●藤浪晋太郎投手(26)は「驚きしかなかった」と偽らざる胸中を明かした。プロ 9年目で初の「開幕投手」が決定。本人からすれば、「青天のへきれき」だった。昨季は復調を印象づけたとはいえ「1勝」どまり。今春は 3年ぶりの「開幕ローテ入り」を争う立場からスタートしていた。大黒柱の西勇輝投手(30)も、昨季「11勝」の秋山拓巳投手(29)も、「2年連続規定投球回クリア」の青柳晃洋投手(27)もいる中での大役抜てきだ。甲子園残留練習に参加した 7日、博多遠征中の矢野燿大監督(52)からLINEで通達された。この日の練習中には直接、意図も説明された。矢野監督は熱弁。右腕に思いが伝わっていないはずがない。ワインドアップに再挑戦中の今春は実戦計 4試合12イニングで 1失点。制球の精度、安定感は明らかに向上しており、納得の調整が続いている。開幕戦は26日の敵地ヤクルト戦。ツバメ打線は昨季「防御率1.48」と抑え込んでおり、神宮は昨年 8月21日に 692日ぶりの「白星」を手にした舞台でもある。21年、「藤浪世代」が新たな未来を切り開く。米大リーグや巨人で活躍した上原浩治氏(45)は 9日、自身のツイッターでとエールを送った。
●残り 1枠の「開幕ローテーション奪取」を目指す西純矢投手(19)は、先発で 5回 6安打 4失点だった。立ち上がり、先頭の田中広輔内野手(31)に 2塁打を打たれ、菊池涼介内野手(30)への四球で無死 1、 2塁のピンチを迎えるも、一死から松山竜平内野手(34)を 2塁ゴロ併殺に打ち取った。その裏、味方打線に 2点の援護をもらったが、 3回二死から安打と 2者連続四球で満塁。広島の新外国人ケビン・クロン内野手(28=アリゾナ・ダイヤモンドバックス)に左中間スタンドへ満塁弾を浴びた。 5回にも先頭から連打を許したが、無死 2、 3塁で広島の主砲・鈴木誠也外野手(26)を空振り三振。松山は遊飛に抑え、最後は前の打席で 1発を浴びたクロンを外角への変化球で空振り三振に打ち取った。猛省のち、猛勉強だ。「開幕ローテ入り」へ、どうしても結果がほしかったマウンドで、西純は「グランドスラム」に沈んだ。悔やみ、自らを責めたが、降板後の動きに、この男の伸びしろが表れた。なぜこうなったのかの分析が口をついてあふれた。走者を出しながら粘るも、 2- 0の 3回二死満塁で新助っ人・クロンに特大の一発を浴びた。 5回「6安打4失点」。「勝利投手」にこそなったが、猛アピールが必要な身には痛恨に違いなかった。降板直後に取材対応を終え、ベンチに戻るとすぐさま“超前向き”な行動をとった。矢野監督の隣にピタッと座ったのだ。きっかけは福原忍投手コーチ(44)だったが、それでも西純は必死で耳を傾けた。指揮官はかつての自分も思い返し、考えを伝えた。結果は厳しいものだった。それでも矢野監督は引き続きそばに置き、「開幕ローテ」を目指させることも明言した。西純も闘志を燃やし続ける。あの被弾があったから将のあの言葉を聞けたと、必ずあとで感謝できる日にする。
●阪神「ドラフト1位」の佐藤輝明内野手(21=近大)が、鮮烈な本拠地デビューを飾った。広島戦に「6番左翼」で先発し、初回二死 1、 2塁の初打席で矢崎拓也投手(26)から右前へ適時打。今季の「甲子園初戦」に駆け付けた5131人のファンの心を一振りでつかんだ。あいさつ代わりのタイムリー!打つべきところで打つ勝負強さは、まさにスター。試合は 6- 4で「逆転勝ち」し、チームは「オープン戦首位」に躍り出た。「6番・佐藤輝明」。待ちに待ったその名が甲子園にこだました。昨秋のドラフト会議から約 5カ月。ようやくこの瞬間がきた。声援と拍手が力に変わる。佐藤輝がプロ入り後初めて観客の入った甲子園で、あいさつ代わりの快音を響かせた。 1- 0の 1回二死 1、 2塁。水色に赤く“佐藤輝明”と染め抜かれたタオルがスタンドで揺らめく中、打席に向かった。マウンドには2017年「D1位右腕・矢崎」。 1球目は外角低めにボール。初スイングは 2球目だ。高めの 127キロスライダーをファウル。迫力満点のフルスイングに、甲子園がどよめいた。憧れの舞台に今、自身が立っている。 5回は初球を打ち上げて左飛。それでもフェンスを越えようかという大飛球に、大歓声が起こった。 7回には、 150キロ台の直球を渾身の力で空振り。 3塁側の鯉党からも、思わず感嘆の声がもれた。甲子園初陣でがっちりつかんだファンの心。快進撃を続ける「ドラ1」にまた一つ、力強い味方が加わった。佐藤輝の両親が応援に駆けつけた。スタンドで見守った父博信さん(53)は喜んだ。母晶子さん(48)は息子の体を気遣っていた。
