ロンドン五輪第16日(11日)バレーボール女子 3位決定戦。日本は韓国をセットカウント 3- 0(25-22、26-24、25-21)で破り、1984年ロサンゼルス五輪以来となる銅メダルを獲得した。
レスリング男子フリースタイル60キロ級 3位決定戦。北京五輪銅メダリストの湯元健一(27=ALSOK)はコールマン・スコット(米国)に 1- 2で敗れ、 2大会連続銅メダルを逃し 5位に終わり、双子同時銅メダルはならなかった。
男子やり投げ決勝。日本男子として28年ぶりに決勝進出したディーン元気(20=早稲田大學)は、79メートル95で10位に終わった。ウォルコット(トリニダード・トバゴ)が84メートル58で金メダルを獲得した。
陸上競歩男子50キロで、山崎勇喜(28=自衛隊)が、歩形違反で失格。谷井孝行(29=佐川急便)が「集大成」と意気込んだ 3度目の五輪は、ゴールまでたどり着けずに終わった。
男子 400メートルリレー決勝。予選で日本記録まであと 0秒04となる38秒07の全体 4位で通過した日本。決勝では38秒35の 5位に沈み、不完全燃焼に終わった。前回の北京五輪(銅メダル)に続く、メダル獲得はならなかった。
男子ボクシング・ミドル級決勝で、村田諒太(26=東洋大學職員)が、エスキバ・ファルカン(ブラジル)と対戦し、14-13で勝利し、1964年東京五輪の桜井孝雄以来となる48年ぶりの金メダルを獲得した。記事をまとめてみました。
バレーボール女子 3位決定戦が行われ、世界ランク 5位の日本は同15位の韓国と対戦。日本は韓国をセットカウント 3- 0(25-22、26-24、25-21)で破り、1984年ロサンゼルス五輪以来となる銅メダルを獲得した。
第 1セットから攻め続けた日本は、開始早々4連続ポイントと絶好の立ち上がりで奪い波に乗ると、一時韓国に逆転を許しながらも競り合いを制し、韓国エース・金軟景を粘りの守備で抑え25―22と先取、第 2セットは 5連続ポイントと好スタート。先にセットポイントを迎えながら韓国の粘りに24―24と追いつかれてしまったが、そこから 2ポイント連取し、この試合先発に起用された迫田の活躍が光り26―24で連取した。
第 2セット、ポイントを奪い喜ぶ佐野(10)、新鍋(12)、竹下(3)
第 3セットは序盤から点の奪い合いとなり、一進一退。一時リードを許すも、日本は21―20から 3連続ポイントでマッチポイントを握ると、24―22から最後は迫田のスパイクが相手のブロックに当たってアウトとなり、韓国のミスなどに助けられ、25―21と逆転しストレート勝ちを収めついに悲願のメダルを決めた。
韓国をストレートで破って28年ぶりに銅メダルを獲得し、チームメートのもとに駆け寄る(右から)中道、江畑、山口、井上、狩野、真鍋監督
真鍋政義監督はエース・木村沙織の対角に、江畑幸子ではなく迫田さおりを先発起用。木村は11得点に終わったが、迫田は23得点と大爆発し、これが的中した。
真鍋監督は「選手たちが今日は凄い集中力でした。感動しました。震えますね。シビレますね。選手12名凄かったです。(迫田の先発は)当たりましたねぇ~。今までのデータが迫田が一番韓国戦はよかったんで。今日どうかなと思ってたけど、大活躍でした。選手には厳しい練習だったかもわかりませんけど、本当にメダルを取れてよかった。選手とスタッフに感謝です」と喜びを爆発させた。
韓国をストレートで下し銅メダルを獲得し喜ぶ木村沙織ら日本女子選手
迫田は最後にメンバーから外れた石田瑞穂のユニホームを、自分のユニホームの下に着てプレー。「一緒に戦ってました。会場にいなくても13人で戦ってるという思いも込めて、戦ってました」と明かした。
