●阪神先発才木浩人投手(19)、ヤクルト先発山中浩史投手(32)は、ともに落ち着いた立ち上がり。 3回までヤクルトは 2安打、阪神は1安打でともに無得点。ヤクルトは 5回に四球と阪神守備陣の失策で好機をつくり、坂口智隆外野手(34)の犠飛で先制。阪神は 5回一死満塁の好機も、無得点に終わる。阪神は 8回に 1点を返すも、「3連敗」で借金「9」となった。才木が今季「7敗」目。ヤクルトは「5連勝」で貯金を「2」とした。阪神は「幻の犠飛」が尾を引いて、ヤクルトに「3連戦3連敗」を喫した。勝機を逃したのは 1点を追う 5回だ。一死満塁の絶好機を築く。糸原の中堅への飛球で 3塁走者鳥谷敬内野手(37)、 2塁走者梅野隆太郎捕手(27)ともにタッチアップ。誰もが同点犠飛だと思ったプレーだったが、 2塁走者梅野が青木宣親外野手(36)からの中継プレーでタッチアウト。その瞬間にまだ、 3塁走者鳥谷が本塁を踏んでおらず、生還は無効とされた。金本知憲監督(50)ももア然ぼう然。 8回も 1点差に詰め寄った一死満塁から加点できず。「3連敗」で借金は今季ワーストの「9」に膨れ上がった。「3位」巨人とは「2ゲーム」差のままだが、こんなことでは「Aクラス」復帰、できまへんで!!金本監督は試合後、首を振るしかなかった。 3塁コーチャーを務める高代延博作戦兼総合コーチ(64)が吐き捨てたボーンヘッド。2010年 5月22日のロッテ戦(甲子園)で 4- 4の 9回一死満塁で城島の犠飛に 2走ながらタッチアップし、憤死( 3走・マートンの生還が早かったためサヨナラ勝ち)した新井貴浩内野手(41=現広島)のようだった。こんなお粗末なプレーが出て、はね返すだけの力は今の打線にない。 6回終了時でリードを許せば今季「0勝26敗」。梅野はザンゲを繰り返した。本拠地でシーズン同一カード「3連敗」 5度は球団史上最多タイ。暗黒時代と呼ばれた1995年の中村政権に並んだ。当時は「最下位」。今季ワーストの借金「9」とともに、「6位・中日」に「1.5」差まで詰め寄られた。
●まさかだった。同点…とはならなかった。 糸原健斗内野手(25)が 1点を追う 5回一死満塁でセンターへ飛球を打ち上げた。中堅手の青木が捕球するのを確認すると、 3塁走者の鳥谷と 2塁走者の梅野が同時にタッチアップ。 1- 1の同点に追いついたかと思われたが、 3塁を狙った梅野がタッチアウト。すると主審の白井は両手を大きく何度も開いた。本塁を狙った鳥谷よりも先に 2塁走者の梅野がアウトになり、本塁生還は無効。得点ならず、同点とはならなかった。板山祐太郎外野手(24)に先発を譲った前日29日分のエネルギーもバットに込めたが、勝利にはつながらなかった。
●北條史也内野手(24)は1点をかえした直後の 8回一死 2塁でこの日、初安打となる右前打を放ち、チャンスを広げた。この安打が、この 3連戦では28日の第 1打席以来12打席ぶりの安打。 6回には打球を逆シングルで捕球すると振り向きざまに好送球する好守も見せたが、勝利にはつながらなかった。
●主砲の真価が試される場面だった。力強い打球音が甲子園に響き、ボールは夜空に舞い上がる。だが…。同点&逆転のチャンスで糸井嘉男外野手(37)は浅い右飛に倒れた。試合後、悔しさを押し殺しながら、報道陣に場面を確認した。まさに押せ押せムードだった。 0- 2の 8回。先頭の梅野が 3塁・廣岡大志内野手(21)のグラブをはじき、左翼線へ 2塁打。一死後、糸原の右前打で 1点をかえすと、北條も右前打で続く。代打・福留孝介外野手(41)が四球を勝ち取り、満塁。そこで出番がまわってきた。カウント 1- 1からの 3球目、 132キロのチェンジアップを高々と打ち上げてしまった。 3走・糸原も本塁突入を自重。犠飛にするには、少し足りなかった。 8月は「打率0.387」にまで上昇。「打率0.314、15本塁打、60打点」と「チーム3冠」と獅子奮迅の活躍だ。だからこそ、期待がのしかかった。味わった悔しさは、何倍にもして必ず返す。
