●中日は 1回にソイロ・アルモンテ外野手(31)の右前適時打で 1点を先制した。中日先発松葉貴大投手(30)は阪神の拙攻もあり、 3回 3安打無失点と好投。中日は 4回一死 1、 3塁で大島洋平外野手(34)が「適時2塁打」を放ち 1点を追加。松葉は 5回 6安打無失点で降板、継投策に移った。阪神は 8回に原口文仁捕手(28)の適時打などで 3点を奪い逆転。中日は 9回に高橋周平内野手(25)の「逆転サヨナラ3ラン」で「5連勝」。「2位」を守った。藤嶋健人投手(22)「初白星」。ロベルト・スアレス投手(29=福岡ソフトバンク)は「初黒星」。守護神スアレスが今季初被弾し、虎が痛恨の「サヨナラ負け」だ。暗転への始まりは、 1点リードの 9回一死 1、 2塁。迎えたダヤン・ビシエド外野手(31)の打球は 2直だった。セカンド植田海内野手(24)が捕球したまではよかった。だが、その植田の 2塁送球が悪送球に…。「一打逆転の危機」となった二死 2、 3塁で、高橋に左翼席へ 3ランを運ばれた。スアレスは今季42試合目の登板で初の被弾。「黒星」がつくのも移籍後初で、チームは中日に「3連戦3連敗」を喫した。悔やまれるのは、敗戦の伏線として攻守でのミスがあったこと。
●岩田稔投手(36)が、今季最短の 3回 1/3、 5安打 2失点3四球で降板となった。初回、先頭の大島を 1ゴロの当たりに打ち取るが、岩田の 1塁へのベースカバーがわずかに遅れ内野安打に。京田陽太内野手(26)の犠打で一死 2塁とされ、アルモンテに右前適時打を浴び、わずか 3人で先制された。前回 7日広島戦(マツダスタジアム)では、「勝利投手」の権利まであと 1アウトのところで、逆転打を浴び降板。この日も「勝利投手」の権利は得られず、試合序盤での降板となった。
●リリーフ登板した藤浪晋太郎投手(26)が中日のクリーンアップを 3人で抑えるなど、 2回を 1安打無失点に抑えた。「3番手」で 5回に登板。先頭の「4番」ビシエドには 5球全て直球を投げ込み、最後の 155キロ直球が外れて四球。続く高橋は 153キロ直球で押し込み左飛に打ち取ると、モイゼス・シエラ外野手(32=オアハカ・ウォーリアーズ)を 154キロ直球で詰まらせて 3ゴロ併殺。11球 で1回を無失点に抑え、中軸に仕事をさせなかった。藤浪は登板 5試合ぶりに安打を浴びたが、無失点で切り抜けた。「5戦連続無失点」は継続した。
●チーム内の「コロナ禍」で一時離脱していた岩崎優投手(29)が、復帰後初のマウンドで 3者凡退に抑えた。「4番手」で 7回に登板。チーム内の「新型コロナウイルス感染」で、岩崎は「濃厚接触者」に指定され、 5日に自主練習を再開。 8日に 2軍の全体練習に合流したが、 2軍戦を経ずに 1軍合流したため、実戦は 9月22日DeNA戦(甲子園)以来。ブルペンを支えてきた安定感は健在だった。 9月22日のDeNA戦以来、約 3週間ぶりの登板だったが、「連続無失点」を10試合に延ばした。
●守護神ロベルト・スアレス投手の今季初被弾で痛恨の「サヨナラ負け」を喫した。 1点リードの 9回一死走者なしから暗転した。四球と安打で 1、 2塁と走者がたまり、ビシエドの打球は 2直。だが、捕球した植田の 2塁送球が悪送球になり、二死 2、 3塁のピンチを招いた。流れは中日へ。高橋に速球を完璧にとらえられ、左翼席に「3ラン」を浴びた。スアレスは今季42試合目の登板で、痛すぎる今季「初黒星」となり、チームも中日に「3連戦3連敗」の惨状だ。
