●阪神矢野燿大監督(49)は初ドラフトを終え、笑顔で疲労感を漂わせた。「1位指名」では大阪桐蔭・藤原恭大外野手(18= 3年)、立命館大學・辰己涼介外野手( 4年=兵庫県立社高校)を外して大阪ガス・近本光司外野手(23=関西学院大學)の交渉権を獲得。育成指名も入れて計 7選手を指名した。ドラフト会議終了後は苦笑い。阪神は大阪桐蔭の藤原恭大外野手を「1位指名」したが交渉権を獲得できず、「外れ1位」で立命大・辰己涼介外野手を指名した。今度は楽天、巨人、ソフトバンクと 4球団での競合となった。矢野燿大新監督は 1回目にくじを引いた右手を使わず、あえて左手で勝負したが、またも当たりくじをゲットならず。新指揮官は思わず苦笑いした。阪神から「1位指名」を受けた大阪ガス・近本光司外野手は、西宮市内の大阪ガス今津総合グラウンドでの会見で驚いた様子だった。兵庫・社では投手兼外野だったが、関西学院大學で外野手に専念することになった。左投げ左打ちで、50メートル 5秒8の俊足ぶりを発揮。身長170センチで、プロ野球選手としては大柄ではないが本塁打も打てる。今夏の都市対抗では「打率5割2分4厘」で、首位打者、MVPにあたる「橋戸賞」を受賞し、チーム「初優勝」に貢献した。大阪ガスから、バッテリー以外のプロ野球選手誕生になれば、創部40年目で初めて。近本の隣で、橋口博一監督(50)もエールを送った。自らの決断で候補選手たちの運命を変え、虎の未来をも左右される。ちょっぴり苦くも、補強ポイントを埋めるべく貫き通した初ドラフト。これから矢野チルドレンたちが色を出してくれるはず。そして、虎に相乗効果が表れるはずだ。
●阪神は「1位指名」した藤原恭大外野手を抽選で外したが、 3度目で近本光司外野手を単独指名した。矢野燿大新監督は「1位」を俊足強肩の外野手にこだわり、「社会人No.1」という“起爆剤”をゲットした。本人も周囲も驚きの「1位指名」だった。阪神の「外れ外れ1位」に指名された近本は、西宮市の大阪ガス今津総合グラウンド近くの記者会見場に現れ「『3位』くらいかな…と思っていたので、ビックリしました」と上気した顔をほころばせた。思わぬ指名に、当初は30人ほどしかいなかった報道陣が会見中にも続々と集結。身長 1メートル70、体重72キロの小柄なルーキーを囲んだ。阪神電車で甲子園駅からわずか 2駅。 2度の抽選を外し、 3度目につかんだ金の卵は、おひざ元にいた。阪神では能見篤史投手(39=2005年自由枠)、小嶋達也投手(33=2007年希望枠)に続く大阪ガスからの入団。社会人 1年目の昨年から俊足巧打のレギュラーとして活躍し、今年の都市対抗では「5番打者」として 5試合で「21打数11安打、打率0.524」と打ちまくってチームの初優勝に貢献。首位打者とMVPに輝いた。 8月の「ジャカルタ・アジア大会」で日本代表にも選ばれた安打製造器だ。外野陣は福留孝介(41)、糸井嘉男(37)がレギュラーに君臨も、前者は来季42歳、後者は38歳。高山や中谷ら次世代も伸び悩んでいるのが現状だ。新体制にフィットした持ち味を生かして、活気を注入する。淡路島出身で兵庫県立社高校→関西学院大學→大阪ガスと関西一筋。喜びを隠せない。関西の球団への入団を願っていた、今春結婚したばかりの妻・未夢(みゆ)さん(23)のためにも、 1軍でバリバリ働く。来季「最下位」からの巻き返しを狙う矢野阪神の“起爆剤”となる。
