●東京都は31日、「新型コロナウイルス」の感染者が新たに 633人報告されたと発表した。 1月は計 3万9664人となり、月ごとでは昨年12月の 1万9245人の 2倍超となり最多。累計は 9万9841人で、10万人に迫っている。60代から80代の男女 3人の死亡も確認され、死者の累計は 886人となった。 1月の都内は当初、 1日当たりの感染者数がほぼ 4桁で推移。首都圏を対象に「緊急事態宣言」が発令された 7日には過去最多の2447人に上った。都によると、前日から入院患者は 9人増の2891人となり、うち重症者は 1人減の 140人。「新規感染者」では65歳以上が 3割近くの 185人に上り、病院や高齢者施設などでの感染が目立った。
●厚生労働省は31日までに、遅れが指摘される国産の「新型コロナウイルス感染症ワクチン」の開発を加速させるため、国内企業が大規模な「臨床試験(治験)」を実施する場合に費用を補助することを決めた。海外の医療機関と連携して多くの参加者を集める国際的な治験を念頭に置いている。「2020年度第 3次補正予算」に約1200億円を計上した。「国産ワクチン」は、少人数を対象に実施する初期段階の治験が終わって次の段階に進みつつある。最終段階では、数万人の被験者を本物のワクチンと偽薬を接種するグループに分けて、発症した人の数を比較し、有効性を確かめる必要がある。支援の対象は、既に生産体制の整備費用を補助している企業を想定。大規模治験を実施する場合にかかる「専門業者への委託費」や「ワクチンの輸送費」を補助する。
●「新型コロナウイルス」の感染リスクが高いとされている飲食店で、「飛沫(ひまつ)防止」のため黙って食べる「黙食」を呼び掛ける動きが広がっている。東京・国分寺市の手打ちうどん・そば店「国分寺甚五郎」では、黙食を呼び掛けるポスターを 1月19日から、入り口や店内に掲示している。店長の幸山貴さん(46)は明かした。ポスターを掲示する以前はポップ書きで「ダンディーに! エレガントに! 渋く決めてみてください」と呼び掛けていたが、伝わりにくさがあったという。取材に訪れた31日の正午、店内は黙々と食べる客で満席となっていた。飛沫防止のため、アクリル板もテーブルの中央に置かれている。また、東京・府中市の焼き肉店「ホルモンなかむら」では、黙食を続けた客に 1皿1000円分のホルモンを、人数分無料にするサービスを行っている。挑戦者は、注文の際、店員に話しかける以外、退店まで無言で食事をすることが条件だ。店長の中村友和さん(44)によると、 8日からサービスを開始して、現在まで10組が挑戦し 9組が成功したという。挑戦した客は食事中、スマホのメモ機能やLINEを使い会話をしていたという。「黙食」のポスターの発端は、福岡県福岡市のカレー店だ。「黙食にご協力下さい」「お食事中の会話が飛沫(ひまつ)感染リスクになります」と書かれたポスターを作成、SNSで拡散され話題となった。京都市も市のホームページで、飲食店や宿泊施設にポスターの掲示を促すなど、取り組みが全国的な広がりを見せている。
●中国湖北省武漢で「新型コロナウイルスの起源」を調べている世界保健機関(WHO)の国際調査団は31日、世界で初めて集団感染が確認された「華南海鮮卸売市場」を視察した。2019年12月の流行確認から 1年以上を経て、国際機関の専門家による実地調査がようやく実現した。ただ視察は 1時間強で終了。既に閉鎖された市場に残る手掛かりは限りがあるとみられ、起源解明に結び付くかどうかは不透明だ。調査団は各国の専門家約10人で構成。メンバーの一人は共同通信の取材に、市場の視察で「通りや店の配置、人やモノの流れを理解する」と説明した。市場での動物の扱いについて、食品衛生の監督者や業者からも聞き取りを行うとしており、野生動物の売買の目撃者や購入者の持つ情報に関心を寄せている。調査団は31日午前、冷凍食品を扱う別の「大型卸売市場」の倉庫も視察した。中国側専門家は昨年以来、冷凍食品を通じて国外から武漢にウイルスが流入した可能性を示唆している。
