●阪神岩貞祐太投手(27)、中日小熊凌祐投手(28)が先発。初回、中日が2点先制。阪神はその裏に糸井嘉男外野手(37)が同点の「16号2ラン」、 3回に陽川尚将内野手(27)の適時打で勝ち越した。阪神は 4回、大山悠輔内野手(23)の 2戦連発となる「6号3ラン」などで 5点。中日小熊は 3回 1/3を 8失点で降板。 6回まで又吉克樹投手(27)、浅尾拓也投手(33)と継投した。阪神は 8回から望月惇志投手(21)-岡本洋介投手(32)-藤川球児投手(38)の継投で逃げ切り。 7回 2失点の岩貞が「7勝」目。中日の連勝は「5」で止まった。
●岩貞祐太投手が 7回 5安打 2失点で「7勝」目も、反省が口をついた。初回二死から 2四球と安打で満塁のピンチを招くと、高橋に「2点適時打」を浴び先制を許した。 2回以降は立ち直り、先発の役目を果たした。打線の援護にも後押しされ、回を追うごとに状態を上げた。先発の岩貞は 7回 2失点で「7勝目(7敗)」を挙げた。メッセンジャーが、この日登録抹消。大型連戦も控える中、より厳しさを増す先発の台所事情。チームでメッセに次ぐ投球回を投げている左腕に懸かる期待も大きくなる。岩貞が虎投の中心に座り、虎を勝利へと導く。
●福留孝介外野手(41)が欠場した。11日の試合で内野安打を打って出塁した際、右太ももの張りを訴えて途中交代した。この日は試合前の練習に姿を見せなかった。球団によると兵庫県尼崎市内の病院で診察を受け、今後は様子を見ながら出場について判断するという。
●ついに金本知憲監督(50)が理想としていた「1、2番」が実現した。豪快な一発は大山と糸井に譲れど、その流れを作ったのは「新1番・北條史也内野手(24)、新2番・糸原健斗内野手(25)」!今季 118試合目。打線好調の今、あえて入れ替えたことを問われた指揮官は茶目っ気たっぷり。そして、真顔に戻ると狙いを語った。 3回無死から、北條が中前打で出塁すると、糸原の遊ゴロの間に 2塁へ。陽川の勝ち越し打につなげた。 4回一死 3塁から、北條が四球を選ぶと、糸原は追い込まれながらもフォークに食らいつき、投前に転がしての 4点目(投ゴロ失策)。泥臭く追加点をもぎとった。動かして、勝つ。これがいい。勝負の 9月を北條&糸原で巻き返す。
●糸井嘉男外野手が、豪快な 1発で試合を振り出しに戻した。特大の「16号2ラン」を放ち、大量得点の火付け役となった。 2点を追う 1回二死 2塁。中日小熊の 130キロスライダーを捉え、右翼席へ運んだ。 8月21日中日戦以来となる「16号2ラン」。甲子園に限ると 6月21日のオリックス戦以来、83日ぶり。久々の快音は、見応えたっぷりの特大アーチとなった。 6月30日のヤクルト戦(神宮)で右足に死球を受け、腓骨を骨折。傷だらけの中、37歳のベテランは全力でグラウンドを駆け回っている。虎党に優しい糸井だからこそ、聖地もほほえむ。ある日の甲子園での試合前練習。ティー打撃で打ち込む糸井の視界に、「糸井嘉男」のタオルを広げる少年の姿が…。バックネット裏で練習を見学していた虎ファンの山元稜仁くん(8)。寄せると、自らの手で黄色の打撃用手袋をプレゼントした。糸井のサインも入りユニホームを着ていた稜仁くんも大興奮。糸井も笑みがこぼれた。ファンあってのプロ野球-。その使命を胸に刻み込んでいるから、みんなが超人を応援したくなる。意外にも 9月初アーチ。昨年の「17発」にも王手をかけた。火がついた超人が、勝負の秋を力強く引っ張る。
●陽川の積極性が功を奏した。 2- 2の 3回二死 1、 2塁から初球の外角のスライダーをしぶとく中堅の前に運び、決勝点となる勝ち越しの適時打。第 1打席では 3球見送り、カウント 1- 2から空振り三振に倒れた。
