●矢野流の珍指令や! 矢野燿大監督(49)が秋季キャンプ休日の 5日、ナインに異例のお願いをした。 2軍監督時代の名残か、いまだに「矢野監督」ではなく「矢野さん」と呼ぶ選手がいるが、今後も「さん」で構わないと表明。選手との無用な垣根を取り払い、17年ぶり「最下位」からの再建の一助とする。金本知憲前監督(50)の辞任を受け、 2軍監督から緊急昇格。指揮官として巨人を破って12年ぶりの「日本一」を成し遂げた今季のファームでも選手から「矢野さん」という呼称が主流だったが、「第34代監督」となった今でも無理してそれを変える必要はない。最近の阪神の監督史をみると2003年オフに内野守備走塁コーチから昇格した岡田彰布氏(60)や、2011年オフに打撃コーチから昇格した和田豊氏(56)らが内部昇格組だが、誰しも「監督」と呼んだ。むしろ、気楽に「岡田さん」「和田さん」と呼べなくなるのが普通だ。そして退任後も「監督」と呼ばれる。それほど重く、権威のある呼称なのだ。しかし、呼び方が自身のポリシーを邪魔するようなら、いらない。就任するやいなや、今オフFA権を行使する見通しの上本博紀内野手(32)と“残留交渉”。秋季練習初日には不遇の 3年間を過ごした鳥谷敬内野手(37)と面談し、遊撃再挑戦を決めた。秋季キャンプでは清水雅治ヘッドコーチ(54)らコーチ陣の意見を尊重し、アイデア豊富な練習メニューを導入。すべては徹底した対話路線の結果だ。異例の「矢野さん指令」。虎将の胸へ、飛び込んでいこうではないか。
●植田海内野手(22)が清水ヘッド、筒井壮外野守備走塁コーチ(44)の指導で、30分間の外野の特守に励んだ。最初は 3塁線沿いに背走しながら、架空の打球を追う練習。その後、中堅の守備位置に移動し、ノックの飛球を追いかけた。今キャンプは内野に加えて外野の守備練習にも本格的に取り組み、植田は「基本的なことを教えていただきました」と明かしていた。矢野の教えで打撃開眼だ!植田海内野手が秋季キャンプ休日の 5日、高知県・安芸の室内練習場で約40分間マシン打撃を敢行した。両打ちだが、左右の違いは「基本的には一緒」という。左右から快音を響かせ手応えを感じていた。このキャンプで矢野監督らから指導されている下半身主導フォームの感触を確かめ、気合を入れ直した。今季の盗塁数は「チーム1位」の糸井嘉男外野手に続く数字を記録。この秋の「ドラフト1位」で同じく俊足自慢の近本光司外野手(23=大阪ガス=関西学院大学)の入団が決まっただけに、うかうかしてはいられない。こちらも出場機会を求めて、外野守備にも挑戦中。この秋、走攻守でレベルアップして、ライバルを押しのける。
●大山悠輔内野手(23)が 4日、安芸キャンプのシート打撃で豪快アーチをかっ飛ばした。矢野燿大監督は来季の「4番候補」として期待した。大山は 3日も特打で場外弾を 3本放つなど充実。今季、 1軍で12試合、「4番」に座ったが、来季こそ真の主砲として君臨したいところだ。シート打撃の第 2打席。竹安と対戦し真ん中の 138キロを強振するとバックスクリーンへ。逆風を裂き、バットの芯ではなく、先端で捉えても柵越えさせる怪力を見せつけた。目を丸くしたのは矢野監督。スラッガーの「秋1号」を見届け声を上ずらせた。大山は今季、打撃不振が長引いたが、 9月に22試合で「打率4割1分5厘、9本塁打」と復調。若きスラッガーはこの日の打撃について語るなど向上心が尽きない。飛躍の 1年へ、牙を研いでいる。第 1クール最終日でキャンプ初となるシート打撃。 1打席目は小野相手に遊ゴロに終わり、迎えた 2打席目、対峙したのは同じ1994年生まれの竹安大知投手(24)だった。 1球目を見逃すと、 2球目は外角の変化球に空振り。 3球目で低めの 138キロをすくい上げるようにしてとらえると、低い弾道で中堅へたたきこんだ。