●阪神谷本修球団副社長兼本部長(55)は10日、開幕前に選手と監督、コーチらを対象に｢ＰＣＲ検査｣を実施すると明かした。代表取材に応じ見通しを語った。日本野球機構(ＮＰＢ)は 8日にＪリーグと連携して設けた｢新型コロナウイルス対策連絡会議｣を開き、専門家から開幕前と、開幕後も定期的にPCR検査を行うことを提言され、12球団代表者会議で合意していた。
●阪神矢野燿大監督(51)が｢特例２０２０｣の戦い方をイメージした。日本野球機構(ＮＰＢ)と日本プロ野球選手会が出場選手登録とベンチ入り人数の拡大、外国人枠を拡大することで合意。これを受け、球団史上最多の｢助っ人開幕８人体制｣を敷く阪神にとってはプラスに働く可能性があり、矢野監督は複数パターンを思い描いた。また、今季は延長も10回までで打ち切られることも決まり、指揮官は予想する。早いイニングの勝負手も可能性は十分ある。ブルペンには絶対的な守護神藤川球児投手(39)を中心に能見篤史投手(41)、岩崎優投手(28)の左腕に、ジョン・エドワーズ投手(32)、ジョー・ガンケル投手(28)の剛腕もそろう。惜しみなくリリーバーを投入する試合も増えるかもしれない。先発のガンケルが満塁弾 2本で 8点を失い、一方的に敗れた。当初は先発の一角と期待した助っ人も 3月から不安な投球が目立ち、開幕ローテ入りは明言できなかった。｢外国人５人体制｣にも、歯切れのいい言葉が生まれない現状。いずれにせよ、助っ人の働きは鍵を握る。悩みを吹き飛ばす快音や投球を願うばかりだ。
●阪神の中堅近本光司外野手(25)が守備で魅了した。15点とされていた 6回一死満塁。高橋大の中前打に猛チャージして、矢のような本塁返球。 2塁走者の堂林翔太内野手(28)を刺した。昨季は外野手でリーグトップの｢１０補殺｣をマークしていた。鮮やかなレーザービームを披露し、今年も補殺王は健在だ。
●陽川尚将内野手(28)が湿りがちな打線に得点をもたらした。無得点で迎えた 8回一死 1塁で代打登場。左腕ヘロニモ・フランスア投手(26)の直球をとらえ、左中間フェンス直撃の｢適時３塁打｣を放った。15点差がつく中、集中力を切らさなかった。 2月のオープン戦から対外試合の｢打率０．３７５｣(40打数15安打14打点 3本塁打)と｢開幕１軍｣へ好調をキープ。途中出場と出番が少ないなかで必死に結果を積み重ねてきた。今季のベンチ入りが25人から26人に拡大されることが決定。それでも、｢開幕１軍｣へ気合をみなぎらせた。一打席にかける集中力を養うため、意識したのは準備。｢コロナ禍｣の影響で遠征先での外出禁止が続くなか油断も慢心もなし。｢開幕１軍｣をつかむため、常に気を引き締め、隙を見せることなどしなかった。生き残りへ、追い風も吹いた。この日、日本プロ野球選手会と日本野球機構(ＮＰＢ)の事務折衝で 1軍の出場選手登録人数は 2人増の31人、ベンチ入りは 1人増の26人になることが発表。当落線上にいる陽川にとっても純粋にチャンスが増えた。最後まで気を緩めることはなかった。 1つ増えた｢１軍枠｣。その座は決して渡さない。
●阪神・ジャスティン・ボーア内野手(32＝ロサンゼルス・エンゼルス)が10日、広島との練習試合(マツダ)で15打席ぶりの安打を放った。 3打席無安打で迎えた 1－15の 9回一死。ＤＪ・ジョンソンの直球を左前にはじき返した。 2日からの広島 3連戦で 3戦連発を放った後は沈黙が続き、この日の 3打席目まで14打席連続凡退と苦しんでいた。ただ、左投手相手にはこの日も沈黙。 7回には先頭で左腕の塹江と対決し、高々と打ち上げたが中飛。これで 2月のキャンプ中から左投手相手に13打席立って11打数無安打となった。
