●「マイナビオールスター2019」は、13日に甲子園で第 2戦が開催。セ、パ両リーグ最多の票を集め、 2年連続 2度目の出場となる西武・山川穂高内野手(27)が全パの「4番」に座った。全パの先発投手は今季「6勝」のオリックス・山岡泰輔投手(23)。全セは「4番」にDeNA・筒香嘉智外野手(27)を据え、今季「8勝」を挙げている巨人・菅野智之投手(29)が先発のマウンドに立った。 1回、阪神・近本光司外野手(24=大阪ガス)が先頭打者で打席に入ると、 2球目の直球をとらえ、左翼へ本塁打を放った。第 1戦は全パが勝ち、2017年から「5連勝」を飾った。全セは勝てば「3年ぶりの勝利」となる。
●ホームラン競争の準々決勝・第 1試合はDeNA筒香嘉智外野手と西武山川穂高内野手が対戦。同僚の神里和毅投手(25)が打撃投手を務めた先行筒香は「6本塁打」をマーク。後攻山川も「6本塁打」で譲らず。 1分間の延長戦を行い、筒香が「5本塁打」で「2本塁打」の山川を退け、準決勝進出を決めた。第 2試合は広島鈴木誠也外野手(24)と西武森友哉捕手(23)が対戦。先行鈴木は「4本塁打」。後攻森は「3本塁打」にとどまり敗退した。準決勝は先行筒香は「4本塁打」。後攻鈴木が「5本塁打」で決勝に進出。決勝は先行オリックス吉田正尚外野手(25)は「3本塁打」。後攻鈴木は「4本塁打」の最後をバックスクリーン弾で締めくくり、優勝を決めた。鈴木は賞金 100万円を獲得した。
●阪神原口文仁捕手(27)が試合をまたいで 2打席連続本塁打を放った。「7番DH」で先発出場し、 2回の第 1打席。「全パ2番手」の西武高橋光成投手(22)の 146キロ直球をフルスイング。打球は雨中を舞い上がり、左翼スタンドに着弾した。12日の第 1戦では 9回二死から「劇的な2ラン」を放っていた。本拠地甲子園でまたもや劇的な球宴弾。球宴での 2打席連発は11年西武中村剛也内野手(35)以来 8年ぶり、阪神では03年金本知憲元外野手(51=元阪神監督=現野球解説者・野球評論家、指導者)以来16年ぶり。ベンチ前では豪華な味方ナインに出迎えられ、笑みがこぼれた。最後に帽子を取り、球場全体に一礼で感謝を伝えた。最後の出場選手をファンが決めるプラスワンでたどり着いた舞台。原口もファンと同じく、他球団の一流選手のプレーを楽しみにしていた。注目選手にパ・リーグのホームランキングを独走する同学年の西武山川を挙げ目を輝かせていた。自身は第 1戦で本塁打を放った山川を上回る「2戦2本」でファンに勇気を与えた。夢のような 2日間を振り返り第 1戦の「敢闘選手賞」 100万円に続き、「マイナビ賞」と「ツイッター賞」各 100万円も受賞して計 300万円。賞金は 3倍になったが、最後は優しいパパを見せていた。
●全セの阪神梅野隆太郎捕手(28)が「猛虎3本塁打」を締めくくるアーチを放った。 3点リードの 2回走者なし。西武高橋の初球 138キロをフルスイングし、左翼席に突き刺した。 1回近本、 2回先頭の原口に続き、「阪神ナイン3本目」のソロアーチ。地元甲子園のファンを沸かせた。
