●両チームのスタメンが発表された。先発は阪神が青柳晃洋投手(26)、広島が九里亜蓮投手(29＝亜細亜大學ＯＢ)。阪神近本光司外野手(25)は19年 9月19日のヤクルト戦以来、約 1年ぶり 2度目となる｢３番｣でスタメン。現在｢５試合連続安打｣中で、打率は今季最高の｢２割９分６厘｣だ。得点圏打率も｢リーグ８位タイ｣の｢３割３分３厘｣と勝負強い。また、高卒 2年目の小幡竜平内野手(20)をプロ初の｢１番｣に起用した。広島先発の九里は 3回を終えて 2安打無失点。打線は 3回、｢３番｣鈴木誠が投手強襲の適時 2塁打を放ち、先制点を奪った。阪神は 1点を追う 6回一死 2塁、適時失策で同点とした。先発青柳は 6回を終えて 6安打 1失点と試合をつくった。広島は同点の 7回に代打大盛穂外野手(24)の｢２号ソロ｣などで 2点勝ち越し。阪神は 8回に代打原口文仁捕手(28)の 2点打で追いつき、そのまま延長戦に突入。阪神は10回、途中出場の熊谷敬宥内野手(24)が勝ち越し打。藤浪に｢勝利投手｣の権利が舞い込んだが、広島はその裏、一死満塁から堂林翔太外野手(29)の遊ゴロで追いついた。試合は引き分けに終わった。
●青柳晃洋投手に一瞬ひやりとするアクシデントが起こった。 3回二死 1塁、鈴木誠也外野手(25)のライナー性の打球が青柳の左膝上部付近を直撃。打球はそのまま右翼へ飛び、 1塁走者の田中広輔内野手(31)が生還した。青柳は 1度治療のためベンチに下がるも、再びマウンドに戻り続投。その後は松山竜平内野手(34)を 2ゴロに抑えた。青柳は笑顔も見せており、大事には至らなかった様子だ。青柳晃洋投手が 6回 6安打 1失点と粘ったが、｢７勝｣目は遠かった。味方の援護なく、同点のままマウンドを降りた。 8月まで｢６勝｣とチームの勝ち頭だったが、9月以降は 6試合で｢０勝４敗｣。長らく勝ち星に見放されている。
●阪神のベテラン桑原謙太朗投手(34)が痛恨被弾した。 9月26日ヤクルト戦(神宮)以来の登板で結果を残せず。今季 6戦で｢防御率は６．７５｣に悪化した。
●今季 6度目のリリーフ登板となった藤浪晋太郎投手(26)が、わずか 9球で 1回を 3者凡退に抑えた。チームは10回に一時勝ち越し。藤浪に今季｢２勝｣目の可能性があったが、その裏にロベルト・スアレス投手(29＝福岡ソフトバンク)が同点に追いつかれ、白星は消え、｢３ホールド｣目がついた。
●ジャスティン・ボーア内野手が、来日最長となる｢１９打席無安打｣。期待の助っ人が苦しんでいる。｢７番１塁｣で2試合ぶりにスタメン出場。広島九里に対し、第1打席はツーシームに空振り三振、第 2打席は内角直球に見逃し三振に終わった。また、｢５番左翼｣で 2試合ぶりにスタメンのジェリー・サンズ外野手(32＝キウム・ヒーローズ)も、来日最長となる｢２６打席無安打｣中。チーム浮沈のカギを握るＢＳ砲の復調が待たれる。
●阪神が原口文仁捕手(28)の執念適時打で、試合を振り出しに戻した。 1－ 3の 8回。 3四球でつないできた二死満塁で、広島ケムナ誠投手(25)の内角高め直球を引っ張った。原口が放った打球は奇妙な軌道を描いた。ハーフライナーに気味の打球は、 3塁手三好匠内野手(27)の正面を突いたが、グラブ横をシュート回転でスルリ。打球は三好はグラブに収めることができず左前へ転がり、 2人の走者が生還した。球場の電光掲示板には｢Ｈ｣ランプがともった。広島の山田和利内野守備走塁コーチ(55)は驚きの声を上げた。試合前から矢野燿大監督(51)は激しく動いた。売り出し中の 2年目小幡をプロ初の｢１番｣、好調の近本をプロ 2度目の｢３番｣で起用。｢１番｣小幡、｢２番｣北條史也内野手(26)、｢３番｣近本、｢４番｣大山悠輔内野手(25)と将来の猛虎打線をイメージさせるラインアップで臨んだ。試合直前には珍しくベンチ前にナインを集め、幾重にもなった輪の中心で身ぶり手ぶりでゲキを飛ばした。序盤からスッキリしない展開が続いたが、原口の秘打で試合が動きだした。｢コロナ禍｣に苦しみ、逆風が吹き荒れるシーズン終盤戦。最後までファイティングポースを貫いた。
