● 1塁のレギュラーを争うジェリー・サンズ外野手(33)が21年「初実戦」でいきなり快音を響かせた。「5番1塁」で先発。 4回に先頭で右腕阪口皓亮投手(19)から左中間 2塁打を放った。今季から再挑戦中の 1塁守備ではゴロを無難にさばき、前方の飛球にも大声でマイボールをアピール。「4番」大山悠輔内野手(26)の後を打つ得点源として期待される強打者は充実した表情だった。球団が外野手メル・ロハス・ジュニア(30=前韓国・KT)を獲得したことで、昨季主に守った左翼から今季は 1塁での出場が視野に入る。この日は 1塁守備を無難にこなし意欲的に語った。初仕事はプレーボール直後の 1回。先頭の神里の 1塁線寄りのゴロを難なく捕球し、自らベースを踏んだ。 2回先頭の蝦名達夫外野手(23)の打球はマウンド手前付近に上がり、 3塁の山本泰寛内野手(27)も捕手の坂本誠志郎(27)も動き出す“お見合い”しかねない当たり。すかさず「OK!」と大きな声を出して、ミットに収めた。連係はバッチリだ。この日は 2打席で交代したが、矢野監督は守備面を評価し打つ方でも及第点を与えた。先に新たな“職場”に適応し、競争を勝ち抜く。24日は練習休み。
●高山俊外野手(27)が「2戦連続マルチ安打」で存在感を出した。 3年ぶりの「開幕スタメン」に大前進だ。DeNAとの練習試合(宜野座)に「6番右翼」で先発。 2回に先発阪口から中前打を放つと、 4回にも右腕から右前に運んだ。今キャンプはここまで全 9試合の実戦にスタメン出場して「27打数12安打、打率4割4分4厘」とハイアベレージ。開幕に向けて助っ人陣ら主力組の実戦出場も増えた。今キャンプは全実戦 9試合に先発出場。「27打数12安打」で「打率4割4分4厘」を残し、“チームの首位打者”(10打席以上)を走る。今季は打撃フォームをオープンスタンスに変え、試行錯誤の日々。この日も 2安打を放ったが、満足はしていない。結果を出し続けながら、同時に完成形を追い求めていく。矢野燿大監督(52)は評価。背番号「9」を第 4クールの「かっこいい大賞」にも選出し、期待を込めた。16年の「新人王」はここ数年、レギュラーをつかめずに控えに甘んじてきた。今年こそはの気持ちは、指揮官にも届いている。ここから開幕に向けて助っ人陣ら主力選手の実戦出場も増え、打席に立つ機会は限られてくる。少ないチャンスの中で、必死のアピールを続けていく。
●球威、コントロールともに上出来だった。23日、阪神先発の秋山拓巳投手(29)が 3回 1安打無失点と好投し、「火曜日の男」へ突き進む。カーブなど変化球も有効に使い、打者を手玉に取った。昨季はチームトップタイの「11勝」。矢野監督も期待。このまま行けば開幕 2カード目の 1戦目を任される方向で、順調に調整を進める。昨季に「11勝」で西勇とチーム最多で並んでも危機感を抱く。2017年に「初の2桁」となる「12勝」を挙げたが、その後は「5、4勝」と低迷。オフから球速アップを目標に掲げ、変化球の曲がり方にも修正を加えた。先発の新たな軸と見込んだラウル・アルカンタラ投手(28=前韓国斗山)は来日のめどが立たず、高橋は故障。自身への期待が膨らむ中、秋山は責任感を口にした。右脇腹の筋挫傷を起こした高橋遥人投手(25)に続き、エースの西勇輝投手(30)もぜんそくの検査のために離脱と先発陣にアクシデントが続く中、首脳陣にアピール。昨季「11勝」を挙げた右腕が、中心となって引っ張っていく。
