●阪神は先発青柳晃洋(26)の不振が誤算で完敗した。 1回に 2点先制されると 2回も立て直せない。松山竜平内野手(34)に痛恨の「3号3ラン」を浴びるなど 4失点。この日は今季最短の 3回で降板し、自己ワーストタイの 6失点だった。救援陣もピリッとしない。プロ初出場初先発だった羽月隆太郎内野手(20)に「プロ初安打」など 2安打 3打点の活躍を許したほか、大盛にも「プロ初適時打初打点」をマークされ、引き立て役を演じてしまった。今週は「1勝3敗」。なかなか乗れず、上位浮上のきっかけをつかめない。広島は 1回、「4番」松山、「6番」ホセ・ピレラ内野手(30)の適時打で 2点。 2回は「2番」羽月の適時内野安打、松山の「3号3ラン」でリードを 5点に広げた。阪神は 5点を追う 5回に 4連打から 3得点。広島はその裏に「2番」羽月の 2点 3塁打、 6回は代打長野久義外野手(35)の 2点打などで突き放した。「5位」広島は森下暢仁投手(22=明治大學)が 6回 4失点でチーム最多タイの「3勝」目。「4位」阪神に 1ゲーム差とした。阪神は 3回 6失点の青柳が誤算だった。青柳は「2敗」目。阪神は 7日、広島 6戦(マツダ)に11- 6で敗れ、「5割復帰」はならなかった。借金「2」となり、「3位」のDeNAとは「2ゲーム」差に広がった。
●近本光司外野手(25)が 2打席連続の適時打で、反撃ののろしを上げた。 0- 6で迎えた 3回の第 2打席。一死 2塁で、広島森下の高め 146キロ直球を中前へ運び、 1点をかえした。 2- 6で迎えた 5回の第 3打席では一死 1、 2塁で左翼線へ適時 2塁打を放って 3点目。「その後一死 2、 3塁となり「2番」福留孝介外野手(43)の 2ゴロの間に 3塁走者の中谷将大外野手(27)が生還して 4点目を追加した。 4回までに 6点のリードを許して敗戦ムードだったが一変。近本のバットがチームに勢いをもたらした。 7回の第 4打席も遊撃への内野安打を決めて「猛打賞」。「6試合連続安打」で、一時は「リーグ最下位」に低迷していた打率も、 5回終了時点で「2割6分6厘」に上昇した。虎のリードオフマンが復調してきた。気温の上昇とともに調子を上げてきた。月間打率は 6月から徐々に上向き。 8月に入ってからは「25打数12安打」と打ちまくっている。近本自身は好調の要因を、ファーストストライクから打ちにいけている積極性と分析。この日も 5打席中 3打席でファーストストライクにバットを出した。昨季は「リーグ新人最多安打」を更新した背番号「5」。好球必打の姿勢で、本来の姿を取り戻している。チームは苦しい 8月となっているが、好調近本は打線の呼応を信じて打ち続ける。復調した姿に井上一樹打撃コーチ(49)も「目を細めた。チームはなかなか勢いに乗り切れない状況だが、勢いに乗っている背番号「5」が次は勝利へと導く。
●阪神「3番」ジェリー・サンズ外野手(32=キウム・ヒーローズ)が筋金入りの勝負強さを見せつけた。高橋樹也投手(23)の低めチェンジアップをとらえ、左前適時打を放った。「4番」大山悠輔内野手(25)、「5番」ジャスティン・ボーア内野手(32=エンゼルス)の調子が上がらない中、中軸で唯一の「安打&打点」をマークした。得点圏打率のリーグトップを死守し、「22打数11安打」で驚異の「5割」まで上昇。ポイントゲッターの面目躍如だった。