●阪神から「2位指名」を受けた宮崎・延岡学園の 181センチの大型遊撃手、小幡竜平( 3年)は阪神の「2位指名」に驚きを隠せなかった。今春センバツ出場した甲子園が本拠地のチームに喜んだ。「世代No.1」に俺がなる! 阪神から「ドラフト2位」で指名された小幡竜平内野手(18=延岡学園高)は、同じく高卒内野手で「1位」で指名された根尾昂内野手(18=大阪桐蔭高)らにライバル心を燃やした。「3位指名」の木浪聖也内野手(ホンダ)は大激戦の遊撃手争いに飛び込んでいくことを宣言。今年のルーキーは早くも燃えている!宮崎・延岡市内の学校で野球部の仲間たちに胴上げされると、気持ちをこらえきれなかった。感謝の言葉とともに、涙がこぼれ落ちた。阪神から「2位」で指名された小幡が、笑顔と涙でプロへの扉を開いた。同学年で同じ遊撃手の根尾昂内野手(大阪桐蔭高=中日「1位」)や小園海斗内野手(報徳学園高=広島「1位」)の陰に隠れてはいたが、走攻守三拍子そろった18歳。今春の選抜は国学院栃木に初戦の 2回戦で敗退したものの、全国デビューして軽快な守備を披露し、プロから高い評価を得た。特にスローイングについては自信を持っている。「U-18日本代表」の1次候補にも選ばれた実力は折り紙付きだ。植田海(22)や北條史也内野手(24)、糸原健斗内野手(25)や上本博紀内野手(32)らに加え、同じ日に「D3位」で指名された木浪聖也内野手(24=ホンダ)もおり、 2遊間は中堅から若手まで層の厚いライバルがひしめきあっているが、そこに殴り込む。伸びしろ十分の将来性あふれる“原石”。希望いっぱいの小幡が、新たな一歩を踏み出した。
●創成館高校・川原陸投手( 3年)は阪神が「5位指名」し交渉権を確定した。キレの良いボールが持ち味の左腕で昨秋「明治神宮大会準優勝」、今春センバツ 8強、今夏甲子園初戦敗退。最速 141キロ左腕、創成館の川原陸投手が、阪神「5位指名」を喜んだ。阪神の同じ左腕、能見が目標と意気込んでいた。
●明治大學・渡辺佳明内野手( 4年=横浜)が楽天から「6位」で指名された。東京・府中の明治大學合宿所でチームメートとともにドラフト会議のテレビ中継を見つめ、名前が読み上げられると、ふーと大きく息をついた。祖父は横浜(神奈川)前監督の渡辺元智氏(73)。明大入学当初は、渡辺氏の“孫”と呼ばれるのがまず先で、自身の名前はなかなか出なかったという。祖父への感謝は常に胸に置きながらも、 4年間汗を流してきた。元智氏の孫ではなく、「渡辺佳明」として指名をつかんだ。目標は開幕 1軍。さらなる精進を誓った。
●阪神「育成1位・片山雄哉捕手(BCリーグ福井)」は福井市内でのドラフト会議の様子をパブリックビューイング形式で待機し、「育成1位指名」の喜びをファンと分かち合った。2016年は阪神から派遣された藤井コーチ(現 1軍バッテリーコーチ)に指導を受けた。
●亜細亜大學からは、オリックス「2位」に頓宮(とんぐう)裕真捕手( 4年=岡山理科大學付属)が、ロッテ「5位」に中村稔弥投手( 4年=長崎県立清峰高等学校)が、広島「6位」に正随優弥外野手( 4年=大阪桐蔭中学校高等学校)が指名された。 7年連続でプロ野球選手を輩出することになるが、 3人同時に指名されたのは初めて。主将も務める頓宮は満面の笑みを見せた。一番最後に指名された正随は、頓宮、中村に笑顔で迎えられ、胸をなでおろした。西村忠之硬式野球部副部長はエールを送った。
記事をまとめてみました。
立命館大學・辰巳のくじを左手で引く阪神矢野燿大監督(左)。右は巨人原辰徳監督=品川区・グランドプリンスホテル新高輪・国際館パミール
<プロ野球ドラフト会議>◇25日◇ 阪神矢野燿大監督は初ドラフトを終え、笑顔で疲労感を漂わせた。
「1位指名」では大阪桐蔭・藤原、立命大・辰己を外して大阪ガス・近本の交渉権を獲得。育成指名も入れて計 7選手を指名した。
ドラフト会議終了後は「しんどいなあ(笑い)。でも、来年は順位を上げて優勝して『残り福』にできるように。このプレッシャーはやっぱり重いね」と苦笑い。緊張感については「めちゃめちゃあるやろ。球団を背負っているし、ファンの人も背負っている。俺自身も抽選で入ってきたからさ。選手のアレ(心境)もあるしさ。それは重いよ。重々分かっていたけど、実際、あそこに立って、そういうのは痛感した」と振り返った。