●阪神が「25イニング」ぶりの得点を挙げた。 8回一死満塁。ジャスティン・ボーア内野手(32=エンゼルス)の 1ゴロの間に 3塁走者糸原健斗内野手(27)が生還。さらに二死 2、 3塁で原口が詰まりながらも中前に落とす 2点適時打で逆転に成功した。打線は13日中日戦の 1回に 2点を挙げた後は、無得点が続いていた。 4日巨人戦以来の先発マスク。継投後も必死に救援陣をリードしたが、 9回二死からの悪夢に笑顔はなかった。
●感謝のカウントダウンが始まった。今季限りで現役を引退する藤川球児投手(40)が15日、ナゴヤドームでの中日戦で「引退表明」後初めて 1軍に昇格した。 9回にスアレスが「逆転サヨナラ3ラン」を浴びたことを残念がったが、「日米通算250セーブ」より大切にしているのは、チームに何を残せるか。現役最後のナゴヤドームで登板機会はなかったが、「引退セレモニー」が開催される11月10日の巨人戦(甲子園)まで、希代の守護神は熱く戦い抜く。試合後のナゴヤドームに、温かな拍手があふれた。中日荒木雅博コーチ(43)から黄色い花束を受け取ると、藤川はファンが待つスタンドへ駆けて行った。ライトスタンドの中日ファンから「球児コール」が起きると、マスクで涙を拭うそぶりを見せ、笑顔でおどけた。現役最後のナゴヤドームで登板機会はなかったが、自分のタオルを持って応援してくれた左翼席に静かに一礼。全てを目に焼き付けるように、ゆっくりと球場を一周した。これまで勝利のため全力を注ぎ、紙一重の勝負を繰り返してきたグラウンド。現役22年間を応援してくれたファンへ、この日自身のツイッターも開設した。午前11時半頃には、阪神の寮「虎風荘」の看板を指さす画像を投稿。若かりし頃に鍛錬を積み、毎年練習始めを行った場所に、まずは別れを告げた。今後は甲子園だけでなく、東京や横浜、広島にも、最後の勇姿を見せに行く。11月10日巨人戦で「完全燃焼へ向かう旅」が始まった。
記事をまとめてみました。
<中日 5- 3阪神>◇21回戦◇阪神11勝10敗 0分◇15日◇ナゴヤドーム
中日は 1回にアルモンテの右前適時打で 1点を先制した。中日先発松葉は阪神の拙攻もあり、 3回 3安打無失点と好投。
中日は 4回一死 1、 3塁で大島が「適時2塁打」を放ち 1点を追加。松葉は 5回 6安打無失点で降板、継投策に移った。
阪神は 8回に原口の適時打などで 3点を奪い逆転。中日は 9回に高橋の「逆転サヨナラ3ラン」で「5連勝」。「2位」を守った。藤嶋「初白星」。スアレスは「初黒星」。
9回裏中日二死 2、 3塁、高橋周平内野手は「サヨナラ左越え3点本塁打」を放った。左はスアレス投手=ナゴヤドーム
ミスでピンチが拡大したことも影響したのか。
守護神スアレスが今季初被弾し、虎が痛恨の「サヨナラ負け」だ。暗転への始まりは、 1点リードの 9回一死 1、 2塁。迎えたビシエドの打球は 2直だった。セカンド植田が捕球したまではよかった。だが、その植田の 2塁送球が悪送球に…。「一打逆転の危機」となった二死 2、 3塁で、高橋に左翼席へ 3ランを運ばれた。スアレスは今季42試合目の登板で初の被弾。「黒星」がつくのも移籍後初で、チームは中日に「3連戦3連敗」を喫した。
リーグトップの「20セーブ」を挙げるなどリリーフ陣の中軸を担ってきた助っ人右腕について、矢野監督は「それはもう勝負だから。スアちゃん(スアレス)、今まで助けてもらってきた」と責めることはなかった。ただ、悔やまれるのは、敗戦の伏線として攻守でのミスがあったこと。指揮官も「今日はそういうのが多すぎた。ベースカバーとか、エラーとかね」と言った。
1回裏中日一死 2塁、井上広大外野手はアルモンテ外野手の右前打を後逸し、先制点を献上する=ナゴヤドーム
初回の先制点献上は「1番」大島の 1塁への打球に対し、岩田の 1塁ベースカバーが遅れたことがきっかけとなった(記録は内野安打)。 1回に井上が、 3回にはボーアが失策しており、 9回の植田の失策で、両リーグワーストのチーム失策数は「70」まで増えた。そして、この日は攻撃でも大きなミスがあった。 1点を追う 2回一死 2塁の場面。原口の 3遊間を抜く安打で、 2走ボーアが 3塁に進めず、その後も得点できなかった。
