トリックプレーが鮮やかに決まった。鳥谷敬内野手(31)＆大和内野手(前田大和＝24)の好走塁＆好判断が、先制点をもたらした。一死で 1塁・鳥谷、 3塁・大和。新井良太内野手(29)の空振り三振で鳥谷が 2塁へスタートを切り、そして大和も本塁へ。
マット・マートン外野手(30)が 2、 6回に安打で出塁すると、 8回には無死 1、 2塁から左前へ運ぶヒットで無死満塁の絶好機をお膳立て。今季 9度目の 3安打猛打賞の活躍を見せた。
今季限りで現役引退するアニキ・金本知憲外野手(44)が 1点リードの 8回に代打で登場し、次打者席に立つと、この日一番の歓声を誘ったが｢あれは(打席の)新井(貴)への声援やろ｣と冗談めかし、一死満塁から左腕の正田にファウルで粘った末、押し出し四球を得て貴重な追加点をもたらした。
12日に今季限りの現役引退を表明したアニキ・金本に、元巨人マーク・クルーン投手(39)が13日、コメントを寄せた。
阪神は 1回一死 1、 3塁で新井良が三振。 1塁走者が挟まれる間に 3塁走者が生還し先制。ヤクルトは 3回、同点に追い付く。
阪神は 6回一死 1、 3塁で、平野の 2ゴロの間に 1点を奪い勝ち越し。ヤクルトは阪神スタンリッジに 6回まで 9安打も 1点のみ。
阪神は 8回、代打アニキ・金本の押し出し四球などで２点を追加し逃げ切った。ヤクルトは10安打を放ちながら拙攻で＜阪神 4－ 1ヤクルト＞競り負けた。
トリックプレーが鮮やかに決まった。鳥谷＆大和の好走塁＆好判断が、先制点をもたらした。
｢送球してきて、大和が走ったのが見えたので。安打だけじゃなくていろんな点のとり方がある｣
1回、 1走の鳥谷が挟まれる間、生還する 3走の大和
鳥谷が胸を張ったのは 1回のプレーだ。一死で 1塁・鳥谷、 3塁・大和。新井良太の空振り三振で鳥谷が 2塁へスタートを切り、そして大和も本塁へ。捕手の 2塁送球と大和の走塁を見て、鳥谷が 2塁手前でストップし、 1、 2塁間で挟まれる間に大和がホームを踏んだ。
この日はタイムリーなしで 4得点。その象徴だった。大和も｢タイミングよくスタート切れた。キャンプでやったことでよかった｣と笑顔。こんな点のとり方も、勝利には欠かせない。
マット・マートンが今季 9度目の 3安打猛打賞の活躍を見せ勝利に貢献した。 2回は先頭で左前打。 6回には無死 1塁で遊撃内野安打で出塁するとチャンスを拡大し、勝ち越し点をアシストした。 8回には無死 1、 2塁から左前へ運ぶヒットで無死満塁の絶好機をお膳立て。代打・アニキ・金本の押し出し四球などダメ押しの 2点を呼び込んだ。マートンは｢金本さんもいい形で押し出しをとったし、チームに貢献できて良かった｣と笑顔で話していた。
2回裏阪神無死、マット・マートンは左安打を放った
ネクストでアニキ・金本が準備をしていた 8回無死満塁で打席に立ったアニヤン・新井はあえなく 1邪飛。結果的にアニキを引き立てる形になった。 4回二死 1塁では遊撃強襲の内野安打でチャンスを作ったが、 6回無死 1、 2塁は遊ゴロに倒れるなどチャンスを生かせなかった。
今季限りを表明してもこの執念－。阪神は＜阪神 4－ 1ヤクルト＞でヤクルトに勝利。今季限りで現役引退するアニキ・金本が 2－ 1で迎えた 1点リードの 8回に代打で登場し、押し出し四球を得た。次打者席に立つと、この日一番の歓声を誘ったが｢あれは(打席の)新井(貴)への声援やろ｣と冗談めかした。一死満塁から左腕の正田にファウルで粘った末、貴重な追加点をもたらした。和田監督は｢左が来ても何とか対応してくれると思った。顔で四球を選んだね｣とあらためて存在の大きさを口にした。