関係者にあいさつし、会場を後にする矢野燿大監督=グランドプリンスホテル新高輪・国際館パミール
阪神は大阪桐蔭の藤原恭大外野手を「1位指名」したが交渉権を獲得できず、「外れ1位」で立命大・辰己涼介外野手を指名した。
今度は楽天、巨人、ソフトバンクと 4球団での競合となった。矢野燿大新監督は 1回目にくじを引いた右手を使わず、あえて左手で勝負したが、またも当たりくじをゲットならず。新指揮官は思わず苦笑いした。
阪神から「1位指名」を受けた大阪ガスの近本は走塁をアピール=西宮市内の大阪ガス
阪神が「1位指名」で大阪ガス・近本光司外野手の交渉権を獲得した。「1位」では大阪桐蔭・藤原恭大( 3年)を指名したが、 3球団競合の結果、交渉権はロッテへ。
「外れ1位」では立命大・辰己涼介外野手( 4年)を指名したが、 4球団競合の結果、交渉権は楽天へ。大阪ガス・近本光司外野手を単独で指名し、選択確定した。
大阪ガス・近本光司外野手 (2017年11月 5日撮影)
阪神は外れ外れ1位で大阪ガス・近本光司外野手を指名した。
「1位指名」で大阪桐蔭の藤原恭大外野手( 3年)を指名したが、 3球団競合の末に交渉権を獲得できず。「外れ1位」では立命大・辰己涼介外野手( 4年=社)を指名したが、今度は 4球団競合でまたも交渉権を逃した。三度目の正直で指名したスプリンターの単独指名に成功した。
矢野燿大監督は近本について「打撃と足は今年、僕は2軍でも対戦しました。本当にプロに入って素晴らしいパフォーマンスを出せる選手だというのは、自分でも見ていた。本当にうちのセンターラインに必要な選手だなと」と絶賛。
「足は赤星まで行くか分からないですけど、赤星のような、体も打撃も一回り大きくしたような、そんなイメージかなと思います」と笑みを交えながら話した。
阪神から「1位指名」を受け、笑顔で会見に臨む大阪ガスの近本光司外野手=西宮市内の大阪ガス
阪神から「1位指名」を受けた大阪ガス・近本光司外野手は、西宮市内の大阪ガス今津総合グラウンドでの会見で「まさか自分が『ドラフト1位』にかかるとは思っていなかった」と驚いた様子だった。
兵庫・社では投手兼外野だったが、関学大で外野手に専念することになった。左投げ左打ちで、50メートル 5秒8の俊足ぶりを発揮。身長170センチで、プロ野球選手としては大柄ではないが本塁打も打てる。
今夏の都市対抗では「打率5割2分4厘」で、首位打者、MVPにあたる「橋戸賞」を受賞し、チーム「初優勝」に貢献した。「赤星さんが目標。センターを中心に守っていきたい」という近本は「新人王と盗塁王を狙いたい」ときっぱりと言い切った。
大阪ガスから、バッテリー以外のプロ野球選手誕生になれば、創部40年目で初めて。阪神ファンの存在を問われて「世界一熱いファンだと思います」と答えた近本の隣で、橋口博一監督も「即戦力として頑張ってほしい。足はピカイチですから」とエールを送った。
矢野燿大新監督は右手で藤原恭大外野手のくじを引くがハズレ。=グランドプリンスホテル新高輪・国際館パミール
阪神・矢野燿大新監督が25日、東京都内のドラフト会議に出席。初の大仕事では 2度のくじ引きを外したものの、センターラインの強化というテーマを貫いて 7人(育成 1人を含む)を指名した。ビッグネームはいないものの、選手らのハングリーさにも期待。今季最下位に沈んだチームをガラリと変える存在として、大きな期待をかけた。
くじ運には自信があったが 2度、外した。 1度目の大阪桐蔭高・藤原恭大外野手は、開封する前にロッテ・井口監督に雄たけびを上げられ、 2度目の立命大・辰己涼介外野手は巨人、楽天などライバルが増え、まさかの 4球団競合。ビッグネームとは縁がなかったものの、中日からトレードに出され、自らの努力で運命を好転させた矢野新監督は前向きにとらえた。