●連夜の豪快弾だ。大山悠輔内野手が 4回に、 2試合連発となる「6号3ラン」を放った。この回、リードを 2点に広げ、なおも続いた一死 1、 2塁のチャンス。小熊の 129キロスライダーにバットを一閃(いっせん)。左翼席へ痛烈なアーチを懸けた。覚醒弾や!大山悠輔内野手が、プロ 2年目で初の 2戦連発となる「6号3ラン」をぶっ放した。前日に負傷した福留に代わって「3番」を務め、ここ 5試合で「4発」と大暴れ。中日相手にチームも先発野手全員安打で12安打 8得点で、連敗も「2」でストップ。虎は、まだまだ諦めへん。 4- 2で迎えた 4回一死 1、 2塁。カウント 2- 2から中日先発・小熊の内角高め 129キロのスライダーを振り抜くと、打球は大きな弧を描いて左翼ポールを巻き、「6号3ラン」。この回、打者一巡の猛攻で一挙 5点。勝利への流れを大きくたぐり寄せた。プロ初の 2試合連続本塁打にも浮かれないのもこの男らしい。 7試合連続で「3番」に座り、前夜に右太ももの張りを訴えて万全ではない福留に代わって 8月24日の巨人戦(東京ドーム)以来、13試合ぶりに「3番」を任され、全力を尽くした。若虎は闘志を燃やす。成長を止めず、もっとでっかいアーチを何本もかける。勝利への架け橋にする。
●エフレン・ナバーロ内野手(32)が 4回に 8点目のタイムリーを放った。この回、大山の「3ラン」などで 7- 2とし、なおも二死 2塁。又吉のスライダーに巧みにバットを合わせ、 3遊間へ流し打った。 8月30日ヤクルト戦以来のスタメンで、しっかり結果を出した。
●藤川球児投手が 9回二死から登板し、今季「2セーブ」目をあげた。 6点をリードして迎えた最終回だったが、岡本が3失点を喫して降板。急きょマウンドに上がった藤川が後続を断った。この日は守護神ラファエル・ドリス投手(30)の代役。金本監督は絶大の信頼でマウンドに送っていた。藤川は「NPB通算225セーブ」目、メジャーでは「2セーブ」を記録している。
●13日中日戦(甲子園)に先発する才木浩人投手(19)が、バースデー登板する中日松坂大輔投手(37)と投げ合う。平成の怪物との対決は今季 2戦 2敗。今回こそ勝ち星をあげたいところだ。
記事をまとめてみました。
<阪神8-5中日>◇20回戦◇阪神 9勝11敗 0分◇12日◇阪神甲子園球場
阪神岩貞、中日小熊が先発。初回、中日が 2点先制。阪神はその裏に糸井が同点の「16号2ラン」、 3回に陽川の適時打で勝ち越した。
阪神は 4回、大山の 2戦連発となる「6号3ラン」などで 5点。中日小熊は 3回 1/3を 8失点で降板。 6回まで又吉、浅尾と継投した。
阪神は 8回から望月-岡本-藤川の継投で逃げ切り。 7回 2失点の岩貞が「7勝」目。中日の連勝は「5」で止まった。小熊「3敗」目。
4回裏阪神一死 1、 2塁、大山悠輔内野手は「左越え3点本塁打」を放った=阪神甲子園球場
阪神が糸井と大山の本塁打などで中日投手陣を打ち崩し、連敗を「2」で止めた。先発の岩貞は 7回を投げ 5安打 2失点で「7勝目(7敗)」。中日は 1回に先制したものの、先発の小熊が 3回 1/3を投げ 8安打 8失点と乱調。連勝は「5」でストップした。
先制したのは中日。 1回、二死から 2つの四球とビシエドの安打で満塁のチャンスをつくると、高橋が岩貞の足元を抜ける「中前2点打」を放ち先制。阪神はその裏、一死から糸原が「左翼線2塁打」で出塁すると二死後、糸井が小熊から左翼席中段に運ぶ「16号2ラン」を放ち追いついた。
