●ツバメもおののく「快投連発」だ。藤浪晋太郎投手(26)が、練習試合・広島戦(宜野座)で対外試合初戦に臨み、 3イニングを「3奪三振2安打1四球」で無失点と好投した。最速 156キロの直球でバットを押し込み、宝刀フォークの切れ味も健在。実戦2 試合連続の「ゼロ封」で「開幕ローテ入り」へ大前進し、シーズン開幕カードを戦うヤクルト「007部隊」からの警戒が強まっている。藤浪は登板後、高速フォークを苦笑いで辛口採点した。それでもたった 1球のインパクトは強烈だった。 1回二死、 1ボール 2ストライク。「3番」野間峻祥外野手(28)を内角低め 147キロフォークで三振に仕留めた。 3球連続で同じ球種を選択。ベース板手前に鋭く落とし、楽々空振りを奪った。昨季終盤、背番号「19」は復活を印象づけた。制球難の改善、球団最速 162キロをたたき出した直球が注目を浴びる中、地道に復調を後押しした球種が高速フォークだった。カウント球にも使用することで配球の幅が一気に広がった。ワインドアップに再挑戦する今季も、 150キロに迫るフォークは絶対に欠かせない勝負球となる。今キャンプは雨で流れた14日広島戦も含め、日曜日の登板予定が続いている。 3月26日から週末の開幕 3連戦を戦うヤクルトの片岡大蔵スコアラー(63)は警戒を強める。この日は 3イニングを「3奪三振2安打1四球」で無失点。打者11人と対戦して、外野に飛ばされたのは「4番」ケビン・クロン内野手(28)を詰まらせた右飛、「8番」石原貴規捕手(23)の左前打だけだった。矢野燿大監督(52)も納得顔だ。右脇腹負傷で高橋遥人投手(25=亜細亜大學OB)の「開幕ローテ入り」が絶望的となり、新助っ人右腕ラウル・アルカンタラ投手(28)も来日のメドが立たない状況。すでに先発「4番手級」まで序列を上げており、期待は高まるばかりだ。
●阪神「ドラフト1位」の佐藤輝明内野手(21=近畿大學)が、昨季「セ・リーグ新人王」の広島森下暢仁投手(23)を打った。「3番左翼」で先発。初回二死無走者でカウント 2- 2から外角 150キロ直球をフルスイングで捉え、鋭いライナーで右中間に運ぶ 2塁打。これで「7戦連続安打」とした。 2人は18年の「侍ジャパン大学代表」のチームメートで対戦は今回が初めて。自らも今季の目標に掲げるタイトルに輝いた先輩投手をいきなり攻略した。 6回二死 2塁の第 4打席では右腕ケムナ誠投手(25)から左前適時打を放ち、 3戦連続で打点を挙げた。「5打数2安打1打点」で、実戦 8試合の打率は「4割6分6厘」とハイアベレージをキープ。内角攻めなど次第に配球も厳しくなる中で結果を残し続け、広島岩本貴裕スコアラー(34)は警戒を強めた。森下は昨季、阪神戦に 4度先発して「3勝」した「虎キラー」。矢野監督は佐藤輝の森下打ちを含む 2安打に高く評価。その中で今後へのうれしい悩みも語った。指揮官のぜいたくな心配も、「怪物新人」は自らを理解している。相手バッテリーは森下が得意とするカーブを 1球も見せてこなかった。 3回は内野に打ち上げさせられた(記録は敵失)。。結果に慢心することなく、背番号「8」は先のシーズンをどっしりと見据えた。
●阪神最年長の39歳糸井嘉男外野手が虎移籍後最速で初実戦に臨んだ。「5番DH」で出場し、 2回の 1打席目は 2ゴロ。 4回は左腕床田寛樹投手(25)の変化球にバットが空を切って三振、 5回は死球で出塁した。 7回の打席で代打を送られ、「2打数無安打」だった。実績ある糸井にとっても厳しい外野手争いが本格的に始まった。
●高山俊外野手(27)が「6番右翼」でフル出場し、バットと激走でアピールした。 2回一死では右腕森下の内角 139キロカットボールをさばいて左中間へ運び、果敢に走って 2塁打。 4回は左腕床田の内角変化球を引っ張り、右翼線の飛球を野間がグラブではじいた間に 3塁まで到達した(記録は安打と敵失)。これで実戦 8試合で「打率4割1分7厘」。今季は右足を大きく開き、体を投手側に正対させるように構えるオープンスタンスに挑戦。北川博敏打撃コーチ(48)は新フォームについて評価した。試行錯誤を繰り返す高山は「マルチ安打」という結果だけでなく、感覚面のフィットにも手応えを持った。開幕が近づくにつれて助っ人陣の実戦出場も増え、高山に与えられる打席数も限られてくる。「虎のヒットマン」が、ニュースタイルでレギュラー奪取に燃える。矢野監督も、高レベルな競争にうなっている。高山自身は立場は痛いほど分かっている。まだまだ打って、出番をつかみ続ける。