●“奥の手”も嗚呼、惨敗…。阪神はマツダでの広島戦に、今季「ワースト15被安打&ワーストタイ11失点」で敗れた。矢野燿大監督(51)は、球界最年長43歳の福留孝介外野手を日本では20年ぶりとなる「2番」(右翼)でスタメン起用したが、実らず。「勝率5割」復帰に失敗し、借金は再び「2」。夏の長期ロードは、苦しいスタートとなった。理想と現実の狭間で、矢野監督が最善と判断した“奥の手”。それが「2番・福留」-。あっと驚く起用で「勝率5割」復帰を狙ったが、歯車はかみ合わずに大敗。借金は再び「2」となった。スタメン発表で、マツダスタジアムがざわめいた。10試合ぶり先発の球界最年長433歳の福留を、日本球界では20年ぶりの「2番」に組み込んだ。中日時代の2000年 9月21日の横浜戦(横浜)以来。以降は中軸を職場にしてきた強打者に、異例の役目を託した。機能はした。 5回一死 2、 3塁は二ゴロで 1打点。 7回無死 1塁では右前打で好機を広げ、得点に絡んだ。 9試合ぶりの「2桁安打」で 6得点。それでも先発の青柳の乱調など今季ワーストタイの「11失点」を喫してしまうのが乗れない虎の現状だ。「1番・近本」が元気を取り戻したなか、誰が「2番」に最適か。理想ではなく、現状を見据えた上で、足が速く相手をかき回す近本とはスタイルが違い、チャンスで打点を稼ぐタイプの福留を、あえて「2番」に配置。「1番」から近本、福留、サンズと続く、ひと足早いクリーンアップを組んだが…。夏の長期ロードの初戦。勝てば勢いに乗れる、勝負手の一戦を落とした。次の一手は-。指揮官の手腕が試される。
●「4番」のバットが力なく空を切った。 4- 6と 2点差まで追い上げた 5回だ。二死 1、 3塁の場面。カウント 1- 2から大山悠輔内野手は広島森下の 4球目、外角カーブを捉えられず空振り三振。さあ、追いつけ、追いこせ! そんな虎党の期待はため息に変わった。下位打線からチャンスメークしても中軸がかえせない…。矢野監督も悩ましげだ。明暗がくっきりと分かれた。鈴木誠也外野手(25)の「代役」として「4番」に入った松山は、 3安打 4打点と大暴れでお立ち台に登った。一方、虎の「4番」は 7回にも 2塁併殺に斬られ、 9回は中飛で最後の打者に。 5打数無安打、これで「14打席連続ノーヒット」だ。 7月は「打率2割9分9厘、8本塁打」と「V字回復の使者」となった男が、 8月はまだ 6試合ながら「打率1割2分5厘、0本塁打」だ。試合の結果に直結する「4番」のバット。大山の復調なくして真夏の逆襲はあり得ない。
●青柳晃洋投手は、笑うことも、悔しそうな表情を浮かべることもなかった。 3回10安打、自己ワーストタイの 6失点で「2敗」目を喫し「実力不足かなと」と短い言葉に胸中を押し込めた。 1回は先頭の西川龍馬外野手(25)を四球で出し、二死 2塁で「4番」松山からの 3連打で 2失点。 2回は一死 1、 3塁で 1軍デビュー戦の羽月にセーフティースクイズ(記録は投安)を決められ、二死から松山に「3ラン」を浴びた。試合前まで対左の被打率は1割8分だったが、先発野手 8人中、 6人並んだ左打者に 8安打された。 9連戦の 4試合目。「中継ぎ陣に負担をかけないように」と挑んだが、 4回から継投を余儀なくさせてしまった。試合前までチームトップだった「防御率2.23」の安定感は霧消。右腕は悔しさをこらえてバスに乗り込んだ。勝ち頭でまさかの誤算。矢野監督は奮起を促した。今季最短KOとなったが、リベンジの舞台はまだたくさんある。今季初対戦だったが、これで通算 3試合で「0勝2敗、防御率11.57」。 3回、 3回 1/3、 3回と散々だ。公式戦プロ初登板となったマツダスタジアムでも、 6月 9日の練習試合でも 5回 6安打 4失点と打ち込まれている。さらに広島戦の通算被打率は「0.440」(50打数22安打)。左打者に限れば「0.545」(33打数18安打)と、課題は明確だ。青柳は現実を受け止めた。ここから修正する。必ずカープにやりかえす。それしかない。