●阪神の先発ジョー・ガンケル投手(28)が序盤に 2本の満塁弾を浴びるなど、 4回 8安打 8失点 3四球で降板した。初回先頭のホセ・ピレラ内野手(30＝フィラデルフィア・フィリーズ)から見逃し三振を奪うも、菊池涼介内野手(30)から 3連打を浴び一死満塁とされると、｢５番｣アレハンドロ・メヒア内野手(27)に真ん中に入ったスライダーをとらえられ、左翼へ特大アーチを運ばれた。 2回は 3者凡退に抑えるも、 3回一死から西川龍馬外野手(25)に四球、鈴木誠也外野手(25)に左翼へ 2塁打、メヒアに四球と中軸を抑えられず。最後は二死満塁から｢７番｣堂林に左翼へ満塁本塁打を許した。その後も田中に四球を与え、自身の暴投で 3塁まで進塁を許すなど、制球に苦しんだ様子だった。前回 3日の広島戦(甲子園)では 4回 2安打無失点と好投したが、 1週間後に敵地での再戦で別人と化した。 4回 88球で 8安打 8失点、 3四球の大乱調。公式戦 1試合に 2本の満塁弾を浴びたのは両リーグで 5人いるが、阪神はいない。練習試合ながら、不名誉な記録でマウンドを降りた。開幕まで登板間隔が空くため、福原忍投手コーチ(43)は助っ人右腕を次週の 2軍戦に｢最終テスト｣として登板させると明言した。外国人枠の兼ね合いもあることから、内容次第ではローテ陥落の可能性もゼロではない。精密機械のメンテナンスが急がれる。
●開幕 1軍を目指す高野圭佑投手(28)が大炎上した。甘い球を痛打される場面を繰り返し、制球も定まらない。 5回から登板して 2イニング持たず、 8安打 3四死球で 7失点の惨状だった。前回登板の 7日ソフトバンク戦も 1回 1失点。汚名返上の登板で結果を残せず、厳しい状況に立たされた。 6月 2日から甲子園で行われた広島との練習試合では｢３連勝｣。敵地では一転、苦しい試合となった。
●阪神｢ドラフト６位｣の小川一平投手(23＝東海大学九州キャンパス)が、 2投手で15失点という大量失点のいやな流れを止めた。 6回に｢２番手｣高野が 8安打 7失点と打ち込まれ、なお二死満塁のピンチでマウンドへ。迎えたのは、前打席まで 3打数 2安打と当たっていた｢３番｣西川。フルカウントからど真ん中へ 149キロ直球を決め、空振り三振を奪った。 1回 1/3を無安打無失点。速球で押し込む堂々とした投球で、ピンチに動じない強心臓ぶりを見せた。開幕まであと10日を切った。まだまだアピールする。
●日本高野連は10日、 8月10日から甲子園球場でセンバツに出場予定だった32校を招待して｢2020年甲子園高校野球交流試合｣を開催することを決定した。矢野燿大監督は、広島との練習試合(マツダ)後、取材に応じ、 8月に甲子園で高校野球の交流試合が決まったことについてコメントした。 阪神は｢全国大会｣開催ができないことを受けて、全国の高校球児 5万人に甲子園の土を入れたキーホルダーをプレゼントすることを発表していた。
記事をまとめてみました。
＜練習試合：広島15－ 1阪神＞◇10日◇Mazda Zoom-Zoom スタジアム広島(通称：｢マツダスタジアム｣)
阪神谷本修球団副社長兼本部長は10日、開幕前に選手と監督、コーチらを対象に｢ＰＣＲ検査｣を実施すると明かした。代表取材に応じ｢発表されている通りです。開幕前に。結果が出るのが開幕にかかってしまうかも分かりませんが｣と見通しを語った。
