将大外野手=楽天生命パーク宮城
「交流戦(残り)全部勝つという話をしていました」と力を込めた25歳。この日は 1塁で出場したが、本職はセンターだ。高山が復調気配で、外野も守れるナバーロも来日したが、その座は譲らない。首位広島を「3.5ゲーム」差で追う虎の中心には、中谷がいる。
◆ 9回に 2点を奪った打線について片岡篤史ヘッド兼打撃コーチ
「みんなが本当に、最後まであきらめずにやってくれました」
◇データBOX◇
◎…阪神が 9回に試合をひっくり返すのは今季初。 4月13日のヤクルト戦(甲子園、延長十回● 2- 3)で 0- 2の 9回に福留の「2ラン」で追いついたことはあった。
◎…九回の逆転は昨年 9月 5日の広島戦(マツダ、● 7- 8×)以来。 5- 6から福留が「2ラン」を放った。 9回に逆転して勝つのは、同 8月 9日の巨人戦(東京ドーム、○ 5- 4)以来。 3- 4から福留の「適時3塁打」とロジャースの犠飛で 2点を奪った。
◎…中谷は今季、得点圏で「打率0.429(21打数9安打)、3本塁打、12打点」。昨年の「同0.238(101打数24安打)」から大幅に良化。
9回、高山俊外野手が適時打を放ち、生還した中谷将大外野手が桑原謙太朗投手と抱き合う=楽天生命パーク宮城
阪神が土壇場で楽天先発則本を攻略して逆転勝ちした。
8回裏に 1点を失い、追い込まれた 9回、鳥谷の犠打で一死 2塁から中谷将大外野手が同点の 2塁打。さらに原口が安打でつなぎ、代打高山俊外野手が勝ち越し打を放った。好調の中谷がヒーローインタビューに応じて、笑顔を見せた。
-最後までしびれる戦い
中谷 岩貞さんがずっと頑張ってたので、点も取りたいって気持ちがありましたし、自分の中でもバントミスだったり、ミスをしてたので、なんとかかえしてやろうという気持ちで打席に入りました。
9回表阪神一死 2塁、中谷将大外野手は「右越え適時2塁打」を放った。投手則本昂大投手=楽天生命パーク宮城
- 9回則本からの一打
中谷 何も考えずに、すごいピッチャーなので、食らいついていこうという思いだけでした。
-前日は「先制2ラン」。勝負強い
中谷 去年全然チャンスで打てなかったので、今年はしっかりランナーをかえすっていう強い目標があったので、しっかり今のところは、貢献できてるんじゃないかなと思います。
-味方も続いて勝ち越し
中谷 高山がしっかりかえしてくれたので、きょうは高山じゃないかと思うんですけど。
-寒い中でもファンが熱い声援
中谷 どこへ行っても阪神ファンの声援は温かいですし、たまに野次もあるんですけど、温かい野次のおかげで、僕らも頑張れてると思います。
8回裏、降板しベンチで向かう岩貞祐太投手=楽天生命パーク宮城
岩貞祐太投手が 7回 1/3を 6安打 1失点と好投し、勝利に貢献した。
白星はつかなかったものの、球界を代表する投手の則本に対して 1歩も引かず、両者譲らず 7回まで無得点の試合を演じた。 8回に嶋に左翼線への 2塁打、藤田に右前打を許し、 1、 3塁のピンチを招いたところで降板した。「イニング途中で代わってしまったところは情けないです。また反省してやっていきたい」と振り返った。
香田投手コーチは「相手が則本投手だったので、なんとかしてやろうという気持ちがマウンド上で出ていた」と評価。惜しくも今季「4勝」目を逃したが、交流戦の防御率は「1.21」。安定感のある投球を続けており、「今年の岩貞は粘れる。そういう投球をみせてくれています」とたたえた。
4回、楽天・茂木栄五郎内野手を三振に打ち取り、ガッツポーズの岩貞祐太投手=楽天生命パーク宮城
今季「4勝」目はならなかったが、則本に“投げ勝った”といっていいだろう。岩貞が 8回途中 6安打 1失点と好投した。
「先制点をあげてしまったのが反省です。イニングの途中で代わったのも情けないです」
立ち上がりにアクシデントに見舞われた。 2回。「4番・ディクソン」の痛烈なゴロを右足に直撃させた。それでも続投を志願し、 4回一死満塁のピンチもアマダー、茂木を連続三振。 0- 0の 8回一死 1、 3塁で桑原にバトンを渡し、結果、20イニングぶりの失点となったが、その熱投を金本監督も「 1点もやれないというね。岩貞も相手投手をみているでしょう」と高く評価した。
今季は菅野(巨人)、菊池(西武)、涌井(ロッテ)らエース級との投げ合いが続く。「ここ最近、そういう相手ばかりで先制点がより大きな意味をもつと思っていた。反省しないと」。目標を高く。エース左腕への道を駆け上がっている。
9回裏、阪神「3番手」で登板した藤川球児投手=楽天生命パーク宮城
藤川球児投手が 2年ぶりセーブを記録した。
1点リードの 9回にマウンドにあがり、 1イニングを無失点に抑えた。