●望月惇志投手(23)が連続無失点を8試合に伸ばした。 5点差の 8回に「5番手」で救援登板。連投となったが、先頭の新助っ人ホセ・ピレラ内野手(30)を 152キロ直球で押し込んで中飛。そこから田中広輔内野手(31)、野間峻祥外野手(27)と打ち取り、危なげなく「3者凡退」で 1回を抑えた。威力抜群の直球を武器に 7月 1日中日戦から無失点を継続。 5年目右腕がアピールを続けている。
記事をまとめてみました。
<広島11- 6阪神>◇ 6回戦◇阪神 3勝 2敗 1分◇ 7日◇Mazda Zoom-Zoom スタジアム広島(通称:「マツダスタジアム」)
阪神は先発青柳晃洋投手の不振が誤算で完敗した。 1回に 2点先制されると 2回も立て直せない。松山に痛恨の「3号3ラン」を浴びるなど 4失点。この日は今季最短の 3回で降板し、自己ワーストタイの 6失点だった。
3回 6失点で降板する青柳晃洋投手=マツダスタジアム
救援陣もピリッとしない。プロ初出場初先発だった羽月に「プロ初安打」など 2安打 3打点の活躍を許したほか、大盛にも「プロ初適時打初打点」をマークされ、引き立て役を演じてしまった。今週は「1勝3敗」。なかなか乗れず、上位浮上のきっかけをつかめない。
4回裏広島一死、右前に打ち返し「猛打賞」とする松山竜平内野手=マツダスタジアム
広島は 1回、「4番」松山、「6番」ピレラの適時打で 2点。 2回は「2番」羽月の適時内野安打、松山の「3号3ラン」でリードを 5点に広げた。
阪神は 5点を追う 5回に 4連打から 3得点。広島はその裏に「2番」羽月の 2点 3塁打、 6回は代打長野の 2点打などで突き放した。
「5位」広島は森下が 6回 4失点でチーム最多タイの「3勝」目。「4位」阪神に 1ゲーム差とした。阪神は 3回 6失点の青柳が誤算だった。青柳は「2敗」目。
2回、松山竜平内野手に「3点本塁打」を打たれた青柳晃洋投手=マツダスタジアム
阪神は 7日、広島 6戦(マツダ)に11- 6で敗れ、「5割復帰」はならなかった。
先発の青柳が 3回10安打 6失点と大乱調。自己ワーストタイの「被安打&失点」で自己最短タイの降板となった。
5回には下位打線からつなぎ、近本の適時打などで 3点を返して一時 2点差まで迫ったが、その裏に「D6位・小川」(東海大九州)が 2失点。さらに 6回には伊藤和の 3連続四球などで 3失点し、 4-11にまで差を広げられた。
20年ぶりに「2番」で先発した福留は「5打数1安打1打点」。「1番」の近本は 4安打と気を吐いたが、序盤の大量失点が重くのしかかった。借金「2」となり、「3位」のDeNAとは「2ゲーム」差に広がった。
3回表阪神一死 2塁、中前適時打を放った近本光司外野手=マツダスタジアム
近本光司外野手が 2打席連続の適時打で、反撃ののろしを上げた。
0- 6で迎えた 3回の第 2打席。一死 2塁で、広島森下の高め 146キロ直球を中前へ運び、 1点をかえした。 2- 6で迎えた 5回の第 3打席では一死 1、 2塁で左翼線へ適時 2塁打を放って 3点目。「良い流れで回ってきたのでとにかく後ろにつなごうと思って打ちました。まだ中盤ですし、ここから逆転できるように頑張ります」。その後一死 2、 3塁となり「2番」福留の 2ゴロの間に 3塁走者の中谷が生還して 4点目を追加した。
4回までに 6点のリードを許して敗戦ムードだったが一変。近本のバットがチームに勢いをもたらした。 7回の第 4打席も遊撃への内野安打を決めて「猛打賞」。「6試合連続安打」で、一時は「リーグ最下位」に低迷していた打率も、 5回終了時点で「2割6分6厘」に上昇した。虎のリードオフマンが復調してきた。
