●安倍晋三首相は28日の衆院予算委員会で、「新型コロナウイルス感染拡大」を受けて東京オリンピック(五輪)・パラリンピックが 1年延期された影響で「(選手を支援する)スポンサーの中には、厳しい状況に陥ったところもある」と述べ、選手の支援体制への影響に言及した。国民民主党の渡辺周議員の質問に答えた。選手の支援体制の現状については、続いて答弁に立った橋本聖子五輪相(55)も説明。一方、安倍首相は、大会延期に伴う追加費用に関し、国際オリンピック委員会(IOC)が、日本側の負担で合意したと一時発表したことについて、あらためて否定。
●橋本聖子五輪相が28日、閣議後会見で、東京オリンピック(五輪)・パラリンピックの開閉会式合同開催案が浮上している件について、「注視していきたい」と話した。大会組織委員会の森喜朗会長(82)が、演出家チームが合同開催案を検討していると明かしたことは「報道で知った」と話した。また、森会長が延期に伴う追加経費負担について、IOCや東京都だけでなく、国の負担も「お願いしたい」と話した件については、話し合いが始まっていないことを強調。
●東京五輪・パラリンピック大会組織委員会は28日、両大会の合同開閉会式を行うプランがあることを明らかにした。リモート会見に応じた高谷正哲スポークスパーソン(41)が明言。組織委の森喜朗会長が日刊スポーツのインタビューに応えた合同開閉会式について話した。国際オリンピック委員会(IOC)に組織委側の意向を伝えたかは「確認していない」としたが、合同で行う場合はIOC、国際パラリンピック委員会(IPC)との折衝、チケット、放送権なども含めて議論していくことを明らかにした。
記事をまとめてみました。
東京五輪・パラリンピックの 1年延期問題を巡り、安倍晋三首相は28日の衆院予算委員会で、国際オリンピック委員会(IOC)が一時示した、追加費用の日本負担に首相が同意したとの見解を否定した。「日本が負うことを私が約束した事実は全くない」と述べた。
同時に「開催国としての責任を果たしていきたい。IOC、大会組織委員会と協力して進めていくことが大切だ」と強調した。
IOCは、追加費用負担に首相が同意したとの見解を公式サイトで20日に掲示。事実関係を否定する組織委員会の要請を受け、21日に削除した。
衆院予算委でマスク姿で質問を聞く安倍首相=28日午前・衆院予算委員会
安倍晋三首相は28日の衆院予算委員会で、「新型コロナウイルス感染拡大」を受けて東京オリンピック(五輪)・パラリンピックが 1年延期された影響で「(選手を支援する)スポンサーの中には、厳しい状況に陥ったところもある」と述べ、選手の支援体制への影響に言及した。
国民民主党の渡辺周議員の質問に答えた。
選手の支援体制の現状については、続いて答弁に立った橋本聖子五輪相も説明。「延期でいちばん問題になっているのは、スポンサーの問題が大きい。個人で契約している選手、団体であっても個人で契約したり、個人競技でもチーム全体でスポンサーになっていただいているなど、さまざまな状況がある」とした上で「今年の大会が終わった直後、契約はそこまでという選手もおり、不安が生じている」と指摘。「強化対策がさらなる強化に向かうには、しっかりした支援や環境整備が必要だ。いろいろな状況が生じないよう、精神的、財政的な支援を求められており、声を聞きながら全力で対応している」と述べた。
衆院予算委で答弁する安倍首相=国会・衆院予算委員会
一方、安倍首相は、大会延期に伴う追加費用に関し、国際オリンピック委員会(IOC)が、日本側の負担で合意したと一時発表したことについて「私が約束した事実はまったくない」と、あらためて否定。「政府としては開催国の責任を果たしたいが、追加費用についてはIOC、組織委員会で協力を進めていくことが大切だ」と述べるにとどめた。その上で「今の状況を乗り切って、『新型コロナウイルス感染症』に打ち勝った証しとして、来年大会を開催したい」と訴えた。
橋本聖子五輪相が28日、閣議後会見で、東京オリンピック(五輪)・パラリンピックの開閉会式合同開催案が浮上している件について、「注視していきたい」と話した。
大会組織委員会の森喜朗会長が、演出家チームが合同開催案を検討していると明かしたことは「報道で知った」とし、「延期になった状況を受けて、経費問題やいろんなことをそれぞれの意見を出し合っていく中で、合同開閉会式案が出たのかなと受け止めている」と話した。
閣議後会見を行った橋本聖子五輪相
また、森会長が延期に伴う追加経費負担について、IOCや東京都だけでなく、国の負担も「お願いしたい」と話した件については、「実際には、まだお聞きしていないです」と話し合いが始まっていないことを強調。「結果的にどれくらいの経費が追加経費とも、まだ決まっていない。森会長はその中で、国としても何らかの形で支援してほしいお考えがあるのかもしれないと、感じるところです」と推測した。
東京五輪・パラリンピック大会組織委員会は28日、両大会の合同開閉会式を行うプランがあることを明らかにした。
リモート会見に応じた高谷正哲スポークスパーソンが「内容、演出を見直さなければならない」と明言。組織委の森喜朗会長が日刊スポーツのインタビューに応えた合同開閉会式についても「 1つの案として聞いている」と話した。
組織委の会長室でインタビューに応じた森喜朗会長
大会の競技スケジュールは 1年延期されたが、高谷氏は「今年の夏と来年の夏では新型コロナを含めて状況が異なる」と強調。大会のメッセージを具現化するセレモニーについて「まだ確たるものはないが、今後議論していきたい」と、予定されたものを大幅に見直す可能性を示唆した。
国際オリンピック委員会(IOC)に組織委側の意向を伝えたかは「確認していない」としたが、合同で行う場合はIOC、国際パラリンピック委員会(IPC)との折衝、チケット、放送権など「さまざまな課題もある」が、それも含めて議論していくことを明らかにした。
インタビューに応じる森喜朗会長
また、「新型コロナの終息」が見込めなかった場合の再延期を否定したことについては「会長自身の意見として発言したこと」と明言を避け「我々は 1年後に延長された大会に向けて、必要な準備を進めていくだけ」と繰り返していた。
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