矢野燿大新監督は大阪桐蔭高・藤原恭大外野手のくじを外して苦笑い。交渉権を引き当ててガッツポーズのロッテ・井口監督(右)とガッカリの楽天・石井GM(左)=グランドプリンスホテル新高輪・国際館パミール
「俺だって、甲子園、出てへんし、逆にハングリー精神とか、もっとうまくなりたいとかと思って入ってくる子もいる」
「1位」の近本光司外野手(大阪ガス)も、「3位」の木浪聖也内野手(ホンダ)も「4位」の斎藤友貴哉投手(ホンダ)も甲子園出場なし。「2位」の小幡竜平内野手(延岡学園高)、「5位」の川原陸投手(創成館高)は出場しているが、いずれも“主役”にはなりえなかった。輝かしい実績には乏しく地味な感じは否めない初ドラフトとなったが、課題であるセンターライン強化を軸に、名より実を優先した。
「(近本は)打撃と足(がいい)というのは今年 2軍で僕も対戦( 9月15日の鳴尾浜。「2番・中堅」で出場して5打数2安打)しましたし」。「4位指名」した斎藤も「意外に残っていたな…と。俺らの評価ではもっと上でというのは正直なところ」とホクホク顔だった。
続く辰己は左手に替えてみたが…ハズレだった=グランドプリンスホテル新高輪・国際館パミール
自らの決断で候補選手たちの運命を変え、虎の未来をも左右される。その重圧を受け「しんどいなぁ」と思わず苦笑いで振り返ったが「藤原君は俺がひくチャンスあったから、それは本当にタイガースファンの方にも申し訳ない」と謝るあたり、ファン・ファースト精神の指揮官らしい。
「来年は順位上げて、優勝してね、残り福にできるように。あのプレッシャーは重いね」
ちょっぴり苦くも、補強ポイントを埋めるべく貫き通した初ドラフト。これから矢野チルドレンたちが色を出してくれるはず。そして、虎に相乗効果が表れるはずだ。
★11. 1開幕 近本ら社会人日本選手権へ
11月 1日から始まる「社会人野球日本選手権(京セラ)」に、阪神から指名された選手が 3人登場する。「1位指名」の近本(大阪ガス)は初日の鷺宮製作所戦に登場。「3位」の木浪、「4位」の斎藤のホンダ勢は 6日のJR東海戦に臨む。順調に勝ち上がれば、準決勝で両チームは対戦。阪神ファンは今から目が離せない!?
「赤星2世」だ! 「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」が25日、東京都内で開かれ、阪神は「1位指名」した藤原恭大外野手(大阪桐蔭高)を抽選で外したが、 3度目で近本光司外野手(大阪ガス)を単独指名した。矢野燿大新監督は「1位」を俊足強肩の外野手にこだわり、「社会人No.1」という“起爆剤”をゲットした。
本人も周囲も驚きの「1位指名」だった。阪神の「外れ外れ1位」に指名された近本は、西宮市の大阪ガス今津総合グラウンド近くの記者会見場に現れ「『3位』くらいかな…と思っていたので、ビックリしました」と上気した顔をほころばせた。
「自分の武器は足、走塁なので、そこを生かしていきたい。一番の目標は赤星(憲広氏=現評論家)選手です」
思わぬ指名に、当初は30人ほどしかいなかった報道陣が会見中にも続々と集結。身長 1メートル70、体重72キロの小柄なルーキーを囲んだ。阪神電車で甲子園駅からわずか 2駅。 2度の抽選を外し、 3度目につかんだ金の卵は、おひざ元にいた。
近本光司外野手はバットを手にポーズを取る。矢野新監督の超積極的にマッチするゾ=大阪ガス