●開幕投手の大本命、西勇輝投手が23日、「沖縄・宜野座キャンプ」を離脱した。「開幕投手」が有力視されるが、キャンプ地から姿を消した。この日は球場に姿を見せたが、メイン球場でミーティングを終えると、宜野座ドームへ移動。その後は全体練習に加わることなく、球場を後にした。キャンプ序盤から続いていたせきなどのぜんそく症状が改善されず、首脳陣やトレーナーとも話し合いを重ねた結果、帰阪することを決断。検査などを受けることが最善と判断した。今後、検査などを受ける。キャンプに復帰する予定はなく、今季「初実戦」を予定していた27日の練習試合・中日戦(北谷)の登板も回避。開幕に向けてギアを上げる段階だったが、「虎のエース」が思わぬアクシデントに見舞われた。矢野監督も心配そうな表情を浮かべた。肩肘などの故障ではないとはいえ、現時点で詳細が分からないだけに、指揮官も気がかりだ。 3月のオープン戦で実戦を重ねれば開幕には間に合う。ただ、大黒柱の離脱が長引けば、「先発ローテーション」にも大きな影響を及ぼす不安要素になることは確か。症状が早期に改善されることを願うしかない。高橋と違い、肉体的な故障ではない。将はまず回復を願った。金村曉投手コーチ(44)も環境面を懸念。自宅で万全の状態に戻すことを求めた。野球への取り組みについては監督、首脳陣ともに全幅の信頼を置く。だからこそ帰阪させることができる。先発ローテの絶対的な柱として、藤川球児氏(40)、能見篤史投手(41)が去った虎投を引っ張る存在だ。前日22日にもブルペンで24球を投じるなど徐々に仕上げていた。チームの帰阪後に合流できれば、まだスケジュールは間に合う。勝負のとき、先を見つめるからこそ一度、チームを離れる。指揮官と西勇の視線は、そろって「開幕」へ向いている。
記事をまとめてみました。
練習試合<阪神 1- 4横浜DeNA>◇23日◇かりゆしホテルズボールパーク宜野座(宜野座村野球場)
1塁のレギュラーを争うサンズ外野手が21年「初実戦」でいきなり快音を響かせた。
「5番1塁」で先発。 4回に先頭で右腕阪口から左中間 2塁打を放った。「ゲーム感覚を確かめられた。タイガースじゃない投手のボールを見られて良かった。シーズンに向けて、これからも目を慣らしていきたい」。今季から再挑戦中の 1塁守備ではゴロを無難にさばき、前方の飛球にも大声でマイボールをアピール。「たくさん練習をして余裕を持ってプレーできるようにしていきたい」と笑みを浮かべた。
4回に 2塁打を放ったサンズ外野手。打撃も絶好調や=かりゆしホテルズボールパーク宜野座
来日 2年目のサンズがDeNAとの練習試合で初の実戦に臨み、 4回に阪口から左中間に 2塁打を放った。「4番」大山の後を打つ得点源として期待される強打者は「ゲーム感覚を確かめることができた」と充実した表情だった。
球団が外野手ロハスを獲得したことで、昨季主に守った左翼から今季は 1塁での出場が視野に入る。この日は 1塁守備を無難にこなし「たくさん経験して、余裕を持ってプレーできるようにしたい」と意欲的に語った。
24日は練習休み。
4回裏阪神無死、サンズ外野手は「左中間越え2塁打」を放った=かりゆしホテルズボールパーク宜野座
阪神のジェリー・サンズ外野手がDeNA戦(宜野座)に「5番・1塁」でスタメン出場した。今年「初実戦」ではコンバートされる見込みの 1塁守備について積極的な動きをみせ、バットでも2021年「初安打」となる長打を放った。S砲が新たな仕事場で、矢野虎の進撃を支える。
ずっと 1塁を守っていたかのように、サンズは内野に溶け込んでいた。今年初実戦がいきなり虎での 1塁デビュー戦となったが、新たな持ち場への「OK」サインをプレーで示した。
「最初にファーストゴロもありましたし、これからたくさん 1塁守備を経験して、もっともっと余裕を持ってプレーができるように練習したい」
4回、 2塁打を放ったサンズ外野手=かりゆしホテルズボールパーク宜野座
初仕事はプレーボール直後の 1回。先頭の神里の 1塁線寄りのゴロを難なく捕球し、自らベースを踏んだ。 2回先頭の蝦名の打球はマウンド手前付近に上がり、 3塁の山本も捕手の坂本も動き出す“お見合い”しかねない当たり。すかさず「OK!」と大きな声を出して、ミットに収めた。連係はバッチリだ。