●阪神 2年目の小幡竜平内野手がプロ初の｢１番｣で｢マルチ安打｣をマークした。 1点を追う 6回は先頭で九里の低め変化球に当て、緩いゴロで快足を飛ばして遊撃内野安打。同点のホームを踏んだ。同点の 9回にはフランスアの速球をシュアな打撃で左前に運んだ。正遊撃手の木浪聖也内野手(26＝亜細亜大學ＯＢ)が｢コロナ禍｣で離脱しており、本気で定位置奪取を狙う。
●熊谷敬宥内野手が一時勝ち越しの適時打を放った。延長10回に大山の四球から敵失も絡んで一死 3塁。塹江敦哉投手(23)の 149キロ直球を中前にはじき返した。10回裏に同点に追いつかれ、なお二死 2、 3塁の守備では菊池涼介内野手(30)の飛球を 3塁カメラ席に身を乗り出して好捕。攻守で存在感を見せた。
●岩田稔投手(36)は 7日広島戦に先発して自身｢２連勝｣を狙う。前回は｢新型コロナウイルス感染拡大｣の影響で登板日が二転三転した末、｢特例2020｣で 1軍昇格。中 9日で 1日中日戦に先発し、 7回途中無失点で 454日ぶりの｢白星｣を手にした。
記事をまとめてみました。
＜広島 4－ 4阪神＝10回規定により引き分け＞◇18回戦◇阪神10勝 5敗 3分◇ 6日◇Mazda Zoom-Zoom スタジアム広島(通称：｢マツダスタジアム｣
両チームのスタメンが発表された。先発は阪神が青柳晃洋投手、広島が九里亜蓮投手。阪神近本は19年 9月19日のヤクルト戦以来、約 1年ぶり 2度目となる｢３番｣でスタメン。現在｢５試合連続安打｣中で、打率は今季最高の｢２割９分６厘｣だ。得点圏打率も｢リーグ８位タイ｣の｢３割３分３厘｣と勝負強い。また、高卒 2年目の小幡をプロ初の｢１番｣に起用した。矢野阪神が打線改造で｢２連勝｣なるか。
試合前練習を行う近本光司外野手＝マツダスタジアム
先発メンバーが発表され、阪神は 2年目の小幡をプロ初の｢１番｣で起用した。｢１番｣を務めていた近本は今季初の｢３番｣。 5日の巨人戦(甲子園)で先発から外れたサンズは｢５番・左翼｣、ボーアは｢７番・１塁｣で復帰した。阪神のスタメンは以下の通り。
広島－阪神 スタメン＝マツダスタジアム
広島先発の九里は 3回を終えて 2安打無失点。打線は 3回、｢３番｣鈴木誠が投手強襲の適時 2塁打を放ち、先制点を奪った。
阪神は 1点を追う 6回一死 2塁、適時失策で同点とした。先発青柳は 6回を終えて 6安打 1失点と試合をつくった。
広島は同点の 7回に代打大盛の｢２号ソロ｣などで 2点勝ち越し。阪神は 8回に代打原口の 2点打で追いつき、そのまま延長戦に突入。
阪神は10回、途中出場の熊谷が勝ち越し打。藤浪に｢勝利投手｣の権利が舞い込んだが、広島はその裏、一死満塁から堂林の遊ゴロで追いついた。試合は引き分けに終わった。
6回表阪神1死二塁、近本光司外野手は一塁失策を誘い同点となる＝マツダスタジアム
阪神が相手の失策も絡んで同点に追いついた。
1点ビハインドの 6回先頭、プロ初の｢１番｣に起用された小幡が遊撃への内野安打で出塁。一死 2塁となり、｢３番｣近本はフルカウントから広島九里の直球を引っ張った。打球は 1塁手松山の正面だったが、イレギュラーもあって後逸。打球は右翼へ抜けていき、 2塁走者の小幡が生還した。