●木浪聖也内野手(26=亜細亜大學OB)が反撃の口火を切る適時打を放った。 2点を追う 4回一死 1、 2塁で矢崎の直球を中前にはじき返し、亜細亜大學の先輩、板山祐太郎外野手(26)の逆転打につなげた。オープン戦 4試合目で「初タイムリー」となった。
●板山祐太郎外野手が 1軍でも好調維持をアピールした。 2軍戦で「打率5割」を残し、この日から合流。 4回に木浪の適時打で 1点差に迫りなお二死 2、 3塁で代打で出場し、左前に逆転の「2点適時打」を放った。若手の台頭で結果を求められる立場を痛感し、オフと春季キャンプを過ごした。レッズ秋山翔吾外野手(32)との 2年連続の「自主トレ」を通して収穫。学んだことを生かし結果につなげている。同じく 1軍に合流した長坂拳弥捕手(26)は 7回の守備から出場し、その裏二死 1塁の初打席で中前打をマークした。
●開幕スタメンを狙う高山俊外野手(27)は教育リーグのオリックス戦に「4番右翼」で先発し、「3打数1安打」だった。初回二死 2塁では相手先発の竹安に三振に抑えられたが、 7回一死で中前打。
●開幕 3戦目となる28日ヤクルト戦(神宮)に先発する秋山拓巳投手が 9日、教育リーグのオリックス戦(鳴尾浜)に先発した。 5回を勝俣翔貴内野手(23)に浴びたソロによる 1失点で抑え、 6三振を奪った。見守った平田勝男 2軍監督(61)は高評価した。
記事をまとめてみました。
オープン戦<阪神 6- 4広島>◇ 1回戦◇阪神 1勝 0敗 0分◇9日◇阪神甲子園球場
藤浪晋太郎投手は「驚きしかなかった」と偽らざる胸中を明かした。プロ 9年目で初の「開幕投手」が決定。本人からすれば、「青天のへきれき」だった。
「まったくと言っていいほど頭になかったので。ただただ驚いたというのが1番。落ち着いていない状況です」
昨季は復調を印象づけたとはいえ「1勝」どまり。今春は 3年ぶりの「開幕ローテ入り」を争う立場からスタートしていた。大黒柱の西勇も、昨季「11勝」の秋山も、「2年連続規定投球回クリア」の青柳もいる中での大役抜てきだ。
試合前の練習でリラックスした表情を見せる藤浪晋太郎投手=阪神甲子園球場
「チームの顔だと思いますし、もちろん責任もある。期待している、評価しているという話もいただいた。結果で示したい」
表情が引き締まるのは当然だった。
甲子園残留練習に参加した 7日、博多遠征中の矢野監督からLINEで通達された。この日の練習中には直接、意図も説明された。
「大山が『キャプテン』をやったり、近本が『選手会長』をやったり、オマエたちの世代で強いタイガースになっていってほしい」
指揮官から同学年の 2人の名前も挙げられ、覚悟は決まった。
登板を終えた西純矢投手(左)に話す矢野燿大監督=阪神甲子園球場
矢野監督は「エースは西(勇)」と強調した上で「『日本一』になるためにはプラスアルファが絶対に必要。また強いタイガースを作るという意味も含めて、開幕投手にあいつを指名した」と熱弁。右腕に思いが伝わっていないはずがない。
ワインドアップに再挑戦中の今春は実戦計 4試合12イニングで 1失点。制球の精度、安定感は明らかに向上しており、「今のところはフォーム、技術的なところは順調に来ている」と納得の調整が続いている。
開幕戦は26日の敵地ヤクルト戦。ツバメ打線は昨季「防御率1.48」と抑え込んでおり、神宮は昨年 8月21日に 692日ぶりの「白星」を手にした舞台でもある。