日本野球機構(ＮＰＢ)は 8日にＪリーグと連携して設けた｢新型コロナウイルス対策連絡会議｣を開き、専門家から開幕前と、開幕後も定期的にPCR検査を行うことを提言され、12球団代表者会議で合意していた。
阪神谷本修球団副社長兼本部長＝阪神球団事務所
阪神矢野監督が｢特例２０２０｣の戦い方をイメージした。
日本野球機構(ＮＰＢ)と日本プロ野球選手会が出場選手登録とベンチ入り人数の拡大、外国人枠を拡大することで合意。これを受け、球団史上最多の｢助っ人開幕８人体制｣を敷く阪神にとってはプラスに働く可能性があり、矢野監督は｢使える選手がうちにはいるんで、どう有効的に使うか。難しいね｣と複数パターンを思い描いた。
また、今季は延長も10回までで打ち切られることも決まり、指揮官は｢それも含めてそれぞれの球団で戦い方は変わってくるし、仕掛けも早くなるんじゃないか｣と予想する。早いイニングの勝負手も可能性は十分ある。ブルペンには絶対的な守護神藤川を中心に能見、岩崎の左腕に、エドワーズ、ガンケルの剛腕もそろう。惜しみなくリリーバーを投入する試合も増えるかもしれない。
6回を終え選手交代を告げる矢野燿大監督＝マツダスタジアム
阪神は10日、広島との練習試合(マツダ)に 1－15で大敗した。先発のジョー・ガンケル投手が 4回 8失点。｢新型コロナウイルスの感染拡大｣の影響に伴う開幕延期による特例で、外国人枠が｢５｣に拡大されることが確実になったが、助っ人の調子は上向かず、矢野燿大監督は悩む日々だ。
練習試合とはいえ、開幕まで残り10日を切って寂しい内容だ。14点差の大敗は就任後ワーストタイ。試合後の矢野監督は首をかしげた。
｢まあ寂しいよな。流れ、展開っていうのはどうしてもあるから(反撃も)簡単にいけないっていうのはあるけどね。完全に相手のペースになっていたんで｣
8回裏、交代を告げる矢野燿大監督＝マツダスタジアム
先発のガンケルが満塁弾 2本で 8点を失い、一方的に敗れた。当初は先発の一角と期待した助っ人も 3月から不安な投球が目立ち、開幕ローテ入りは明言できなかった。
試合前にＮＰＢと選手会の事務折衝が行われ、｢新型コロナウイルスの感染拡大｣による開幕延期に伴う特別ルールが議論された。出場選手登録は29人から31人、ベンチ入りは25人から26人に拡大。同時に外国人枠も｢４｣から｢５｣となる方向が確認された。 1試合の出場人数など検討事項は残るが、拡大そのものは合意。球団史上最多 8人の外国人を抱える虎にとってプラスとなるはずだが…。矢野監督の表情はさえない。
｢(枠を)どう有効に使うかみんなと相談、意見交換しながら最終的に判断は俺がしていくけど。なんていうかな、難しいところやね、いろいろね｣
1回、メヒア内野手に満塁弾を浴びたジョー・ガンケル投手。８失点で炎上した＝マツダスタジアム
外国人の起用法は今季を占い、競争を｢うれしい悩み｣としてきた。ただ、個々の調子が伴ってこその追い風。前日 9日の広島戦(マツダ)でエドワーズが 5者連続与四球と乱れ、｢打｣の助っ人も万全ではない。 2日から 4日の広島戦(甲子園)で 3試合連続アーチのボーアはこの日、 9回に左前打で15打席ぶりに快音を響かせたが、対外試合再開後は｢打率０．２２７｣。サンズは｢０．２００｣、マルテも｢０．１６７｣と寂しい。指揮官はマルテの打撃内容には期待しながら不安も認めた。
｢(ボーアとサンズは打てる打てないはもちろんそうやけど、いいポイントでいいスイングができるようなものがまず増えてきてほしい｣
｢外国人５人体制｣にも、歯切れのいい言葉が生まれない現状。いずれにせよ、助っ人の働きは鍵を握る。悩みを吹き飛ばす快音や投球を願うばかりだ。