甲子園の浜風にも負けそうにない放物線に矢野監督は評価。期待を寄せた。将が強調したのが「競争の中で」ということ。候補には糸井、福留孝介外野手(41)を挙げ、そこにクリスチャン・ビヤヌエバ内野手(27=パドレス)やジェフリー・マルテ内野手(27=エンゼルス)らを獲得候補とする新外国人も加わる。中谷将大外野手(25)や高山俊外野手(25)の名前も挙げた。「4番」の資質をあげた指揮官。生え抜きの主砲は、虎の至上命題。背番号「3」が実力で奪い取ることが、未来を明るくする。
●藤浪晋太郎投手(24)が、「ダーツ投法」で原点に戻る。 4日、安芸キャンプ第 1クール最終日にブルペンで捕手を座らせ36球を投げた。右肘を支点にし、右手首を柔らかく使って投げるダーツの投げ方に似た動作を繰り返した。藤浪は、安定した投球フォームを取り戻す方策にする。ダーツは、肘が下がると狙ったところに投げられない。捕手を座らせて投げ始めたときから、藤浪は右肘の位置を気にしていた。見守った福原忍投手コーチ(41)もうなずく。藤浪は、完全復活への第 1段階を振り返った。
●梅野隆太郎捕手(27)がソフトバンク甲斐拓也捕手(26)に刺激を受けている。大学時代から知る後輩の「日本シリーズMVP」を目に焼き付け、自身も盗塁阻止率アップに取り組んでいる。抜群の肩を生かすために、キャッチングと体重移動を修正。「梅バズーカ」に「キャノン」が加わる。梅野は素直に甲斐の活躍をたたえた。史上初の「0打点」での「日本シリーズMVP」。福岡大學時代から交流のある後輩が、広島の 6企図の盗塁をすべて刺した。梅野は今季「盗塁阻止率3割2分」。巨人小林誠司捕手(29)に「2分1厘」の差で「リーグ2位」だったが、強肩で何度もピンチの芽を摘んできた。そんな梅野から見ても甲斐の技術は際立っているようだ。 4日は全体メニュー終了後も、マシンを相手に捕球から持ち替える動作を続けた。梅野は気を引き締めた。何より勝てる捕手へ、「バズーカ」に「キャノン」の要素を追加し、選手会長が肩を回す。
●今季国内FA権を初取得する見込みの上本博紀内野手は、行使の有無について熟考を続ける。FA申請期間を控え、鳴尾浜でダッシュ、ノックなどを行った。球団は 2~ 3年の複数年契約を用意し、継続的に残留交渉を続けている。ただ、上本は権利行使の可能性を残しており態度を保留中。この日も多くは語らず。交渉の長期化は必至な情勢だ。プロ野球のフリーエージェント(FA)の有資格者が権利を行使するかどうかを表明する期間が 5日、始まった。阪神は上本博紀内野手が国内FA権の資格を取得している。嶌村聡球団副本部長(50)はこの日、高知・芸西村内のチーム宿舎で、改めて残留を訴えていくことを明かした。“気持ち”を示すべきタイミングが、やってきた。初日こそ目に見える動きはなかったが、上本はすでに取得した国内FAの権利を行使することが濃厚。虎としても、今後は「宣言残留」を訴えかけていく交渉に入っていくことになる。年俸4300万円の上本は、年俸ランクC(チーム日本人選手で「11位」以下)とみられ、FA移籍しても人的、金銭補償が発生せず、すでに複数球団が興味を示している。矢野監督は就任会見翌日の10月16日に鳴尾浜を訪れて“残留交渉”。球団も 3年を基本線とする条件提示で引き留めを図るが、行使は避けられないとみられ、上本自身も、虎も「宣言残留」を頭に入れての交渉となりそうだ。また、補強の面では、オリックス・西勇輝投手(27)が国内FA権の行使を表明すれば、獲得に乗り出す予定。中日やソフトバンクとの争奪戦になるとみられる。この日、西は権利行使を表明しなかった。