8回にチーム「25イニング」ぶりの得点となる 3点を刻んだが、あと一死で「2位」に浮上できたところで「逆転サヨナラ負け」し、貯金「0」で勝率「5割」に。Bクラス転落を免れたことだけが救いだった。
9回裏中日二死 2、 3塁、高橋周平内野手に「サヨナラ3点本塁打」を浴びたスアレス投手は、肩を落として引き揚げる=ナゴヤドーム
阪神が守護神ロベルト・スアレス投手の今季初被弾で痛恨の「サヨナラ負け」を喫した。
以下、矢野燿大監督の一問一答。
-悔しい終わり方
いや、それはもう勝負だから。スアちゃん、(スアレス)今まで助けてもらってきたから。
-責められない
もちろん、もちろん。 -ピンチを作るまでの守備のミスも痛い 今日はそういうのが多すぎた。ベースカバーとか、エラーとかね。
1回裏、ミスで中日に先制点を与え落胆する矢野燿大監督=ナゴヤドーム
- 8回の反撃の姿勢を今後にもつなげたい
いや、ボーアもヒット打ちにいっての凡打やから。それを評価するのは難しいし、ボーアが決めてくれたらいいわけだから。原口はね、持ち味というか、勝負強さを出してくれたかなと思うけど。ランナーかえしてもらうバッターやから。
-井上も守備で悔しいプレー
(打撃と)どっちも悔しいんじゃないの。まあでも、使っている俺らの責任というのもあるので。別に全部うまくやれると思って使っているわけじゃないし。経験していく中から。難しい打球ではないんで、目付とかそういうことだと思うので、しっかりやっていく経験を積んでいる段階なんで。
-明日以降の井上は
いやもちろん、落とすつもりはないけど。
4回裏中日一死 2塁、岩田稔投手が松葉貴大投手に左前打を浴びたところで投手交代を告げた矢野燿大監督=ナゴヤドーム
-先発岩田の次回は
ちょっとわからんけど。先発の準備はしてもらうし、ちょっとわからんけど、先発のね準備はしてもらうし、まあちょっと誰が候補になるのかっていうのは難しいとこなんでね。まだ決めてないです。
-藤浪は 2イニング、先頭を出しながら粘った
球数増えたらね、無理やなってふうには思ってたけど、球数も少なかったし粘りながら投げてくれたので、そういう2イニングというか優(岩崎)やサダ(岩貞)も帰ってきたんでね、そういうところで晋太郎はそういうようなバリエーションっていうところでいけるんで、これからそういうことはありえるかなと思ってます。
-藤川が合流、後輩たちも勉強になる
まあ何かを球児も残したいと思ってくれてるやろうし、そういうのはね感じ取ってもらう部分と球児自身が伝えてくれる部分と両方あると思う。それは球児自身が僕らがどうこう言わんでもやってくれると思うんで。
岩田稔投手が、今季最短の 3回 1/3、 5安打 2失点3四球で降板となった。「早いイニングで降板となってしまい情けないです」とコメントには悔しさがにじみ出た。
1回裏中日一死 2塁、マウンドの岩田稔投手のもとに集まる阪神ナイン=ナゴヤドーム
初回、先頭の大島を 1ゴロの当たりに打ち取るが、岩田の 1塁へのベースカバーがわずかに遅れ内野安打に。京田の犠打で一死 2塁とされ、アルモンテに右前適時打を浴び、わずか 3人で先制された。 4回先頭の阿部に中前打を浴び、一死 2塁から、投手松葉に左前打を浴びたところで、矢野監督が投手交代を告げた。松葉には 2回にも、 2塁への内野安打を許していた。
4回裏中日一死 2塁、松葉貴大投手に左前打を浴びたところで降板となり、厳しい表情を見せる岩田稔投手=ナゴヤドーム