●才木浩人投手が、自己最多となる 132球目で力尽きた。 1点ビハインドの 7回二死満塁。ヤクルト青木に投じた 148キロ直球を左前にはじき返され、 2点目を失った。 6回 2/3を 4安打 2失点(自責 0)で降板。自身「5勝」目を狙い、粘った投球を見せたが勝ち星をあげることはできなかった。 虎党は19歳才木のピッチングを認めていた。降板時は 7回の攻撃前とあり、膨らませたジェット風船を手放すファンも多数。だが、その後マウンドを降りて 1塁側ベンチに戻る才木には、ジェット風船を放した両手で、無数の拍手が送られていた。悔やんだのは、いずれも一死から四球を与えた 5、 7回。 5回は四球のあと、犠打に失策が絡んで 1、 3塁。ここで坂口に犠飛を浴び、無安打で 1点を失った。7回は味方の失策も絡んで二死 1、 3塁とされ、続く坂口にストレートの四球。満塁として青木に適時打を浴びた。ベースカバーに入っていたが、グラブで太ももを叩いて悔しさをあらわにした。高卒 2年目の19歳だが、 7月18日の巨人戦(甲子園)以降、ずっと先発ローテを守り続けている。金本監督も評価。次につなげる。悔しさを糧に、次こそ快投でやり返す。
●藤谷洸介投手(22)の打者転向が30日、発表された。藤谷は昨オフに最愛の伴侶を得たばかり。家族を思っての決断となった。社会人パナソニックに在籍していた 3年前、社宅最寄り駅近くの売店で働く祖母「ミッコさん」に孫を紹介され、交際に発展。昨オフに結婚を発表した。生涯の伴侶を得た今季は、投球フォームを一から見直して臨んでいた。最後のマウンドは22日のウエスタン・リーグ広島戦(鳴尾浜)。 9回に登板して1イニングを 5安打 5失点。踏ん切りがついた。まだ野手用のグラブは持ってはいない。それでも家族のため、自らの新たな可能性にトライすると決めた。明日31日から本格的に野手として練習を積む。目指すべき場所が、甲子園のマウンドからバッターボックスに変わった。
記事をまとめてみました。
<阪神 1- 3ヤクルト>◇19回戦◇阪神10勝 9敗 0分◇30日◇甲子園阪神球場
阪神先発才木、ヤクルト先発山中は、ともに落ち着いた立ち上がり。 3回までヤクルトは 2安打、阪神は1安打でともに無得点。
ヤクルトは 5回に四球と阪神守備陣の失策で好機をつくり、坂口の犠飛で先制。阪神は 5回一死満塁の好機も、無得点に終わる。
阪神は 8回に 1点を返すも、「3連敗」で借金「9」となった。才木が今季「7敗」目。ヤクルトは「5連勝」で貯金を「2」とした。先発山中が好投で今季「初勝利」。
5回裏一死満塁、糸原健斗内野手の中飛で 2走の梅野隆太郎捕手がタッチアップで 3塁狙うがアウト。珍しいプレーにヤクルトベンチも驚く=甲子園阪神球場
阪神は「幻の犠飛」が尾を引いて、ヤクルトに「3連戦3連敗」を喫した。勝機を逃したのは 1点を追う 5回だ。一死満塁の絶好機を築く。糸原の中堅への飛球で 3塁走者鳥谷、 2塁走者梅野ともにタッチアップ。誰もが同点犠飛だと思ったプレーだったが、 2塁走者梅野が青木からの中継プレーでタッチアウト。その瞬間にまだ、 3塁走者鳥谷が本塁を踏んでおらず、生還は無効とされた。金本知憲監督も険しい表情で「タッチアップとか信じられないプレーが出る。俺も見たことないしな、あんなプレー」と振り返った。 8回も 1点差に詰め寄った一死満塁から加点できず。今季最多の借金「9」に膨れ上がった。
鳥谷敬内野手は余裕の走りで本塁へ。犠飛で1点入ったと思ったが…=甲子園阪神球場
そんなアホな! 阪神はヤクルトに 1- 3で敗戦。 5回一死満塁の同点機で、糸原が飛距離十分の外野フライを放ったにもかかわらず無得点という前代未聞のプレーが飛び出した。金本知憲監督もア然ぼう然。「3連敗」で借金は今季ワーストの「9」。「3位」巨人とは「2ゲーム」差のままだが、こんなことでは「Aクラス」復帰、できまへんで!!