●「7番捕手」で先発した梅野隆太郎捕手(29)が、「梅ちゃんバズーカ」の健在ぶりを見せた。初回一死 1塁。盗塁を試みた 1塁走者の羽月隆太郎内野手(20)を矢のような 2塁送球で封殺。 3回一死 3塁では、飛び出した 3塁走者の石原貴規捕手(23)をストライク送球で刺した。 3回でお役御免でも納得のプレーだった。
記事をまとめてみました。
<練習試合:阪神 4- 3広島>◇21日◇かりゆしホテルズボールパーク宜野座(宜野座村野球場)
ツバメもおののく「快投連発」だ。藤浪晋太郎投手(26)が、練習試合・広島戦(宜野座)で対外試合初戦に臨み、 3イニングを「3奪三振2安打1四球」で無失点と好投した。最速 156キロの直球でバットを押し込み、宝刀フォークの切れ味も健在。実戦2 試合連続の「ゼロ封」で「開幕ローテ入り」へ大前進し、シーズン開幕カードを戦うヤクルト「007部隊」からの警戒が強まっている。
◇ ◇ ◇
藤浪は登板後、高速フォークを苦笑いで辛口採点した。「あの 1球ぐらいですかね。思ったところに投げられたのは」。それでもたった 1球のインパクトは強烈だった。 1回二死、 1ボール 2ストライク。「3番」野間を内角低め 147キロフォークで三振に仕留めた。 3球連続で同じ球種を選択。ベース板手前に鋭く落とし、楽々空振りを奪った。
3回 2安打無失点の藤浪晋太郎投手=かりゆしホテルズボールパーク宜野座
21年初実戦の 7日「紅白戦」は直球主体で 2回無失点。対外試合初戦となった広島戦は変化球がテーマだった。カットボール、スライダーの制球は上々。最速 156キロの直球で次々とファウルを稼ぐ中、とりわけ丁寧に確認作業を続けたのがフォークだった。計45球のうち 9球もチョイス。「ちょっと浮き気味だった。緩いというか、なでているというか…」。生命線の球種だけに簡単に納得しないが、存在感は抜群だった。
昨季終盤、背番号「19」は復活を印象づけた。制球難の改善、球団最速 162キロをたたき出した直球が注目を浴びる中、地道に復調を後押しした球種が高速フォークだった。19年までは「どうしてもボールゾーンに投げようとしていた」と言うが、カウント球にも使用することで配球の幅が一気に広がった。ワインドアップに再挑戦する今季も、 150キロに迫るフォークは絶対に欠かせない勝負球となる。
先発の藤浪晋太郎投手=かりゆしホテルズボールパーク宜野座
今キャンプは雨で流れた14日広島戦も含め、日曜日の登板予定が続いている。 3月26日から週末の開幕 3連戦を戦うヤクルトの片岡スコアラーは「(開幕カードに)来る可能性が大」と予想した上で「全然暴れていない。球威があるし、変化球のキレは超一流」と警戒を強める。
この日は 3イニングを「3奪三振2安打1四球」で無失点。打者11人と対戦して、外野に飛ばされたのは「4番」クロンを詰まらせた右飛、「8番」石原の左前打だけだった。矢野監督も「至って順調」と納得顔だ。
右脇腹負傷で高橋の「開幕ローテ入り」が絶望的となり、新助っ人右腕アルカンタラも来日のメドが立たない状況。すでに先発「4番手級」まで序列を上げており、期待は高まるばかりだ。「やりたいことができているから、次の課題がどんどん出てくる」。再覚醒の 1年へ、大器が確実に歩を進めている。
1回、広島・野間峻祥外野手を三振に打ち取る藤浪晋太郎投手=かりゆしホテルズボールパーク宜野座
▽福原忍投手コーチ(藤浪晋太郎投手について)
「落ち着いて投げられたと思うし、良かったのかなと思います。(変化球の精度は)良かったと思いますよ。まだまだここから、いいものを目指してやってほしいかなと思います」
◆NPBで高速フォークを誇った投手
最速 158キロを誇った伊良部秀輝(ロッテほか)は、フォークボールでも 140キロ台中盤を計測。斉藤和巳(福岡ソフトバンク)は 192センチの長身から 140キロ台後半のフォークを投げ下ろし、打者を圧倒。大谷翔平(北海道日本ハム)もフォークが 140キロを超え、 165キロを計測した試合では 151キロのフォークを投じ球場をどよめかせた。国内現役では上沢直之(北海道日本ハム)山本由伸(オリックス)らが 140キロ台の高速フォークを武器にしている。
3回も無失点に抑え小幡竜平内野手とタッチを交わす浪晋太郎投手=かりゆしホテルズボールパーク宜野座
藤浪晋太郎投手が自身今年初めての対外試合に先発し、「3回2安打無失点、3奪三振」の好投。 1回には、 147キロの“高速フォーク”で野間から空振り三振を奪うなど、相手打者をきりきり舞いさせた。
■ 3回無失点 3奪三振!!