●全セのDeNA筒香嘉智外野手が「4年連続」となる球宴アーチを放った。西武高橋光の甘く入った 143キロをハードコンタクト。最も深い左中間スタンドまで届かせた。セ・リーグの「4番」として存在感を示した。「セ界の大砲」がレジェンドに王手をかけた。「4番」に入ったDeNA筒香嘉智外野手が、「オールスター4年連続弾」をマークした。 2回に西武高橋光から左中間最深部へ運び、自身「球宴通算5号」。81~85年の山本浩二元外野手(72=元広島監督・現日本プロ野球名球会理事長。野球解説者。タレント)、97~01年の松井秀喜元外野手(45=ニューヨーク・ヤンキースGM特別アドバイザー)の「5年連続弾」の最多記録を射程に捉えた。球宴出場 5年連続 5度目の常連が、時代をまたいで豪快な 1発を披露した。「4番打者」の血がうずいた。筒香が甲子園の雨を切り裂いた。 2回一死 1、 3塁。西武高橋光のど真ん中直球を一振りで捉えた。右足を少しだけ上げてタイミングをとると、バットの軌道にボールを乗せた。バックスピンを効かせた一撃にお手本通りの 1発を 4年連続でスタンドに放り込んだ。「野球人気&野球人口拡大」の指標にもなる。ルールを完全に理解しているかも微妙な姉の目の前で、一番分かりやすい本塁打で醍醐味(だいごみ)を示した。球界を代表する選手が集結する舞台での存在感は、年々増している。当たり前のように「4番」に座り、当たり前のように本塁打を打つ。試合前のホームラン競争は準決勝で敗退し“2連覇”は逃したが、打球の迫力はスラッガーそのもの。
●阪神近本の偉業を全パの北海道日本ハム西川遥輝外野手(27)がアシストしていた。 7回の守備に向かう前は甲子園の大声援に思わず、左翼の秋山翔吾外野手(31)にも前進守備を指示。見事に秋山の頭上を抜かれた。ソフトバンク高橋礼投手(23)が、阪神近本の「サイクル安打」達成となる 3塁打を許した。降りしきる雨の中 6回から登板。 7回二死 1塁から近本に 3塁打を打たれた。悔しさを隠し、大記録をたたえた。同じ千葉出身の巨人丸佳浩外野手(30)とは 6回無死 1塁で対戦。交流戦では 2安打を許していたが、シンカーで 2ゴロ併殺に打ち取った。ぬかるんだマウンドにてこずり、普段 140キロ台の直球は最速 135キロ。 2回 4安打 1失点、24球の球宴デビューを振り返った。近本の、近本による、近本のための球宴だった! 阪神の「ドラフト1位」近本光司外野手が、甲子園で開催された「マイナビオールスター2019」第 2戦で、新人ではともに史上初となる「初回先頭打者本塁打」と「サイクル安打」を達成した。令和初の球宴で 1試合 5安打など記録ずくめのプレーで「MVP」に選ばれ、賞金 300万円を獲得。20安打、11得点で大勝した全セは 3年ぶりの白星で連敗を「5」で止めた。先制弾を含む 5打数 5安打で、文句なしの「MVP」に選出された。球史に名を刻んだ夜。雨は降っても心は晴れやか。ぬれた甲子園の水たまりには、野球ファンの笑顔が映った。
●全パはソフトバンク甲斐拓也捕手(26)が球宴初「甲斐キャノン」を発動させた。 4回一死 1塁、打者原口の 3球目に代走神里が 2盗を試みたが、 2塁ベース上へストライク送球で刺した。納得の表情だった。昨年は 1盗塁を許しただけだったが、今年は刺した。全体金色の球宴用プロテクターを装着しフル出場した。
● 2軍降格したランディ・メッセンジャー投手(37)が、阪神鳴尾浜球場での練習に合流した。別メニューで、球団によれば施設内で約 1時間トレーニングをしたという。後半戦での巻き返しに向けてメッセンジャーは、 2軍で本来の姿を取り戻すことを誓った。