まさに顔で奪った大事な 1点。最後まで魅せてくれます。
ネクストバッターズサークルで準備するアニキ・金本
ベンチを出る瞬間をファンは待っていた。 1点リードの 8回無死満塁。ネクストバッターズサークルに向かうアニキ・金本に、別れを惜しむ万雷の拍手が降り注いだ。
｢あれは新井(貴)への声援｣
自身に向けられた声援を弟分のものにすり替えようとしたが、限られた出番を待っていた虎党に、執念で引退発表後の初打点を届けた。
新井が 1邪飛に倒れ、一死満塁。和田監督は鉄人を送り出した。
｢ランナーがたまれば金本、桧山で勝負しようと思っていた。左が来ても対応してくれるので｣
左腕・正田へのスイッチは想定の範囲内。背番号｢６｣も応えた。 3球で追い込まれたが、簡単に終わらない。グリップエンドから指 1、 2本分バットを短く持ち、粘った。フルカウントに持ち込み、 1球ファウル。執念のような粘りで迎えた 8球目が、外角低めに外れた。 2点差に広げ、浅井の犠飛につながる押し出し四球。チームを助ける 1点をもぎ取った。
アニキ・金本は 8回一死満塁から押し出しの四球を選び、貴重な追加点を生み出した
勝負どころでの頼もしさが光る。｢虎は死して皮を残す｣という言葉があるが、アニキ・金本は引退表明してもなお名を残す－。絶大な存在感は不変だ。
虎将は｢顔で四球を選んでくれた｣とたたえると、｢(引退は惜しい？ と聞かれて)それは、もちろん。その中でも非常に状態もいいんで。今の状態を踏まえて、引退とか関係なく、ベンチにいる限り、こういう場面で使っていきたい｣と改めて、大きな戦力であることを語った。
今後も走者を置いた場面で起用が続く。チームが勝つための選択が、アニキ・金本にとっては新たな栄光に近づくチャンスになる。
これで通算打点を1518打点とした。歴代 7位の長嶋茂雄氏の1522打点まで、あと 4打点に迫る。さらに、14日からは東京ドームでの巨人戦が待つ。憧れ続け、｢別格｣と表現する球界の大先輩に、シーズン終了までに肩を並べられるかもしれない。
終盤の追加点で逃げ切りを助け、借金20を回避した。2001年以来となる不名誉な記録にリーチをかけた状態では、これで 9連勝。引退発表後初星をつかんだ。ウイニングボールは、先発したスタンリッジに渡されたが、右腕は｢それが正しいことだと思うから｣と鉄人へのプレゼントを決めた。
8回裏アニキ・金本は押し出しの四球を奪い、観衆の声援に応える
刻一刻と21年間の現役生活の最後が近づく。アニキ・金本にどんなラストが待っているのか。別れを惜しむファンにささげる 1打席 1スイングが、ラストシーンを彩る。
衰え知らずのベテランに、最高の花道が用意される。
球団は、古巣が相手となる29日の広島戦(甲子園)を引退試合とすることで最終調整中。球団幹部は｢土曜日だし、ファンも数多く集まってくれるのではないか。一番、理想的だろう｣と説明した。最後の雄姿は、長年慣れ親しんだ｢ 4番・左翼｣。こだわり抜いたフル出場となりそうだ。
和田監督もあらためて残り17試合の起用法について｢引退したとかをまったく考えずに使っていく。ベンチにいる選手全員、先発でいく可能性もあるし準備してくれている｣と今後のスタメンを予告した。金本にとって猛虎の｢ 4番｣は、移籍 2年目の2004年から 880試合連続で座り続けた定位置。感慨深いものがあるはずだ。
金本は前日(12日)の引退会見で｢何とかあと 1本打ちたい｣とＯＢの田淵幸一(現楽天ヘッドコーチ)を超える通算 475号本塁打に執念を燃やした。これまで個人記録に興味を示さなかった主砲が、集大成として熱望した“引退アーチ”。 1試合の全打席に立ち、劇的な一発で栄光の野球人生を締めくくる。