阪神は 3回二死 1、 2塁から陽川の中前に落ちる適時打で勝ち越した。続く 4回にも一死 1、 3塁から糸原の投ゴロが小熊の失策を誘い追加点を挙げ、さらに一死 1、 2塁で大山が右翼ポール際へ「6号3ラン」。その後ナバーロにも適時打が飛び出し、点差を「6点」に広げた。
中日は 9回に 3点を返したが及ばなかった。
阪神先発の岩貞祐太投手=阪神甲子園球場
岩貞祐太投手が 7回 5安打 2失点で「7勝」目も、反省が口をついた。
「初回からあやうくゲームをぶち壊すところでした。勝たせていただいて野手の方に感謝です」
初回二死から 2四球と安打で満塁のピンチを招くと、高橋に「2点適時打」を浴び先制を許した。 2回以降は立ち直り、先発の役目を果たした。「( 2回以降は)より丁寧にというか、離されたら苦しい展開になるので。なんとかゲームを作れたのはよかった」と振り返ったが、笑顔はなかった。
「7勝」目を挙げた岩貞祐太投手。メッセ離脱の日に先発の仕事だ=阪神甲子園球場
打線の援護にも後押しされ、回を追うごとに状態を上げた。先発の岩貞は 7回 2失点で「7勝目(7敗)」を挙げた。
「初回からあやうくゲームをぶち壊すところでしたが、何とか粘れてよかった。反省の多いゲームでしたが勝たせていただいて、野手の方に感謝したいです」
立ち上がりは暗雲だった。 1回二死から四球などで満塁のピンチをつくり、高橋に中前 2点打を浴びた。しかし 2回以降は立て直しに成功。 3試合連続のクオリティスタート( 6回以上で自責点 3以内)で試合をつくった。
メッセンジャーが、この日登録抹消。大型連戦も控える中、より厳しさを増す先発の台所事情。チームでメッセに次ぐ投球回を投げている左腕に懸かる期待も大きくなる。
「残り試合もわずかですが、納得いくまでしっかり練習して万全な状態でマウンドに上がりたい」。岩貞が虎投の中心に座り、虎を勝利へと導く。
1回、中日・高橋周平内野手に適時打を浴びた岩貞祐太投手=阪神甲子園球場
阪神が糸井と大山の本塁打などで中日投手陣を打ち崩し、連敗を「2」で止めた。先発の岩貞は 7回を投げ 5安打 2失点で「7勝目(7敗)」を挙げた。
以下、岩貞のヒーローインタビューでの一問一答。
--投球を振り返って
「正直一つもいいところがなかったと思うけど、野手の方に打っていただいたので、なんとか試合を作ることができました」
--マウンドに向かうときの意識は
「もちろんゼロに抑えるという気持ちで上がったけど、なかなか相手も手強いし、初回に失点してしまったので、ここからは一人ひとり集中して投げていくしかないと思いました」
初回、いきなり2失点に厳しい顔をみせる岩貞祐太投手=阪神甲子園球場
--第 1打席では12球投げさせ、その後も 2四球。打席でも粘りを見せた
「自分のミスからの失点だったので、打席でも、なんとかチームのためにできることはああいうことしかできないので、なんとか食らいついていきました」
-- 4回には大山の「3ラン」
「いや、見事です」
--ファンへ
「もう残り試合も少ないですが 1試合 1試合全力でやっていきます」
阪神の福留が欠場した。11日の試合で内野安打を打って出塁した際、右太ももの張りを訴えて途中交代した。この日は試合前の練習に姿を見せなかった。球団によると兵庫県尼崎市内の病院で診察を受け、今後は様子を見ながら出場について判断するという。金本監督は「 3、 4日かかるのかな。出血はないみたいで安心した」と話した。
「2番」の糸原健斗内野手が 3安打でチャンスを広げた=阪神甲子園球場
ついに金本監督が理想としていた「1、2番」が実現した。豪快な一発は大山と糸井に譲れど、その流れを作ったのは「新1番・北條、新2番・糸原」!