● 2軍調整中の阪神藤浪晋太郎投手(25)が、先発予定の15日ウエスタン・リーグ広島戦(岡山県倉敷スポーツ公園野球場=倉敷マスカットスタジアム)で 1軍復帰へ出直しアピールをする。今季 2軍戦で 6試合に投げ「通算防御率2.10」ながら、前回 6日の 2軍交流戦のヤクルト戦は、直球がバラついて死球を与えるなど、6回 3安打6四死球で 3失点。安定感を欠き、今回は“追試”の色合いがある。登板を 2日後に控えた藤浪は、鳴尾浜での2軍練習に参加。この日はブルペン入りして感触を確かめ手応えをつかんだ様子。平田勝男 2軍監督(59)も右腕の快投を期待した。矢野燿大監督(50)は後半戦の先発ローテーション候補に藤浪を挙げている。首位巨人を追うキーマンの 1人として描いている。今季 7度目の 2軍戦登板に向けて背番号「19」は猛アピールするつもりだ。
記事をまとめてみました。
マイナビオールスター2019<全セ11- 3全パ>◇第2戦◇全セ 1勝 1敗◇13日◇阪神甲子園球場
「マイナビオールスター2019」は、13日に甲子園で第 2戦が開催。セ、パ両リーグ最多の票を集め、 2年連続 2度目の出場となる西武・山川が全パの「4番」に座った。全パの先発投手は今季「6勝」のオリックス・山岡。全セは「4番」にDeNA・筒香を据え、今季「8勝」を挙げている巨人・菅野が先発のマウンドに立った。
選手紹介でタッチを交わす巨人岡本和真内野手(左)、広島大瀬良大地投手=阪神甲子園球場
1回、阪神・近本が先頭打者で打席に入ると、 2球目の直球をとらえ、左翼へ本塁打を放った。
全セは巨人の菅野智之投手、全パはオリックスの山岡泰輔投手が先発。第 1戦は全パが勝ち、2017年から「5連勝」を飾った。全セは勝てば「3年ぶりの勝利」となる。
ホームランダービーで豪快に打球を飛ばす広島鈴木誠也外野手=阪神甲子園球場
ホームラン競争の準々決勝・第 1試合はDeNA筒香嘉智外野手と西武山川穂高内野手が対戦。同僚の神里が打撃投手を務めた先行筒香は「6本塁打」をマーク。後攻山川も「6本塁打」で譲らず。 1分間の延長戦を行い、筒香が「5本塁打」で「2本塁打」の山川を退け、準決勝進出を決めた。
第 2試合は広島鈴木誠也外野手と西武森友哉捕手が対戦。先行鈴木は「4本塁打」。後攻森は「3本塁打」にとどまり敗退した。
決勝で吉田正尚外野手に勝利しホームランキングに輝いた鈴木誠也外野手=阪神甲子園球場
準決勝は先行筒香は「4本塁打」。後攻鈴木が「5本塁打」で決勝に進出。
決勝は先行オリックス吉田正は「3本塁打」。後攻鈴木は「4本塁打」の最後をバックスクリーン弾で締めくくり、優勝を決めた。
鈴木は賞金 100万円を獲得し「まさか、優勝できるとは思っていなかったので、すごくうれしいです」と話した。
2回裏全セ無死、原口文仁捕手は「左越え本塁打」を放った=阪神甲子園球場
全セが5本塁打を放つ猛攻で全パに11-3で大勝した。 3年ぶりの白星で連敗を「5」で止め、通算成績を「79勝35敗11分け」とした。
全セは 1回、新人の近本光司外野手(阪神)の先頭打者本塁打などで 2点を先制。 2回には原口、梅野の阪神勢による 2者連続ソロと筒香(DeNA)の「3ラン」などで一挙 6点を奪った。
2回裏全セ無死、阪神梅野隆太郎捕手は「左越え本塁打」を放ち広島会沢翼捕手(右)から祝福される=阪神甲子園球場
オールスターゲーム第 2戦の表彰選手は次の通り。
▽最優秀選手賞 近本光司外野手(阪神)
▽敢闘選手賞 筒香嘉智外野手(DeNA)、高橋周平内野手(中日)、吉田正尚外野手(オリックス)
2回裏全セ無死、「左越え本塁打」を放った原口文仁捕手=阪神甲子園球場
阪神原口文仁捕手が試合をまたいで 2打席連続本塁打を放った。