●「2018日米野球」侍ジャパンメンバーの岩貞祐太投手(27)が今日 5日、代表チームに合流する。この日は鳴尾浜でフリー打撃に登板し、俊介外野手(31)、森越祐人内野手(30)を相手に40球を投げた。シーズン最終登板となった10月 7日ヤクルト戦以来の実戦形式に苦笑い。それでも前を向いた。
記事をまとめてみました。
阪神安芸秋季キャンプ ( 5日、安芸)
矢野流の珍指令や! 矢野燿大監督が秋季キャンプ休日の 5日、ナインに異例のお願いをした。 2軍監督時代の名残か、いまだに「矢野監督」ではなく「矢野さん」と呼ぶ選手がいるが、今後も「さん」で構わないと表明。選手との無用な垣根を取り払い、17年ぶり「最下位」からの再建の一助とする。
「矢野さん…あ、矢野カントク!」 就任から20日ほどたっても、選手やスタッフから「矢野さん」というフレーズが飛び出す。「矢野カントク」に変えなきゃ、アカンのちゃうの? イヤ、みなさん、安心してください! 矢野監督の心はデッカかった。
「俺は『監督、監督』したくないのよ。監督が上で、選手が下とかはないんだからさ。全然『矢野さん』でいいよ」
金本前監督の辞任を受け、 2軍監督から緊急昇格。指揮官として巨人を破って12年ぶりの「日本一」を成し遂げた今季のファームでも選手から「矢野さん」という呼称が主流だったが、「第34代監督」となった今でも無理してそれを変える必要はない。
最近の阪神の監督史をみると2003年オフに内野守備走塁コーチから昇格した岡田彰布氏や、11年オフに打撃コーチから昇格した和田豊氏らが内部昇格組だが、誰しも「監督」と呼んだ。むしろ、気楽に「岡田さん」「和田さん」と呼べなくなるのが普通だ。そして退任後も「監督」と呼ばれる。それほど重く、権威のある呼称なのだ。
しかし、呼び方が自身のポリシーを邪魔するようなら、いらない。就任するやいなや、今オフFA権を行使する見通しの上本と“残留交渉”。秋季練習初日には不遇の 3年間を過ごした鳥谷と面談し、遊撃再挑戦を決めた。秋季キャンプでは清水ヘッドらコーチ陣の意見を尊重し、アイデア豊富な練習メニューを導入。すべては徹底した対話路線の結果だ。
矢野さんで結構! 新指揮官は不要な垣根を取り払い、対話路線を充実させる=安芸市営球場(安芸タイガース球場
それもこれも「矢野さん…」と話しかけやすいムードをつくり出しているからこそ。これが「矢野カントク」では構えてしまう。不要な垣根は取り払い、部下が何でも話せる環境をつくる。会話からアイデアやモチベーションが生まれ、チームは強くなる。指揮官自身、選手を「ユウスケ」(大山)「シュン」(高山)「シンタロウ」(藤浪)と名前で呼ぶ。「その方が距離が縮まるやん」。選手に自ら考え、成長することを求めるからこそ、寄り添う指揮官でありたい。権威的になる必要は、ない。
プロ野球で「監督」を遠慮? するのは異例中の異例。中日の大先輩・権藤博氏くらいしかいない。1998年に横浜のバッテリー・チーフコーチから監督に就任すると自らを「権藤さん」と呼ばせた。選手やコーチだけではなくマスコミにも徹底させ、垣根を取り払って就任 1年目にしてチームをまとめ上げ、38年ぶりとなる「リーグV、日本一」に導いた。
「まだ、選手から(積極的に話しかけてくるのは)というのはないけどね」。選手のみなさん、遠慮はいらない。異例の「矢野さん指令」。虎将の胸へ、飛び込んでいこうではないか。
★「さん」と呼ばれた監督アラカルト
★権藤 博(元横浜監督):1998年に横浜監督に就任。選手らとの垣根を取り払うため「俺のことを監督と呼ぶな」と「権藤さん」と呼ばせ、違反者には罰金1000円を科した。就任 1年目に「優勝」。就任 3年間はすべて「Aクラス」。
★佐々木則夫(元サッカー日本女子代表監督):「ボスではなく兄貴分、父親役でありたい」と「ノリさん」と呼ばせていた。自分の子供くらい年の離れた異性の選手らにオヤジギャグを連発して自らムードメーカーになり、2011年には「W杯優勝」に導いた。