阪神では能見(2005年自由枠)、小嶋(2007年希望枠)に続く大阪ガスからの入団。社会人 1年目の昨年から俊足巧打のレギュラーとして活躍し、今年の都市対抗では「5番打者」として 5試合で「21打数11安打、打率0.524」と打ちまくってチームの初優勝に貢献。首位打者とMVPに輝いた。 8月の「ジャカ ルタ・アジア大会」で日本代表にも選ばれた安打製造器だ。
関学大時代には50メートル 5秒 8の俊足で、 3年春シーズンにリーグ最多の「10盗塁」を記録。立命大時代の東克樹投手(DeNAの2018年「D1位」)から「3ラン」を放ったようにパンチ力も秘めている。
今季 2軍監督を務めた矢野新監督は 9月15日の練習試合(鳴尾浜)で対戦し、力を自らの目で確認。「赤星のような(選手で)、体も打撃もひと回り大きくしたような、そんなイメージ」と評する。ルーキーも目標に掲げる球団OBも現役時代は 1メートル70、66キロながらスピードを生かして「5度の盗塁王」に輝いた。近本自身も「小さいころは大きな人がプロになれると思っていた。最近は同じような身長でもプロで活躍している人は多い。僕が次はその立場になって、子供に夢や希望を与えられれば」と意気込んだ。
阪神・赤星憲広元外野手=阪神甲子園球場 (2007年 4月 1日)
外野陣は福留、糸井がレギュラーに君臨も、前者は来季42歳、後者は38歳。高山や中谷ら次世代も伸び悩んでいるのが現状だ。矢野新監督の印象を問われて「超積極的野球というのが、自分のプレースタイルに合っていると思う」。新体制にフィットした持ち味を生かして、活気を注入する。
淡路島出身で社高→関学大→大阪ガスと関西一筋。「小さいころから試合を見ていた球団。(守備中に)世界一熱いファンに、後ろから声をかけていただけるように頑張っていければ」と喜びを隠せない。関西の球団への入団を願っていた、今春結婚したばかりの妻・未夢(みゆ)さんのためにも、 1軍でバリバリ働く。「まず新人王と盗塁王を目指していきたい」。来季「最下位」からの巻き返しを狙う矢野阪神の“起爆剤”となる。
近本光司外野手は社会人No.1外野手。俊足に加えてパンチ力も魅力だ
◇ちかもと・こうじ あらかると
★生まれ:1994(平成 6)年11月 9日生まれ、23歳。兵庫県淡路市出身。
★球 歴:淡路市立学習小 2年で仮屋クラブで野球を始める。東浦中では軟式野球部。兵庫県立社高等学校では 1年秋からベンチ入りし、投手兼外野手で 2年春に県大会準優勝。甲子園出場なし。関西学院大学で 3年から外野手に転向し、同年春に「ベストナイン」。大阪ガスで 1年目からレギュラーとして活躍。
★家 族:今年 3月に中学時代の同級生だった未夢さん(23)と結婚した。
★ニックネーム:ちかもん。
★趣 味:料理と旅行。未夢さんが歯科衛生士として働いているため、普段は近本が晩ご飯担当。ドラフト前夜もポトフとぎょうざを作った。
★サイズ&投打: 1メートル70、72キロ、左投げ左打ち。
ガッツポーズする阪神2位指名の延岡学園・小幡竜平遊撃手=私立延岡学園高等学校
阪神から「2位指名」を受けた宮崎・延岡学園の 181センチの大型遊撃手、小幡竜平( 3年)は阪神の「2位指名」に驚きを隠せなかった。
「最初、本当に自分の名前なのかと思い、驚きました」とビックリ仰天。阪神の印象は「熱狂的なファンのイメージがあります」と言い、今春センバツ出場した甲子園が本拠地のチームに「こういう形でまた土を踏める可能性があることがうれしいです」と喜んだ。
小幡竜平遊撃手は野球部の仲間から祝福される。根尾や小園に負けないゾ=私立延岡学園高等学校
「世代No.1」に俺がなる! 阪神から「ドラフト2位」で指名された小幡竜平内野手(延岡学園高)は、同じく高卒内野手で「1位」で指名された根尾昂内野手(大阪桐蔭高)らにライバル心を燃やした。「3位指名」の木浪聖也内野手(ホンダ)は大激戦の遊撃手争いに飛び込んでいくことを宣言。今年のルーキーは早くも燃えている!