前回 7日広島戦(マツダスタジアム)では、「勝利投手」の権利まであと 1アウトのところで、逆転打を浴び降板。この日も「勝利投手」の権利は得られず、試合序盤での降板となった。
リリーフ登板した藤浪晋太郎投手が中日のクリーンアップを 3人で抑えるなど、 2回を 1安打無失点に抑えた。「調子もあまり良くなかったですし、 2イニングとも先頭打者を出してしまいましたが、なんとか粘ることができました。『0点』で抑えることができて良かったです」。「3番手」で 5回に登板。先頭の「4番」ビシエドには 5球全て直球を投げ込み、最後の 155キロ直球が外れて四球。続く高橋は 153キロ直球で押し込み左飛に打ち取ると、シエラを 154キロ直球で詰まらせて 3ゴロ併殺。11球 で1回を無失点に抑え、中軸に仕事をさせなかった。
5回裏、阪神「2番手」で登板した藤浪晋太郎投手=ナゴヤドーム
6回も続けてマウンドに上がると、先頭の阿部にストレートの四球。犠打で一死 2塁から、代打溝脇を 155キロ直球で左飛に打ち取った。大島には 156キロ直球を捉えられ、二死 1、 3塁のピンチを迎えたが、最後は京田をカットボールで 1ゴロに仕留めた。
藤浪は登板 5試合ぶりに安打を浴びたが、「5戦連続無失点」は継続した。
5回裏、阪神「2番手」で登板した藤浪晋太郎投手=ナゴヤドーム
藤浪晋太郎投手が 5回から「3番手」として登板。10月 4日の巨人戦(甲子園)以来となるイニングをまたいだ登板で、 2回を無失点に抑えた。
5回、先頭のビシエドに四球を与えるも、続く高橋を左飛。シエラを 3ゴロ併殺に仕留めた。
6回も先頭の阿部に四球。加藤の犠打で一死 2塁のピンチを迎えたものの、代打・溝脇を左飛に抑えた。続く大島の左前打で二死 1、 3塁としたが、京田を 1ゴロとして無失点で切り抜けた。
チーム内の「コロナ禍」で一時離脱していた岩崎優投手が、復帰後初のマウンドで 3者凡退に抑えた。「『0点』で抑えることができて良かったです」と万全の状態を見せた。
「4番手」で 7回に登板。先頭の遠藤から外いっぱいの直球で見逃し三振を奪うと、ビシエドを 142キロ直球で右飛に打ち取った。最後は高橋を変化球で追い込み、高め直球で左飛に仕留めた。
チーム内の「新型コロナウイルス感染」で、岩崎は「濃厚接触者」に指定され、 5日に自主練習を再開。 8日に 2軍の全体練習に合流したが、 2軍戦を経ずに 1軍合流したため、実戦は 9月22日DeNA戦(甲子園)以来。ブルペンを支えてきた安定感は健在だった。
7回裏、阪神4番手で登板した岩崎優投手=ナゴヤドーム
岩崎優投手が復帰戦を 3者凡退に抑えた。 2点ビハインドの 7回に登板。先頭遠藤を外角速球で見逃し三振に斬ると、ビシエドと高橋も速球で押し込み、外野へのフライアウトに仕留めた。
「『0点』で抑えることができてよかったです」。「新型コロナウイルス」のチーム内感染で保健所から「濃厚接触者判定」を受け、 9月25日に「登録抹消」。同22日のDeNA戦以来、約 3週間ぶりの登板だったが、「連続無失点」を10試合に延ばした。
9回裏中日二死 2、 3塁、スアレス投手は高橋周平内野手に「サヨナラ左越え3点本塁打」を被弾=ナゴヤドーム
阪神が守護神ロベルト・スアレス投手の今季初被弾で痛恨の「サヨナラ負け」を喫した。
1点リードの 9回一死走者なしから暗転した。四球と安打で 1、 2塁と走者がたまり、ビシエドの打球は 2直。だが、捕球した植田の 2塁送球が悪送球になり、二死 2、 3塁のピンチを招いた。流れは中日へ。高橋に速球を完璧にとらえられ、左翼席に「3ラン」を浴びた。
9回裏中日二死 2、 3塁、高橋周平内野手にサヨナラ3点本塁打を浴びたスアレス投手=ナゴヤドーム