★名波 浩(サッカーJ1磐田監督):2008年に現役引退。「J2」だった14年のシーズン途中に監督に就任すると、現役時代に一緒にやっていた選手が多いことなどから「えらそうにしたくない」と「名波さん」と呼ばせた。16年にクラブを「J1」に復帰させた。
外野守備練習する植田海内野手=安芸市営球場(安芸タイガース球場)
植田が清水ヘッド、筒井外野守備走塁コーチの指導で、30分間の外野の特守に励んだ。最初は 3塁線沿いに背走しながら、架空の打球を追う練習。その後、中堅の守備位置に移動し、ノックの飛球を追いかけた。
今キャンプは内野に加えて外野の守備練習にも本格的に取り組み、植田は「(外野で)試合には出てましたけど、ちゃんとした練習や個別での指導は初めて。これからですね。基本的なことを教えていただきました」と明かしていた。
2018年11月 5日 キャンプ休日の安芸ドームで打撃練習をする植田海内野手=安芸市多目的体育館(愛称:安芸ドーム)
矢野の教えで打撃開眼だ! 植田海内野手が秋季キャンプ休日の 5日、高知県・安芸の室内練習場で約40分間マシン打撃を敢行した。「ちょっとだけですけど、体を動かそうと思って」と汗をぬぐった。
両打ちだが、左右の違いは「基本的には一緒」という。「意識はタイミングの取り方、下半身ですね。あんまり、上は意識しないようにしています」とイメージしながら説明した。
左右から快音を響かせ「矢野監督に教えてもらって、バットが出しやすくなった。打球も前よりはよくなっている感じがします」と手応えを感じていた。
休日返上で打撃練習に臨む植田海内野手=安芸市多目的体育館(愛称:安芸ドーム)
今季の盗塁数には満足していない様子。「19個では足りない。30、40、50個ぐらいしないと、取れないタイトルだと思う」と盗塁王獲得に向け意識を高くした。
今季は 5月30日ソフトバンク戦(甲子園)で“甲斐キャノン”をかいくぐって盗塁を決めている。「ピッチャーとの兼ね合いもあるので。あまり盗塁したぞという感じはなかった」と話すが、自信を深めたに違いない。「(来季の)試合に出るなら、打撃も守備も頑張らないといけない」。決意を胸に、バットを振り込む。
植田海内野手は休日返上で打撃練習。自慢の足を生かすには打撃が向上しないと…=安芸市多目的体育館(愛称:安芸ドーム)
植田海内野手が 5日、休日返上で安芸市営球場の室内練習場に姿をみせた。ただ 1人で約40分、マシン打撃で汗を流し、盗塁数増へ力を込めた。
「盗塁王を目指すなら(今季の)19じゃ足りない。30、40、50としないと獲れない。試合に出るなら、バットでも守備でも頑張らないと」
このキャンプで矢野監督らから指導されている下半身主導フォームの感触を確かめ、気合を入れ直した。今季の盗塁数は「チーム1位」の糸井(22)に続く数字を記録。この秋の「ドラフト1位」で同じく俊足自慢の近本光司外野手(大阪ガス=関西学院大学)の入団が決まっただけに、うかうかしてはいられない。
こちらも出場機会を求めて、外野守備にも挑戦中。この秋、走攻守でレベルアップして、ライバルを押しのける。
シート打撃練習で「中越えソロ本塁打」を放った大山悠輔内野手=安芸市営球場(安芸タイガース球場)
大山悠輔内野手が 4日、安芸キャンプのシート打撃で豪快アーチをかっ飛ばした。矢野燿大監督は来季の「4番候補」として期待し「争ったなかで座るのが理想」と話した。大山は 3日も特打で場外弾を 3本放つなど充実。今季、 1軍で12試合、「4番」に座ったが、来季こそ真の主砲として君臨したいところだ。