ホームベースの手前で球が沈んだ。スピードガンは 147キロを表示していた。藤浪が今キャンプで磨きをかけている“高速フォーク”をズバッと決めた。
「全体的には感触は悪くはなかった。ちょっと浮き気味かなあというボールがありましたが…。あの 1球ぐらいですかね。ある程度、いいところにいったのは」
■ 1回、野間のバット空を切らせた
自画自賛したのは 1回二死、野間へのカウント 1- 2からの 4球目。直球と判断した野間のバットに空を切らせた。
実戦初登板となった 7日の「紅白戦」では直球主体で 2回無失点、「3奪三振」。最速 156キロを計測すると「次はカウントに余裕があれば…」と、変化球主体の投球をすることを公言していた。この日の45球のうち変化球は23球。スライダー、ツーシーム、カットボールも投げ、「(収穫は)いろんな球種が投げられたことですかね」と納得の表情だった。
3回表広島無死 1塁、打者矢野雅哉内野手の時、走者石原貴規捕手をけん制する藤浪晋太郎投手=かりゆしホテルズボールパーク宜野座
■矢野監督「投球の幅広くなる」
矢野監督も「(藤浪)晋太郎のあの速さで(球を)落とされたらバッターは簡単には打てない。逆に言うと真っすぐだけならバッターは対応しやすい。あの真っすぐを、より速く見せるフォークやスプリットで空振りを取れ出したら…。(相手は)速いボールに合わせてくると思うから、投球の幅は広くなるんじゃない」とうなずいた。
課題もあった。 3回に、先頭の石原に甘く入ったスライダーを左前に運ばれ、セットポジションになってから制球が乱れた。暴投で一死 3塁のピンチを招いたが、捕手の梅野が飛び出した 3塁走者を“梅ちゃんバズーカ”で刺した。「梅野さんに助けてもらいました」と、藤浪は恋女房に感謝した。
■開幕ローテ「結果を出していかなければ…」
「当然、結果を出していかなければいけないが、その中で、自分のできることをやっていきたい」
開幕ローテーションは西勇、秋山、青柳、新加入のチェンはほぼ決まり。高橋が右脇腹を痛めて開幕絶望的で、残り2枠。昨季は「1勝」どまりで中継ぎも経験した右腕は、 160キロ超の直球と“高速フォーク”を織り交ぜて、先発でよみがえる。
阪神「ドラフト1位」の佐藤輝明内野手が、昨季「セ・リーグ新人王」の広島森下を打った。「3番左翼」で先発。初回二死無走者でカウント 2- 2から外角 150キロ直球をフルスイングで捉え、鋭いライナーで右中間に運ぶ 2塁打。これで「7戦連続安打」とした。「甘いところをしっかり捉えられたのは良かったかなと思います」。 2人は18年の「侍ジャパン大学代表」のチームメートで対戦は今回が初めて。自らも今季の目標に掲げるタイトルに輝いた先輩投手をいきなり攻略した。
6回二死 2塁の第 4打席では右腕ケムナから左前適時打を放ち、 3戦連続で打点を挙げた。「5打数2安打1打点」で、実戦 8試合の打率は「4割6分6厘」とハイアベレージをキープ。内角攻めなど次第に配球も厳しくなる中で結果を残し続け、広島岩本スコアラーは「どういう風に攻めていかないといけないのか。いいバッターなので本当に考えさせられます」と警戒を強めた。
1回、二塁打を放った佐藤輝明内野手=かりゆしホテルズボールパーク宜野座
森下は昨季、阪神戦に 4度先発して「3勝」した「虎キラー」。矢野監督は佐藤輝の森下打ちを含む 2安打に「大したもん」と高く評価。その中で今後へのうれしい悩みも語った。「もっともっと攻めが厳しくなる。相手はどんどん開幕までに試してくる。このままいってくれたらうれしい部分もあるし、早く壁にぶち当たってくれたらいいのになというのもある。どっちにしろ、試合をやるたびに見ていて楽しみな選手だなと」。
指揮官のぜいたくな心配も、「怪物新人」は自らを理解している。相手バッテリーは森下が得意とするカーブを 1球も見せてこなかった。 3回は内野に打ち上げさせられた(記録は敵失)。「シーズンはもっと違う球を投げてくると思う。油断はできないです」。結果に慢心することなく、背番号「8」は先のシーズンをどっしりと見据えた。