「7番DH」で先発出場し、 2回の第 1打席。「全パ2番手」の西武高橋光の 146キロ直球をフルスイング。打球は雨中を舞い上がり、左翼スタンドに着弾した。12日の第 1戦では 9回二死から「劇的な2ラン」を放っていた。球宴での 2打席連発は11年西武中村以来 8年ぶり、阪神では03年金本以来16年ぶり。
試合前に原口は「本拠地の甲子園でも 1本出るようにフルスイングしていきたい」と話しており、有言実行となった。
2回裏全セ無死、原口文仁捕手は「左越え本塁打」を放った=阪神甲子園球場
阪神原口文仁捕手が、第 1戦から第 2戦へと「2打席連続本塁打」をかけた。全セの「7番DH」で先発出場し、先頭打者で迎えた 2回の第 1打席。
全パ[2番手」の西武高橋光に対してカウント 1- 0からフルスイングで 3球連続ファウルした後の 5球目、真ん中 146キロ直球を全力で振り切った。打球は勢いよく舞い上がり、左翼スタンドに吸い込まれた。
2回裏全セ無死、左越え本塁打を放った原口文仁捕手=阪神甲子園球場
第 1戦での「9回代打2ラン」に続く 1発。「まさか打てるとは思ってなかった。打球が飛んだ瞬間、いったと思いました」。本拠地甲子園でまたもや劇的な球宴弾。「たくさんの歓声をいただきながら甲子園のダイヤモンドを 1周することができて、本当に感謝の気持ちでいっぱいです」。ベンチ前では豪華な味方ナインに出迎えられ、笑みがこぼれた。最後に帽子を取り、球場全体に一礼で感謝を伝えた。
「Twitter賞」を受け取る阪神原口文仁捕手=阪神甲子園球場
最後の出場選手をファンが決めるプラスワンでたどり着いた舞台。原口もファンと同じく、他球団の一流選手のプレーを楽しみにしていた。注目選手にパ・リーグのホームランキングを独走する同学年の西武山川を挙げ「やっぱりあれだけ素晴らしいホームランバッターなので楽しみです」と目を輝かせていた。自身は第 1戦で本塁打を放った山川を上回る「2戦2本」でファンに勇気を与えた。
表彰式を終え記念撮影を行う阪神近本光司外野手(左)と原口文仁捕手=阪神甲子園球場
夢のような 2日間を振り返り「『 1番は野球を楽しむ。自然と笑顔が出て、野球を始めた頃に戻れた 2日間だった」。第 1戦の「敢闘選手賞」 100万円に続き、「マイナビ賞」と「ツイッター賞」各 100万円も受賞して計 300万円。試合前には「娘のおむつ代とミルク代になるのかな」と話していた賞金は 3倍になったが、それでも「(賞金は)余らないんです。(娘が)大きくなるので」。最後は優しいパパを見せていた。
全セ対全パ 2回裏全セ無死、「左越え本塁打」を放った梅野隆太郎捕手=阪神甲子園球場
全セの阪神梅野隆太郎捕手が「猛虎3本塁打」を締めくくるアーチを放った。 3点リードの 2回走者なし。西武高橋の初球 138キロをフルスイングし、左翼席に突き刺した。
1回近本、 2回先頭の原口に続き、「阪神ナイン3本目」のソロアーチ。「球宴1号」の梅野は「目の前でグッチ(原口)がすごいホームランを打って、近本も打っていた。自分も打つ姿を思い描いてはいましたが、まさかホームランになるとは思いませんでした」と興奮気味に話した。
2回裏全セ無死、「左越え本塁打」を放ち巨人岡本和真内野手(右)とタッチを交わす阪神梅野隆太郎捕手=阪神甲子園球場
全セ先発マスクの阪神梅野隆太郎捕手が「球宴1号」を放った。 3点リードの 2回走者なし。
西武高橋の初球 138キロをフルスイングし、左翼席に突き刺した。 1回近本、 2回先頭の原口に続き、「猛虎戦士3本目」の「ソロアーチ」。第 2戦に向けて「とにかく自分ができるパフォーマンスを出して、楽しんでケガなく終えられるように」と話していた人気者が、地元甲子園のファンを沸かせた。