もちろん、打っても問題ナシ。 4回先頭、 2ボールから阪口の高め直球を左中間へ弾き返し、 2塁打。今キャンプ初安打も記録して「ゲームの感覚を確かめることができた」とうなずいた。
1回表DeNA無死、神里和毅外野手の打球を捕り一塁ベースを踏む阪神サンズ=かりゆしホテルズボールパーク宜野座
この日は 2打席で交代したが、矢野監督は「もともとハンドリングはうまいしね。ボールを捕っているのを見ても、ファーストもできるなっていうのは思うし」と守備面を評価し「シート打撃はやっているからね。問題ない」と打つ方でも及第点を与えた。
外野は「D1位・佐藤輝」や高山が猛アピール中。昨年は主に左翼手として出場したが、今季はマルテとともに 1塁の定位置を争っている。そのM砲も27日の中日戦(北谷)か28日のヤクルト戦(浦添)で「初実戦」を迎える予定。「きょうは結果が出てよかった。シーズンに向けてしっかり準備していきたいです」とサンズ。先に新たな“職場”に適応し、競争を勝ち抜く。
高山俊外野手が「2戦連続マルチ安打」で存在感を出した。
DeNAとの練習試合(宜野座)に「6番右翼」で先発。 2回に先発阪口から中前打を放つと、 4回にも右腕から右前に運んだ。今キャンプはここまで全 9試合の実戦にスタメン出場して「27打数12安打、打率4割4分4厘」とハイアベレージ。開幕に向けて助っ人陣ら主力組の実戦出場も増え、「今しか出るチャンスもない」と、必死のアピールは続く。矢野監督は「(調子を)維持できている。すごく良かった」と評価した。
2回裏阪神無死、高山俊外野手は中前打を放った=かりゆしホテルズボールパーク宜野座
高山俊外野手が 3年ぶりの「開幕スタメン」に大前進だ。練習試合のDeNA戦(宜野座)に「6番右翼」で出場。「2戦連続マルチ安打」を決め、「4割4分4厘」に上げたキャンプ実戦打率は堂々の“チーム首位打者”だ。矢野燿大監督からは第 4クールの「かっこいい大賞」にも選出された。低迷が続いていた16年の「新人王」が、外野の一角奪取へ必死のアピールを続ける。
◇ ◇ ◇
高山のバットが止まらない。DeNA戦に「6番右翼」で出場。 2回は先頭で、先発阪口の内角高め 143キロ直球を中前にはじき返した。 4回は無死 2塁から、右腕の内角低め 136キロ変化球にうまく反応。追い込まれながらも巧みなバットコントロールで 1、 2塁間を破り、 2戦連続の「マルチ安打」を決めた。激しい外野の「レギュラー争い」の中で、確かな数字を残して際だった存在感を見せている。
今キャンプは全実戦 9試合に先発出場。「27打数12安打」で「打率4割4分4厘」を残し、“チームの首位打者”(10打席以上)を走る。外野手の新助っ人、ロハスら外国人の来日メドが立たない中、開幕右翼に大前進のアピールが続いている。
4回裏阪神無死 2塁、高山俊外野手は右前打を放った=かりゆしホテルズボールパーク宜野座
今季は打撃フォームをオープンスタンスに変え、試行錯誤の日々。この日も 2安打を放ったが「まだちょっと分からない」と、満足はしていない。結果を出し続けながら、同時に完成形を追い求めていく。
矢野監督は「(打撃は調子を)維持できているし、もっともっと高いところを目指してやっていると思う」と評価した。背番号「9」を第 4クールの「かっこいい大賞」にも選出し、「バッティングを含めて本当に試合に出たいという気持ちと、この何年かの悔しい思いが俊の中で気持ちも出て。また形にもなってきている。外野手争いも最後までどうなるか、シーズンを通しても楽しみなところ」と期待を込めた。
16年の「新人王」はここ数年、レギュラーをつかめずに控えに甘んじてきた。今年こそはの気持ちは、指揮官にも届いている。ここから開幕に向けて助っ人陣ら主力選手の実戦出場も増え、打席に立つ機会は限られてくる。「今しか出るチャンスもない」。少ないチャンスの中で、必死のアピールを続けていく。
▽阪神井上一樹ヘッドコーチ(高山俊外野手について)
