●米有力紙「ニューヨーク・タイムズ」(電子版)は15日、「新型コロナウイルス」の影響で今夏の「東京五輪」の開催見通しが日々厳しさを増しており、第 2次大戦後、初の「五輪開催中止」に追い込まれる可能性があると伝えた。同紙は、日本と米国、欧州主要国で感染拡大が続き、国際オリンピック委員会(IOC)らの間で、「安全な五輪開催」は不可能との声が出始めたと指摘。ディック・パウンドIOC委員(カナダ)が開催に「確信が持てない」と述べたことなどを挙げた。
●加藤勝信官房長官(65)は17日のフジテレビ番組で、「新型コロナウイルスの感染者」を受け入れる病床確保のため、国などの勧告に従わない医療機関を公表できるよう感染症法を改正する政府方針に理解を求めた。現時点で医療機関の協力は得られているとの認識も示した。今夏の「東京五輪・パラリンピック中止」の可能性を伝えた海外メディア報道については、開催方針に変更はないと強調した。
●厚生労働省は16日、「新型コロナウイルス感染症」の「自宅療養者数」(13日午前 0時時点)が全国で 3万 208人になったと発表した。感染「第3波」と「医療機関の病床逼迫(ひっぱく)」を背景に 1週間で約 1.7倍に急増し、療養中に容体が急変するケースも相次いでいる。「病床使用率」が「ステージ4(爆発的感染拡大)」の水準に達したのは前の週から 8県増え、計19都府県になった。政府の対策分科会が示す病床使用率の「ステージ4」相当となったのは福島、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、長野、岐阜、愛知、三重、滋賀、大阪、兵庫、広島、福岡、長崎、熊本、沖縄の19都府県。
●菅義偉首相(72)が、情報収集の場として重視してきた「会食の自粛」に追い込まれている。首相就任後も、ホテルでの朝食など会食を続けていたが、「新型コロナウイルス感染拡大」のさなか昨年末、東京・銀座での「高級ステーキ会食」が大問題に。「緊急事態宣言の再発令」で会食再開のめども立たない。首相動静によると16日、医療関係者との面会などの後に官邸近くのホテルを訪れたが、毎月恒例の散髪だった。
●6434人が犠牲となった1995年の「阪神・淡路大震災」は17日、発生から26年となった。「新型コロナウイルス」の感染が収まらず、兵庫県に「緊急事態宣言」が再発令された異例の状況。感染対策を重ねて開催にこぎ着けた追悼行事では、午前 5時46分、集まった人々が互いに距離を取って黙とうした。「コロナ禍」で震災の記憶と教訓を継承する「語り部」活動は急減し、県内各地で追悼行事が中止や規模縮小に追い込まれた。感染を懸念して参加を見送る遺族もおり、それぞれの場所で「あの日」に思いをはせた。神戸市中央区の公園「東遊園地」では恒例の「1.17のつどい」が開かれ、今年は「がんばろう」の文字の形に灯籠が並べられた。来場者の分散を目的に、一部の灯籠は16日からともされた。来場者の動線は分けられ、入り口に消毒液が置かれた。中学時代の同級生を亡くした神戸市東灘区の会社員斎藤啓さん(55)は打ち明けた。遺族代表の日本舞踊師範加賀翠さん(65=同市東灘区)は、長女の桜子ちゃん(当時 6)を亡くした。会場で追悼の言葉を述べるのが通例だが、今年は追悼文を市のホームページに掲載した。
●53万5245人が出願した、初の「大学入学共通テスト」初日。会場周辺は例年とは様変わりしていた。例年、予備校や塾の関係者、保護者などが激励のために集まる光景が恒例だが、この日は見られなかった。千葉市内の進学塾では、約 260人の受験生を送り出した。「激励自粛」の影響は会場近辺にも及んだ。あるコンビニエンスストアによると、試験当日は例年おにぎりが 350個ほど売れるが、受験生以外の人出がほぼなかったためか、今年は半分ほどの売り上げという。昨年は試験前日、おにぎりの「取り置き」を依頼する電話もあったが、今年はそれもなかったという。17日、全国の会場で第 1日程の 2日目が始まった。教科は理科と数学。「新型コロナウイルスの感染拡大」が続く中、試験会場では引き続き感染防止策が徹底された。悪天候で16日に 1日目の試験を中止した北海道稚内市の稚内北星学園大は、予定通り 2日目の試験を実施した。 1日目の科目は30日に再試験を行う。「数学1」「数学1・A」の試験時間は、センター試験より10分長い70分に変更。理科は「物理基礎」「生物基礎」など「基礎4科目」と、「化学」「地学」など「専門4科目」から選択する。一斉休校で学習遅れがある現役生が対象で、第 1日程の追試験も兼ねる第 2日程は 1月30、31日。第 2日程を欠席した受験生の特例追試験は 2月13、14日にある。