「(先発を告げられ)正直不安だったんですけど、自分の役割を果たしたいと思いましたし。絶対何か日本のチームに貢献したいという気持ちがあったので、とにかく思い切り頑張りたいと思いました。みんなに背中を押してもらったおかげです」とチームメートに感謝した。
レスリング男子フリースタイル60キロ級 3位決定戦。北京五輪銅メダリストの湯元健一は、米国のコールマン・スコットに 1- 2で敗れ、 2大会連続銅メダルを逃し、 5位に終わった。2008年北京五輪に続く 2大会連続の銅メダルはならず、前日に同55キロ級で銅メダルの双子の弟・進一(27=自衛隊)との同一大会でのメダル獲得もならなかった。
第 1ピリオド、慎重な立ち上がりで両者探り合いで、あっという間に 2分が経過ボールピックアップに。延長戦のボールピックアップは赤の湯元が攻撃権を得た。有利な体勢となりバックからひざをつかせ 2分 9秒、湯元が制した。
男子フリー60キロ級 3位決定戦で米国選手スコット(右)に敗れた湯元健一
第 2ピリオド、攻勢をみせた湯元だったが、グラウンドで 2ポイントを先取され失い、チャレンジも失敗し 0- 3で落とした。
勝負の第 3ピリオド、 1分24秒、バックに回るとひざをつかせ 1ポイント。ところが残り30秒で背後を取ったものの残り15秒でタックルを決められるなど、 3ポイントを奪われ 1- 3で逆転負けを喫し敗戦が決まった。
残り25秒からの逆転劇。双子で同一大会メダル獲得という“勲章”は寸前でこぼれ落ちた。
前日(10日)はレスリング男子フリースタイル55キロ級で双子の弟の湯元進一が銅メダルを獲得。双子同一大会銅メダルはならなかった。
試合終了直前に逆転負けしメダルを逃した湯本健一
▽湯元健一の話:(双子の弟の)進一が金メダルを取れず、自分が悔しさを晴らそうと思っていた。銅メダルを取れると思っていたけど、やり切った思いはある。進一と2人で自分のレスリングができたので十分です。
男子やり投げ決勝。日本男子として28年ぶりに決勝進出したディーン元気は、79メートル95で10位に終わり、上位 8人の 4投目に進めずメダル獲得、入賞をともに逃した。ウォルコットが84メートル58で金メダルを獲得した。
日本勢で28年ぶりに進出した決勝は、 3投で終わった。ディーンの 1投目はファウル。 2投目は79メートル95で、暫定 3位に躍り出た。
3投目は75メートルを越えたが、これはファウルに。メダル圏には遠く及ばずこの時点で12人中 8位と、順位を下げた。結局 3投目を終え、10位に順位を下げ、ベスト記録の84メートル28に及ばなかった。
10位に終わったディーン元気
決勝の大舞台は一瞬で終わったが、胸の高鳴りを感じていた。ディーン元気は、79メートル95( 2投目)に終わり、上位 8人による 4投目以降の試技を行うことができなかった。 1投目、 3投目はいずれもファウル。 1回目の試技は、やりが右にそれた。苦笑いのディーンは、舌をペロリ。 3回目の試技も本来の放物線を描けず、自らファウルラインを越えてファウルにした。競技を終えると「本当に楽しかった。世界のトップの仲間入りできた。楽しんで競技できたので悔いはないです」と声をはずませた。
4投目以降、出番はなかったが、近くで世界のトップのバトルを堪能した。それと同時に世界の表彰台に立つ目標へ気持ちを新たにした。
1投目がファウルに終わり、舌を出すディーン元気
日本男子としては28年ぶりのファイナル。父親の母国で、いわば「第 2の故郷」だけに並々ならぬ思いはあった。「悔しいですね。(この経験を)生かさないともったいない。一瞬のうちに終わっちゃったというのはありましたけど。本当に楽しかったです、世界のトップにやっと仲間入りできて。次に来たときは勝負できるように頑張ります。楽しんで競技ができたんで、悔いはないです。来年も世界陸上がありますし、次のオリンピックまで鍛え直して、次はもっと生まれ変わった姿を見せられればと思います」とサバサバした表情で振り返った。初の五輪は、ほろ苦い結果となったが、ほりの深い端正な顔立ちから、キレ長の目は、デッカく輝いていた。