シート打撃の第 2打席。竹安と対戦し真ん中の 138キロを強振するとバックスクリーンへ。逆風を裂き、バットの芯ではなく、先端で捉えても柵越えさせる怪力を見せつけた。目を丸くしたのは矢野監督。スラッガーの「秋1号」を見届け「本塁打を打てるのはユウスケの魅力。しかもセンター方向というのは、いい方向に、打球としてもいい。今日はアゲンスト(の風)と思うけどそれでも入ったのは価値がある」と声を上ずらせた。
大山は今季、打撃不振が長引いたが、 9月に22試合で「打率4割1分5厘、9本塁打」と復調。若きスラッガーはこの日の打撃について「足りない部分もあると思うので、もう 1度映像を見て確認したい」と語るなど向上心が尽きない。飛躍の 1年へ、牙を研いでいる。
バックスリーン直撃の一撃を放った大山悠輔内野手。矢野燿大監督の期待に応え、自らの打撃で「4番」の座をつかみ取る=安芸市営球場(安芸タイガース球場)
これが来季「4番」への放物線や! 大山悠輔内野手が第 1クール最終日の 4日、初のシート打撃でバックスクリーンへ「豪快な本塁打」を放った。矢野燿大監督は逆風の中での一発を評価し、「みんなが争った中で、悠輔が『4番』に座るというのが理想」とゲキを飛ばした。
力強い打球が逆風を切り裂き、バックスリーンへ伸びた。ズドン! 轟音が安芸の空に響く。大山は充実した表情を浮かべながら、ダイヤモンドを一周。来季4番候補へと名乗りを上げる“号砲”を打ち鳴らした。
「帰ってしっかり(自分の)映像を見て、自分のやりたいスイングをできているか確認したい」
約3800人の虎党を“一発”で沸かした。第 1クール最終日でキャンプ初となるシート打撃。 1打席目は小野相手に遊ゴロに終わり、迎えた 2打席目、対峙したのは同じ94年生まれの竹安だった。 1球目を見逃すと、 2球目は外角の変化球に空振り。 3球目で低めの 138キロをすくい上げるようにしてとらえると、低い弾道で中堅へたたきこんだ。
甲子園の浜風にも負けそうにない放物線に矢野監督は「やっぱりホームランを打てるのは悠輔の魅力。しかもセンター方向に。打球としてもいいし。(風が)アゲンストやったけど、それでも入ったのは価値がある」と評価。「来年、悠輔が『4番』になってくれたら俺たちもうれしいこと」と期待を寄せた。
練習を見守る矢野燿大監督=安芸市営球場(安芸タイガース球場)
しかし、将が強調したのが「競争の中で」ということ。候補には糸井、福留を挙げ、そこにクリスチャン・ビヤヌエバ内野手(パドレス)やジェフリー・マルテ内野手(エンゼルス)らを獲得候補とする新外国人も加わる。中谷や高山の名前も挙げた上で、「みんなが争った中で、悠輔がボンってそこに座るというのが、俺の中での理想」とした。
真の「4番」となれ-。そんな思いに応えるべく、大山は今キャンプは「力強い打球をセンター方向に打つ」をテーマに徹底練習。昨季は打撃の幅を広げるため、右方向への打球を重点的に取り組んだ。しかし、それを意識しすぎるあまり打撃が小さくなり、打撃不振に。 6月には 2軍降格も味わった。 9月にはポイントを前で打つことで、「1試合3発を含む9本塁打」と量産。何よりも本来の豪快な打撃を取り戻すのが狙いだ。
だからこそ、浜中打撃コーチが門田博光氏から教わった「全部、全力で振れ」というアドバイス通り、常に強くバットを振り込む。その中で、自分にあったスイングを日々模索しており、この日も全体練習後、カメラマンが撮影した連続写真でフォームを入念にチェック。その後も室内で振り込みやウエートトレーニングも行い、球場を後にしたのも誰よりも遅かった。硬くなった手に残る確かな感触にも、決して満足していない。
阪神・秋季キャンプメンバー
「コイツに任せて大丈夫というかね。チームとしての信頼とか、姿勢とか、いろんなことが問われてくる打順と思う」と、「4番」の資質をあげた指揮官。生え抜きの主砲は、虎の至上命題。背番号「3」が実力で奪い取ることが、未来を明るくする。