●「新型コロナウイルス」に感染した自民党の石原伸晃元幹事長(63)は31日、一時悪化した症状が安定し退院したとのコメントを発表した。事務所によると、入院時には、発熱やせきなどの症状はなかった。
記事をまとめてみました。
東京都は31日、「新型コロナウイルス」の感染者が新たに 633人報告されたと発表した。 1月は計 3万9664人となり、月ごとでは昨年12月の 1万9245人の 2倍超となり最多。累計は 9万9841人で、10万人に迫っている。60代から80代の男女 3人の死亡も確認され、死者の累計は 886人となった。
1月の都内は当初、 1日当たりの感染者数がほぼ 4桁で推移。首都圏を対象に「緊急事態宣言」が発令された 7日には過去最多の2447人に上った。直近 7日間の平均は11日時点で1812.7人に達したが、以後は減少に転じて 3桁に下がり、31日時点では 850.1人となっている。
都の担当者は「年末年始に大きく増えた中で宣言が出され、以後は効果が表れているのではないか」と分析。「さらに減らすためには今まで以上に接触機会削減などの対策に協力してほしい」と呼び掛けた。
都によると、前日から入院患者は 9人増の2891人となり、うち重症者は 1人減の 140人。「新規感染者」では65歳以上が 3割近くの 185人に上り、病院や高齢者施設などでの感染が目立った。経路が不明なのは半数以下の291人だった。
厚生労働省は31日までに、遅れが指摘される国産の「新型コロナウイルス感染症ワクチン」の開発を加速させるため、国内企業が大規模な「臨床試験(治験)」を実施する場合に費用を補助することを決めた。海外の医療機関と連携して多くの参加者を集める国際的な治験を念頭に置いている。「2020年度第 3次補正予算」に約1200億円を計上した。
国内では、塩野義製薬や第一三共など複数の企業が従来の技術や新技術を使って開発を進めているが、欧米より遅れている。実用化の見通しは立っていないが、海外製は日本への出荷量が不安定になるリスクもあるため、国会でも「国産ワクチン」の開発促進を求める声が議員から上がっていた。専門家からも「遅くても安全で効果の高いワクチンが開発できれば、選択肢が増える」との意見がある。
米アリゾナ州で行われているワクチン接種の様子 (AP)
「国産ワクチン」は、少人数を対象に実施する初期段階の治験が終わって次の段階に進みつつある。最終段階では、数万人の被験者を本物のワクチンと偽薬を接種するグループに分けて、発症した人の数を比較し、有効性を確かめる必要がある。
しかし、欧米より感染者が少ない日本では、国内だけで分析するのに十分な数の発症者を集めるのが難しいという問題がある。海外でも参加者を募れば実施できるが、多大な費用がかかるため二の足を踏む企業もあり、費用を支援することにした。
支援の対象は、既に生産体制の整備費用を補助している企業を想定。大規模治験を実施する場合にかかる「専門業者への委託費」や「ワクチンの輸送費」を補助する。
黙食と書かれたポスターが張られた「国分寺甚五郎」の店内で訪れた客が静かに食事を楽しんでいる様子=東京・国分寺市
「新型コロナウイルス」の感染リスクが高いとされている飲食店で、「飛沫(ひまつ)防止」のため黙って食べる「黙食」を呼び掛ける動きが広がっている。
東京・国分寺市の手打ちうどん・そば店「国分寺甚五郎」では、黙食を呼び掛けるポスターを 1月19日から、入り口や店内に掲示している。店長の幸山貴さんは「(飲酒をして声が大きくなった客に)言葉で注意するよりハードルが下がった」と明かした。ポスターを掲示する以前はポップ書きで「ダンディーに! エレガントに! 渋く決めてみてください」と呼び掛けていたが、伝わりにくさがあったという。幸山さんは「協力してくださる方が増えました。本当はワイワイと楽しい食事の方が良いが、こういうご時世なので仕方ない」と話した。