「オフの間にいろんなことを試して、今春のキャンプに来た時に秋の高山俊から違ったものが見えた。こういう形を続けていけば『オレにもチャンスがある』というのを持ち続けてほしい」
阪神先発の秋山拓巳投手が 3回 1安打無失点と好投し、「火曜日の男」へ突き進む。
「このキャンプは低めの制球も去年と比べるとだいぶ手応えがあるので、引き続き精度を上げられるように取り組んでいきたい」。カーブなど変化球も有効に使い、打者を手玉に取った。
昨季はチームトップタイの「11勝」。矢野監督も「多分もっとやっぱり上を目指していると思うし、今年は『2ケタ』というのは最低ラインなんじゃない?」と期待。このまま行けば開幕 2カード目の 1戦目を任される方向で、順調に調整を進める。
先発し 3回を無失点に抑える秋山拓巳投手=かりゆしホテルズボールパーク宜野座
球威、コントロールともに上出来だった。阪神の秋山が23日、沖縄県宜野座村でのDeNAとの練習試合に先発し、 3回を「1安打無得点」に抑え「低めの制球が去年と比べると、だいぶ手応えがある」と自信がにじんだ。
真骨頂の攻めは 3回二死。神里にこの日最速 140キロの直球でファウルにさせ、続くカーブでタイミングをずらして左飛に。「撃をさせていない。ああいうことが増えればいい内容になる」と巧みな投球術に笑顔だ。
昨季に「11勝」で西勇とチーム最多で並んでも「連続していい結果を残せていない」と危機感を抱く。2017年に「初の2桁」となる「12勝」を挙げたが、その後は「5、4勝」と低迷。オフから球速アップを目標に掲げ、変化球の曲がり方にも修正を加えた。矢野監督は「意識の高さを感じる。投球にも、トレーニングにも出ている」と向上心を買う。
先発の新たな軸と見込んだアルカンタラは来日のめどが立たず、高橋は故障。自身への期待が膨らむ中、秋山は「準備を怠らずにやりたい」と責任感を口にした。
DeNAとの練習試合で先発し、 3回を「1安打無得点」に抑えた秋山拓巳投手=かりゆしホテルズボールパーク宜野座
阪神・秋山拓巳投手が23日、DeNA戦(宜野座)に先発し、 3回「1安打無失点」と好投した。右脇腹の筋挫傷を起こした高橋遥人投手に続き、エースの西勇輝投手もぜんそくの検査のために離脱と先発陣にアクシデントが続く中、首脳陣にアピール。昨季「11勝」を挙げた右腕が、中心となって引っ張っていく。
■納得の球威と緩急
強い日差しが照りつける宜野座に、力んだ声が響く。秋山が安定感抜群の投球で、DeNA打線を手玉に取った。
「このキャンプは、低めの制球も、去年と比べると、だいぶ手応えがある。引き続き精度を上げられるように(したい)」
この日、許した安打は 1回二死の「D2位・牧」(中大)の中前打のみ。持ち味の制球力で、低めに集める投球が光った。
先発し 3回を無失点に抑える秋山拓巳投手=かりゆしホテルズボールパーク宜野座
特に手応えを感じたのは、 3回二死での神里への投球。カウント 2- 2からこの日最速となる 140キロ直球がファウルとなると、続いて 110キロのカーブを投じ、左飛に打ち取った。球威と緩急で封じ込め「ファウルのあとのカーブでバッティングさせていない。ああいうことが増えれば、いい内容になってくる」と納得の表情をみせた。
■西勇輝投手と高橋遥人投手が離脱
この日、エースの西勇がぜんそくの検査のため帰阪。もう一人、先発ローテの軸として期待されていた高橋は右脇腹の筋挫傷で別メニュー調整となり、開幕絶望的な状況だ。新助っ人アルカンタラ(前韓国斗山)も来日のめどが立っておらず、おのずと秋山へかかる期待も大きくなる。それは本人も承知の上だ。
「自分がやらないといけないと思っている。しっかりパフォーマンスを出せる準備というのは怠らずにやりたい」
阪神先発の秋山拓巳投手=かりゆしホテルズボールパーク宜野座
■「2桁勝利を一番の目標に」