その後は｢４番｣大山が左前打。一死 1、 2塁とチャンスを拡大したが、｢５番｣サンズが空振り三振、｢６番｣糸井は 2ゴロで勝ち越しとはならなかった。
10回表阪神一死 3塁、熊谷敬宥内野手は中前に勝ち越し適時打を放った＝マツダスタジアム
阪神が延長10回に一時勝ち越すも、直後に追いつかれ、 4時間超の戦いは引き分けに終わった。矢野監督は｢トータル的には勝ちたかったけど、負けなかったのは大きいと思っている｣ととらえた。
3－ 3の延長10回、大山が四球で出塁すると、敵失と島田の犠打で一死 3塁。絶好機で熊谷が中前適時打を放ち、勝ち越しに成功した。しかし直後に守護神スアレスが一死から長野、坂倉に連打を浴び、一死満塁から堂林の遊ゴロの間に同点に追いつかれた。
延長戦を勝ちきれず広島と引き分けた阪神ナイン＝マツダスタジアム
今季 6度目のリリーフ登板となった藤浪は、 9回にマウンドに上がるとわずか 9球で 3者凡退に抑えた。先頭の大盛を 3球三振。ピレラは 3球目のカットボールで 2飛に仕留め、田中広を変化球2球で追い込み、最後は 159キロ直球で空振り三振。｢救援初勝利｣こそ逃したが、今季 3ホールド目を挙げた藤浪は｢青柳さんがゲームを作ってくれましたし、その後チームも踏ん張っていたので0点で抑えることができて良かったです｣と話した。
阪神は勝ち越した後の10回二死 1塁で、藤浪の代打に長坂を送り、ベンチ入りした野手全員を使う形となった。
9回裏、藤浪晋太郎投手＝マツダスタジアム
阪神が延長10回に一時勝ち越すも、直後に追いつかれ、 4時間超の戦いは引き分けに終わった。矢野燿大監督の一問一答は以下の通り。
－もったいない引き分け
矢野監督 トータル的には勝ちたかったけど、負けなかったのは大きいと思っている。
－守護神スアレスは粘りきった
矢野監督 そりゃね、負けるのと同点ではえらい違うんで。よく粘ってくれた。
－熊谷もいいところで打ったのは明るい材料
矢野監督 まあ材料というか、みんながよくつないで、全員で何とかこういう試合ができた。後からいくメンバーも頑張ってくれたし、ピッチャーもつないでくれたから。
－能見、藤浪らが流れを引き寄せた
矢野監督 もちろんクワ(桑原)が打たれたとか、ゲームの中ではあるけど。全体的には向こうにある流れを、フミ(原口)のヒットもある意味、ラッキーな部分があったと思うし。でもこういう試合ができたというのは、みんなのつなぐ気持ちというか、要所、要所ではやってくれたし、控えのメンバーも頑張ってくれた。そういうことじゃないかな。
延長戦で広島と引き分けナインをエアタッチで迎える矢野燿大監督＝マツダスタジアム
－ 9回に登板の藤浪は難しい面もあった
矢野監督 難しいというか、毎回難しいからさ。1個1個自分で経験して成長していくものやと思うから。中継ぎって、先発と違う 1球 1球の難しさとか緊張感はある意味高いんでね。その中で精度の高い、今日みたいなボールがいけば、しっかり抑えられるし。また変化球が決まれば、より真っすぐも生きるんでね。そういう、抑えたっていう（より）中身がしっかりあるボールが多かったので、それはよかったと思う。
－小幡を｢１番｣
矢野監督 メンバーもあれやし、ちょっとなかなか点とれてないんで。その中で何かこう、俺の中では挑戦してみて、その中でまたいろいろ判断していこうかなというところで、小幡自身はよくやったと思うし。食らいついていったし、フランスアとか、ああいう左投手からしっかりヒット打ったっていうのも大きいと思う。