「やっぱりチームに勢いがつくような投球をしたい。もちろん苦しい場面もあると思いますけど、なんとか粘ってチームの勝利につなげられたらと思います」
21年、「藤浪世代」が新たな未来を切り開く。
上原浩治氏
阪神の藤浪晋太郎投手がプロ 9年目で初の「開幕投手」を務めることが決まった。26日に神宮球場でヤクルトと対戦する。米大リーグや巨人で活躍した上原浩治氏は 9日、自身のツイッターで「阪神…藤浪選手 開幕投手に 今年は期待が持てるかなぁ 持ってる力、ポテンシャルは素晴らしいからね。頑張ってください!」とエールを送った。
藤浪は昨季、配置転換された中継ぎで調子を上げ、先発に戻った終盤も好投。今春のキャンプはワインドアップを試すなど意欲的に過ごした。実戦でも好調ぶりを示し、オープン戦初登板となった 5日のソフトバンク戦は 4回を投げて「3安打無失点」とした。
今季初の甲子園でのオープン戦! 先発の西純矢投手(中央)に大きな拍手が送られた=阪神甲子園球場
残り 1枠の「開幕ローテーション奪取」を目指す西純矢投手は、先発で 5回 6安打 4失点だった。
立ち上がり、先頭の田中広に 2塁打を打たれ、菊池涼への四球で無死 1、 2塁のピンチを迎えるも、一死から松山を 2塁ゴロ併殺に打ち取った。その裏、味方打線に 2点の援護をもらったが、 3回二死から安打と 2者連続四球で満塁。広島の新外国人クロンに左中間スタンドへ満塁弾を浴びた。
5回にも先頭から連打を許したが、無死 2、 3塁で広島の主砲・鈴木誠を空振り三振。松山は遊飛に抑え、最後は前の打席で 1発を浴びたクロンを外角への変化球で空振り三振に打ち取った。
力投する西純矢投手=阪神甲子園球場
降板後、西純はクロンに浴びた満塁弾を振り返り、課題を口にした。「自分の中で一番やっちゃいけないと思っていた形での本塁打だった。四球でランナーためてから、外で力勝負に行って、高くベルトラインに行って、ストライクゾーンに甘く入った。試合前からああいう形の本塁打はやっちゃいけないと思っていたんですけど、そこが出たのはもう少し自分が意識を持ってやっていかないといけなかったなという反省点です」。開幕ローテ入りへの手応えについては「どうなるか分かりませんけど、最後の最後まであきらめずにそこに食らいついていきたいなと思います」と力を込めた。
阪神先発の西純矢投手=阪神甲子園球場
猛省のち、猛勉強だ。「開幕ローテ入り」へ、どうしても結果がほしかったマウンドで、西純は「グランドスラム」に沈んだ。悔やみ、自らを責めたが、降板後の動きに、この男の伸びしろが表れた。
「一番やっちゃいけないと思っていた形での本塁打だった。四球で走者をためて、外で力勝負に行って、高くベルトラインに行って、ストライクゾーンに甘く入った。もう少し意識を持ってやっていかないといけなかったなという反省点です」
なぜこうなったのかの分析が口をついてあふれた。走者を出しながら粘るも、 2- 0の 3回二死満塁で新助っ人・クロンに特大の一発を浴びた。 5回「6安打4失点」。「勝利投手」にこそなったが、猛アピールが必要な身には痛恨に違いなかった。
3回表広島二死満塁、ケビン・クロン内野手(左)に左中間越えに「逆転満塁本塁打」を浴びた西純矢投手=阪神甲子園球場
だが、降板直後に取材対応を終え、ベンチに戻るとすぐさま“超前向き”な行動をとった。矢野監督の隣にピタッと座ったのだ。将が明かす。「横におるからそのまま話しててんけど(笑)。『お前、あっちいけ』って福原(投手コーチ)が横に来させて」。きっかけは福原コーチだったが、それでも西純は必死で耳を傾けた。指揮官はかつての自分も思い返し、考えを伝えた。
「俺がキャッチャーのとき(ベンチで)監督の近くにいたのは、何か思ったときにしゃべることができるから。野村(克也)さんの時も星野(仙一)さんの時も、近くにいた。気付いて、いろいろ言って、あいつの中にどんな言葉が残るか。 5個言ったうち、 1個でも残れば、次の課題としてやっていける」