宮崎・延岡市内の学校で野球部の仲間たちに胴上げされると、気持ちをこらえきれなかった。感謝の言葉とともに、涙がこぼれ落ちた。阪神から「2位」で指名された小幡が、笑顔と涙でプロへの扉を開いた。
「まさか『2位』で指名されるとは予想していませんでした。プロ野球選手になることは小さい頃からのあこがれでした。両親に感謝したいです」
阪神・鳥谷敬内野手=阪神甲子園球場
同学年で同じ遊撃手の根尾(大阪桐蔭高=中日「1位」や小園(報徳学園高=広島「1位」)の陰に隠れてはいたが、走攻守三拍子そろった18歳。今春の選抜は国学院栃木に初戦の 2回戦で敗退したものの、全国デビューして軽快な守備を披露し、プロから高い評価を得た。特にスローイングについては「誰にも負けないようにしたい」と自信を持っている。「U-18日本代表」の1次候補にも選ばれた実力は折り紙付きだ。
「プロに入ったので順位とか関係なく、(根尾や小園に)負けないようにしっかり頑張りたい」 目標とするのは、虎の背番号「1」。どんな選手になりたいか問われると「鳥谷選手のようになりたいです」と通算「2000安打」を達成した大先輩の名前を挙げて、目を輝かせた。その鳥谷は今オフ、再び遊撃での起用を矢野新監督に直訴しているところ。植田や北條、糸原や上本らに加え、同じ日に「D3位」で指名された木浪聖也内野手もおり、 2遊間は中堅から若手まで層の厚いライバルがひしめきあっているが、そこに殴り込む。
小幡竜平遊撃手は今春の選抜で全国デビュー。華麗なスローイングはプロの注目を集めた=阪神甲子園球場
「走攻守三拍子そろった、日本を代表するような選手になりたいです」 伸びしろ十分の将来性あふれる“原石”。希望いっぱいの小幡が、新たな一歩を踏み出した。
◇小幡 竜平(おばた・りゅうへい)
2000(平成12)年 9月21日生まれ、18歳。大分県出身。明野北小時代にソフトボールを始め、明野中では大分明野ボーイズに所属。延岡学園では 1年秋にレギュラーを掴み、 3年春に甲子園出場。三拍子揃った遊撃手。遠投 115メートル、50メートル 6秒 2。高校通算「13本塁打」。 1メートル81、73キロ。右投げ左打ち。
私立創成館高校・川原陸投手
創成館・川原陸投手( 3年)は阪神が「5位指名」し交渉権を確定した。
キレの良いボールが持ち味の左腕で昨秋「明治神宮大会準優勝」、今春センバツ 8強、今夏甲子園初戦敗退。
最速 141キロ左腕、創成館の川原陸投手が、阪神「5位指名」を喜んだ。「『4巡目』までドキドキしていた。ホッとしました。今は最高の気分です」と声を弾ませた。
阪神の同じ左腕、能見が目標で「すごい投手なので、いろいろ教わりたい。三振が取れる投手になりたい」と意気込んでいた。
ともに阪神に指名され、目標を手に笑顔を見せる「3位」ホンダ木浪聖也内野手(右)と「4位」斎藤友貴哉投手=ホンダ硬式野球部合宿所
阪神に3位指名されたホンダの木浪聖也内野手(24=亜大)と4位指名された斎藤友貴哉投手(23=桐蔭横浜大)が、ホンダの硬式野球部寮で会見を行った。
木浪は「率直にうれしい気持ちです。即戦力として、ファンに愛される選手になりたいです。 1軍で早く試合に出て、結果を出すこと」と目標を語った。
斎藤は「子どもの頃からの夢だったプロ野球選手になるスタート地点に立てて、光栄に思います。 1年目からバリバリ活躍できるようにしたい」と抱負を語った。
応接室のテレビの前で他の部員らと一緒にドラフト会議の模様をテレビ観ながら緊張の面持ちだった。先に木浪が指名されると室内が大きな歓声で包まれ、空気が和らいだ。その後ただ 1人だけ緊張が解けない表情だった斎藤も、木浪の直後に名前が呼ばれると、初めて笑みがこぼれた。仲間の 1人がどこかから阪神ロゴが入った帽子を持ってきてかぶせ、笑いが広がる場面もあった。