6回表阪神一死満塁、高橋大樹外野手の中前打で本塁を狙った 2塁走者堂林を本塁アウトにする中堅手近本光司外野手＝マツダスタジアム
阪神の中堅近本光司が守備で魅了した。15点とされていた 6回一死満塁。高橋大の中前打に猛チャージして、矢のような本塁返球。 2塁走者の堂林を刺した。
昨季は外野手でリーグトップの｢１０補殺｣をマークしていた。鮮やかなレーザービームを披露し、今年も補殺王は健在だ。
陽川尚将内野手が湿りがちな打線に得点をもたらした。無得点で迎えた 8回一死 1塁で代打登場。左腕フランスアの直球をとらえ、左中間フェンス直撃の｢適時３塁打｣を放った。
15点差がつく中、｢そこは関係なくアピールするという気持ちで打席に立ちました｣と集中力を切らさなかった。今季のベンチ入りが25人から26人に拡大されることが決定。それでも｢枠が増えたからといってまだまだ安心できない｣とし、｢開幕１軍｣へ｢ 1試合 1試合、出る機会があればしっかり結果を出していきたい｣と気合をみなぎらせた。
8回表阪神一死 1塁、代打の陽川尚将内野手は｢適時３塁打｣を放った＝マツダスタジアム
陽川尚将内野手が10日、広島との練習試合(マツダ)で鯉に一矢報いる適時三塁打で意地を見せた。
｢点差はあったが、そこは関係なく、アピールするという気持ち。チャンスっていうのは少ない。一打席一打席が勝負なので、その一打席の中で結果を出すというのを意識してやっているのがこういう結果につながったと思います｣
0－15と大きく引き離されて迎えた 8回だった。一死 1塁の場面で代打起用。たった一打席、たった 1球に懸けた。カウント 2－ 2から、 5球目。広島・フランスアの 144キロの直球をとらえると、打球はフェンス直撃。阪神唯一の適時打で誰よりも輝きを放った。
これで 2月のオープン戦から対外試合の｢打率０．３７５｣(40打数15安打14打点 3本塁打)と｢開幕１軍｣へ好調をキープ。途中出場と出番が少ないなかで必死に結果を積み重ねてきた。
8回に適時三塁打を放った陽川尚将内野手。｢開幕１軍｣に向けて好調をキープしている＝マツダスタジアム
一打席にかける集中力を養うため、意識したのは準備。｢コロナ禍｣の影響で遠征先での外出禁止が続くなか｢ホテルで過ごす時間が長いので、自分の打席とかを見直す時間がある。そういう時間を有効に使いたい｣と油断も慢心もなし。｢開幕１軍｣をつかむため、常に気を引き締め、隙を見せることなどしなかった。
生き残りへ、追い風も吹いた。この日、日本プロ野球選手会と日本野球機構(ＮＰＢ)の事務折衝で 1軍の出場選手登録人数は 2人増の31人、ベンチ入りは 1人増の26人になることが発表。当落線上にいる陽川にとっても純粋にチャンスが増えた。
｢枠が増えたからといって、まだまだ安心はできない。しっかり一試合一試合、出る機会があればしっかり結果を出していきたい｣
最後まで気を緩めることはなかった。 1つ増えた｢１軍枠｣。その座は決して渡さない。
9回、安打を放ったジャスティン・ボーア内野手＝マツダスタジアム
阪神・ボーアが10日、広島との練習試合(マツダ)で15打席ぶりの安打を放った。 3打席無安打で迎えた 1－15の 9回一死。ＤＪ・ジョンソンの直球を左前にはじき返すと｢しっかり球を見られた｣。
4日の広島戦(甲子園)に 3試合連続となるアーチを放って以来の快音にも｢あんまり関係ないよ。結果が出ない時間を考えれば考えるほどネガティブな方向に行っちゃう。どの打席でもしっかり切り替えて、結果が良くても悪くても集中することを心掛けている｣と話した。