男子50キロ競歩、周回する山崎勇喜=マル発着周回コース
陸上競歩男子50キロ。前回の北京で 7位入賞した山崎勇喜が、歩形違反で失格した。11キロ付近でベントニー(ひざが曲がる反則)を取られ、15キロすぎにロストオブコンタクト(接地不良)で 2枚目の警告。そして18キロ付近で再びロスオブコンタクトを犯し、競技終了となった。無念の山崎は「あっという間でした。この 4年間、一生懸命がんばってきたのに、悔しいです」と視線を落とした。また、谷井孝行は35キロをすぎてからレースを離脱。途中棄権となった。
男子50ロ競歩に出場した谷井孝行(中央)=マル発着周回コース
谷井孝行が、「集大成」と意気込んだ 3度目の五輪は、ゴールまでたどり着けずに終わった。今月に肺気胸が見つかり、体調不良を押してのレースだったが、愛する妻や娘が見守る中、35キロを過ぎて無念の棄権となった。
沿道では妻、美紀さん(29)が長女、美渚ちゃん(1)を抱いて応援。谷井は今回の五輪について「年齢的に最後かもしれないから、やるだけのことはやってくる」と語り、「美渚も連れてきて」と頼んだという。美紀さんは「五輪での姿を見せたかったのだろう」と察した。
一緒に観戦した谷井の父、隆さん(54)は「あんなに苦しそうな表情は初めて」と不安げに話した。2009年の美紀さんとの結婚式の際「必ずロンドンに連れていってくれ」と頼んだそうで、「しっかりかなえてくれた。素晴らしい息子です」と声を震わせた。
男子 400メートルリレー決勝。予選で日本記録まであと 0秒04となる38秒07の全体 4位で通過した日本。決勝では38秒35の 5位に沈み、不完全燃焼に終わった。前回の北京五輪(銅メダル)に続く、メダル獲得はならなかった。
予選と同じ第1走者山県亮太(慶応大學)、第 2走者江里口匡史(大阪ガス)、第 3走者高平慎士(富士通)、第 4走者飯塚翔太(中央大學)の布陣。予選通過後は笑顔も見られたメンバーだったが、決勝を終えて 4人は悔しさをにじませた。
悔しさはリベンジへの思いへと変わった。レース直後、 5位に終わった日本の 4選手は肩を組み、新たな誓いを立てた。「ここ(五輪)に戻ってきて、また(表彰台で9輝けるようにしよう」。メンバーで最年長、27歳の高平の声にほかの 3人も、力強くうなずいた。
第 3走者の高平(中央)から飯塚にリレー(左)
第1走者の山県がロケットスタートで、ジャマイカ(金メダル)米国(銀メダル)に負けじとバトンをつないだ。第3走者の高平からアンカー飯塚にバトンが渡る瞬間は、表彰台(3位)に届くか否かの瀬戸際だった。しかし、飯塚は無念の 6番目でゴール。カナダの失格で、日本は 5位に繰り上がったものの、北京に続く 2大会連続メダルを狙っていただけにメンバーは唇をかんだ。
「走りが固くならないように意識したが結果的には悔しい。タイムも予選よりも出ていない。タイムだけを見れば、予選通りに走っておけばという思いもある。悔しいです」(山県)。結果論だが、日本の予選タイムは38秒07。銅メダルの決勝タイムは、38秒12だった。初の五輪となった23歳の江里口は「バトンのところで丁寧に行き過ぎた。山県の走りを生かせれば…。リレーには思い入れもある。記録を出したかった」と話せば、高平も「 5位というのは目指すところにたどりつけなかった」と悔しさをにじませた。
男子 400メートルリレーで 5位になり、引き揚げる(左から)高平、江里口、山県、飯塚