火曜日の登板が続いており、このままならば開幕 2カード目、 3月30日の広島戦(マツダ)が「シーズン初戦」となる。大事なカード頭で、チームを「勝利」に導く投球をする。矢野監督も「例年以上に意識の高さは感じる。ピッチングにもいろんなトレーニングにも出ている。今年は『2桁(勝利)』は最低ラインなんじゃない?」と高いレベルでの活躍を期待している。
「連続して結果を残すことができていないので、『2桁勝利』を一番の目標にがんばりたい」
2017年に「12勝」も18、19年は「5、4勝」。昨季「11勝」と復活したからこそ、今季にかける思いは強い。アクシデント続きの先発陣を、秋山が引っ張っていく。
開幕投手の大本命、西勇輝投手が23日、「沖縄・宜野座キャンプ」を離脱した。せきなどぜんそくの症状が収まらずこの日、帰阪。今後、検査などを受ける。キャンプに復帰する予定はなく、今季「初実戦」を予定していた27日の練習試合・中日戦(北谷)の登板も回避。開幕に向けてギアを上げる段階だったが、「虎のエース」が思わぬアクシデントに見舞われた。
◇ ◇ ◇
「開幕投手」が有力視される西勇が、キャンプ地から姿を消した。この日は球場に姿を見せたが、メイン球場でミーティングを終えると、別メニュー中の高橋と隣接する宜野座ドームへ移動。その後は全体練習に加わることなく、球場を後にした。キャンプ序盤から続いていたせきなどのぜんそく症状が改善されず、首脳陣やトレーナーとも話し合いを重ねた結果、帰阪することを決断。検査などを受けることが最善と判断した。
西勇輝投手=かりゆしホテルズボールパーク宜野座 (2021年 2月22日)
矢野監督も心配そうな表情を浮かべた。「ちょっとせきがね。このキャンプ、そういうのが続いていた。コンディション的にも難しいなとトレーナーと話をして。キャンプも残り 1クール。それやったら 1度帰って、いろいろやってみて、時間を使った方がいい」。肩肘などの故障ではないとはいえ、現時点で詳細が分からないだけに、指揮官も気がかりだ。
西勇は18年オフ、FAで阪神に加入。昨季は移籍後初の「開幕投手」を努め、自身「3年連続2桁」となる「11勝5敗、防御率2.26」の成績を収めた。今キャンプはせきの影響が腰の張りにもつながり、一時ペースダウンしたものの、前日22日には 4日ぶりブルペンで24球の投球練習を実施。「うまく体の調子を合わせながらマイペースでやっていますね」と話していた。矢野監督から「2年連続の大役」を託されることが確実視されているだけに、キャンプ離脱はチームにとっても衝撃だ。
朝はグラウンドに姿を見せていた西勇輝投手だが、この後、帰阪した=かりゆしホテルズボールパーク宜野座
今後について矢野監督は「(検査などが)進んでみないと分からない。こっちの理想としては 3月に入って、またね。普通にいければいいけど。ちょっと先のことは分からない」と話した。キャンプには戻らず関西で調整し、今季初登板を予定していた27日の中日戦も回避が決まった。 3月のオープン戦で実戦を重ねれば開幕には間に合う。ただ、大黒柱の離脱が長引けば、「先発ローテーション」にも大きな影響を及ぼす不安要素になることは確か。症状が早期に改善されることを願うしかない。
▽阪神金村曉投手コーチ(西勇輝投手について)
「 3月入ってからでも十分、開幕までは何試合も投げられるはずやから。おおごとじゃないうちに早めに手を打とうということで。しっかりできることをずっとやってたし、そんなに心配は(していない)。体力が落ちるほど休むほどでもないと思うし」
21日、キャッチボールを終えた西勇輝投手は、左脇下周辺を気にかける=かりゆしホテルズボールパーク宜野座
西勇輝投手が23日、ぜんそくの検査のため沖縄・宜野座で行われている「1軍キャンプ」から離脱した。せきが治まらず、大事を取った形で、今後は 3月26日のシーズン開幕(ヤクルト戦、神宮)を見すえて関西での調整を続けるという。今季も開幕投手の最有力と見込まれる右腕が、キャンプも残り 1週間となったところで、チーム本隊を離れることとなった。