3回に中前へ適時打を放った近本光司外野手。 1試合 4安打と気を吐いた=マツダスタジアム
近本光司外野手が、「2打席連続適時打」を含む今季 2度目の「4安打固め打ち」だ。「6試合連続安打」の 8月は「打率4割8分」で、リーグトップの月間打率とバットに熱を帯びている。
「1番中堅」で先発出場し、 6点を追う 3回一死 2塁の第 2打席。この試合が初対戦となった先発森下の高め直球を中前に運び、反撃の適時打とした。 5回一死 1、 2塁でも、森下を攻略。外角カットボールを仕留めて左翼線への 2塁打とした。「いい流れで回ってきたので、とにかく後ろにつなごう思って打ちました」。「7番」木浪から始まった 3連打の流れに乗って、「2打席連続適時打」。 4連打で 3得点を返して、広島に食らいついた。
5回表阪神一死 1、 2塁、左翼線へ「適時2塁打」を放った近本光司外野手=マツダスタジアム
7回は快足を飛ばして遊撃への内野安打として、これでチーム最多 4度目の「猛打賞」をマーク。 9回は先頭で中前へはじき返した。開幕から打撃不振で一時は「リーグ最下位」にも位置した打率は、「2割7分1厘」まで戻してきた。
気温の上昇とともに調子を上げてきた。月間打率は 6月から徐々に上向き。 8月に入ってからは「25打数12安打」と打ちまくっている。井上打撃コーチは「オレらが放っておいても、いろんなこと考えて練習するタイプ。そういった中で、これだという気づきもあっただろう。こんな感じで打っていた、というのを思い出したのがちょっと見えてきたかな」という。近本自身は好調の要因を、ファーストストライクから打ちにいけている積極性と分析。この日も 5打席中 3打席でファーストストライクにバットを出した。昨季は「リーグ新人最多安打」を更新した背番号「5」。好球必打の姿勢で、本来の姿を取り戻している。
チームは苦しい 8月となっているが、好調近本は打線の呼応を信じて打ち続ける。
5回表阪神一死 1、 2塁、左翼線へ「適時2塁打」を放った近本光司外野手=マツダスタジアム
快音で、マツダスタジアムに駆けつけた虎党の溜飲を下げた。気温の上昇とともに、近本の打撃の状態も急上昇だ。
「いい流れで回ってきたので、とにかく後ろにつなごうと思って打ちました」
5回。 1点を返し、 2- 6となった直後、なお一死 1、 2塁で打席に向かった。カウント 1- 1から森下の外角 137キロカットボールをとらえた。逆方向へはじき返した打球は、左翼線への「適時2塁打」となった。
7回表阪神無死、遊撃への内野安打で「猛打賞」とする近本光司外野手=マツダスタジアム
0- 6の 3回にも、一死 2塁から中前へ反撃の適時打。「6戦連続安打&2戦連続のタイムリー」と絶好調モードだ。
さらに 7回は先頭で遊撃への内野安打、 9回も先頭で中前打とチャンスメークの役割も果たし、「5打数4安打2打点」。 7月26日の中日戦(ナゴヤドーム)以来、今季 2度目となる 1試合 4安打をマークした。
開幕直後から不振が続く苦しいスタート。打率が「2割」に届かない期間も長かった。だが、そこは昨季、ルーキーながらセ・リーグ新記録の「159安打」を放った男。少しずつ調子を上げていくと、 8月は 6試合すべてで安打を放ち、月間打率は「0.480」(25打数12安打)。今季通算でも「打率0.271」まで上昇した。
9回、安打を放った近本光司外野手=マツダスタジアム
“鯉キラー”ぶりも発揮している。今季広島とは 6試合を戦って「14打数8安打6打点。打率0.571」とお得意様だ。 3連戦初戦は落としたが、きょう 8日からの戦いに勝つには近本が鍵になってくるのは間違いない。