スタンリッジの粘投が報われた。 9安打を打たれながらも 7回 1失点で 7勝目(11敗)。久しぶりに打線の援護に恵まれての勝利だが｢それを考えたら(投球が)おかしくなる。点をとってくれて、大きかった｣と感謝。併殺打も 3度記録し｢守備がすごくよかった。打たせても守ってもらえるから｣と守備陣の健闘をたたえていた。今季は 1年契約だが、ここ数試合の好投もあり、来季の契約延長は既定路線だ。
3点リードの 9回。マウンドに上がるのは当然、藤川球児だ。しかし…。スタンドの観客の頭には｢？｣マークが浮かんでいた。♪震えるつま先～ とは鳴らない。流れたのはいつものテーマソングではなかった。
｢気分転換。前からやろうと決めていた｣
聖地に響いたのは人気アーティスト・ＧＲｅｅｅｅＮの｢ワイはワイワイでいいワイ～おまえワィ？～｣という曲だった。長年、ＬＩＮＤＢＥＲＧの｢ｅｖｅｒｙ ｌｉｔｔｌｅ ｔｈｉｎｇ ｅｖｅｒｙ ｐｒｅｃｉｏｕｓ ｔｈｉｎｇ｣を使用。結婚前からの英子夫人との思い出の曲で、虎党はメロディーに合わせてメガホンを振るのがお決まりになっていた。だから、マンモスがどよめくのも無理はない。
9回、武内の打球に飛びついた藤川球児
2010年には矢野燿大氏(現野球評論家)の引退試合で同氏の登場曲を使ったこともあったが、今回も｢また(元の曲に)戻すけどね｣と 1日限定であること明かした。かねてから、｢登場曲を変えようと思ったことはあった｣と話す。だが、その考えをファンイベントで伝えたときに、お客さんから｢変えないで～！｣と懇願され、変更せずにここまできた。そんな経緯があったなかで、なぜいまか…。今オフには海外ＦＡ権の行使する意志を固めており、来季のメジャー挑戦を決断。それだけに、“球児流”のファンへのサプライズプレゼントなのかもしれない。
もちろん、本業も仕事きっちりだ。先頭の宮本こそ、四球で歩かせたが、森岡は外角フォークで空振り三振に斬った。中村も真っすぐで 2飛にねじ伏せ、代打・武内も 2ゴロに仕留めて、ゲームセット。この日も、ダイヤモンドバックスら米大リーグのスカウトが見つめるなか、危なげない投げっぷりで今季｢23セーブ目｣を挙げた。
残りシーズンあとわずか。背番号｢22｣は虎のエンタティナーであり続ける。
アニキ・金本が引退を表明してから一夜明けた13日、引退試合が予想される 9月29日の広島戦と今季最終戦となる10月 5日のヤクルト戦のチケットが完売間近であることが明らかになった。また記念グッズの企画もスタートした。
アニキの雄姿を目に焼き付けておきたい。そんな虎党の願いが形になった。引退試合が予想される 9月29日の広島戦、10月 5日のヤクルト戦のチケットが爆発的に売れて、完売間近だという。
チケット販売担当者は｢その 2日に関しては、かなり売れていますね。(引退の)発表前は 2万枚余っていましたが、ほぼ完売です。前の日の夜(12日)から今朝にかけて、劇的に売れています｣と“アニキ効果”に驚きの声をあげた。南球団社長は引退試合について｢現段階では、営業部も含めて調整中。本人とも話し合ってから｣と説明。古巣の広島戦か、今季最終戦のどちらかの選択は金本の希望も尊重されることになりそうだ。
笑顔でファンに挨拶したアニキ・金本(右からスタンリッジ、関本)
この日の観衆は 2万5521人と今季甲子園での最少を更新。 5位の低迷にともなって、観客動員は苦戦する一方だ。しかし、鉄人最後の雄姿を一目見ようと、全国から多くのファンが駆けつける。 9月29日は13日の試合終了時点で、 1、 3塁の内野席と右翼外野席は完売。10月 5日は 1塁アルプスと左翼外野席が｢残りわずか｣となっている。
