●異例のオファーがさっそく実現した。矢野燿大監督(50)が31日、マツダスタジアムで行われる広島戦の練習前に、 3塁ベンチ内で報道陣へ粋なプレゼントを贈った。指揮官自ら一人一人に手渡して配ったのは、なんと豚まんのＣＭで関西圏ではおなじみの、中華料理飲食＆販売会社｢蓬莱｣の豚まんプレゼントチケットだった。試合の方は、序盤は両先発の投げ合いの滑り出し。 3回まで広島床田寛樹投手(24)は完全投球。阪神西勇輝投手(28＝オリックス)は 2安打無失点。広島は 1回一死 1、 3塁を生かせず。広島は 5回に菊池涼介内野手(29)の中前適時打で先制した。阪神は広島の先発床田に対して 6回まで 4安打で 2塁を踏んだのは 1度だけ。阪神は 9回、広島の守護神中崎翔太投手(26)を攻め、二死 1、 3塁から｢６番｣梅野隆太郎捕手(27)が左前適時打。 1－ 1の同点に追いつき、延長に突入した。阪神は 9回、梅野が同点打。延長11回、広島は野間峻祥外野手(26)の右越え安打でサヨナラ勝ち。｢４連勝｣で月間勝ち星を｢２０｣に伸ばした。阪神能見篤史投手(40)が｢１敗｣目。執念は実らなかった。延長戦に持ち込んだが、11回に力尽きた。二死 1、 2塁。能見篤史投手が投じた外角に逃げるスライダーを野間にすくわれる。前進守備の右翼糸井嘉男外野手(37)の頭上を越えていく…。白球は外野を転々。健闘むなしくサヨナラ負け。試合直後の矢野監督は吹っ切れた表情だった。序盤からハンディキャップを背負っていた。 2回裏守備を終えた福留孝介外野手(42)のもとへ矢野監督らが心配そうに歩み寄るシーンがあった。福留は 3回裏守備から途中交代し、試合中にマツダスタジアムを離れた。トレーナーに付き添われ、足を引きずる様子やアイシングなどをしている様子もなかった。右ふくらはぎの張りを訴えて、広島市内の病院で診察を受けた。矢野監督が説明すれば、清水雅治ヘッドコーチ(54)も言いよどんだ。首脳陣も診断を受け、 6月 1日のプレー可否を検討することになりそうだ。この日、マツダスタジアムの外野芝は砂がまかれ、普段の足場ではなかったという。ゴロで砂しぶきが上がるなどクッション性の違和感が負傷につながったのか。守備中のアクシデントとみられる。福留は今季、｢打率２割５分、４本塁打｣で勝負強さが光る。球界最年長のベテランが離脱すればダメージは大きい。｢３連勝｣で止まり、広島戦｢５連敗｣となった敗戦以上に不安材料が噴出した。
●福留に異変！ 福留孝介外野手が右ふくらはぎの張りで、 3回守備から途中交代し、トレーナーに付き添われて広島市内の病院へ向かうアクシデントに見舞われた。連勝が｢３｣でストップし、今季初の延長＆サヨナラ負け。首位・広島には｢５連敗｣で｢４ゲーム｣差。奪首を狙う猛虎に暗雲が漂った。最も頼れるはずの男を欠いて、なんとかたどり着いた延長戦だった。延長11回。前進守備だった外野の頭上を破った白球は、砂のしぶきを上げて緑の芝生を跳ねた。今季初のサヨナラ負けで、同じく今季初の延長戦黒星。頼みの福留が負傷交代しては、矢野監督も表情を曇らせざるを得なかった。福留は移動ゲームだったこの日も｢５番・左翼｣で先発。 2回の第 1打席では 3邪飛に倒れたが、その裏の守備にも就いた。だが 3回の攻撃が始まると、トレーナーに伴われてベンチ裏へ下がった。 3回裏の守備から、左翼には中谷が入った。交流戦直前の大事な大事な 3連戦。｢３連勝｣で広島に乗り込み、真っ向からぶつかるはずだったが…。福留は午後 7時ごろ、タクシーで球場を離れた。 3連戦初戦の序盤から、チームは精神的支柱を欠くこととなってしまった。マツダスタジアムの内外野の芝には、 2日前に砂がまかれたばかりで、指揮官も影響の可能性を示唆した。頼もしいベテランに今回も“福留なら－”と期待してしまう。だが、無理すれば重症化する部分でもある。 5月は｢１５勝９敗１分け｣で終え、今季は福留を先発から欠いた 5試合も｢３勝２敗｣と奮闘。｢３連勝｣でストップし、首位・広島に｢５連敗｣。｢４ゲーム｣差とされたが、この危機を乗り越えて絶対に鯉に食らいつく。