「ヒミツ-」
今季 118試合目。打線好調の今、あえて入れ替えたことを問われた指揮官は茶目っ気たっぷり。そして、真顔に戻ると「糸原(の打席)で走者 1塁に出たときにゲッツーの確率というのが北條よりは少ないでしょう。左打者というのもあるし、 1、 2塁間が空くから、そこを抜いていってほしいな、というのもある」と狙いを語った。
3回無死から、北條が中前打で出塁すると、糸原の遊ゴロの間に 2塁へ。陽川の勝ち越し打につなげた。 4回一死 3塁から、北條が四球を選ぶと、糸原は追い込まれながらもフォークに食らいつき、投前に転がしての 4点目(投ゴロ失策)。泥臭く追加点をもぎとった。
今季初の「1番」で躍動した北條史也内野手。金本監督の理想的な攻撃を演出した=阪神甲子園球場
「もともと、これが理想かなと思うんです」 7月末にも指揮官は「本来は逆にしたいんだけどな」と「1番・北條、2番・糸原」構想を打ち出していた。「打率0.326」と好調をキープしている北條が出塁し、続く糸原でチャンスを一気に広げれば、それだけ得点力アップにつながる。安易に犠打で送らない。理想とする攻撃野球だった。
今季12度目猛打賞の糸原は「1番でも2番でも自分の仕事をするだけです。チームが勝ててよかったです」と力を込めれば、北條も「2番のときと変わらない思いでやっていきます」と頼もしい。
動かして、勝つ。これがいい。勝負の 9月を北條&糸原で巻き返す。
1回裏阪神二死 2塁、同点となる「右越え2点本塁打」を放った糸井嘉男外野手=阪神甲子園球場
糸井嘉男外野手が、豪快な 1発で試合を振り出しに戻した。
2点を追う 1回二死 2塁。中日小熊の 130キロスライダーを捉え、右翼席へ運んだ。 8月21日中日戦以来となる「16号2ラン」。「まだ振り出しに戻しただけなので、しっかり集中して頑張ります」とコメントした。
1回裏阪神二死 2塁、同点となる「右越え2点本塁打」を放った糸井嘉男外野手=阪神甲子園球場
糸井嘉男外野手が、特大の「16号2ラン」を放ち、大量得点の火付け役となった。
初回、中日に 2点を先制された直後、二死 2塁から小熊が投じた真ん中の変化球を鋭いスイングで振り抜き、右翼スタンドに運び込み、ゲームを振り出しに戻した。試合後は「明日ちゃんと(勝ち星を)とれるように頑張ります」と言い残し、クラブハウスへ引き揚げた。
大山が「3ラン」を放ち、リードを広げた後の第2打席では遊撃に打球を転がし、全力疾走で 1塁を駆け抜け、内野安打とし、小熊をマウンドから引きずり下ろした。この日の勝利のポイントとして金本監督は「大山の『3ラン』が一番だと思いますけど、その前に初回に点を取られた後、糸井がすぐ『2ラン』で返してくれた。それでまたズルズルいかなかったホームランかなと思います」とたたえていた。
1回、右翼に本塁打を放った糸井嘉男外野手。甲子園では83日ぶりのアーチだ=阪神甲子園球場
超ド級の飛距離。フェアか、ファウルか-。右翼ポール際を舞う白球をのぞき込むように見つめる。審判の腕が回ると、甲子園は一気に大歓声で染まった。糸井が「16号2ラン」。試合を振り出しに戻し、逆転勝利への口火を豪快に切った。
「あした、ちゃんと取れるように頑張ります」