よっしゃーーー! 飛距離十分。これで点が入る。やっとこさ同点…って…エッ、マジ!? なんじゃ、そりゃ!
「どうしたものかね。う~ん。タッチアップとか、ちょっと信じられないプレーも出るし。俺も見たことないしな、あのプレー。なかなかちょっと、あり得んことが起こっているわな」
金本監督は試合後、首を振るしかなかった。
鳥谷敬内野手の本塁到達前に 2走・梅野隆太郎捕手が 3塁でタッチアウト。もちろん得点は認められない=甲子園阪神球場
4万4609人が目を丸くした世紀の走塁ミスが飛び出したのは、 1点を追う 5回一死満塁だった。サブマリン山中から糸原が中堅左に飛球を打ち上げる。飛距離は十分。 3走・鳥谷はもちろんタッチアップだ。しかし、 2走・梅野までも 3塁に走ったのは誰が想定しただろうか。青木の送球はカットに入った西浦を介し、 3塁へ。梅野は憤死。そして、これが鳥谷が本塁を踏むより先だったため、得点は認められないことに。白井球審が手を激しく振って、無得点を知らせる。スコアボードに「0」が刻まれると、スタンドからは怒号が入り交じった声が一気に噴出した。
3塁コーチャーを務める高代作戦兼総合コーチが「開いた口がふさがらない」と吐き捨てたボーンヘッド。2010年 5月22日のロッテ戦(甲子園)で 4- 4の 9回一死満塁で城島の犠飛に 2走ながらタッチアップし、憤死( 3走・マートンの生還が早かったためサヨナラ勝ち)した新井(現広島)のようだった。
ベンチで呆然とする金本知憲監督=甲子園阪神球場
梅野の暴走も痛い。ただ、それ以上に鳥谷がスピードを緩めながら本塁に向かっていた点が、低迷する金本政権 3年目のすべてを物語っている。
鳥谷の走塁について、金本監督は「俺も 1点入ったと思って、見てなかったけど」と糾弾を避けたが、ネット裏から見た他球団関係者は「何が起こるかわからない状況で全力疾走しなかった鳥谷が悪い」と厳しく指摘。白星になかなか結びつかない現状で、全力疾走の基本を怠る。弱みをみせ、つけ込まれる。負の連鎖の象徴だった。
こんなお粗末なプレーが出て、はね返すだけの力は今の打線にない。 6回終了時でリードを許せば今季「0勝26敗」。鳥谷は「(梅野の進塁は)自分は走っているので自分に聞かれても…」と話し、梅野は「自分の中ではいけると思った。流れを止めてしまった。才木を助けてあげられなかった。結果は自分のせい。申し訳ないです」とザンゲを繰り返した。
試合後、スタンドでは泥酔したファンが“籠城”。警察が出動した=甲子園阪神球場
本拠地でシーズン同一カード「3連敗」 5度は球団史上最多タイ。暗黒時代と呼ばれた1995年の中村政権に並んだ。当時は「最下位」。今季ワーストの借金「9」とともに、「6位・中日」に「1.5」差まで詰め寄られた。
試合後、泥酔した虎党が 1塁側スタンドで“籠城”。警察が駆けつける事態となった。スタンドからメガホンも投げ込まれた。甲子園が異様な雰囲気になってきた。
◇データBOX◇
◎…同一カード「3連敗」は 7月16-18日の巨人戦(甲子園)以来今季 5度目。今季はすべて甲子園で、本拠地で「同一カード3連敗」 5度以上は1995年( 5度)以来でこれが球団史上最多。1995年は「最下位」に終わった。
5回裏阪神1死満塁、糸原健斗内野手の中飛で 3進を狙った梅野隆太郎捕手は併殺となり得点ならず=甲子園阪神球場
まさかだった。同点…とはならなかった。
糸原健斗内野手が 1点を追う 5回一死満塁でセンターへ飛球を打ち上げた。中堅手の青木が捕球するのを確認すると、 3塁走者の鳥谷と 2塁走者の梅野が同時にタッチアップ。