復調した姿に井上打撃コーチも「こんな感じで打ってたんだよね、というのを思い出したというのがちょっと見えてきたかな」と目を細めた。チームはなかなか勢いに乗り切れない状況だが、勢いに乗っている背番号「5」が次は勝利へと導く。
7回表阪神無死 1、 2塁、左前適時打を放ったジェリー・サンズ外野手=マツダスタジアム
阪神「3番」ジェリー・サンズ外野手が筋金入りの勝負強さを見せつけた。
敗色濃厚の 7回無死 1、 2塁。高橋樹の低めチェンジアップをとらえ、左前適時打を放った。「4番」大山、「5番」ボーアの調子が上がらない中、中軸で唯一の「安打&打点」をマークした。得点圏打率のリーグトップを死守し、「22打数11安打」で驚異の「5割」まで上昇。ポイントゲッターの面目躍如だった。
7回表阪神無死 1、 2塁、左前適時打を放ったジェリー・サンズ外野手=マツダスタジアム
“奥の手”も嗚呼、惨敗…。阪神はマツダでの広島戦に、今季「ワースト15被安打&ワーストタイ11失点」で敗れた。矢野燿大監督は、球界最年長43歳の福留孝介外野手を日本では20年ぶりとなる「2番」(右翼)でスタメン起用したが、実らず。「勝率5割」復帰に失敗し、借金は再び「2」。夏の長期ロードは、苦しいスタートとなった。
理想と現実の狭間で、矢野監督が最善と判断した“奥の手”。それが「2番・福留」-。あっと驚く起用で「勝率5割」復帰を狙ったが、歯車はかみ合わずに大敗。借金は再び「2」となった。
「(福留)孝介は代打だけとは思っていない。経験も豊富やし、どの打順でも孝介は置けると思うんで。そういうところでは、やってみていいんじゃないかなと」
「2番・福留」は 2三振も 1安打 1打点と機能はしたが…=マツダスタジアム
スタメン発表で、マツダスタジアムがざわめいた。10試合ぶり先発の球界最年長433歳の福留を、日本球界では20年ぶりの「2番」に組み込んだ。中日時代の2000年 9月21日の横浜戦(横浜)以来。以降は中軸を職場にしてきた強打者に、異例の役目を託した。
機能はした。 5回一死 2、 3塁は二ゴロで 1打点。 7回無死 1塁では右前打で好機を広げ、得点に絡んだ。 9試合ぶりの「2桁安打」で 6得点。それでも先発の青柳の乱調など今季ワーストタイの「11失点」を喫してしまうのが乗れない虎の現状だ。
「(糸井)嘉男とか、他の絡みでそういうこと(福留の「2番」)はもちろん考えている」
阪神スタメン=マツダスタジアム
最近は「2番」での出場が多い糸井は下半身の状態が万全といえず、この日は 9連戦中の移動日の試合ということもあって、ベンチスタート。さらに打線は前日 6日の巨人戦で11得点したとはいえ、「4番・大山」と「5番・ボーア」が 8月の「月間打率1割台」と苦戦するなど、停滞気味。どう打線をかみ合わせるか、起爆させるかがポイントだった。
しかも「2番」といえば、矢野監督が開幕前からポイントに挙げていた肝の打順だ。捕手としての経験から「足の速い左打者がいると相手は嫌」と近本に託して出発したが、本人と打線全体の不振で、開幕 3試合で断念した。後を受けて好調をキープした糸原も右手有鉤骨の骨折で離脱。以降は、なかなか打線の“ちょうつがい”が、決まっていなかった。
9回、三振に倒れた福留孝介外野手(手前)をベンチから見つめる矢野燿大監督=マツダスタジアム
「1番・近本」が元気を取り戻したなか、誰が「2番」に最適か。理想ではなく、現状を見据えた上で、足が速く相手をかき回す近本とはスタイルが違い、チャンスで打点を稼ぐタイプの福留を、あえて「2番」に配置。「1番」から近本、福留、サンズと続く、ひと足早いクリーンアップを組んだが…。