ロッカーへ引き揚げるその目はすでに次戦を見据えていたが、 1回に 2点を先制された直後の攻撃だ。一死から糸原が右翼線を破る 2塁打で出塁するなど、二死 2塁で糸井が打席に向かった。カウント 3- 1からの 5球目、甘く入ったスライダーを見逃さなかった。 8月21日の中日戦(ナゴヤドーム)以来16試合ぶりで、甲子園に限ると 6月21日のオリックス戦以来、83日ぶり。久々の快音は、見応えたっぷりの特大アーチとなった。
4回一死には全力疾走で遊撃内野安打を勝ち取ると、 2盗を決めてナバーロの適時打で一気に生還してみせた。 6月30日のヤクルト戦(神宮)で右足に死球を受け、腓骨を骨折。傷だらけの中、37歳のベテランは全力でグラウンドを駆け回っている。
1回、本塁打を放った糸井嘉男外野手=阪神甲子園球場
金本監督も最敬礼するしかない。「初回に糸井がすぐに『2ラン』で…。そのままズルズルいかなかったホームランかな」。この日は右太ももの張りで福留が先発落ち。頼れる主将の分まで、お釣りがくるほどの一発をお見舞いしてみせた。
虎党に優しい糸井だからこそ、聖地もほほえむ。ある日の甲子園での試合前練習。ティー打撃で打ち込む糸井の視界に、「糸井嘉男」のタオルを広げる少年の姿が…。バックネット裏で練習を見学していた虎ファンの山元稜仁くん。「カモン」と呼び寄せると、自らの手で黄色の打撃用手袋をプレゼントした。
「野球やってるん? 頑張ってな」
糸井のサインも入りユニホームを着ていた稜仁くんも「うれしいです。僕も頑張ります!」と大興奮。糸井も「よかったよかった」と笑みがこぼれた。ファンあってのプロ野球-。その使命を胸に刻み込んでいるから、みんなが超人を応援したくなる。
意外にも 9月初アーチ。昨年の「17発」にも王手をかけた。火がついた超人が、勝負の秋を力強く引っ張る。
3回、適時打を放った陽川尚将内野手=阪神甲子園球場
陽川の積極性が功を奏した。 2- 2の 3回二死 1、 2塁から初球の外角のスライダーをしぶとく中堅の前に運び、決勝点となる勝ち越しの適時打。第 1打席では 3球見送り、カウント 1- 2から空振り三振に倒れた。反省をしっかり次の打席につなげて結果を出した。「 1打席目がああいう結果だったので、打席に立つ前から(積極性を)心がけていました」と振り返った。
4回裏阪神 1、 2塁、 2戦連発となる「左越え3点本塁打」を放った大山悠輔内野手=阪神甲子園球場
連夜の豪快弾だ。阪神大山悠輔内野手が 4回に、 2試合連発となる「6号3ラン」を放った。
「追い込まれていたのでコンパクトにスイングしようと思っていました。自分の形で、しっかりと捉えることができました」
この回、リードを 2点に広げ、なおも続いた一死 1、 2塁のチャンス。小熊の 129キロスライダーにバットを一閃(いっせん)。左翼席へ痛烈なアーチを懸けた。
4回、「3ラン」を左翼に叩き込んだ大山悠輔内野手。チームの危機を救い、5戦4発と覚醒だ=阪神甲子園球場
覚醒弾や! 阪神・大山悠輔内野手が、プロ 2年目で初の 2戦連発となる「6号3ラン」をぶっ放した。前日に負傷した福留に代わって「3番」を務め、ここ 5試合で「4発」と大暴れ。中日相手にチームも先発野手全員安打で12安打 8得点で、連敗も「2」でストップ。虎は、まだまだ諦めへんで~!