●上本博紀内野手(32)が 1点を追う 9回に同点の口火を切る左安打を放った。先頭で打席に立ち、 4球目 146キロ直球を捉えると打球は 3遊間を抜け、チャンスメークに成功した。だが延長での敗戦、次戦にもつながる勝利への執念を見せた。
●お見事、曲芸打ち！ 高山俊外野手(26)が 1点を追う 9回一死 1塁から代打で登場し、高めのボール球をとらえて右前打。続く梅野隆太郎捕手(27)の同点打をアシストした。首位・広島相手に延長11回にサヨナラ負けを喫したが、2016年の｢新人王｣が輝きを取り戻しつつある。見逃せばボールという高めの球に、執念で食らいついた。粘って粘って、最後は高山が体をクルリと回転させながら白球を外野のフェアゾーンに弾ませた。さすがの“曲芸打ち”でチャンスメークし、完封負け直前の同点劇をアシストした。悔しい敗戦にも前を向いた。 0－ 1の 9回。先頭の上本が左前打を放ち、その後二死 1塁で代打に背番号｢９｣がコールされた。守護神・中崎に対してカウント 1－ 2から 2球ファウルで粘り、 7球目の高め 143キロ直球を強引にとらえ、右前打を刻んだ。 2年目から出場機会を減らして反骨の炎を燃やしてきた日々は無駄ではないはずだ。持ち前の打撃力は、矢野虎の勝負どころで欠かせない武器になりつつある。清水ヘッドコーチも声を弾ませ、この日右ふくらはぎの張りで途中交代した福留が不在の場合には、代役スタメンも｢十分ある｣と期待を込めた。 6月 1日の広島先発が左腕・ジョンソンのためベンチスタートの可能性もあるが、万全の準備を整えるだけだ。牙を研ぎ、次こそ勝利に導く一打を放つ。
●鳥谷敬内野手(37)が11打席ぶりの安打を記録した。同点の10回、一死から代打で登場。カウント 2－ 0から｢４番手｣一岡竜司投手(28)の甘く入った直球を引っ張り、右翼線への 2塁打とした。代打での出場が続く中、 5日ＤｅＮＡ戦(甲子園)で放った 2塁打以来の安打。前を向いた。
●西勇輝投手が31日の広島戦(マツダ)に先発し、 7回 6安打 1失点の力投。先発の役割を果たしたが、今季｢４勝｣目をつかみ取ることはできなかった。走者をたびたび得点圏に背負いながらも、要所を締める投球で試合をつくった。
●ピアース・ジョンソン投手(28)は与えられた10回の仕事場を無失点でこなした。 先頭の野間峻祥外野手(26)に内野安打を許し、二死 2塁で鈴木誠也外野手(24)は申告敬遠で西川龍馬外野手(24)と勝負。三振に仕留めてバトンをつないだ。登板6試合連続ホールドも結果はサヨナラ負け。それでもしぶとく食らいついたチームを悲観しなかった。また、野間へカウント 2－ 2からやや短いセットから投じた 5球目はファウルとなったが、反則投球でボールに。球審へ聞きに行った矢野監督は説明した。
記事をまとめてみました。
＜広島 2ｘ－ 1阪神＝延長11回＞◇第10回戦◇阪神 4勝 6敗 0分◇31日◇Mazda Zoom-Zoom スタジアム広島(通称：｢マツダスタジアム｣)
異例のオファーがさっそく実現した。矢野燿大監督が31日、マツダスタジアムで行われる広島戦の練習前に、 3塁ベンチ内で報道陣へ粋なプレゼントを贈った。