「『4、5(番)』でピタッと止まってしまっているから。チャンスメークしたところでかえせないというのは。どうしても流れが止まってしまう」 この日も下位、そして「1~3番」と続いた流れを「4、5番」がことごとくつぶし「全員が全員、調子がいいというのもないと思うけど。我慢せな、しゃあないしね」と悔しさをかみ殺した。夏の長期ロードの初戦。勝てば勢いに乗れる、勝負手の一戦を落とした。次の一手は-。指揮官の手腕が試される。
「4番」のバットが力なく空を切った。 4- 6と 2点差まで追い上げた 5回だ。
二死 1、 3塁の場面。カウント 1- 2から大山悠輔内野手は広島森下の 4球目、外角カーブを捉えられず空振り三振。さあ、追いつけ、追いこせ! そんな虎党の期待はため息に変わった。下位打線からチャンスメークしても中軸がかえせない…。矢野監督も「『4、5(番)』がピシャッと止まってるから」と悩ましげだ。
9回表阪神二死 2塁、中飛に倒れ最後の打者となる大山悠輔内野手=マツダスタジアム
明暗がくっきりと分かれた。鈴木誠の「代役」として「4番」に入った松山は、 3安打 4打点と大暴れでお立ち台に登った。一方、虎の「4番」は 7回にも 2塁併殺に斬られ、 9回は中飛で最後の打者に。 5打数無安打、これで「14打席連続ノーヒット」だ。 7月は「打率2割9分9厘、8本塁打」と「V字回復の使者」となった男が、 8月はまだ 6試合ながら「打率1割2分5厘、0本塁打」だ。
球界最年長の43歳福留を「2番」に置く驚きの用兵で試合に臨んだ。矢野監督は「コウスケは代打だけとは思っていない。経験も豊富。どの打順でも置ける」。中日時代以来となる20年ぶりとなる「2番」で大ベテランは 1安打 1打点。チャンスを演出したが、クリーンアップ 3人が合わせて「11打数1安打」。中軸が期待に応えられなかった。
9回表阪神二死 1塁、中飛に倒れ試合終了、ベンチに引き揚げる大山悠輔内野手=マツダスタジアム
矢野監督は大山に「その打順を打ってる自覚とプライドというのはあると思う。前を向いて『4番』にふさわしいバッターになってくれたら」と奮起を促す。首位巨人とは「6ゲーム」差の「4位」。振り向けば「5位」広島は「1ゲーム」差に迫る。試合の結果に直結する「4番」のバット。大山の復調なくして真夏の逆襲はあり得ない。
広島松山竜平内野手に「3ラン」を浴びた青柳晃洋投手=マツダスタジアム
右腕はぼうぜんとマウンドに立っていた。青柳晃洋投手は、笑うことも、悔しそうな表情を浮かべることもなかった。
3回10安打、自己ワーストタイの 6失点で「2敗」目を喫し「実力不足かなと」と短い言葉に胸中を押し込めた。
1回は先頭の西川を四球で出し、二死 2塁で「4番」松山からの 3連打で 2失点。 2回は一死 1、 3塁で 1軍デビュー戦の羽月にセーフティースクイズ(記録は投安)を決められ、二死から松山に「3ラン」を浴びた。試合前まで対左の被打率は1割8分だったが、先発野手 8人中、 6人並んだ左打者に 8安打された。
9連戦の 4試合目。「中継ぎ陣に負担をかけないように」と挑んだが、 4回から継投を余儀なくさせてしまった。試合前までチームトップだった「防御率2.23」の安定感は霧消。「良いコースにはいっていた。でも結果がすべてだと思います」。右腕は悔しさをこらえてバスに乗り込んだ。
9勝 9敗だった昨季は四球から自滅するパターンが多かった。「課題は無駄なフォアボールとフォアボールの出し方。(打順)『8、9番』に対して本当に際どいボールがいるのか」。しかし、この日はボール先行からストライクを取りにいった甘い球を痛打された。ここまでチーム最多4勝を挙げ「投げる試合は全部勝ちたい」と語ってきた青柳が、課題としてきた部分で苦しみ、 3回で81球も費やした。
勝ち頭でまさかの誤算。