キラキラと輝く放物線が肌寒い秋風を、そして分厚い暗雲を切り裂いた。ダイヤモンドを一周する大山が、手に残る確かな感触を握りしめる。前夜は 9回に屈辱的な逆転負けを食らい、主将不在の危機的状況の虎を“代役3番”が救った。
「すごくいい状態できていると思うので、もっともっと打てるように頑張ります! 後ろにつなげば糸井さんがいるので、とにかくつなごうと。いい結果になってくれました」
4- 2で迎えた 4回一死 1、 2塁。カウント 2- 2から中日先発・小熊の内角高め 129キロのスライダーを振り抜くと、打球は大きな弧を描いて左翼ポールを巻き、「6号3ラン」。この回、打者一巡の猛攻で一挙 5点。勝利への流れを大きくたぐり寄せた。
4回、本塁打を放った大山悠輔内野手=阪神甲子園球場
プロ初の 2試合連続本塁打にも「チームが勝って、すべてよかったです。でも他の内容の打席はまだまだ」と、浮かれないのもこの男らしい。 7試合連続で「3番」に座り、前夜に右太ももの張りを訴えて万全ではない福留に代わって 8月24日の巨人戦(東京ドーム)以来、13試合ぶりに「3番」を任され、「(自身は)そのときできることをしっかりやろうと思っていました」と全力を尽くした。
チームにとっても勝負の 9月に入って、全 8試合で安打を放ち、月間打率は「0.438(32打数14安打)、4本塁打、10打点」。ここ 5戦「4発」と覚醒のときを迎えている。
鉄人流が、体に染みついてきた。不調時はステップ時に投手側に頭が動き、体のバランスが崩れてしまっていた。低めの変化球にバットが出てしまい、悪循環に陥る。片岡ヘッド兼打撃コーチらに助言をもらい、時にはノックバットで体のバランスを確認。どっしり構え、前で打球を捉える-。虎将の求めるスイングを体現するために早朝から日が暮れるまでバットを振り、体得しつつあった昨秋の安芸キャンプ、今春の沖縄・宜野座キャンプの姿が“シンクロ”した。
金本監督は「頭があまり動かなくなって、重心がしっかり残った状態で打てているから、やっぱり打球も飛びますしね」と成長を認め、「いい意味で勘違いしてほしいですね。自分を乗せていくというか。どんどんどんどん、暗示をかけるぐらいで僕はいいと思うし」と目を細めた。
ベンチで笑顔でハイタッチする大山悠輔内野手。福留の代わりの3番で大活躍だ=阪神甲子園球場
「3連敗」なら「最下位」転落もありえた。その中日に 2戦目で勝利し差を「2.5」に広げ、「3位・巨人」と「1.5」差に詰めた。若虎は「連戦が続くので、とにかく 1試合 1試合、自分のできることをしっかりやりたいと思います」と闘志を燃やす。成長を止めず、もっとでっかいアーチを何本もかける。勝利への架け橋にする。
◆ 2試合連発の大山について阪神・片岡篤史ヘッド兼打撃コーチ
「夏場以降調子が上がってきているからね」
◇データBOX◇
◎…大山が本塁打を打った試合は、これで「10勝2敗」。2017年は「7本塁打」で「6勝1敗」、2018年はこの日で「4勝1敗」。
◎…阪神が先発野手全員安打。 9月 6日の広島戦(○13- 3)以来で、 9月は 8試合で 3度目。 2桁安打は 9月に入って、 8日の巨人戦(甲子園、● 2- 7)を除く 7試合でマーク。
4回裏阪神二死 2塁、エフレン・ナバーロ内野手は左前適時安打を放った=阪神甲子園球場
エフレン・ナバーロ内野手が 4回に 8点目のタイムリーを放った。
この回、大山の「3ラン」などで 7- 2とし、なおも二死 2塁。又吉のスライダーに巧みにバットを合わせ、 3遊間へ流し打った。「追い込まれていたので、しっかりコンタクトしようと自分に言い聞かせていました。コースに逆らわず良いスイングができたよ」。 8月30日ヤクルト戦以来のスタメンで、しっかり結果を出した。
※阪神継投で逃げ切り岩貞7勝目!糸井、豪快同点2ラン!大山が連夜の豪快弾6号3ラン!-2に続く!