指揮官自ら一人一人に手渡して配ったのは、なんと豚まんのＣＭで関西圏ではおなじみの、中華料理飲食＆販売会社｢蓬莱｣の豚まんプレゼントチケットだった。
29日に高山が劇的な代打サヨナラ満塁本塁打を放って勝利した後、矢野監督は｢５５１の蓬莱やぞ。あるとき、ないときばっかりやって。もう５５１の社長から差し入れお願いします！｣と興奮気味に話し、同社広報担当者は｢ありがたいこと。お礼の気持ちを伝えたいと思っています｣と対応の検討を始めていた。
｢５５１蓬莱｣の豚まんのチケットを報道陣に配る矢野燿大監督＝Mazda Zoom-Zoom スタジアム広島
序盤は両先発の投げ合いの滑り出し。 3回まで広島床田は完全投球。阪神西は 2安打無失点。広島は 1回一死 1、 3塁を生かせず。
広島は 5回に菊池涼の中前適時打で先制した。阪神は広島の先発床田に対して 6回まで 4安打で 2塁を踏んだのは 1度だけ。
｢月間２０勝｣達成した広島の 5月カレンダー
阪神は 9回、広島の守護神中崎を攻め、二死 1、 3塁から｢６番｣梅野が左前適時打。 1－ 1の同点に追いつき、延長に突入した。
阪神は 9回、梅野が同点打。延長11回、広島は野間の右越え安打でサヨナラ勝ち。｢４連勝｣で月間勝ち星を｢２０｣に伸ばした。
阪神能見が｢１敗｣目。
11回裏広島二死 1、 2塁、野間峻祥外野手は右翼線にサヨナラ適時打を放った＝Mazda Zoom-Zoom スタジアム広島
執念は実らなかった。延長戦に持ち込んだが、11回に力尽きた。二死 1、 2塁。能見篤史投手が投じた外角に逃げるスライダーを野間にすくわれる。前進守備の右翼糸井の頭上を越えていく…。白球は外野を転々。健闘むなしくサヨナラ負け。試合直後の矢野監督は吹っ切れた表情だった。
｢いい試合をしたよね。最後はこういう結果になったけど。やるべきことをみんな、しっかり出してくれたし、まあ、これをどう生かすかということになる｣
今季 6度目の延長戦で初めて敗れ、能見も｢甘かったね。ゾーンが高くなってしまった｣と悔やんだ。だが、劣勢濃厚の展開をはね返し、首位広島に食い下がった。 1点を追う 9回二死 1塁。代打高山が 3度ファウルで粘った末に右前打で出塁。 1、 3塁に好機を拡大すると、梅野が中崎のツーシームを左前へ。起死回生の同点適時打を放った。
11回裏広島二死 1、 2塁、野間峻祥外野手に｢サヨナラ２塁打｣を浴び悔しそうな表情でベンチに引き揚げる能見篤史投手＝Mazda Zoom-Zoom スタジアム広島
梅野：好投の西さんを敗戦投手にするわけにはいかないという気持ちで打ちにいきました。
序盤からハンディキャップを背負っていた。 2回裏守備を終えた福留のもとへ矢野監督らが心配そうに歩み寄るシーンがあった。福留は 3回裏守備から途中交代し、試合中にマツダスタジアムを離れた。トレーナーに付き添われ、足を引きずる様子やアイシングなどをしている様子もなかった。右ふくらはぎの張りを訴えて、広島市内の病院で診察を受けた。矢野監督が｢ちょっと、そのまま出られるような感じではなかったので、代えた｣と説明すれば、清水ヘッドコーチも｢詳しいことは、また明日。確認してからでないと話せない｣と言いよどんだ。首脳陣も診断を受け、 6月 1日のプレー可否を検討することになりそうだ。
2回の守備を終えたあとにベンチ奥へと移動する福留孝介外野手＝Mazda Zoom-Zoom スタジアム広島
この日、マツダスタジアムの外野芝は砂がまかれ、普段の足場ではなかったという。ゴロで砂しぶきが上がるなどクッション性の違和感が負傷につながったのか。守備中のアクシデントとみられる。福留は今季、｢打率２割５分、４本塁打｣で勝負強さが光る。球界最年長のベテランが離脱すればダメージは大きい。｢３連勝｣で止まり、広島戦｢５連敗｣となった敗戦以上に不安材料が噴出した。