▽広島森下暢仁投手
「(体が)大きいですし、しっかりと踏み込んでくる。いいバッターだなと思います」
1回裏阪神二死、佐藤輝明内野手(奥)は広島森下暢仁投手から右中間へ 2塁打を放った=かりゆしホテルズボールパーク宜野座
阪神の「ドラフト1位・佐藤輝明内野手」が「3番・左翼」で出場。 1回の第 1打席に、昨季「セ・リーグ新人王」に輝いた森下暢仁投手(23)から 2塁打を放った。昨季、チームは右腕に対して「0勝3敗、打率0.184」。そんな難敵をものともしない「黄金ルーキー」は、やっぱり虎の希望の光や!
■昨季「新人王」から弾丸ライナー
宜野座のグラウンドにまたも快音が響き渡った。弾丸ライナーで飛び出した白球が右中間に弾む。マウンドに立つ昨季の新人王ですら、佐藤輝を止められない。難敵を撃った! 広島・森下から値千金の一打だ。
「シーズンではもっと違う球を投げてくると思う。でも甘いところをとらえられたのはよかったと思います」
1回二死、カウント 2- 2からの 6球目。 150キロ直球を完璧にとらえた。打球はあっという間に右中間フェンスに到達。快足を飛ばす虎のドライチ。表情一つ変えず、悠然と 2塁ベースに君臨した。
1回、佐藤輝明内野手に 2塁打を許した広島・森下暢仁投手=かりゆしホテルズボールパーク宜野座
■昨年 4度対戦で「3勝」献上
鯉の若きエースは昨年の虎が何度も苦杯をなめた難敵だ。阪神打線は森下と 4度対戦し、「3勝」を献上。一度も土をつけることができず、「プロ初完封」を喫したのも虎だった。森下の対阪神の防御率は「2.25」、被打率は「0.184(98打数18安打)」。さらに 2ストライク後は「同0.095(63打数6安打)」と手も足も出ない相手。そんな、リーグ屈指の“虎キラー”に、「黄金ルーキー」は追い込まれた状態から快音を響かせた。
■止まらない!「7戦連続ヒット」
「新人王」を目標に掲げる男にとって、昨年「10勝(3敗)」をマークした森下との対戦は絶好の試金石だった。 1学年上の明大出身の右腕とは、近大 2年時にともに日の丸を背負って戦ったが、これまで対戦経験はなし。昨年末に「(森下は)真っすぐのコントロールがいいのはもちろん、変化球とのコンビネーション、カーブとかすごい」と実力を認めながら「対戦したら、打ちます!」と誓っていた通り、初打席で攻略してみせた。
8回裏阪神一死 2、 3塁、佐藤輝明内野手は次打者席でジャンプする=かりゆしホテルズボールパーク宜野座
見事、有言実行を果たしたドライチだが、「油断はできない」と表情を緩めることはない。第 2打席は初球の変化球をとらえきれず凡退(記録は 3失)。 6回二死 2塁で迎えた第 4打席はケムナの直球を逆方向にはじき返し、左前適時打とこの日は「5打数2安打1打点」。連続安打を 7試合に伸ばし、矢野監督は「経験する、体感することが一番大事。前から言っているように早く壁にぶち当たってくれたらいいのになというのもある。どっちにしても、試合をやるたびに見ていて楽しみな選手だなと思わされる」と目を細める。
■「しっかりこのままやっていきたい」
「しっかりこのまま、甘いところをとらえられるようにやっていきたいと思います」
難敵ですら、この男の壁にはならない。異次元のスケールを見せつけた佐藤輝は、やはり虎の希望の光だ。
2回裏阪神無死、糸井嘉男外野手は 2ゴロを放った、左は森下暢仁投手=かりゆしホテルズボールパーク宜野座
阪神最年長の39歳糸井嘉男外野手が虎移籍後最速で初実戦に臨んだ。「5番DH」で出場し、 2回の 1打席目は 2ゴロ。 4回は左腕床田の変化球にバットが空を切って三振、 5回は死球で出塁した。 7回の打席で代打を送られ、「2打数無安打」だった。