2回裏全セ一死 1、 3塁、「左越え3点本塁打」を放ったDeNA筒香嘉智外野手=阪神甲子園球場
全セのDeNA筒香嘉智外野手が「4年連続」となる球宴アーチを放った。
西武高橋光の甘く入った 143キロをハードコンタクト。最も深い左中間スタンドまで届かせた。「阪神の選手の皆さんがすごいので、うまく勢いに乗せてもらった。初めての甲子園でのオールスターは、また違った雰囲気。 1本は打ちたいと思ったので、何とか打てて良かった」。セ・リーグの「4番」として存在感を示した。
2回裏全セ一死 1、 3塁、左中間へ「3点本塁打」を放った筒香嘉智外野手=阪神甲子園球場
「セ界の大砲」がレジェンドに王手をかけた。「4番」に入ったDeNA筒香嘉智外野手が、「オールスター4年連続弾」をマークした。 2回に西武高橋光から左中間最深部へ運び、自身「球宴通算5号」。81~85年の山本浩二、97~01年の松井秀喜の「5年連続弾」の最多記録を射程に捉えた。球宴出場 5年連続 5度目の常連が、時代をまたいで豪快な 1発を披露した。
◇ ◇ ◇
2回裏全セ一死 1、 3塁、筒香外野手(右)は「左越え3点本塁打」を放ち鈴木誠也外野手が笑顔で出迎える=阪神甲子園球場
「4番打者」の血がうずいた。筒香が甲子園の雨を切り裂いた。 2回一死 1、 3塁。西武高橋光のど真ん中直球を一振りで捉えた。右足を少しだけ上げてタイミングをとると、バットの軌道にボールを乗せた。バックスピンを効かせた一撃に「感触はすごく良かった。ホームランを打ちたいと思っていたので、 1本打てて良かったです」。お手本通りの 1発を 4年連続でスタンドに放り込んだ。
聖地・甲子園から野球の魅力を日本中にアピールした。「初めての甲子園でのオールスターは、また違った雰囲気で、楽しみながらいい経験をさせてもらった」と地元関西での夢舞台を満喫。双子の姉もスタンドから観戦した。「珍しいですよ。あんまり試合を観に来たいとか言わないので。野球に興味がないんですかね?」と苦笑いを浮かべるも、「野球人気&野球人口拡大」の指標にもなる。ルールを完全に理解しているかも微妙な姉の目の前で、一番分かりやすい本塁打で醍醐味(だいごみ)を示した。
2回裏全セ一死 1、 3塁、DeNA筒香嘉智外野手は左越え3点本塁打を放ちDeNAホセ・ロペス内野手とエルボータッチ=阪神甲子園球場
球界を代表する選手が集結する舞台での存在感は、年々増している。当たり前のように「4番」に座り、当たり前のように本塁打を打つ。試合前のホームラン競争は準決勝で敗退し“2連覇”は逃したが、打球の迫力はスラッガーそのもの。「どんな試合でも意味がある。やるからにはいいプレーをしたいし、昨日よりも野球が上手になりたい。それはどんな時でも同じだと思います」と思考の軸にブレはない。
試合後、雨脚は強まる中での表彰式に登壇。「敢闘選手賞(賞金 100万円)」に選ばれた。少し高いところからスタンドへと目をやった。「こんな雨の中、最後まで試合を見てくれている。当たり前だと思ってはいけない。感謝しないといけないし、ファンの方が喜ぶようないいプレーがしたい」。甲子園の空高く、会心の一打をかっ飛ばした。
サイクル安打を達成しヒーローインタビューを受ける阪神近本光司外野手=阪神甲子園球場
阪神近本の偉業を全パの日本ハム西川遥輝外野手がアシストしていた。
7回の守備に向かう前は「 3塁打は絶対に阻止するぞと言って出たけど…」。二死 1塁の場面で近本が打席に入るとスタンドから「前出ろー、と。ファンに負けました」と甲子園の大声援に思わず、左翼の秋山にも前進守備を指示。見事に秋山の頭上を抜かれた。