ベンチで試合を見つめる矢野燿大監督＝Mazda Zoom-Zoom スタジアム広島
阪神は31日、広島戦(マツダ)に 1－ 2でサヨナラ負けした。 1－ 1の延長11回二死 1、 2塁で、｢６番手｣の能見が野間に右中間を破られた。
それでも試合後、矢野監督は｢いい試合したよね、うん。最後は、こういう結果になったけど。まあ、やるべきことというかな、みんな、そういうものをしっかり出してくれたし、まあ、これをどう生かすかということになってくると思う｣とうなずいた。
言葉通り、粘りは見せた。先発の西が 7回 1失点と好投。広島先発の床田の前に沈黙していた打線も、 0－ 1の 9回二死 1塁から、代打・高山が守護神の中崎から右前打。 1、 3塁から梅野が左前に同点打を放った。
2回、三邪飛に倒れ、ベンチに引き揚げる福留孝介外野手＝Mazda Zoom-Zoom スタジアム広島
福留に異変！ 福留孝介外野手が右ふくらはぎの張りで、 3回守備から途中交代し、トレーナーに付き添われて広島市内の病院へ向かうアクシデントに見舞われた。連勝が｢３｣でストップし、今季初の延長＆サヨナラ負け。首位・広島には｢５連敗｣で｢４ゲーム｣差。奪首を狙う猛虎に暗雲が漂った。
最も頼れるはずの男を欠いて、なんとかたどり着いた延長戦だった。延長11回。前進守備だった外野の頭上を破った白球は、砂のしぶきを上げて緑の芝生を跳ねた。今季初のサヨナラ負けで、同じく今季初の延長戦黒星。頼みの福留が負傷交代しては、矢野監督も表情を曇らせざるを得なかった。
｢まあまあ、ちょっとね、まだはっきり何か言えるということはないんだけど。まあちょっと、そのまま出られるような感じではなかったんで、代えたけど｣
福留は移動ゲームだったこの日も｢５番・左翼｣で先発。 2回の第 1打席では 3邪飛に倒れたが、その裏の守備にも就いた。だが 3回の攻撃が始まると、トレーナーに伴われてベンチ裏へ下がった。 3回裏の守備から、左翼には中谷が入った。交流戦直前の大事な大事な 3連戦。｢３連勝｣で広島に乗り込み、真っ向からぶつかるはずだったが…。福留は午後 7時ごろ、タクシーで球場を離れた。 3連戦初戦の序盤から、チームは精神的支柱を欠くこととなってしまった。
まだ 0－ 1だった試合終盤に、球団広報は福留に関する発表。｢右ふくらはぎにちょっと張りを感じ、 大事を取って交代しております。広島市内の病院へ行っておりますが結果は出ておりません。詳細はあす( 1日)発表させていただきます｣。ただマツダスタジアムの内外野の芝には、 2日前に砂がまかれたばかりで、指揮官も｢そんなんあるみたいやね｣と影響の可能性を示唆した。
延長11回に能見篤史投手(左)が打たれ、今季初めて延長戦負け。広島に｢５連敗｣だ＝Mazda Zoom-Zoom スタジアム広島
福留がこの楽観視できない状況に追い込まれたが、 1点を追う 9回二死から同点に追いついた。だから、今季 6戦目だった延長で初黒星(３勝１敗２分け)を喫しても、能見が打たれて今季初のサヨナラ負けを喫しても、矢野監督も全員をねぎらって前を向いた。
｢いい試合したよね。最後はね、こういう結果になったけど。まあ、やるべきことというかな、みんな、そういうものをしっかり出してくれた｣
頼もしいベテランに今回も“福留なら－”と期待してしまう。だが、無理すれば重症化する部分でもある。 5月は｢１５勝９敗１分け｣で終え、今季は福留を先発から欠いた 5試合も｢３勝２敗｣と奮闘。｢３連勝｣でストップし、首位・広島に｢５連敗｣。｢４ゲーム｣差とされたが、この危機を乗り越えて絶対に鯉に食らいつく。