記事をまとめてみました。
米有力紙「ニューヨーク・タイムズ」(電子版)は15日、「新型コロナウイルス」の影響で今夏の「東京五輪」の開催見通しが日々厳しさを増しており、第 2次大戦後、初の「五輪開催中止」に追い込まれる可能性があると伝えた。
同紙は、日本と米国、欧州主要国で感染拡大が続き、国際オリンピック委員会(IOC)らの間で、「安全な五輪開催」は不可能との声が出始めたと指摘。ディック・パウンドIOC委員(カナダ)が開催に「確信が持てない」と述べたことなどを挙げた。
現状の開催計画でも約 1万人の選手らは、競技終了直後に選手村を離れることを求められるなど日本での行動は厳しく制限され、取材記者も東京都内での自由な移動は禁じられるだろうと指摘。開催される場合、選手や関係者らが従来にない不自由さを強いられるとの見通しを示した。
加藤勝信官房長官
加藤勝信官房長官は17日のフジテレビ番組で、「新型コロナウイルスの感染者」を受け入れる病床確保のため、国などの勧告に従わない医療機関を公表できるよう感染症法を改正する政府方針に理解を求めた。「法改正で議論している項目だが、いわゆる最後の最後の話だ」と述べた。現時点で医療機関の協力は得られているとの認識も示した。
今夏の「東京五輪・パラリンピック中止」の可能性を伝えた海外メディア報道については「場所やスケジュールが決まっており、関係者が感染対策を含め準備に取り組んでいる」と語り、開催方針に変更はないと強調した。
厚生労働省は16日、「新型コロナウイルス感染症」の「自宅療養者数」(13日午前 0時時点)が全国で 3万 208人になったと発表した。感染「第3波」と「医療機関の病床逼迫(ひっぱく)」を背景に 1週間で約 1.7倍に急増し、療養中に容体が急変するケースも相次いでいる。「病床使用率」が「ステージ4(爆発的感染拡大)」の水準に達したのは前の週から 8県増え、計19都府県になった。
「自宅療養者」は東京都で8518人と最も多く、東京、埼玉、千葉、神奈川の「1都3県」で約 2万人に上った。愛知、大阪、福岡も2000人を超えた。東京都が13日、「自宅療養中」に体調が悪化し、救急搬送された80代男性と50代女性が死亡したと発表するなど、病院外の療養患者が死亡する例が各地で相次いでいる。
政府の対策分科会が示す病床使用率の「ステージ4」相当となったのは福島、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、長野、岐阜、愛知、三重、滋賀、大阪、兵庫、広島、福岡、長崎、熊本、沖縄の19都府県。
菅義偉首相=首相官邸 (2020年 9月14日撮影)
菅義偉首相が、情報収集の場として重視してきた「会食の自粛」に追い込まれている。
首相就任後も、ホテルでの朝食など会食を続けていたが、「新型コロナウイルス感染拡大」のさなか昨年末、東京・銀座での「高級ステーキ会食」が大問題に。「緊急事態宣言の再発令」で会食再開のめども立たない。一部で、会食自粛は首相のストレス増加につながるとの声もあるが、国民は会食自粛を迫られており「首相だけが会食しないと話ができないのか」(政界関係者)と、冷静な指摘もある。
「コロナ対策」のまずさで各社世論調査で内閣支持率が急落し、疲労の色も隠せない首相。首相動静によると16日、医療関係者との面会などの後に官邸近くのホテルを訪れたが、毎月恒例の散髪だった。
首相官邸で取材に応じる菅義偉首相=首相官邸
6434人が犠牲となった1995年の「阪神・淡路大震災」は17日、発生から26年となった。「新型コロナウイルス」の感染が収まらず、兵庫県に「緊急事態宣言」が再発令された異例の状況。感染対策を重ねて開催にこぎ着けた追悼行事では、午前 5時46分、集まった人々が互いに距離を取って黙とうした。