矢野監督は「ちゃんとレベルを上げていってくれるような登板をしてくれたらいい。次回どうするか」と奮起を促した。今季最短KOとなったが、リベンジの舞台はまだたくさんある。
2回、青柳晃洋投手が松山竜平内野手に「3ラン」を被弾。まさかの 3回KOだ=マツダスタジアム
またも鯉に打ち込まれ、ベンチでうなだれるしかなかった。青柳が、自己ワーストタイの 3回を 6失点でKO。低めの厳しいボールもはじき返され、持ち味のゴロで打たせて取る投球は影を潜めた。
「いいボールも結構打たれていたので、実力不足かなと思います」
立ち上がりから苦しい展開となった。 1回。四球と犠打で二死 2塁とされ、「4番・松山」に中前へ先制打。続く坂倉にも右越えの 2塁打で 2、 3塁から、ピレラには遊撃内野安打を許して、あっさり 2点目を献上した。
2回には 2本の安打で一死 1、 3塁のピンチを招くと、高卒 2年目、デビュー戦だった羽月に投前へ「プロ初安打」となるバント安打を決められ、さらに 1失点。その後、二死から松山に右翼ポール際へ「3ラン」を浴びた。
3回81球、10被安打で 6失点。 3回での降板は2017年 4月15日の広島戦(甲子園)以来、1210日ぶり。チームの先発投手陣の中でも、今季最短での交代となった。10被安打も 6失点も自己ワーストタイだ。
ここまでチームトップの「4勝」と安定した好投を続けてきた右腕の、まさかの炎上。矢野監督は「 1年間同じような打者と戦っていくんやから、打たれたりすることは出てくる。次回どうするか(が大事)」と今後に期待したが、「対広島」は青柳にとって大きな課題となっている。
今季初対戦だったが、これで通算 3試合で「0勝2敗、防御率11.57」。 3回、 3回 1/3、 3回と散々だ。公式戦プロ初登板となったマツダスタジアムでも、 6月 9日の練習試合でも 5回 6安打 4失点と打ち込まれている。さらに広島戦の通算被打率は「0.440」(50打数22安打)。左打者に限れば「0.545」(33打数18安打)と、課題は明確だ。
青柳は「いいコースにいっていたんですけど、結果でいえば、これだけ打たれているので。結果がすべてだと思います」と現実を受け止めた。ここから修正する。必ずカープにやりかえす。それしかない。
8回裏、阪神「5番手」の望月惇志投手=マツダスタジアム
望月惇志投手が連続無失点を8試合に伸ばした。
5点差の 8回に「5番手」で救援登板。連投となったが、先頭の新助っ人ピレラを 152キロ直球で押し込んで中飛。
そこから田中広、野間と打ち取り、危なげなく「3者凡退」で 1回を抑えた。威力抜群の直球を武器に 7月 1日中日戦から無失点を継続。 5年目右腕がアピールを続けている。
※ 8月 8日の予告先発は、広島・大瀬良大地投手(29)ー阪神・西勇輝投手(29)です。どちらに軍配が上がるか、楽しみですね。
ガンバレ!阪神!我らのタイガース!勝利を掴め!
多くの方と話をする中で、"楽しむからこそ実力が発揮できる"そして"笑うということには大きなパワーがある"ということを教えてもらいました。
これからの1年はグラウンドで苦しい時こそ笑って、楽しいときはもっと楽しく、でもしっかり勝つようなチームを作っていきます。
そして、僕たちが勝つことでファンの皆さんにも思いっきり笑ってもらい、思いっきり喜んでもらえるようなシーズンにすべく、「It's 勝笑 Time!オレがヤル」というスローガンにしました。
2020年 オープン戦 最終順位表
2020年 公式戦 順位表
2020年 公式戦日程と 結果 (07月)
2020年 公式戦日程と 結果 (08月)
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