★ 2日前に砂まき
球場関係者によると、マツダスタジアムは 5月下旬に夏芝と冬芝の入れ替え作業をしている。内外野含めた球場全体の芝生に、川砂や海砂を 2日前にまいていたという。矢野監督は福留のアクシデントへの影響の可能性も示唆したが、まいた砂は厚さ 0.5ミリも満たず、選手の足への負担やプレー面で｢問題はない｣(同関係者)という。
ベンチの矢野燿大監督＝Mazda Zoom-Zoom スタジアム広島
★福留の阪神移籍後の故障
◆2013年 5月 3日のヤクルト戦(甲子園)の第 1打席で中前適時打を放った際、左ひざを痛めた。 8日、出場選手登録を抹消された。 8月28日の巨人戦(東京ドーム)でも安打を放った際に、左ふくらはぎを痛めて途中交代し、その影響で 9月 1日に再び抹消された
◆14年 3月30日の巨人戦(東京ドーム)で 2回の守備中に西岡と交錯し、 4回の守備から途中交代。胸部打撲と診断されるも離脱せず
◆15年 8月11日の中日戦(京セラ)の第４打席で見逃し三振に倒れたが、初球のスライダーを空振りした際、右手薬指付近を痛めたが、痛みに耐えて出場を続けた
◆18年 9月11日の中日戦(甲子園)での遊撃内野安打の際に右太ももを痛めたが、離脱せず10日間ほどスタメンを外れた
◇データＢＯＸ ◎…広島戦 5連敗は、2018年 5月11日(マツダ)から 7月24日(甲子園)で｢６連敗｣して以来。 ◎…延長戦は今季 6試合目で初黒星。今季｢３勝１敗２分け｣。 ◎…福留が今季スタメンを外れたのは 5試合で、チームは｢３勝２敗｣。いずれも積極的休養で、唯一負けた 5月 6日のヤクルト戦(神宮)では 9回に代打で出場し、見逃し三振。 ◎…昨季、福留が欠場したのは20試合で、チームは｢９勝１１敗｣。
9回表阪神無死、上本博紀内野手は左前安打を放った＝Mazda Zoom-Zoom スタジアム広島
上本博紀内野手が 1点を追う 9回に同点の口火を切る左安打を放った。
先頭で打席に立ち、 4球目 146キロ直球を捉えると打球は 3遊間を抜け、チャンスメークに成功した。だが延長での敗戦、試合後は｢負けたので…｣と声をしぼり出すしかなかった。｢切り替えるというよりも、いつも通り頑張ります｣。次戦にもつながる勝利への執念を見せた。
高山俊外野手と話す矢野燿大監督＝Mazda Zoom-Zoom スタジアム広島
お見事、曲芸打ち！ 高山俊外野手が 1点を追う 9回一死 1塁から代打で登場し、高めのボール球をとらえて右前打。続く梅野隆太郎捕手の同点打をアシストした。首位・広島相手に延長11回にサヨナラ負けを喫したが、2016年の｢新人王｣が輝きを取り戻しつつある。
見逃せばボールという高めの球に、執念で食らいついた。粘って粘って、最後は高山が体をクルリと回転させながら白球を外野のフェアゾーンに弾ませた。さすがの“曲芸打ち”でチャンスメークし、完封負け直前の同点劇をアシストした。
｢出場のチャンスが増えるように？ うん、そうですね｣
悔しい敗戦にも前を向いた。 0－ 1の 9回。先頭の上本が左前打を放ち、その後二死 1塁で代打に背番号｢９｣がコールされた。守護神・中崎に対してカウント 1－ 2から 2球ファウルで粘り、 7球目の高め 143キロ直球を強引にとらえ、右前打を刻んだ。
9回、高めのボール球をとらえた高山俊外野手。曲芸のような打ち方で同点機を演出だ＝Mazda Zoom-Zoom スタジアム広島