ジャスティン・ボーア内野手＝阪神甲子園球場 (2020年 5月29日撮影)
阪神新外国人のジャスティン・ボーア内野手が15打席ぶりの安打を放った。
3打数無安打で迎えた 9回一死、ＤＪ・ジョンソンの 151キロ直球をとらえ、ライナーで左前に持っていった。
2日からの広島 3連戦で 3戦連発を放った後は沈黙が続き、この日の 3打席目まで14打席連続凡退と苦しんでいた。
ただ、左投手相手にはこの日も沈黙。 7回には先頭で左腕の塹江と対決し、高々と打ち上げたが中飛。これで 2月のキャンプ中から左投手相手に13打席立って11打数無安打となった。
9回表阪神一死、ボーアは左前打を放った＝マツダスタジアム
阪神の新外国人ジャスティン・ボーア内野手が15打席ぶりの安打を放った。 9回、ＤＪ・ジョンソンの 151キロ直球をライナーで左前にはじき返した。
2日からの広島 3連戦で 3戦連発を放っ後は沈黙が続き、この試合の 3打席目まで14打席連続で凡退だった。｢どの打席でも気持ちの浮き沈みがないように心掛けている。今日は全体的にずっと調子がいいというか、決して悪い状態ではなかった｣。ただ、 7回には左腕塹江から中飛。 2月のキャンプ中から左投手相手に11打数無安打となった。
阪神の先発ジョー・ガンケル投手が序盤に 2本の満塁弾を浴びるなど、 4回 8安打 8失点 3四球で降板した。
初回先頭のピレラから見逃し三振を奪うも、菊池涼から 3連打を浴び一死満塁とされると、｢５番｣メヒアに真ん中に入ったスライダーをとらえられ、左翼へ特大アーチを運ばれた。
2回は 3者凡退に抑えるも、 3回一死から西川に四球、鈴木誠に左翼へ 2塁打、メヒアに四球と中軸を抑えられず。最後は二死満塁から｢７番｣堂林に左翼へ満塁本塁打を許した。その後も田中に四球を与え、自身の暴投で 3塁まで進塁を許すなど、制球に苦しんだ様子だった。
阪神先発ジョー・ガンケル投手＝マツダスタジアム
前回 3日の広島戦(甲子園)では 4回 2安打無失点と好投していたが、開幕へ向けて不安を残す内容となった。
▼阪神ガンケルが1回にメヒア、 3回に堂林に満塁本塁打を浴びた。 1試合に満塁本塁打 2本を浴びたのは、セでは96年の金森(中日)が阪神戦で、05年ゴンザレス(ヤクルト)が広島戦で記録。パでは07年吉井、10年阿南(ともにオリックス)、13年大石(西武)でプロ野球史上 5人だけ。公式戦なら非常に珍しい記録になるところだった。
1回裏広島一死満塁、アレハンドロ・メヒア内野手に先制満塁本塁打を浴びたジョー・ガンケル投手＝マツダスタジアム
精密機械の状態が心配だ…。阪神の新助っ人ジョー・ガンケル投手が 2本の特大満塁本塁打を浴び、 4回 8失点と大炎上した。広島戦に先発して初回は｢５番｣メヒアに、 3回は｢７番｣堂林に浴びた。公式戦ではチームで 1度も記録していない 1試合 2本の満弾被弾で、開幕前最後のマウンドを降板。ローテの一角に当確していた右腕が、大きな不安を残した。
◇ ◇ ◇
虎党が目を覆いたくなるようなアーチが2本、広島の夜空に懸かった。普段は紳士的で穏やかなガンケルも声を荒らげ、珍しくフラストレーションをあらわにする場面があった。矢野監督は｢どうしてもコントロールが良いだけに、ストライクが固まってしまう。こういう形になった時には(悪いところが)出てくるのかなという感じには思う｣と首をかしげた。ローテ入りを確実にしている右腕が、開幕前最後の 1軍戦登板で大きな不安を残した。
1回裏広島一死満塁、アレハンドロ・メヒア内野手に先制満塁本塁打を浴びたジョー・ガンケル投手＝マツダスタジアム