また、メモリアルグッズの企画もすぐさまスタート。営業担当者は｢まだ正式に発表できることは、ないですが企画しています。まだ金本選手とも話をしていないので、意向を聞き、承諾を得てから進めたいです｣と話した。2010年の矢野氏のときは、直筆サイン入りのキャッチャーミットを受注生産し、通信販売した。今回も同類の商品が検討される見込みだ。他にも、数種類のアニキグッズが販売される予定。
虎党と野球ファンに愛された金本の数々の功績をたたえつつ、ラストステージの準備が進行している。
12日に今季限りの現役引退を表明したアニキ・金本に、元巨人マーク・クルーン投手が13日、コメントを寄せた。アニキ・金本は会見で記憶に残る投手について聞かれ｢クルーンですかね。 100％真っすぐだけ狙って 2球連続で空振りしたのはプロに入ってから初めて｣と語っていた。クルーンのコメントは以下の通り。
｢金本選手の引退会見で私の名前を出していただいたことを大変光栄に思うと同時に感銘を受けました。心から感謝したく思います。金本選手は私にとって永遠のライバルでした。対戦し始めた時は打たれっぱなしで金本選手を打ち取る事を 1つの目標として野球に取り組みました。初めて三振を取れた時のことは一生忘れません。金本選手のような偉大な選手と対戦できた事を誇りに思います｣
◆金本知憲(かねもと・ともあき)：1968年(昭43年) 4月 3日、広島生まれ。広陵高校、東北福祉大を経て1991年ドラフト 4位指名で広島入り。初出場は1992年 6月 2日の阪神戦(岡山)。初安打は1993年 8月 8日のヤクルト戦(広島)。1994年 4月24日の中日戦(広島)でサイクル安打を達成。2002年オフ、ＦＡで阪神移籍し、 2度のリーグ優勝に貢献。2004年に打点王、2005年リーグＶ時には打率 3割 2分 7厘、40本塁打、 125打点でＭＶＰ。1492試合連続フル出場、1766試合連続出場。ベストナイン 7回。家族は妻と 1女。｢アニキ｣と親しまれるが 4人兄弟の末っ子。 180センチ、88キロ。右投げ左打ち。今季は 109試合に出場し85安打、 4本塁打、26打点。打率は 2割 5分 8厘。通算では2561試合出場で2532安打(歴代 7位)、 474本塁打(同10位タイ)、1517打点(同 8位)。( 9月11日現在)
ベンチウォーマーで最近の試合を過ごしていたアニキ・金本が、引退を前に残り試合全部に出場するかも知れない…。
それにしても、12日の試合では代打で出てきて押し出し四球という事に。これは、打たれたくないが、出塁させてあげても良いか…。というヤクルト側の配慮だったのかも知れない。和田監督も｢顔で四球を選んだね｣と言っているのが、それを物語っている。
さらに、残り17試合の起用法について｢引退したとかをまったく考えずに使っていく。ベンチにいる選手全員、先発でいく可能性もあるし準備してくれている｣と言っている事から、全試合出場は十分に考えられるだろう。
残り試合を考えてみれば、 5位という昨年よりも一つ下の成績に終わるだろう。横浜に追い越されずに済みそうだ。
ガンバレ！阪神！我らのタイガース！
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鳥谷＆大和トリックプレーで先制！マートンが 3安打で勝利に貢献！アニキ粘って押し出し四球！
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