先頭アマダー、茂木と 2者で三振を奪うも、銀次に中前打、聖沢に四球と 1、 2塁にピンチが拡大。だが、最後は田中を捕邪飛に退け、捕手原口がキャッチをアピールするとホットした笑みを浮かべた。
藤川は「まだ 6月。(シーズン)後半になったら、もっとしんどい部分が出てくるので、しっかりやっていきます」と落ち着いた表情だった。守護神のドリスが高熱のため出場選手登録を抹消されており、背番号「22」が、かつての場所に戻ってきた。
藤川がセーブをマークするのは2016年 8月10日広島戦(マツダスタジアム)以来。香田投手コーチも「最後までよく粘ってくれました。粘り勝ちですね、今日は」とたたえた。
高橋聡、マテオ、ドリスら救援陣のコンディション不良が続く中、藤川が存在感を示している。
2年ぶりのセーブを挙げた藤川球児投手。最後はヒヤヒヤも、きっちり締めた=楽天生命パーク宮城
藤川がフッと笑い、無数のジェット風船が舞った。バックネット前ギリギリで、原口がフラつきながら27個目のアウトをつかむ。危なかった。だが、勝ちきった。火の玉ストレートで 9回にくっきりと「0」を焼きつけ、 2年ぶりセーブだ。
「まだ 6月。後半になったらもっとしんどい場面も出てくる」
思いがけず大ピンチを背負ったが、経験で虎を勝たせた。 2- 1の最終回を託された。先頭のアマダーをこの日最速 149キロの真っすぐで空振り三振に斬ると、続く茂木も高め 146キロで連続三振。続く代打・銀次も一気に仕留めにいった。
「あと 1人」コールが「あと 1球」コールに変わる。フルカウントから 7球目、高め 148キロを銀次がブンッと振り、原口のミットに収まりかけたが…。白球はポロッとこぼれてファウルチップになった。試合終了と思ったスタンドの虎党の手から、ジェット風船が放たれてしまった。
仕切り直しの 8球目を中前打され、聖沢は四球で二死 1、 2塁。長打が出れば逆転サヨナラの大ピンチを背負ったが、くぐってきた修羅場の数が違う。続く田中を捕邪飛に仕留め、勝ちきった。さすがは藤川。虎党にもう一度、風船をいっぱいまで膨らませる時間を作りながら締めくくった。虎復帰 1年目だった2016年 8月10日の広島戦(マツダ)以来 675日ぶり、日米通算 226個目の「セーブ」だ。
9回から登板の藤川球児投手=楽天生命パーク宮城
ヒヤヒヤしながらも、金本監督は信じて託していた。「も~う、そりゃ。球児を信じるしかないからね、あそこは。経験とあの球をね」と手の汗をぬぐう。今季「16セーブ」の守護神ドリスが体調不良で抹消。誰かが、やるしかなかった。同じく抹消中のマテオも、ロサリオまでもが、もっとも頼りにするのが藤川だ。
今季途中、ロッカールームの場所が変わった。外国人選手の並びに“引っ越し”してきたほど、彼らを支えてきた。異国で戦い、うまくいかない悔しさも、藤川なら分かる。仲間の悔しさも「22」に背負い、燃えるボールを投じる。
「じっくり、やっていきます」
5月10日の巨人戦(東京ドーム)から、登板 9試合連続無失点。その間 9回 2/3を投げ、13奪三振。確実に温まってきた藤川の右腕が、虎の最終回に仁王立ちする。
ナインと笑顔でタッチ。歓喜の輪の中心が似合う=楽天生命パーク宮城
◆阪神・香田勲男投手コーチ
「岩貞は相手が則本投手ということで、何とか頑張ろうという思いがマウンドに出ていた。ことしの岩貞の真骨頂である粘りの投球。 8回(の交代)は 120球を超えて、力がなくなってきていたので。 9回の球児も、よく粘ってくれました」
◆ 8回一死 1、 3塁で登板し、今江に先制 2塁打を許すも後続を抑え、今季初勝利の桑原謙太朗投手
「チームは勝ったけれど、打たれたので…。そのへんを、しっかりしたいです」
★藤川球児投手、前回セーブVTR
2016年 8月10日の広島戦(マツダ)。 2- 1の 9回にマウンドに上がると、一死から田中に四球。二死後に二盗を決められ、連続四球で満塁のピンチを背負ったが、最後は新井を右飛に斬り、約 2カ月ぶりの「3セーブ」目。同年は日本球界復帰 1年目で開幕から先発ローテに入ったが、結果が出ずに中継ぎに再転向。当時はドリスが右肘炎症で離脱したため、マテオとダブルストッパー体制だったが、その後はマテオが抑えを務めた。
全員野球でファン皆が待ち望む「二文字」に向かって、全員で力を合わせて進め! ガンバレ!阪神!我らのタイガース!勝利を掴め!
全身全霊を懸けて不屈の精神で立ち向かう。たとえ、どんなに苦しい局面になろうとも、最後の最後まで絶対に勝負を諦めない。
その精神を全員が強く持ち、タイガースが変革し続ける一年にしたい。そうした強い決意をスローガンとして表現しています。
※このスローガン・デザインは、2018年のシーズンロゴとしても展開して参ります。
2018年公式戦・交流戦順位表
2018年 公式戦 日程と結果(06月)
2018年 公式戦 日程と結果(07月)