矢野監督はこれまでも「(糸井))嘉男自身も奪っていかないといけない立場」と話しており、実績ある糸井にとっても厳しい外野手争いが本格的に始まった。
5回裏阪神無死 1塁、死球を受けた糸井嘉男外野手=かりゆしホテルズボールパーク宜野座
高山俊外野手が「6番右翼」でフル出場し、バットと激走でアピールした。
2回一死では右腕森下の内角 139キロカットボールをさばいて左中間へ運び、果敢に走って 2塁打。 4回は左腕床田の内角変化球を引っ張り、右翼線の飛球を野間がグラブではじいた間に 3塁まで到達した(記録は安打と敵失)。
2回裏阪神一死、左中間へ 2塁打を放った高山俊外野手=かりゆしホテルズボールパーク宜野座
これで実戦 8試合で「打率4割1分7厘」。今季は右足を大きく開き、体を投手側に正対させるように構えるオープンスタンスに挑戦。北川打撃コーチは新フォームについて「懐が大きくなったのが一番だと思う。目線が変わるから思い切った形にはなるけど、本人がしっかり対応して順応したから、今のところはしっくりきているんじゃないかなと思います」と評価した。
広島との練習試合で、 2塁打を放った高山俊外野手=かりゆしホテルズボールパーク宜野座
試行錯誤を繰り返す高山は「マルチ安打」という結果だけでなく、感覚面のフィットにも手応えを持った。「今日より昨日が自分の中ですり合わすという部分で良かった」。 4回は梅野の遊ゴロで 3塁から好スタートを切って先制のホームに滑り込むなど走塁でも光る 1日だった。矢野監督は「走塁も良かった」とし、新フォームについても「自信というか、この打ち方でいいんだというのがあいつの中の手応えとして確認できていると思う」。さらに同じ外野を争う「ドラ1」佐藤輝らの活躍を踏まえ「相乗効果もある」とチーム内の競争を歓迎した。
4回裏阪神一死、高山俊外野手は右線に 3塁打を放った=かりゆしホテルズボールパーク宜野座
開幕が近づくにつれて助っ人陣の実戦出場も増え、高山に与えられる打席数も限られてくる。「これからより試合に出られなくなってくるので、自分の中で考えながら練習でやっていきたい」。「虎のヒットマン」が、ニュースタイルでレギュラー奪取に燃える。
4回裏阪神一死 3塁、原口文仁捕手の遊野選で生還する高山俊外野手。捕手は石原貴規捕手=かりゆしホテルズボールパーク宜野座
高山俊外野手が「6番・右翼」で出場し、「マルチ安打&好走塁」をみせた。
「でもきょうは糸井さんが出ていましたが…。主力が出ていないから出ているだけなので」
一戦一戦に懸ける、悲壮な決意が口ぶりにもにじむ。糸井の出場によって、「1番」だった20日の中日戦から打順が下がった。それでも 2回一死で左中間を突くライナーで一気に 2塁を陥れると、 4回一死も右翼線へ痛烈な当たり。右翼・野間が打球をはじく間に、 3塁まで進んだ。「3打数2安打1四球」で、実戦 8戦で「打率0.417(24打数10安打)」だ。
4回裏阪神一死 3塁、高山俊外野手は原口文仁捕手の遊野選で生還しベンチの矢野燿大監督(右)とタッチする=かりゆしホテルズボールパーク宜野座
矢野監督も「好調を維持できている。走塁も良かったしね。状態もいいし、相乗効果もあるんじゃない、他の。もちろん佐藤輝っていうのもあるし」と、高レベルな競争にうなっている。
高山自身は「これから試合に出られなくなってくる。より自分の中で、試合の打席だけじゃなく練習でもいろいろ考えながらやっていきたい」と立場は痛いほど分かっている。まだまだ打って、出番をつかみ続ける。
「7番捕手」で先発した梅野隆太郎捕手(29)が、「梅ちゃんバズーカ」の健在ぶりを見せた。初回一死 1塁。盗塁を試みた 1塁走者の羽月を矢のような 2塁送球で封殺。 3回一死 3塁では、飛び出した 3塁走者の石原をストライク送球で刺した。「けん制は自分の中では納得したものだった。短いイニングやけど、ピンチのところで助けられたし、すごく個人としては良かったかなと思います」。 3回でお役御免でも納得のプレーだった。