「3、4位指名」を受けた木浪聖也内野手(右)と斎藤友貴哉投手(左)のホンダ勢は球団旗を手に“ガオー”とポーズを取る=ホンダ硬式野球部合宿所
阪神から「ドラフト3位」で指名された木浪は、埼玉・狭山市内で指名されたときの心境を問われると、白い歯を見せた。
「上位では(プロに)いけないと思っていたので本当にうれしい。(阪神は)ファンの方が熱いイメージ。早く名前と顔を覚えてもらいたい」
社会人になってから取り組んだ下半身強化とフォーム改造で、急激に開花した強打の内野手だ。亜大時代の 4年秋には「打率0.364」。このころは巧打者というイメージで公式戦では「0本塁打」だった。ところがホンダ入社後は関東リーグや都市対抗野球でサク越えが飛び出し、パンチ力に磨きがかかっている。
内野ならどこでも守れるユーティリティーぶりも魅力。亜大では 1塁と遊撃で出場し、ホンダでは 2塁や 3塁も守った。だが、社会人 2年目でつかんだ遊撃手こそ本職。「こだわりがある」と口にした。
「ポジションを自分から奪い取るつもりでやる。(プロへ)入りからアピールできれば」
木浪聖也内野手は社会人になって打撃がパワーアップ。貧打解消のキーマンになる=ホンダ硬式野球部合宿所
1994年生まれ。青森県の青森山田高出身とあって阪神の遊撃手として活躍する光星学院(現八戸学院光星)高出身の北條は“同級生”。身近な存在として見ていた。
「甲子園に出ているのを見て『すごい』と思っていた。でも、プロになったので、負けないぞという気持ちです」
阪神はこの日、「2位」で同じく遊撃手の小幡竜平内野手(延岡学院高)を指名。若手では植田もおり、ベテランの鳥谷も遊撃再挑戦と超激戦区だ。遅咲きの新星もそこに名乗りを上げる。し烈な競争で、「最下位」から巻き返すチームを活気づかせる。
◇木浪 聖也(きなみ・せいや)
1994(平成 6)年 6月15日生まれ、24歳。青森県出身。青森山田高時は甲子園出場なし。亜細亜大學では 1年春からリーグ戦に出場。 1、 3年時に「明治神宮大会」優勝。ホンダでは 1年目から 3塁手兼 2塁手でレギュラー。 2年目から遊撃手。堅実な守備が武器の即戦力内野手。 1メートル78、80キロ。右投げ左打ち。
阪神から「3位指名」を受けたホンダの木浪聖也内野手(右)と「4位」の斎藤友貴哉投手(左)=ホンダ硬式野球部合宿所
阪神から「ドラフト4位指名」を受けた斎藤友貴哉投手(ホンダ)は、同じチームの木浪に続く指名に「心強い仲間がいるな…という感じ。2人で活躍できるようになりたいですね」とうなずいた。
最速 153キロの速球を 1メートル84の身長からスリークオーターで投げ下ろす。本人も「強気に真っすぐで攻めていくピッチングが持ち味」と自信をのぞかせる。今年の都市対抗では予選から 3試合に登板し、14イニングで「自責0」。確かな実績を積み重ねてきた。
2015年「ドラフト1位」の横山は山形中央高時代の 1年先輩。卒業後は住む場所も離れ、OB会などでしか会う機会がなかったというが「また一緒にできるのは、何かの縁だと思う。長所を生かしながらレベルアップしていきたい」と共闘を誓った。
◇斎藤 友貴哉(さいとう・ゆきや)
1995(平成 7)年 1月 5日生まれ、23歳。山形県出身。山形中央高では 1年夏にベンチ入りして「県優勝(甲子園ではベンチ外)」。 3年夏には控え投手として県 4強。桐蔭横浜大では 3年春から神奈川大学リーグで登板し、 3年秋にリーグ優勝。 4年春にも優勝に貢献し、MVPを獲得した。2017年にホンダ入社。 1年目から都市対抗野球で活躍。 1メートル84、90キロ。右投げ左打ち。
※阪神大阪ガス・近本の交渉権獲得!矢野監督、初ドラフトで重さ痛感!亜大、初の3人同時指名!-2に続く!