立ち上がりから広島打線につかまった。初回、先頭ピレラを見逃し三振に切るも｢２番｣菊池涼から 3連打を浴びて満塁のピンチ。ここで再開後の練習試合で 4本塁打と好調｢５番｣メヒアに手痛い 1発を浴びた。フルカウントから甘く真ん中に入った 137キロスライダーを完璧に捉えられ“１本目”のグランドスラムを左中間席後方のコンコースまで運ばれた。プレーボールから一死を取っただけで、いきなり 4失点。前回 3日の広島戦(甲子園)では 4回 2安打無失点と好投したが、 1週間後に敵地での再戦で別人と化した。
悲劇は続く。 2回を 3者凡退で抑えるも 3回。３Ａ４シーズンで｢与四球率１．１９｣で｢精密機械｣の異名を持つガンケルが制球を乱し、 2塁打と 2四球で再び満塁のピンチ。｢７番｣堂林への初球だった。カウントを取りにいった 143キロツーシームが高めに浮き、再び完璧に捉えられた。“２本目”も同じく左翼席後方のコンコースまで運ばれた。 4回 88球で 8安打 8失点、 3四球の大乱調。公式戦 1試合に 2本の満塁弾を浴びたのは両リーグで 5人いるが、阪神はいない。練習試合ながら、不名誉な記録でマウンドを降りた。
3回裏広島二死満塁、堂林翔太内野手に左越え満塁本塁打を打たれたジョー・ガンケル投手＝マツダスタジアム
ガンケルは開幕 2カード目第 2戦となる24日ヤクルト戦(神宮)の先発が予想されていた。しかし、矢野監督はローテの見極めについては｢(ガルシアら)他との兼ね合いもある。最後まで見ていこうかなと思っています｣と話すにとどめた。開幕まで登板間隔が空くため、福原投手コーチは助っ人右腕を次週の 2軍戦に｢最終テスト｣として登板させると明言した。外国人枠の兼ね合いもあることから、内容次第ではローテ陥落の可能性もゼロではない。精密機械のメンテナンスが急がれる。
広島対阪神 5回から登板した高野圭佑投手＝マツダスタジアム
開幕 1軍を目指す高野圭佑投手が大炎上した。
甘い球を痛打される場面を繰り返し、制球も定まらない。 5回から登板して 2イニング持たず、 8安打 3四死球で 7失点の惨状だった。前回登板の 7日ソフトバンク戦も 1回 1失点。汚名返上の登板で結果を残せず、厳しい状況に立たされた。
6回表阪神二死満塁、連打で失点を重ね降板となる高野圭佑投手＝マツダスタジアム
満弾 2本を浴びた阪神先発ガンケルに続き、｢２番手｣で登板した高野圭佑投手も広島打線の勢いを止められず、阪神は 6回までに大量15失点した。
高野は 8点ビハインドの 5回に登板。一死 1塁から田中広に右翼へ適時 2塁打を許すと、なおも一死 3塁から犠飛で 2点を失った。 6回は一死満塁から會澤に押し出し死球。そこから 4連続適時打を浴びるなど打ち込まれ、 1回 2/3、 8安打 7失点で降板となった。
6月 2日から甲子園で行われた広島との練習試合では｢３連勝｣。敵地では一転、苦しい試合となった。
6回裏広島二死満塁、小川一平投手＝マツダスタジアム
阪神｢ドラフト６位｣の小川一平投手が、 2投手で15失点という大量失点のいやな流れを止めた。 6回に｢２番手｣高野が 8安打 7失点と打ち込まれ、なお二死満塁のピンチでマウンドへ。迎えたのは、前打席まで 3打数 2安打と当たっていた｢３番｣西川。フルカウントからど真ん中へ 149キロ直球を決め、空振り三振を奪った。
7回裏広島一死、アレハンドロ・メヒア内野手を 2ゴロに打ち取った小川一平投手＝マツダスタジアム