「黙食」のポスターを張り静かな食事を呼び掛けている「国分寺甚五郎」の幸山貴店長=東京・国分寺市
取材に訪れた31日の正午、店内は黙々と食べる客で満席となっていた。飛沫防止のため、アクリル板もテーブルの中央に置かれている。月に 1回のペースで訪れているという夫婦は「少ししゃべりたくなりましたけど、麺のお店だから、ささっと出てこられますし、意識して話しませんでした」と語った。
また、東京・府中市の焼き肉店「ホルモンなかむら」では、黙食を続けた客に 1皿1000円分のホルモンを、人数分無料にするサービスを行っている。挑戦者は、注文の際、店員に話しかける以外、退店まで無言で食事をすることが条件だ。店長の中村友和さんによると、 8日からサービスを開始して、現在まで10組が挑戦し 9組が成功したという。挑戦した客は食事中、スマホのメモ機能やLINEを使い会話をしていたという。
「国分寺甚五郎」の黙食のポスターを張る以前に作られた、静かに食事をするよう、客に呼び掛けるためのポップ書き=東京・国分寺市
「黙食」のポスターの発端は、福岡県福岡市のカレー店だ。「黙食にご協力下さい」「お食事中の会話が飛沫(ひまつ)感染リスクになります」と書かれたポスターを作成、SNSで拡散され話題となった。京都市も市のホームページで、飲食店や宿泊施設にポスターの掲示を促すなど、取り組みが全国的な広がりを見せている。
中国湖北省武漢で「新型コロナウイルスの起源」を調べている世界保健機関(WHO)の国際調査団は31日、世界で初めて集団感染が確認された「華南海鮮卸売市場」を視察した。2019年12月の流行確認から 1年以上を経て、国際機関の専門家による実地調査がようやく実現した。ただ視察は 1時間強で終了。既に閉鎖された市場に残る手掛かりは限りがあるとみられ、起源解明に結び付くかどうかは不透明だ。
中国当局は当初、同市場で扱われていた野生動物が感染源との見方を示していたが、その後否定的な立場に転じた。国際社会では、感染拡大の経緯解明には同市場の調査が不可欠だとみられてきた。
調査団は各国の専門家約10人で構成。メンバーの一人は共同通信の取材に、市場の視察で「通りや店の配置、人やモノの流れを理解する」と説明した。市場での動物の扱いについて、食品衛生の監督者や業者からも聞き取りを行うとしており、野生動物の売買の目撃者や購入者の持つ情報に関心を寄せている。
武漢の「華南海鮮卸売市場」を視察するWHOの調査団=中国湖北省 (AP)
「新型コロナ」の元の宿主はコウモリだとみられているが、人へ広まった経緯は不明で、調査団は中間宿主の動物がいた可能性などを探っている。
ただ市場は感染拡大を受けて20年 1月 1日に閉鎖された。中国メディアによると、残された野生動物や加工品は回収され、敷地内は徹底的に消毒されている。
また市場の関係者から感染例が出る以前に市場と無関係の患者も確認されている。
調査団は31日午前、冷凍食品を扱う別の「大型卸売市場」の倉庫も視察した。中国側専門家は昨年以来、冷凍食品を通じて国外から武漢にウイルスが流入した可能性を示唆している。
「新型コロナウイルス」に感染した自民党の石原伸晃元幹事長は31日、一時悪化した症状が安定し退院したとのコメントを発表した。「完治には至っていないが、病床の逼迫(ひっぱく)にも鑑み『自宅療養』に切り替えた」としている。事務所によると、入院時には、発熱やせきなどの症状はなかった。
石原伸晃氏(2016年6月29日)
石原氏は感染が判明した22日に入院した。多くの患者が入院を待つ中で、症状がないのに即日入院したことには批判もあると野党議員が国会審議で取り上げた。石原氏はコメントで「心臓に既往症があるため医師の指示で入院した」と記した。