「それもオールスターならでは。良かったんじゃないですか」と笑顔だった。
5回、傘を差しながら中堅の守備位置に向かう北海道日本ハム西川遥輝外野手=阪神甲子園球場
全パのソフトバンク高橋礼投手が、阪神近本の「サイクル安打」達成となる 3塁打を許した。降りしきる雨の中 6回から登板。 7回二死 1塁から近本に 3塁打を打たれた。「地鳴りのような声援だった。球宴ならではの盛り上がり。それ(サイクル安打)に貢献できたので、うれしい」と、悔しさを隠し、大記録をたたえた。
練習中に話し合うソフトバンク高橋礼投手(左)と阪神青柳晃洋投手=阪神甲子園球場
同じ千葉出身の巨人丸とは 6回無死 1塁で対戦。交流戦では 2安打を許していたが「その時使えなかったシンカーを使えた」と、シンカーで 2ゴロ併殺に打ち取った。ぬかるんだマウンドにてこずり、普段 140キロ台の直球は最速 135キロ。「そこは 0点。ある程度の投球はできた」と、 2回 4安打 1失点、24球の球宴デビューを振り返った。
6回から登板したソフトバンク高橋礼投手=阪神甲子園球場
同学年の楽天松井とはスライダー、チェンジアップの使い方や、使うタイミングなどを聞いた。この日は雨のため室内練習場での試合前練習となったため、同じ右の変則投法の阪神青柳を訪ねることもできた。「直球とツーシームを投げ分けるところが僕とは違う」と、しばらく話し込みしっかり学んできた。
前半戦8勝を挙げたアンダースロー右腕は、多くの収穫を得て後半戦へ向かう。
7回裏全セ二死 1塁、左へ適時三塁打を放ちサイクル安打を達成する阪神近本光司外野手=阪神甲子園球場
近本の、近本による、近本のための球宴だった! 阪神の「ドラフト1位」近本光司外野手が、甲子園で開催された「マイナビオールスター2019」第 2戦で、新人ではともに史上初となる「初回先頭打者本塁打」と「サイクル安打」を達成した。
令和初の球宴で 1試合 5安打など記録ずくめのプレーで「MVP」に選ばれ、賞金 300万円を獲得。20安打、11得点で大勝した全セは 3年ぶりの白星で連敗を「5」で止めた。
◇ ◇ ◇
土砂降りでも、ずぶぬれでも構わない。「選んでくれたファンに感謝を。子どもたちには、夢を伝えられたら」。夢舞台で、無数のフラッシュライトを浴びる主役は近本だった。先頭打者アーチに、サイクル安打達成…。ビックリの連続で、甲子園を本当のお祭り騒ぎとした。
「自分が出たいと思って出られる場所じゃない。ファンの期待に応えられてよかったです」
スタートから衝撃が走った。全セの先頭打者として打席へ。オリックス山岡の 2球目、 147キロ直球を捉えた。ぐんぐん伸びる白球は雨を切り裂き、左中間席へ着弾。子どもたちにも、大人にだって夢を届けるアーチを描いた。
7回裏全セ二死 1塁、サイクル安打を達成し三塁上でガッツポーズする近本光司外野手=阪神甲子園球場
「打球を見失って、自分でも入るとは思わなかった。生まれ育った地元の甲子園で打つことができて最高にうれしい。家族にも恩返しができた」
小柄ながらもフルスイングの信念を持つ。 170センチ、72キロと決して恵まれた体格ではない。それでも「野球の基本は強く振ることなので…。当てるだけの打撃は、僕には似合わない。しっかり振り切ることが大事なんです」と、俊足を生かした“当て逃げ”はしない。一本足スタイルから繰り出す、思い切りのいいスイングで見る人を魅了する。