イニングをまたいだ 7回は、一死から初回に満塁弾のメヒアを 2ゴロなど外野に飛ばさせず3者凡退。｢イニング途中からの登板も経験することができて、こういう場面でも使えると思ってもらえればいいですし、開幕前にすごく良い経験ができたので、この経験を生かしていきたいです｣。 1回 1/3を無安打無失点。速球で押し込む堂々とした投球で、ピンチに動じない強心臓ぶりを見せた。
7回裏広島二死、坂倉将吾捕手を遊飛に抑える小川一平投手＝マツダスタジアム
2日の広島戦(甲子園)では 7回に登板するも、 2安打 2四球 1失点。｢前回の広島戦で打たれてしまっていたので、今日はそのリベンジができて良かったです｣。強力広島打線相手に悔しさを晴らす投球。開幕1軍へ大きなアピールにもなった。
投手陣が打ち込まれ、打線も 1得点に抑えられる大敗の中、矢野監督はルーキー小川の好投をほめたたえた。｢攻め方っていうところでは、今日いい形で投げられていた。ああいうボールで、ああいう形で攻めていければ、どういう場面でも使っていけそうなメドが立ってくる。今日のボールだったら頼もしい｣。開幕まであと10日を切った。まだまだアピールする。
6回裏広島、選手交代を告げる矢野耀大監督＝マツダスタジアム
日本高野連は10日、 8月10日から甲子園球場でセンバツに出場予定だった32校を招待して｢2020年甲子園高校野球交流試合｣を開催することを決定した。
阪神矢野燿大監督は｢みんな夢に思っていた甲子園。そこをまた目標に頑張れるというのもあると思う。高校野球って限られたとこでしかできない。限られた仲間と、また指導者の方とまた親御さんと。そこを目標にやってきたという姿を見せられたり、一緒の時間を過ごせるというのは良かった。 1試合だけの思いというのがグラウンド上で出てくると思う。同じ野球人として応援しているし、楽しみ｣とコメントした。
5回、阪神・矢野燿大監督＝マツダスタジアム
阪神・矢野燿大監督は10日、広島との練習試合(マツダ)後、取材に応じ、 8月に甲子園で高校野球の交流試合が決まったことについてコメントした。
｢やっぱりね。みんな夢に思っていた甲子園で。そこをまた目標に頑張れるというのもあると思うし。高校野球って限られたとこでしかできないんで。限られた仲間と、また指導者の方とまた親御さんと。そこを目標にやってきたという姿を見せられたり、一緒の時間を過ごせるというのは良かった｣
1試合限定になるが｢ 1試合だけの思いというのがグラウンド上で出てくると思う。同じ野球人として応援しているし、楽しみにしている｣と話した。阪神は｢全国大会｣開催ができないことを受けて、全国の高校球児 5万人に甲子園の土を入れたキーホルダーをプレゼントすることを発表していた。
広島は11日、マツダスタジアムで14時から行われる予定だった阪神との練習試合を雨天中止と発表した。
ガンバレ！阪神！我らのタイガース！勝利を掴め！
多くの方と話をする中で、"楽しむからこそ実力が発揮できる"そして"笑うということには大きなパワーがある"ということを教えてもらいました。
これからの1年はグラウンドで苦しい時こそ笑って、楽しいときはもっと楽しく、でもしっかり勝つようなチームを作っていきます。
そして、僕たちが勝つことでファンの皆さんにも思いっきり笑ってもらい、思いっきり喜んでもらえるようなシーズンにすべく、「It's 勝笑 Time！オレがヤル」というスローガンにしました。
2020年 オープン戦 最終順位表
2020年 ＣＳ日程と 結果 (06月)
2020年 ＣＳ日程と 結果 (07月)
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