■大山悠輔内野手について阪神・浜中治打撃コーチ
「センター方向に打てたのはよかった。手応えのある一発になったんじゃないか。大山自身もなぜ(自分のスイングが)できたのか分析してほしい。(センター方向への強い打球を)続けていってもらえたら、率も上がると思うので」
◇データBOX◇
◎…阪神の「初代4番」は、1936年 4月29日の金鯱戦(甲子園)に「4番・1塁」で出場した松木謙治郎。大山はルーキーイヤーの2017年に「4番」を務めており、「歴代101人目」。今季「開幕4番」のロサリオが「102人目」で、陽川尚将が「歴代103人目」となる。
◎…生え抜きの「開幕4番」は2003年の浜中治(現打撃コーチ)が最後。来季、大山が「開幕4番」を務めれば、16年ぶり。入団 3年目での「開幕4番」となれば1958年の大津淳以来、61年ぶりとなる。
ブルペンで投げ終わった藤浪晋太郎投手(右)にアドバイスする福原忍投手コーチ=安芸市営球場(安芸タイガース球場)
藤浪が、「ダーツ投法」で原点に戻る。 4日、安芸キャンプ第 1クール最終日にブルペンで捕手を座らせ36球を投げた。右肘を支点にし、右手首を柔らかく使って投げるダーツの投げ方に似た動作を繰り返した。藤浪は「(右)肘からしっかり出せないと、きれいなリリースができないので」と、安定した投球フォームを取り戻す方策にする。
ダーツは、肘が下がると狙ったところに投げられない。捕手を座らせて投げ始めたときから、藤浪は「ちょっと肘が下がっていますか?」と問いかけ、右肘の位置を気にしていた。見守った福原投手コーチも「本人の感覚というところなので、そういう感覚でしっかり投げられるのであれば(ダーツ投法は)いいのではないですか。彼の感覚としていいものが出れば、それが一番」とうなずく。藤浪は「自主練習の時間も多いので、自分の課題もできて充実した第 1クールでした」と、完全復活への第 1段階を振り返った。
梅野隆太郎捕手がソフトバンク甲斐拓也捕手に刺激を受けている。大学時代から知る後輩の「日本シリーズMVP」を目に焼き付け、自身も盗塁阻止率アップに取り組んでいる。抜群の肩を生かすために、キャッチングと体重移動を修正。「梅バズーカ」に「キャノン」が加わる。
梅野は素直に甲斐の活躍をたたえた。史上初の「0打点」での「日本シリーズMVP」。福岡大時代から交流のある後輩が、広島の 6企図の盗塁をすべて刺した。「あれだけ阻止すれば点は入らない。同じポジションとして刺激になるし、後輩ながらすごいと思う。そういうチームが勝負をものにするんだと、感じました」と何度もうなずいた。
梅野は今季「盗塁阻止率3割2分」。巨人小林に「2分1厘」の差で「リーグ2位」だったが、強肩で何度もピンチの芽を摘んできた。そんな梅野から見ても甲斐の技術は際立っているようだ。迷うことなく「ベースの(上下の)ライン上に入れるのがうまい。(送球に)左右のブレがない。あとはキャッチング。しっかり捕っているからこそ、スローにいける。そこが一番のすごみ」と口にした。
シートノックで 2塁へ送球する梅野隆太郎捕手=安芸市営球場(安芸タイガース球場)
もちろん、負けるつもりはない。梅野自身も改良に取り組んでいる。盗塁阻止率アップは「自分も助かるし、雲泥の差。勝敗にもつながる。強みとして持っておかないといけない」と話すように、明確な目標の 1つだ。今キャンプで取り組んでいる改善点はくしくも甲斐をたたえた点と重なる。
「まずはキャッチングです。(前に)捕りにいかないように。あとは握り替えるところのタイミングと、右足の使い方。上体が上がりやすいので、なるべく低いところから、低いところから。キャッチボールのときからボールに入っていくという意識をしています」