1- 1の同点に追いついたかと思われたが、 3塁を狙った梅野がタッチアウト。すると主審の白井は両手を大きく何度も開いた。
本塁を狙った鳥谷よりも先に 2塁走者の梅野がアウトになり、本塁生還は無効。得点ならず、同点とはならなかった。
8回、糸原健斗内野手の安打がエラーを誘い得点=阪神甲子園球場
5回一死満塁で中飛を放った糸原は試合後、無言で球場を後にした。 8回一死 2塁では右前打を放ち、これを右翼・雄平が後逸する間に 2走・糸井が生還。なんとか完封負けを阻止する一打を放ったが…。板山に先発を譲った前日29日分のエネルギーもバットに込めたが、勝利にはつながらなかった。
8回、安打を放った北條史也内野手=阪神甲子園球場
北條は1点をかえした直後の 8回一死 2塁でこの日、初安打となる右前打を放ち、チャンスを広げた。「やられっぱなしだったので、なんとかかえすつもりでいきました」。この安打が、この 3連戦では28日の第 1打席以来12打席ぶりの安打。 6回には打球を逆シングルで捕球すると振り向きざまに好送球する好守も見せたが、勝利にはつながらなかった。
糸井嘉男外野手は 2回先頭で 2塁打を放った。チャンスは何度も作ったが…=阪神甲子園球場
主砲の真価が試される場面だった。力強い打球音が甲子園に響き、ボールは夜空に舞い上がる。だが…。同点&逆転のチャンスで糸井は浅い右飛に倒れた。試合後、悔しさを押し殺しながら、報道陣に場面を確認した。
「満塁…?」
まさに押せ押せムードだった。 0- 2の 8回。先頭の梅野が 3塁・廣岡のグラブをはじき、左翼線へ 2塁打。一死後、糸原の右前打で 1点をかえすと、北條も右前打で続く。代打・福留が四球を勝ち取り、満塁。そこで出番がまわってきた。
4回、安打を放った糸井嘉男外野手=阪神甲子園球場
カウント 1- 1からの 3球目、 132キロのチェンジアップを高々と打ち上げてしまった。 3走・糸原も本塁突入を自重。犠飛にするには、少し足りなかった。金本監督も「この 3試合かな。あと 1本(が出ない)というのが見ての通りですし。ゲッツー崩れとか、犠牲フライ1本出てればなというところで、それが打てなかった…と」と嘆くしかなかった。
それでも、甲子園で湿りっぱなしの打線を引っ張っているのもまた、糸井だ。 2回先頭ではサブマリン先発・山中の 111キロを豪快に引っ張り、右越えの 2塁打。 4回一死でも中前にはじき返し、何とか口火を切ろうとした。今季32度目のマルチ安打はチームトップ。「3連敗」を喫したこのカードでも、 3試合連続長打を放つなどチームを引っ張っている。
8月は「打率0.387」にまで上昇。「打率0.314、15本塁打、60打点」と「チーム3冠」と獅子奮迅の活躍だ。だからこそ、期待がのしかかった。味わった悔しさは、何倍にもして必ず返す。
糸井嘉男外野手は 8回一死満塁では右飛に倒れる=阪神甲子園球場
◆ 9回に登板してダメ押しの 3点目を許した桑原謙太朗投手
「(先頭を出したこと)それがすべて。打たれているので、また頑張らないといけないです」
◇データBOX◇
◎…この日の敗戦で月間負け越しが確定。2016年以来の 3& 4月から月間勝ち越しなしとなった。
◎…「同一カード3連敗」 5度以上は2016年に記録( 7度)。 ◎… 8月甲子園未勝利にリーチ。 8月聖地全敗なら2016年以来。
◎…甲子園での借金「12」は2016年以来。この年は最多「14」を記録した。
才木浩人投手は 1回のピンチを乗り越えて力投。 2失点だが自責は「0」だ=甲子園阪神球場