－円陣で声をかけた
矢野監督 それは、言えるようなことでは(ない)
阪神先発の青柳晃洋投手＝マツダスタジアム
青柳晃洋投手に一瞬ひやりとするアクシデントが起こった。
3回二死 1塁、鈴木誠のライナー性の打球が青柳の左膝上部付近を直撃。打球はそのまま右翼へ飛び、 1塁走者の田中広が生還した。
青柳は 1度治療のためベンチに下がるも、再びマウンドに戻り続投。その後は松山を 2ゴロに抑えた。青柳は笑顔も見せており、大事には至らなかった様子だ。
3回裏広島二死 1塁、鈴木誠也外野手の打球を体に当ててしまった青柳晃洋投手＝マツダスタジアム
青柳晃洋投手が 6回 6安打 1失点と粘ったが、｢７勝｣目は遠かった。｢ここ数試合立ち上がりに課題がありましたが、今日は丁寧に投げることが出来ましたし、何とかゲームを作ることが出来ました｣。味方の援護なく、同点のままマウンドを降りた。
3回二死 1塁、鈴木誠のライナーが青柳の左膝上部付近を直撃。角度の変わった打球はそのまま右翼へ飛び、 1塁走者の田中広が生還し先制を許した。不運なアクシデントにも動じず、続投。 5回二死 1、 3塁のピンチでは、 2安打の鈴木誠に 1度もバットを振らせず、外いっぱいの直球で見逃し三振を奪った。
5回 8失点だった 9月30日中日戦から中 5日。初回から落ち着いた投球を見せ、汚名を返上した。 8月まで｢６勝｣とチームの勝ち頭だったが、9月以降は 6試合で｢０勝４敗｣。長らく勝ち星に見放されている。
3回裏広島二死 1塁、青柳晃洋投手は鈴木誠也外野手の打球を左膝上部付近に受け適時 2塁打となり、治療のため一度ベンチへ引き揚げる＝マツダスタジアム
青柳晃洋投手が 6回 6安打 1失点でマウンドを降りた。｢ここ数試合立ち上がりに課題がありましたが、今日は丁寧に投げることができましたし、何とかゲームを作ることができました｣。同点のまま降板し｢７勝｣目はならなかったが、初回から丁寧な投球で広島九里と投手戦を繰り広げた。
0－ 0の 3回二死 1塁、鈴木誠のライナー性の打球が青柳の左膝上部付近を直撃。打球が右翼へ飛んだ間に 1塁走者の田中広が生還し、先制を許した。不運なアクシデントとなったが、青柳は動じずに続投。 5回二死 1、 3塁の場面では、 2安打を放っていた鈴木誠を外いっぱいの直球で見逃し三振。 1度もバットを振らせずにピンチを脱した。敵失で追いついた直後の 6回は、先頭の松山に中前打を浴びるも、後続 3人を打ち取り無失点。直後の 7回表の攻撃で代打を送られ降板した。
前回 9月30日中日戦(甲子園)では 5回 9安打 5四球と乱れ、自己ワースト｢８失点(自責７)｣で｢７敗｣目。中 5日で迎えたマウンドで汚名を返上した。
7回裏広島一死、桑原謙太朗投手は代打大盛穂外野手に右越え本塁打を浴びる＝マツダスタジアム
阪神のベテラン桑原謙太朗投手が痛恨被弾した。
同点の 7回に登板。一死後、代打大盛にカットボール系をすくわれて右翼に｢勝ち越しソロ｣。さらに 2四球を与えてピンチに陥ると、松山に外角速球をとらえられて左前適時打を許して 2失点した。 9月26日ヤクルト戦(神宮)以来の登板で結果を残せず。今季 6戦で｢防御率は６．７５｣に悪化した。
9回裏を 3人で仕留めた藤浪晋太郎投手＝マツダスタジアム
今季 6度目のリリーフ登板となった藤浪晋太郎投手が、わずか 9球で 1回を 3者凡退に抑えた。