円陣が解け、ナインがウオーミングアップへと向かう。まぶしい太陽が照らす毎朝の宜野座の光景から、西勇はひとり静かに離れた。ぜんそくの検査のためキャンプを切り上げる。開幕を万全の状態で迎えるために、これが最善の判断だった。矢野監督が明かした。
西勇輝投手(左)はアップを前に高橋遥人投手と移動する=かりゆしホテルズボールパーク宜野座
「ちょっとせきがね。このキャンプ、続いていたんでね。少しコンディション的にも難しいな、とトレーナーと話をしても、そうやった。残り 1クールなんで。それやったら一度帰って、いろいろ様子を見るというか、時間を使った方がね」
右脇腹の筋挫傷で開幕絶望的となった高橋に続く“離脱”。 3月26日のシーズン開幕、ヤクルト戦(神宮)までは 4週間余り。チームも西勇も先を見すえるからこそ、いち早く快方へ向かう方法を選ぶ必要があった。
ただ、高橋と違い、肉体的な故障ではない。将は「一番、何をやってほしいかというと、やっぱりせきが止まるというか。それを(原因が)どうなのかというのを探して、治めるというか、(せきを(抑えるということができて、シーズンを迎えて 1年間、勇輝らしくやってもらいたい」とまず回復を願った。金村投手コーチも「ホテルの部屋とかの影響もあるかもしれない」と環境面も懸念。「病院で薬もらうって言っても、ちゃんと検査して、ちゃんと合ったやつを飲まないと多分止まらないと思う」と心配し、自宅で万全の状態に戻すことを求めた。
ベンチの矢野燿大監督=かりゆしホテルズボールパーク宜野座
野球への取り組みについては監督、首脳陣ともに全幅の信頼を置く。だからこそ帰阪させることができる。2019年の虎入りから「10勝(8敗)、11勝85敗)」と「2年連続2桁勝利」。先発ローテの絶対的な柱として、藤川、能見が去った虎投を引っ張る存在だ。
今年 1月のテレビ出演時に、矢野監督は開幕投手について「本当に西(勇)は僕が目指す野球を体現してくれている。どんな時もバックに声をかけながらやっているので、任せたいなと思ってます」と語っていた。開幕への影響を問われると「ちょっと先のことは分からない」と言いつつ「全然ダメとかそんなことはない」と強調。今キャンプの西勇は実戦登板こそできていなかったものの、前日22日にもブルペンで24球を投じるなど徐々に仕上げていた。
チームの帰阪後に合流できれば、まだスケジュールは間に合う。「こっちの理想としては 3月に入って、またね。普通にいければいいけど」と矢野監督。金村投手コーチも「開幕までは何試合も投げられるはずやから」と悲観していなかった。
勝負のとき、先を見つめるからこそ一度、チームを離れる。指揮官と西勇の視線は、そろって「開幕」へ向いている。
ガンバレ!阪神!我らのタイガース!今季こそ勝利を掴め!
今の僕たちに一番必要なことは「挑戦すること」だと考えています。
試合結果により評価されがちですが、「エラーをしても前に出る」「打たれても バッターに向かっていく」
そのような姿勢が僕たちのチームの成長には一番必要なことだと考えているので、まずは挑戦する事「挑む」を最初に掲げました。 次に、「超える」ですがこれは「超越する」ことです。
最後に「頂へ」。
これは僕自身が監督に就任してからセ・リーグの順位が3位、2位ととなり、来季 はもちろん「頂」しかありません。
チーム全体として頂点に立つことを意識し、選手・スタッフ含めチーム全体で、 頂点に行ったときにどういう景色があるのか、どういう気持ちになれるのかを考える1年とし、「常にトップに立つ」とういう意識にしていきます。
やはりタイガースファンの大きな後押しも必要です。
このスローガンをもとに共に戦い、頂点に行った景色を一緒に見ましょう。
2020年 オープン戦 最終順位表
2020年 公式戦 順位表
2021年 公式戦日程と結果 (02月)
2021年 公式戦日程表と結果(03月)