4日は全体メニュー終了後も、マシンを相手に捕球から持ち替える動作を続けた。梅野は気を引き締め「(勝敗を)動かすのは捕手の一声、ひとつの間だったりする。それで 143試合で10試合でも勝てれば、それはやっぱり大きい」と結んだ。何より勝てる捕手へ、「バズーカ」に「キャノン」の要素を追加し、選手会長が肩を回す。
今季国内FA権を初取得する見込みの上本は、行使の有無について熟考を続ける。FA申請期間を控え、鳴尾浜でダッシュ、ノックなどを行った。
球団は 2~ 3年の複数年契約を用意し、継続的に残留交渉を続けている。ただ、上本は権利行使の可能性を残しており態度を保留中。この日も「何もないです。球団の方がどう考えているかもあるので」と多くは語らず。交渉の長期化は必至な情勢だ。
阪神上本博紀内野手=阪神甲子園球場 (2018年 5月撮影)
プロ野球のフリーエージェント(FA)の有資格者が権利を行使するかどうかを表明する期間が 5日、始まった。阪神は上本博紀内野手が国内FA権の資格を取得している。嶌村聡球団副本部長はこの日、高知・芸西村内のチーム宿舎で、改めて残留を訴えていくことを明かした。
“気持ち”を示すべきタイミングが、やってきた。初日こそ目に見える動きはなかったが、上本はすでに取得した国内FAの権利を行使することが濃厚。虎としても、今後は「宣言残留」を訴えかけていく交渉に入っていくことになる。
「当然残ってほしい選手というのは終始一貫、変わっておりません。来季もうちで頑張ってほしいなと思っております」
チームが秋季キャンプを行う高知のチーム宿舎で、嶌村副本部長は語気を強めた。現状での手応えを問われると「当初から残留前提で交渉させていただいている。残ってもらいたいということです」と、信じて決断を待つ構えを強調した。
年俸4300万円の上本は、年俸ランクC(チーム日本人選手で「11位」以下)とみられ、FA移籍しても人的、金銭補償が発生せず、すでに複数球団が興味を示している。矢野監督は就任会見翌日の10月16日に鳴尾浜を訪れて“残留交渉”。球団も 3年を基本線とする条件提示で引き留めを図るが、行使は避けられないとみられ、上本自身も、虎も「宣言残留」を頭に入れての交渉となりそうだ。
また、補強の面では、オリックス・西勇輝投手(27)が国内FA権の行使を表明すれば、獲得に乗り出す予定。中日やソフトバンクとの争奪戦になるとみられる。この日、西は権利行使を表明しなかった。
阪神岩貞祐太投手=明治神宮野球場 (2018年10月7日撮影)
「2018日米野球」侍ジャパンメンバーの阪神岩貞が今日 5日、代表チームに合流する。この日は鳴尾浜でフリー打撃に登板し、俊介、森越を相手に40球を投げた。
シーズン最終登板となった10月 7日ヤクルト戦以来の実戦形式に「現状、今のボールがどうしようもないので、楽しみというよりは不安です」と苦笑い。それでも「たくさん得るものがあると思う。来季に生かせるように、吸収するんだという気持ちでいきたい」と前を向いた。
「監督」と呼ばせない記事が有るが、日本ハム球団の監督をした大澤啓二氏(本名=大澤昭(おおさわ あきら):2010年10月7日(78歳没))【1976 - 1984, 1993 - 1994監督として所属(1985-1992=球団専務等フロント)】は「親分」と呼ばせていた。実際に、虎ちゃんが最初にお会いした時に「監督」と呼んだところ、「関係者なんだから、他の人と同じように『親分』と呼ぶように」と注意を受けた経験が有った。この事を忘れてはならないだろう。
ガンバレ!阪神!我らのタイガース!勝利を掴め!
2018年CSシリーズ開催日程
2018年 日本シリーズ日程
2018年公式戦順位表
2018年交流戦順位表
2018年 公式戦 日程と結果(10月)