1回表広島一死 1塁、梅野隆太郎捕手は 2盗を試みた羽月隆太郎内野手を刺す。打者は野間峻祥外野手=かりゆしホテルズボールパーク宜野座
リード面では先発藤浪をサポート。「引き出しとして増えた 3イニングだったんじゃないかなと思う」。高速フォークについては「球種として多分結構使えるんじゃないかなと。すごい、良かったとしか言いようない」と振り返った。ファウルが右足首とふくらはぎを直撃する場面もあり、痛みはあるものの「腫れが引けば、骨には影響ないと思うんで」と大事には至らなかった様子。着実に段階を上げ、調整を続ける。
3回表広島一死 3塁、梅野隆太郎捕手(上)は三走石原貴規捕手(右)を 3塁けん制で刺す、手前左は山本泰寛内野手=かりゆしホテルズボールパーク宜野座
梅野隆太郎捕手が「7番・捕手」で出場。自慢の強肩で、完全復活を目指す先発の藤浪を強力援護した。
■「投手助けられることができた」
脂汗を流しながらも、バズーカを繰り出した。黒土にまみれた鯉戦士たちが、悔しそうに下を向く。これが、梅野だ。正妻のプライドをかけて、走者を2度も刺した。
「投手を助けられることができました。(藤浪)晋太郎が、ああいうピンチのところで助けられたし、実質ゼロで抑えられたし、すごくよかったです」
■ファウルを右足に受け…
最大の見せ場は 3回一死 3塁。藤浪が暴投などで初めて得点圏に走者を背負い、田中広を迎えたところだった。直前の矢野の打席でファウルを右足に受け、痛みが走る。それでも、内角球を捕ると、すぐに 3塁へけん制。石原が戻れず、アウト! 1回に羽月の 2盗を阻止していた梅野は、 2回の松山の打席でも右足にファウルを受けて悶絶していたが、痛みに耐えて、よく頑張った!
3回表広島無死 1塁、打者矢野雅哉内野手の時にファウルを受け苦笑いの梅野隆太郎捕手=かりゆしホテルズボールパーク宜野座
「(当たったのは)ふくらはぎと、くるぶしです。もう腫れが引き次第という感じ。今はふくらはぎの方が…筋肉でボコッとなっている感じだから伸ばすだけでも痛い」
昨季は98試合に出場し、「打率0.262、7本塁打、29打点」。「3年連続ゴールデングラブ賞」に輝き、今季も扇の要を期待されている。その一方で、「D4位・榮枝」(立命舘大)が18日のDeNA戦で 3度盗塁を阻止するなど強肩自慢が出現した。梅野は、肩を存分にアピールする必要があった。
■自慢の肩、存分にアピール
「投手が今、頑張ってくれている。投手がクイックしてくれて、自分ができる仕事をすれば普通にいけば刺せる。きょうに関しては『0か100か』でいえば、『100%』できたので、よかったです」
投手をたたえるのは成長の証し。絶対に刺せるといえる鬼肩は健在だ。
ガンバレ!阪神!我らのタイガース!今季こそ勝利を掴め!
今の僕たちに一番必要なことは「挑戦すること」だと考えています。
試合結果により評価されがちですが、「エラーをしても前に出る」「打たれても バッターに向かっていく」
そのような姿勢が僕たちのチームの成長には一番必要なことだと考えているので、まずは挑戦する事「挑む」を最初に掲げました。 次に、「超える」ですがこれは「超越する」ことです。
最後に「頂へ」。
これは僕自身が監督に就任してからセ・リーグの順位が3位、2位ととなり、来季 はもちろん「頂」しかありません。
チーム全体として頂点に立つことを意識し、選手・スタッフ含めチーム全体で、 頂点に行ったときにどういう景色があるのか、どういう気持ちになれるのかを考える1年とし、「常にトップに立つ」とういう意識にしていきます。
やはりタイガースファンの大きな後押しも必要です。
このスローガンをもとに共に戦い、頂点に行った景色を一緒に見ましょう。
2020年 オープン戦 最終順位表
2020年 公式戦 順位表
2021年 公式戦日程と結果 (02月)
2021年 公式戦日程表と結果(03月)