「コロナ禍」で震災の記憶と教訓を継承する「語り部」活動は急減し、県内各地で追悼行事が中止や規模縮小に追い込まれた。感染を懸念して参加を見送る遺族もおり、それぞれの場所で「あの日」に思いをはせた。
「阪神大震災」から26年となり、地震の発生時刻に合わせ黙とうする人たち=神戸市中央区「東遊園地」
神戸市中央区の公園「東遊園地」では恒例の「1.17のつどい」が開かれ、今年は「がんばろう」の文字の形に灯籠が並べられた。来場者の分散を目的に、一部の灯籠は16日からともされた。来場者の動線は分けられ、入り口に消毒液が置かれた。
中学時代の同級生を亡くした神戸市東灘区の会社員斎藤啓さんは「今年は来ないつもりだったが、この日が近づくにつれて気持ちが高ぶり、どうしても行かなくてはと思った」と打ち明け、「忘れようにも忘れられない特別な日。あの日を思い出すことは私の人生にとって重要なことなので」と話した。
追悼会場で灯籠に火をともす女性ら=神戸市中央区「東遊園地」
遺族代表の日本舞踊師範加賀翠さん(同市東灘区)は、長女の桜子ちゃんを亡くした。会場で追悼の言葉を述べるのが通例だが、今年は追悼文を市のホームページに掲載した。「夢に出て来てください。32歳になった姿を見たいです。そして今、世界中が大変な時、私たちを見守ってください」とつづった。
東遊園地を訪れた加賀さんは「あっという間の26年、いろいろな人に支えられた。一人だと寂しい思いをするが、ここに来ると遺族同士で思いを共有できる」と静かに語った。
「西宮震災記念碑公園」の慰霊碑に向かい手を合わせる男性
53万5245人が出願した、初の「大学入学共通テスト」初日。会場周辺は例年とは様変わりしていた。例年、予備校や塾の関係者、保護者などが激励のために集まる光景が恒例だが、この日は見られなかった。
千葉市内の進学塾では、約 260人の受験生を送り出した。塾の関係者は取材に「(塾で待機しているため)会場の状況は分からない。生徒を信じて待つだけです」と、語った。毎年、試験前日に行っていた激励会も中止したという。
大学入学共通テストの初日、多くの人が参拝に訪れた湯島天満宮の様子=東京・文京区
試験場の 1つ、東大の本郷キャンパス(東京・文京区)周辺で話を聞くと、例年は、会場の入り口付近に進学塾ののぼりが立つといい、人が「密集」する状態となる。この日、保護者の送迎は一部見られたが、密にはならず、受験生も間隔を保ちながら入場した。
「激励自粛」の影響は会場近辺にも及んだ。あるコンビニエンスストアによると、試験当日は例年おにぎりが 350個ほど売れるが、受験生以外の人出がほぼなかったためか、今年は半分ほどの売り上げという。昨年は試験前日、おにぎりの「取り置き」を依頼する電話もあったが、今年はそれもなかったという。
大学入学共通テストの1日目を終え、会場を出る受験生=東京大學本郷試験会場
一方、学問の神様・菅原道真をまつる湯島天満宮(同区)では、例年ほどの人出はないものの、多くの受験生らでにぎわっていた。合格への願いを込めた絵馬の中には、福岡や大阪の住所が記されたものもみられた。
大学入学共通テストの会場前で開門を待つ受験生=東京大學本郷試験会場
「大学入試センター試験」の後継となる初の「大学入学共通テスト」は17日、全国の会場で第 1日程の 2日目が始まった。教科は理科と数学。「新型コロナウイルスの感染拡大」が続く中、試験会場では引き続き感染防止策が徹底された。
悪天候で16日に 1日目の試験を中止した北海道稚内市の稚内北星学園大は、予定通り 2日目の試験を実施した。 1日目の科目は30日に再試験を行う。
「数学1」「数学1・A」の試験時間は、センター試験より10分長い70分に変更。理科は「物理基礎」「生物基礎」など「基礎4科目」と、「化学」「地学」など「専門4科目」から選択する。
大学入学共通テストの会場前で開門を待つ受験生=東京大學本郷試験会場
第 1日程の平均点の中間発表は20日、得点調整の有無の発表は22日、平均点の最終発表は 2月18日を予定している。
一斉休校で学習遅れがある現役生が対象で、第 1日程の追試験も兼ねる第 2日程は 1月30、31日。第 2日程を欠席した受験生の特例追試験は 2月13、14日にある。
出願者総数は、昨年の最後のセンター試験より 2万2454人少ない53万5245人。入試に利用する大学・短大などは計866校に上る。