スアレスは今季42試合目の登板で、打者のべ 173人目で初めてアーチを食らった。痛すぎる今季「初黒星」となり、チームも中日に「3連戦3連敗」の惨状だ。
8回表阪神二死 2、 3塁、原口文仁捕手は中前適時打を放った=ナゴヤドーム
阪神が「25イニング」ぶりの得点を挙げた。
8回一死満塁。ボーアの 1ゴロの間に 3塁走者糸原が生還。さらに二死 2、 3塁で原口が詰まりながらも中前に落とす 2点適時打で逆転に成功した。
打線は13日中日戦の 1回に 2点を挙げた後は、無得点が続いていた。
原口文仁捕手の殊勲打は幻になった。 0- 2で迎えた 8回、一死満塁でボーアの一ゴロの間に 1点差に迫り、なお二死 2、 3塁。祖父江の内寄り高め速球に詰まりながら中前へ運び、渋い逆転の 2点タイムリーになった。
「あの回、全員で何とかしようという気持ちがすごくあった。チャンスで 2点取れた」。 4日巨人戦以来の先発マスク。継投後も必死に救援陣をリードしたが、 9回二死からの悪夢に笑顔はなかった。
8回、 2点適時打を放った原口文仁捕手=ナゴヤドーム
原口文仁捕手が中前に逆転の 2点打を放った。
0- 2で迎えた 8回。一死から糸原が四球、サンズが 2塁打、大山が四球で満塁とすると、ボーアの一ゴロの間に 1点を返し、なおも二死 2、 3塁のチャンス。原口はカウント 0- 1から、祖父江の 145キロを振り切った。
走者 2人が生還し、一気に逆転。盤石の中継ぎ陣を誇る中日はこの試合まで、 6回までにリードを奪っていれば「31連勝」中。連勝神話崩壊へ、大きな一打を放った。
ドアラ(右)と記念写真に納まる藤川球児投手=ナゴヤドーム
感謝のカウントダウンが始まった。今季限りで現役を引退する藤川球児投手が15日、ナゴヤドームでの中日戦で「引退表明」後初めて 1軍に昇格した。 9回にスアレスが「逆転サヨナラ3ラン」を浴びたことを残念がったが、「日米通算250セーブ」より大切にしているのは、チームに何を残せるか。現役最後のナゴヤドームで登板機会はなかったが、「引退セレモニー」が開催される11月10日の巨人戦(甲子園)まで、希代の守護神は熱く戦い抜く。
◇ ◇ ◇
試合後のナゴヤドームに、温かな拍手があふれた。中日荒木コーチから黄色い花束を受け取ると、藤川はファンが待つスタンドへ駆けて行った。
中日の荒木雅博コーチから花束を受け取る藤川球児投手=ナゴヤドーム
「もちろん残りの 1試合 1試合でファンの人たちにも見せたいものもありますけれど、自分自身が 1つ 1つのこの球場での光景というのを、これがもう最後になるので、かみしめたい思いはあります」。
ライトスタンドの中日ファンから「球児コール」が起きると、マスクで涙を拭うそぶりを見せ、笑顔でおどけた。現役最後のナゴヤドームで登板機会はなかったが、自分のタオルを持って応援してくれた左翼席に静かに一礼。全てを目に焼き付けるように、ゆっくりと球場を一周した。
これまで勝利のため全力を注ぎ、紙一重の勝負を繰り返してきたグラウンド。「目の前のことで必死だったから、試合中に『昔こんなことあったな』とか考える余裕もなかった」。今季限りでの引退を決めた今、さまざまな思い出が押し寄せる。「なんとかこの日に間に合わせて来られたことだけで、選手ってこんなに幸せなんだなというのを感じることができた」。
試合後、中日荒木雅博コーチから花束を受け場内 1周してあいさつする藤川球児投手=ナゴヤドーム
チームは 8回、「25イニング」ぶりの得点で逆転したが、 9回にスアレスが高橋に「移籍後初本塁打」となる「逆転3ラン」を浴びてサヨナラ負け。「スアレスがセーブ挙げて、そのボールもらってサイン書いてもらってね、『246個目』ですと言いたかったんですけど、でもまた明日からその機会が。本当にそれで『250セーブ』超えられたら(笑い)。僕は自分の記録は本当にどうでもいいので、」。「日米通算250セーブ」にあと「5」に迫っても、自身の偉業にこだわりはない。チームのために腕を振ってきた守護神の信条だ。