同点の 9回に先頭大盛を 3球三振。代打ピレラは 3球目のカットボールで 2飛に仕留め、田中広を変化球 2球で追い込んで最後は 159キロ直球で空振り三振。｢青柳さんがゲームを作ってくれましたし、その後チームも踏ん張っていたので0点で抑えることができて良かったです｣。チームは10回に一時勝ち越し。藤浪に今季｢２勝｣目の可能性があったが、その裏にスアレスが同点に追いつかれ、白星は消え、｢３ホールド｣目がついた。
5回表阪神無死、ボーア内野手は｢２打席連続三振｣に倒れる、左は九里亜蓮投手＝マツダスタジアム
ジャスティン・ボーア内野手が、来日最長となる｢１９打席無安打｣。期待の助っ人が苦しんでいる。
｢７番１塁｣で2試合ぶりにスタメン出場。広島九里に対し、第1打席はツーシームに空振り三振、第 2打席は内角直球に見逃し三振に終わった。
ボーアは開幕から18打席安打が出なかった。19打席目で来日初安打を放ったが、そのブランクをついに超えた。また、｢５番左翼｣で 2試合ぶりにスタメンのジェリー・サンズ外野手も、来日最長となる｢２６打席無安打｣中。チーム浮沈のカギを握るＢＳ砲の復調が待たれる。
7回表阪神無死、ボーア内野手は右前打を放った＝マツダスタジアム
来日最長となる｢１９打席無安打｣中だったジャスティン・ボーア内野手が、20打席目で久々の安打を放った。
｢７番１塁｣で 2試合ぶりにスタメン出場。 7回先頭の打席で、広島九里の外角ツーシームを右前に運んだ。第 1打席はツーシームに空振り三振、第 2打席は内角直球に見逃し三振に終わっていた。
ボーアは開幕から18打席安打が出なかった。19打席目で｢来日初安打｣を放ったが、そのブランクを超えていた。
しかし｢５番左翼｣で 2試合ぶりにスタメンのジェリー・サンズ外野手は、来日最長となる｢２７打席無安打｣中。 8月下旬から40試合で｢４番｣を務めていた助っ人の状態が気になる。
8回表阪神二死満塁、代打の原口文仁捕手は同点の 2点適時打を放った＝マツダスタジアム
阪神が原口文仁捕手の執念適時打で、試合を振り出しに戻した。
1－ 3の 8回。 3四球でつないできた二死満塁で、広島ケムナの内角高め直球を引っ張った。打球は 3塁手三好の正面を突いたが、三好はグラブに収めることができず左前へ転がり、 2人の走者が生還した。球場の電光掲示板には｢Ｈ｣ランプがともった。原口は｢青柳も頑張っていましたし、何とかしたい場面で運も味方をしてくれました。追いつくことができて良かったです｣とコメントした。
8回表阪神二死満塁、代打原口文仁捕手は左前に同点適時打を放った＝マツダスタジアム
えっ、空中イレギュラー！？ 阪神は野手全員を使い切る総力戦で今季 9度目の引き分け。打線改造もあった一戦でハイライトの 1つが、代打原口文仁捕手の秘打だ。 8回二死満塁から強打でボールをたたきつぶし、 3塁正面へのライナーが空中で軌道を変えて左前へ抜けた。広島ベンチも驚いたこの同点の 2点適時打がなければ敗色濃厚だった。
◇ ◇ ◇
矢野阪神が前代未聞の秘打から引き分けに持ち込んだ。 1－ 3と 2点を追う 8回だ。
広島の｢３番｣手ケムナの 3四球で二死満塁の場面。代打原口が放った打球は奇妙な軌道を描いた。ハーフライナーに気味の打球は、 3塁手・三好のグラブ横をシュート回転でスルリ。土壇場の 2点タイムリーで同点に追いついた。原口が｢運も味方してくれた｣と言えば、広島の山田内野守備走塁コーチは｢空中イレギュラーしたのか、少し中に入った｣と驚きの声を上げた。
8回表阪神二死満塁、三好匠内野手は代打原口文仁捕手の打球を捕球できず適時打となる＝マツダスタジアム