才木浩人投手が、自己最多となる 132球目で力尽きた。 1点ビハインドの 7回二死満塁。ヤクルト青木に投じた 148キロ直球を左前にはじき返され、 2点目を失った。
「立ち上がりのピンチはなんとか粘って抑えることができましたが、失点した回はどちらも四球で出したランナーが結果的に失点につながってしまい、悔いが残る登板となってしまいました」
6回 2/3を 4安打 2失点(自責 0)で降板。自身「5勝」目を狙い、粘った投球を見せたが勝ち星をあげることはできなかった。
虎党は19歳才木のピッチングを認めていた。降板時は 7回の攻撃前とあり、膨らませたジェット風船を手放すファンも多数。だが、その後マウンドを降りて 1塁側ベンチに戻る才木には、ジェット風船を放した両手で、無数の拍手が送られていた。
5回表、ヤクルトに無安打で先制を許した才木浩人投手は悔しそうにベンチへ戻る=甲子園阪神球場
うつむき、天を仰ぎ、悔しそうにマウンドを降りた。先発の才木は自己最多 132球の力投。必死に腕を振ったが、白星はつかめなかった。
「感覚的には悪くなかったけど、失点に四球が絡んでしまったのが今後の課題。無駄な四球はなくしていかないと」
悔やんだのは、いずれも一死から四球を与えた 5、 7回。 5回は四球のあと、犠打に失策が絡んで 1、 3塁。ここで坂口に犠飛を浴び、無安打で 1点を失った。 7回は味方の失策も絡んで二死 1、 3塁とされ、続く坂口にストレートの四球。満塁として青木に適時打を浴びた。「あの場面はしっかり抑えたかったというか、最後の詰めの甘さというか…」。ベースカバーに入っていたが、グラブで太ももを叩いて悔しさをあらわにした。
才木浩人投手は 5回、執念のバントを成功させる=甲子園阪神球場
序盤から直球は走っていた。 1回から最速 151キロを計測。中盤からは変化球のコントロールもまとまった。 2失点ながら自責は「0」。試合前時点でリーグトップの「打率0.270」をマークしていた強力ツバメ打線に、的を絞らせない力投だった。
気迫が打球にも乗り移った。 5回一死 1、 2塁で打席に入る。 2球で 2ストライクとされたが、冷静に見極めてカウント 2- 2から 5球目をバントで 3塁線に転がした。投手と捕手が見つめるライン上で白球はピタリ。自らも生きる当たりで一死満塁とした。
高卒 2年目の19歳だが、 7月18日の巨人戦(甲子園)以降、ずっと先発ローテを守り続けている。そんななかで気づきもあった。「高校の時より配球に興味を持つようになったんですけど、自分はまだ配球を気にするレベルじゃないというか…。まずは失投をなくすことが一番だなと。しっかり腕を振っていくことだけを考えて投げるだけですね」。言葉通り、しっかりと腕を振った。
3塁線上にピタリと止まった打球=甲子園阪神球場
「次はやり返せるように、技術的にもしっかり練習していきたいです」
金本監督も「才木は次にも期待をもてる投球でした」と評価。次につなげる。悔しさを糧に、次こそ快投でやり返す。
◆才木浩人投手について阪神・香田勲男投手コーチ
「出来自体はよかった。(四球は)登板を重ねていくにつれて、いいものは出してくれているけど、その成長の中で四球をなるべく出さないとか出しても踏ん張るとか、そういうことが必要になってくる」
阪神先発の才木浩人投手=阪神甲子園球場
先発の才木は自己最多 132球の力投。必死に腕を振ったが、白星はつかめなかった。