この一打で 1、 3塁とし、梅野の左前適時打につなげた。少ないチャンスで仕事を果たした。｢打率０．２３１｣ながら、29日の巨人戦では延長12回に球団史上初となるＧ戦｢代打サヨナラ満塁本塁打｣を放って輝きを放った。ルーキーイヤーの2016年には球団新人記録となる 136安打と打ちまくり、｢新人王｣も獲得。この日みせたのは、当時を彷彿させる巧みなバットコントロールだった。
2年目から出場機会を減らして｢２年間悔しい思いをした｣と反骨の炎を燃やしてきた日々は無駄ではないはずだ。持ち前の打撃力は、矢野虎の勝負どころで欠かせない武器になりつつある。 清水ヘッドコーチも｢よう打ったよなあ。打席が少ないなかで結果を残してくれた。勝ちにつながればもっとうれしかった｣と声を弾ませ、この日右ふくらはぎの張りで途中交代した福留が不在の場合には、代役スタメンも｢十分ある｣と期待を込めた。
6月 1日の広島先発が左腕・ジョンソンのためベンチスタートの可能性もあるが、万全の準備を整えるだけだ。牙を研ぎ、次こそ勝利に導く一打を放つ。
10回表阪神一死、鳥谷敬内野手は右翼線 2塁打を放った＝Mazda Zoom-Zoom スタジアム広島
鳥谷敬内野手が11打席ぶりの安打を記録した。同点の10回、一死から代打で登場。カウント 2－ 0から｢４番手｣一岡の甘く入った直球を引っ張り、右翼線への 2塁打とした。
代打での出場が続く中、 5日ＤｅＮＡ戦(甲子園)で放った 2塁打以来の安打。｢次も打てるように頑張るしかない｣と前を向いた。
阪神先発の西勇輝投手＝Mazda Zoom-Zoom スタジアム広島
西勇輝投手が31日の広島戦(マツダ)に先発し、 7回 6安打 1失点の力投。先発の役割を果たしたが、今季｢４勝｣目をつかみ取ることはできなかった。
5回二死 2塁から菊池に中前適時打を浴びて 1点を失ったが、失点はそれだけ。走者をたびたび得点圏に背負いながらも、要所を締める投球で試合をつくった。
阪神 5番手のピアース・ジョンソン投手＝Mazda Zoom-Zoom スタジアム広島
ジョンソンは与えられた10回の仕事場を無失点でこなした。 先頭の野間に内野安打を許し、二死 2塁で鈴木は申告敬遠で西川と勝負。｢しびれる展開だった｣というが、三振に仕留めてバトンをつないだ。登板6試合連続ホールドも結果はサヨナラ負け。それでも｢ああいう展開が起こりえるのが野球｣としぶとく食らいついたチームを悲観しなかった。また、野間へカウント 2－ 2からやや短いセットから投じた 5球目はファウルとなったが、反則投球でボールに。球審へ聞きに行った矢野監督は｢反則投球ということみたいで。ボールカウントも 1個増えるということで｣と説明した。
※ 6月 1日の予告先発は、広島・クリス・ジョンソン投手(34)ー阪神・岩田稔投手(35)です。
｢マイナビオールスターゲーム２０１９｣につきましては、日本野球機構(ＮＰＢ)オフィシャルサイト/マイナビオールスターゲーム２０１９を参照して下さい。
昨年の屈辱を跳ね返して、全員野球でファン皆が待ち望む｢二文字｣に向かって、全員で力を合わせて進め！
ガンバレ！阪神！我らのタイガース！勝利を掴め！
2018年の悔しい結果を打ち破るため、選手・監督・コーチ・スタッフ・フロント、そしてファンの皆さんも全員が、どんな状況でも｢オレがやってやる｣｢オレが決めてやる｣という強い闘志をもって 1年間戦っていこう。という思いをスローガンとして表現しています。
※このスローガン・デザインは2019年のシーズンロゴとしても展開してまいります。
2019年 公式戦 順位表
2019年 公式戦 日程と結果(05月)
2019年 公式戦 日程と結果(06月)
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