試合前から矢野監督は激しく動いた。売り出し中の 2年目小幡をプロ初の｢１番｣、好調の近本をプロ 2度目の｢３番｣で起用。｢１番｣小幡、｢２番｣北條、｢３番｣近本、｢４番｣大山と将来の猛虎打線をイメージさせるラインアップで臨んだ。試合直前には珍しくベンチ前にナインを集め、幾重にもなった輪の中心で身ぶり手ぶりでゲキを飛ばした。序盤からスッキリしない展開が続いたが、原口の秘打で試合が動きだした。
野手全員を使い切る総力戦で最後まで食らいついた。同点の延長10回には途中出場の 3年目熊谷が中前適時打を放ち、一時は勝ち越しに成功した。結局、守護神スアレスが同点に追いつかれて今季 5度目のドローに終わったが、｢１番｣抜てきの小幡が 2安打と光もあった。サンズ＆ボーアの不振が続く中、攻撃でも見せ場を作った。
矢野監督も前を向く。｢トータル的には勝ちたかったけど、負けなかったことは大きいと思っている。みんながよくつないで、全員で何とかこういう試合ができた。後からいくメンバーも頑張ってくれたし、ピッチャーもつないでくれたから｣。｢コロナ禍｣に苦しみ、逆風が吹き荒れるシーズン終盤戦。最後までファイティングポースを貫いた。
9回表阪神一死、小幡竜平内野手は左前打を放った＝マツダスタジアム
阪神 2年目の小幡竜平内野手がプロ初の｢１番｣で｢マルチ安打｣をマークした。 1点を追う 6回は先頭で九里の低め変化球に当て、緩いゴロで快足を飛ばして遊撃内野安打。同点のホームを踏んだ。同点の 9回にはフランスアの速球をシュアな打撃で左前に運んだ。
｢入った時から『１番ショート』をずっと目標にやってきた。すごくワクワクした。とにかく必死でした｣。正遊撃手の木浪が｢コロナ禍｣で離脱しており、本気で定位置奪取を狙う。
10回裏広島二死満塁、熊谷敬宥内野手は代打菊池涼介内野手の邪飛を捕球し試合終了、右は＝マツダスタジアム
熊谷敬宥内野手が一時勝ち越しの適時打を放った。
延長10回に大山の四球から敵失も絡んで一死 3塁。塹江の 149キロ直球を中前にはじき返した。
｢前の回に藤浪さんがいい投球をして、その流れでチャンスもきて。そのチャンスで打てて、すごくうれしかったです。ああいうところでしっかりアピールできて良かったのかなと思います｣。10回裏に同点に追いつかれ、なお二死 2、 3塁の守備では菊池涼の飛球を 3塁カメラ席に身を乗り出して好捕。攻守で存在感を見せた。
練習でキャッチボールする岩田稔投手＝マツダスタジアム
岩田稔投手は 7日広島戦に先発して自身｢２連勝｣を狙う。
前回は｢新型コロナウイルス感染拡大｣の影響で登板日が二転三転した末、｢特例2020｣で 1軍昇格。中 9日で 1日中日戦に先発し、 7回途中無失点で 454日ぶりの｢白星｣を手にした。今回は中 5日で、今季初の広島戦に向けて｢打線がつながるチーム。 1人 1人を何とか抑えられるように頑張ります｣とイメージした。
※10月 7日の予告先発は、広島・遠藤淳志投手(21)ー阪神・岩田稔投手(36)です。どちらに軍配が上がるか、楽しみですね。
ガンバレ！阪神！我らのタイガース！勝利を掴め！
多くの方と話をする中で、"楽しむからこそ実力が発揮できる"そして"笑うということには大きなパワーがある"ということを教えてもらいました。
これからの1年はグラウンドで苦しい時こそ笑って、楽しいときはもっと楽しく、でもしっかり勝つようなチームを作っていきます。
そして、僕たちが勝つことでファンの皆さんにも思いっきり笑ってもらい、思いっきり喜んでもらえるようなシーズンにすべく、「It's 勝笑 Time！オレがヤル」というスローガンにしました。
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