口をそろえて「悔しい」と話した 4人だったが、最年長の高平からは「レース後すぐに、また 4人でここに戻ってこようと話した」と前向きな言葉も。アンカー・飯塚も「ボルトが横にいたりして緊張した。 100メートル何も覚えていない。ただ、バトンのミスもなかったし、ジャマイカや米国がしっかり結果を出したことで(自分たちの)順位を確認できた。この経験を今後に生かしたい」とすぐに先を見据えていた。
それでも山県が20歳、江里口が23歳、飯塚は21歳とチームは若返った。惜しくも表彰台は逃したが、 4大会連続のファイナル進出。新生日本は、メダルこそなかったものの、大舞台で得た経験と自信を次に生かすつもりだ。
男子ボクシング・ミドル級決勝。昨年の世界選手権銀メダリスト・村田諒太はエスキバ・ファルカンを14-13で破り、ボクシングでは1964年東京五輪の桜井孝雄(バンタム級)以来となる金メダルを獲得した。今大会の日本の金メダルは 6個となった。
まさに死闘だった。村田は、左手をレフリーに持ち上げられた瞬間、ようやく笑顔を見せた。ファルカンとは昨年の世界選手権準決勝で村田が勝利しており再戦。第 1ラウンドは、ボディへのパンチなど積極的に手数を出した村田が 5- 3でリードした。
金メダルを獲得した村田諒太(左)
第 2ラウンドは、村田のボディーブローを警戒するファルカンに左右のフック、ボディーブロー、アッパー、持てるテクニックを駆使して対抗した。スタミナには自信のある村田だが、この日は相手のパンチをちょっぴりもらいすぎた。村田は残り45秒で鼻血を出すなど打ち込まれる場面もあった。それでも最後は気力で乗り切った 4- 5で 1ポイントリード。合計 9- 8の僅差で第 3ラウンドに突入した。
ファルカンを破って金メダルを獲得し喜ぶ村田諒太
第 3ラウンド44秒、ファルカンはフォールディングの反則で 1点の減点。疲れが見える村田は、足が止まり打ち込まれる場面もあったが、残り 2分16秒。相手もフラフラで、ホールドの反則から村田に 2点が入った。最後は右ストレートがヒットし、勝利を確信しガッツポーズで試合終了。最終ラウンドは 5- 5のイーブン。結果的に減点のポイントが大きく、14-13の僅差の 1点差勝利で村田が偉業を達成した。48年ぶりとなる金メダルの快挙に会場では日の丸の旗が、村田の活躍を祝うように大きくうねった。
バレーボール女子 3位決定戦で、火の鳥日本がロサンゼルス五輪以来となる銅メダルを獲得したし、男子ボクシング・ミドル級決勝で、村田諒太が48年ぶりの金メダルを獲得した。という嬉しい結果が有った反面、レスリングの湯元健一がスコットに敗れ 5位に終わったし、男子やり投げ決勝ではディーン元気がファール連発で10位に終わった。という日本に取っては悲しい結果も届いている。
一番悲しい結果は、競歩の 2選手だろう。山崎勇喜は「自分では納得できない。どこで、どうしてこうなったのか反省してみます」と言っていたし、谷井孝行は30度を超える温度に対して、肺気胸の身体が自由を奪い競歩ができなくなってしまった。
自分(達)の力を出し切れた者、出せなかった者、それぞれの結果が今の自分(達)の力だと考えて次に進んで行って欲しい。
ガンバレ!日本!
ロンドン五輪競技日程表
「公益財団法人日本オリンピック委員会」のサイトは、次のURLになります。
http://www.joc.or.jp/games/olympic/london/
こちらでは、会場マップ.実施競技・種目比較.日本の大会参加状況等ロンドン五輪情報関係がご覧頂けます。
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日本女子バレー28年ぶり銅メダル獲得!湯元健一は 5位、双子同時銅メダルならず…
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