現役22年間を応援してくれたファンへ、この日自身のツイッターも開設した。午前11時半頃には、阪神の寮「虎風荘」の看板を指さす画像を投稿。「18歳で入寮した 2軍施設内の寮です。 22年間か… 全ての下積み経験はここにありました」。若かりし頃に鍛錬を積み、毎年練習始めを行った場所に、まずは別れを告げた。今後は甲子園だけでなく、東京や横浜、広島にも、最後の勇姿を見せに行く。全国のファンとさよならのあいさつを交わし、11月10日巨人戦で「完全燃焼へ向かう旅」が始まった。
試合後、中日荒木雅博コーチから花束を贈られ場内1周してナゴヤドームのファンにあいさつする藤川球児投手=ナゴヤドーム
○…阪神藤川は先に現役を引退した中日の戦友たちにも思いをはせた。「(花束をいただいた)荒木さんも引退試合で甲子園で投げさせてもらったし、タイロン・ウッズの通訳さんから『ウッズがよろしく言ってたよ』という言葉を聞いたり」。「セーブ王」を争った岩瀬仁紀氏とも顔を合わせ、引退試合に顔を出すと話していたという。「ほんとにドラゴンズさんに感謝やし、ファンの方に感謝やし」と思いは尽きなかった。
試合後、中日荒木雅博コーチから花束を贈られ場内 1周してナゴヤドームのファンにあいさつする藤川球児投手=ナゴヤドーム
今季限りで現役を引退する阪神藤川球児投手が、 1軍に合流した。チームは「サヨナラ負け」を喫し、この日は登板機会はなかった。
試合後は、現役時代にしのぎを削った中日荒木内野守備走塁コーチから黄色い花束を手渡され、場内を 1周した。まずは中日ファンのいるライトスタンドへ。「球児コール」が起きると、マスクで涙を拭うそぶりを見せ笑顔でおどけた。自身のタオルを持って応援してくれたレフトスタンドには静かに一礼。全てを目に焼き付けるように、ゆっくりと球場を一周した。
藤川の試合後の一問一答は以下の通り
試合後、中日荒木雅博コーチから花束を贈られ場内 1周してナゴヤドームのファンにあいさつする藤川球児投手=ナゴヤドーム
-ナゴヤドームという場所も思い出がある
「それはそうだよね。例えば神宮であればオールスターとか、東京ドームであればジャイアンツのたくさんの試合。ドラゴンズといえば、落合監督であり、岩瀬さん、荒木さん、今日も会って引退試合も岩瀬さんも来てくれるし。戦いもするんだけど、なんかこう一緒に戦ったメンバーで、ファンの方もものすごく分かってくれていて。やっぱりそういうのってなかなか出会える時ってないので、なんとかこの日に間に合わせて来られたことだけで、選手ってこんなに幸せなんだなというのを感じることができたので、それが見ている人とか後輩であったり、他球団のチームの選手たちにとっても、またいいきっかけになればいいと思うし。ありがたい以上というか、これから次の第2の人生で生きていく糧になりますよね。自分がこれだけ残したんだというか、いい勝負を繰り広げさせてもらったというところで、人の印象は消えないんだなと。記憶って。やっぱりその記憶を大事にこれから生きていこうと思いましたね。スアレスがセーブ挙げて、そのボールもらってサイン書いてもらってね、(自分のセーブが)『246個』目ですと言いたかったんですけど、でもまた明日からその機会が、本当にそれで250セーブを超えられたら(笑い)。僕は自分の記録は本当にどうでもいいので、チームとして戦っていく中で、自分が在籍しててそういうセーブ数に届くだけでも『250勝』以上するわけだから、そうやって今日ほしいなとか思いながら見てて。残念ながら負けましたけどね。離れてみてね、 4時間の試合中とそれ以外の部分は分けて考えさせてもらいたいなと。これだけみんなが相手球団でも応援してくれたんで、ゲームの中に持ち込まずに、ゲーム外でそういう時間をいただけているというのはありがたいし。こんな感謝はない、ドラゴンズさんに大感謝ですね。ありがたい。うれしい限りです」