2回は右翼線へ 2塁打、 3回は右前打。サイクルに王手をかけた 5回は 2塁打だったが、快挙は 7回にやってきた。「何としても打球を上げようと思って」とレフトへ大きな飛球を放った。 2塁を回った後に 1度は迷って? 減速。「なんかあったんですけど…。ほんとに皆さんのおかげだと思ってます」。外野手の前進守備、穏やかな中継プレー、公式記録員の優しい判断? など数々の“演出”サービスもあり? 3塁打に。「歓声は聞こえていた。ファンの声が力になった」。泥だらけの背番号「5」は塁上で手を挙げ、快挙達成に照れ笑いだった。
先制弾を含む 5打数 5安打で、文句なしの「MVP」に選出された。「全然、想像してなかった。めちゃくちゃ楽しめた。ほんとに皆さんのおかげです!」。球史に名を刻んだ夜。雨は降っても心は晴れやか。ぬれた甲子園の水たまりには、野球ファンの笑顔が映った。
金ピカの防具で守備に就くソフトバンク甲斐拓也捕手=阪神甲子園球場
全パはソフトバンク甲斐拓也捕手が球宴初「甲斐キャノン」を発動させた。 4回一死 1塁、打者原口の 3球目に代走神里が 2盗を試みたが、 2塁ベース上へストライク送球で刺した。
「あれはよかったですね」と納得の表情だった。昨年は 1盗塁を許しただけだったが、今年は刺した。「楽しかった。いろんな投手も受けることができたし」と全体金色の球宴用プロテクターを装着しフル出場した。
阪神のランディ・メッセンジャー投手=阪神甲子園球場 (2019年 7月10日撮影)
2軍降格したメッセンジャー投手が、鳴尾浜での練習に合流した。別メニューで、球団によれば施設内で約 1時間トレーニングをしたという。
平田 2軍監督は「疲れもたまっているようだし、体のケアを含めて急ぐ必要もない」と説明。後半戦での巻き返しに向けてメッセンジャーは「チームが必要としてくれるのであれば、そこにいきたいと思います」と、 2軍で本来の姿を取り戻すことを誓った。
藤浪晋太郎=ヤクルト戸田球場 (2019年 7月 6日撮影)
2軍調整中の阪神藤浪晋太郎投手が、先発予定の15日ウエスタン・リーグ広島戦(倉敷)で 1軍復帰へ出直しアピールをする。今季 2軍戦で 6試合に投げ「通算防御率2.10」ながら、前回 6日の 2軍交流戦のヤクルト戦は、直球がバラついて死球を与えるなど、6回 3安打6四死球で 3失点。安定感を欠き、今回は“追試”の色合いがある。
登板を 2日後に控えた藤浪は、鳴尾浜での2軍練習に参加。前回を「四球にも形があり、自分が納得できる形ならいいが、前回は納得できる形じゃなかった」と振り返った。この日はブルペン入りして感触を確かめ「悪くなかったし、次の投球につなげていきたい」と手応えをつかんだ様子。平田 2軍監督も「ブルペンでもいいイメージで投げていたし、 1日くらい悪い日もある。倉敷でどういうピッチングをするかだね」と右腕の快投を期待した。
矢野監督は後半戦の先発ローテーション候補に藤浪を挙げている。これまで「候補にはもちろん入ってくる。どうするかっていうのはまた考える中の 1人」と語り、首位巨人を追うキーマンの 1人として描いている。今季 7度目の 2軍戦登板に向けて背番号「19」は「もちろんマウンドに上がる以上は(結果と内容の)どちらもできれば」と猛アピールするつもりだ。
※今年の試合は、引き分けに終わりましたね。来年は、閏年でオリンピックが行われる年です。従って、来年は 3試合が行われる予定です。来年はどちらかに軍配が上がるのでしょうね。是非とも、我がセ・リーグに上がるように来年に向けて、後半戦も応援しましょう!