メジャーが才木に注目!? この日、甲子園のネット裏ではツインズのデービッド球団スカウトが視察した。息詰まる投手戦となったが「この黄色がいいね。年に数回くるけど、いい球場だと思うよ」とまず雰囲気を賞賛。才木について「まだ若いから、自由にやらせてあげればいいんじゃないかな」と笑っていたが、勇ましい投げっぷりは印象に残ったはずだ。
新たなスタートを切る。阪神藤谷洸介投手の打者転向が30日、発表された。
「投手として 1軍のマウンドを目指し続けることも考えていましたが、矢野2軍監督にお話をいただいて、自分に少しでも可能性があるのなら、その可能性に挑戦したいと思って打者転向を志願しました」
矢野 2軍監督は「本人もいろいろと考えたみたい。元々、体の能力はすごくある。ロングティーでも、もしかしたらチームの中でも一番飛ばす可能性があるぐらい。走るのも速い。(守備位置は)どこでもやる、なんでもやるじゃないと追いつけない」と説明した。
打者への転向を発表し、囲み取材を受ける藤谷洸介投手=虎風荘
藤谷は昨オフに最愛の伴侶を得たばかり。家族を思っての決断となった。社会人パナソニックに在籍していた 3年前、社宅最寄り駅近くの売店で働く祖母「ミッコさん」に孫を紹介され、交際に発展。昨オフに結婚を発表した。「もう 1人の野球人生ではなくなったので、頑張っていきます」。生涯の伴侶を得た今季は、投球フォームを一から見直して臨んでいた。
昨オフの結婚を機に、虎風荘を退寮。妻とゆっくりと過ごすはずの休日も、鳴尾浜の室内練習場に一人で訪れ、マシン打撃を行うこともあった。練習中のフリー打撃やロングティーでは頻繁に柵越えを披露。「(打撃練習は)もちろん気分転換ですよ。まだまだピッチャーをやりたいですから」。そう話してはいたが、約1時間の打ち込みでマメがつぶれて手の皮がめくれていた。血のにじむ両手には、野手転向への葛藤もあった。
打者への転向を発表し、囲み取材を受ける藤谷洸介投手=虎風荘
「投手の経験は、もちろん生きてくると思う。(配球などは)まだ余裕も何もないので、これからです」
最後のマウンドは22日のウエスタン・リーグ広島戦(鳴尾浜)。 9回に登板して1イニングを 5安打 5失点。踏ん切りがついた。
まだ野手用のグラブは持ってはいない。それでも家族のため、自らの新たな可能性にトライすると決めた。明日31日から本格的に野手として練習を積む。目指すべき場所が、甲子園のマウンドからバッターボックスに変わった。
打者への転向を発表し、囲み取材を受ける藤谷洸介投手=虎風荘
◆藤谷洸介(ふじたに・こうすけ)
1996年(平8) 2月12日、山口県生まれ。周防大島 3年夏の山口県大会 1回戦で、右肘骨折のため20球で降板。甲子園出場はなし。社会人パナソニックから2016年「ドラフト8位」で阪神入団。 1年目の昨季は 2軍で10試合に登板して「0勝1敗、防御率5.29」。今季は 2軍戦登板 7試合で「0勝0敗」。「防御率は5.68」。 1軍戦登板はなかった。194センチ、90キロ。右投げ右打ち。
全員野球でファン皆が待ち望む「三文字」に向かって、全員で力を合わせて進め! ガンバレ!阪神!我らのタイガース!勝利を掴め!
全身全霊を懸けて不屈の精神で立ち向かう。たとえ、どんなに苦しい局面になろうとも、最後の最後まで絶対に勝負を諦めない。
その精神を全員が強く持ち、タイガースが変革し続ける一年にしたい。そうした強い決意をスローガンとして表現しています。
※このスローガン・デザインは、2018年のシーズンロゴとしても展開して参ります。
2018年公式戦順位表
2018年交流戦順位表
2018年 公式戦 日程と結果(08月)
2018年 公式戦 日程と結果(09月)