球団広報のカメラに向かって笑顔でポーズをとる藤川球児投手=ナゴヤドーム (2020年10月15日)
-2018年にはここで、引退する岩瀬さんに花束を渡したが
「荒木さんも引退試合で甲子園で投げさせてもらったし、タイロン・ウッズの通訳さんから『ウッズがよろしく言ってたよ』という言葉を聞いたりね。もう会えることはないと思うし、だけどなんかこう、僕もそういうふうになるんだろうなと。前向きににずっとやってきたけれども、だんだんと前のことを思い出したりとか、それで後輩に聞かれたりだとか、ということが出てきた時に記憶で生きていくのかなと思ったら、これからの人生の糧になりますから。本当にうれしい限り、感謝。次の人生をしっかり歩いていくという意味で、いい時間をいただきました。ほんとにドラゴンズさんに感謝やし、ファンの方に感謝やし、タイガースファンの方にはね、もちろんドラゴンズの球場なんで、ドラゴンズ側から行かしてもらいましたけれど、それはやっぱり順番があると思いますので」
- 1カ月以上チームから離れて、今のチーム状況だったり、これからチームの中でどういう役割を担いたいかという思いは
「やっぱり監督の起用法を見ていても、必死に勝とうとする姿をすごく感じるし、選手たちもそれに応えようとしているし、やっぱり相手チームとグラウンドの戦いの4時間というのは、本当にしのぎを削っているから。自分は出番がいつあるかなと思いながらでもやっぱり、ゲームというのをリスペクトしているので、順位的に『2位、3位』を争っている状況だし、ファンの方のたくさんの意見が分かれるところだと思うんですけど、グラウンドの中というのは答えは1つなので。勝つか負けるか、でやっていきながら、その中でプロフェッショナルなプロ野球というエンターテインメントを入れるというのが、僕もそれは感じるところなので。やっぱり勝負の中で生きてきた人間なので。なんか力になりたかったなと、今日負けたことでね、もう少しチームの雰囲気とか考えちゃいますよね。自分が来たことでもう1個なんかできたのかなとか、ちょっと力入れさせちゃったのかなとか、いろんなことを考えるし。それは明日また。名古屋最後なので、僕的には名古屋をしっかり考えたい、考える一日にさせていただきたいので、明日からはまたチームで入れてもらって、今日はもう 1回寝るまでは、今日は名古屋のことを考えさせてもらおうかなと思います」
※10月16日の予告先発は、阪神・西勇輝投手(29)ーヤクルト・歳内宏明投手(27)です。どちらに軍配が上がるか、楽しみですね。
ガンバレ!阪神!我らのタイガース!勝利を掴め!
多くの方と話をする中で、"楽しむからこそ実力が発揮できる"そして"笑うということには大きなパワーがある"ということを教えてもらいました。
これからの1年はグラウンドで苦しい時こそ笑って、楽しいときはもっと楽しく、でもしっかり勝つようなチームを作っていきます。
そして、僕たちが勝つことでファンの皆さんにも思いっきり笑ってもらい、思いっきり喜んでもらえるようなシーズンにすべく、「It's 勝笑 Time!オレがヤル」というスローガンにしました。
2020年 オープン戦 最終順位表
2020年 公式戦 順位表
2020年 公式戦日程と 結果 (10月)
2020年 公式戦日程と 結果 (11月)
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