西純矢投手(左奥)は降板後、ベンチで矢野燿大監督(右奥)の隣に。英才教育を受けた!?=阪神甲子園球場
結果は厳しいものだった。それでも矢野監督は「もうちょっと見てみたい」と引き続きそばに置き、「開幕ローテ」を目指させることも明言した。
西純も「どうなるか分かりませんけど、最後の最後まであきらめず、そこに食らいついていきたいなと思います」と闘志を燃やし続ける。あの被弾があったから将のあの言葉を聞けたと、必ずあとで感謝できる日にする。
阪神「ドラフト1位」の佐藤輝明内野手が、鮮烈な本拠地デビューを飾った。広島戦に「6番左翼」で先発し、初回二死 1、 2塁の初打席で矢崎から右前へ適時打。今季の「甲子園初戦」に駆け付けた5131人のファンの心を一振りでつかんだ。
◇ ◇ ◇
佐藤輝の両親が応援に駆けつけた。スタンドで見守った父博信さんは「何より勝てたことがよかった。その中で彼が打点を挙げて勝ったっていうのは、もう最高の出だしじゃないですか」と喜んだ。
母晶子さんは「甲子園で大学の時は何回か見ていますけど、やっぱり違いますね。疲れもたまってきているだろうし、けがしないように」と体を気遣った。
佐藤輝明内野手は「6番左翼」でコールされる=阪神甲子園球場
あいさつ代わりのタイムリー! 阪神の「ドラフト1位・佐藤輝明内野手」が 9日、広島戦(甲子園)に「6番・左翼」で出場。 1回に右前適時打を放ち、今季の甲子園“開幕戦”で、5131人が詰めかけた本拠地をいきなり沸かせた。打つべきところで打つ勝負強さは、まさにスター。試合は 6- 4で「逆転勝ち」し、チームは「オープン戦首位」に躍り出た。
「6番・佐藤輝明」。待ちに待ったその名が甲子園にこだました。昨秋のドラフト会議から約 5カ月。ようやくこの瞬間がきた。声援と拍手が力に変わる。佐藤輝がプロ入り後初めて観客の入った甲子園で、あいさつ代わりの快音を響かせた。
「やっぱここが本拠地になるんで。ファンの方が自分のタオルを掲げてくれて、うれしかったです。いいところで 1本打てたので、よかった」
1- 0の 1回二死 1、 2塁。水色に赤く“佐藤輝明”と染め抜かれたタオルがスタンドで揺らめく中、打席に向かった。マウンドには2017年「D1位右腕・矢崎」。 1球目は外角低めにボール。初スイングは 2球目だ。高めの 127キロスライダーをファウル。迫力満点のフルスイングに、甲子園がどよめいた。
1回裏阪神二死 1、 2塁、佐藤輝明内野手は右前適時打を放った、投手は矢崎拓也=阪神甲子園球場
「集中していたので覚えていないですけど、そうやって声援していただいたのはうれしいです」
フルカウントから 6球目、 128キロスライダーを強振。鋭く飛び出した白球はジャンプした 1塁手・クロンのミットを弾き、右前へ。 2走・大山の生還に、再びスタンドが沸く。歓声に、 1塁上で白い歯をのぞかせた。
西宮市で生まれ育った佐藤輝にとって、甲子園は少年時代から何度も足を運んだ場所だ。名物の甲子園カレーや焼き鳥をほおばり、金本知憲や桧山進次郎、そして現役だった矢野監督の応援歌を口ずさみながら、プロのプレーに目を輝かせた。
憧れの舞台に今、自身が立っている。 5回は初球を打ち上げて左飛。それでもフェンスを越えようかという大飛球に、大歓声が起こった。 7回には、 150キロ台の直球を渾身の力で空振り。 3塁側の鯉党からも、思わず感嘆の声がもれた。
佐藤輝明内野手は 1回、右前にタイムリーを放つ。初打席で結果を出してみせた=阪神甲子園球場
この日は「4打数1安打1打点」。 6- 4での勝利に貢献し、敵も味方もとりこにするフルスイングで何度も球場をどよめかせた。その姿は、かつての自分と同じように、希望を膨らませて球場に足を運んだ子供たちに大きな夢を与えたはずだ。
矢野監督も「注目される選手なんでね。『見たい』と思われるというのは、プロとしてすごく大事なこと。スタートということでは、それなりのスタートだったんじゃないかな」と合格点を与え「『6番』ぐらいが一番ハマるところかなとは現状、思っているけどね」と初めて打順に言及した。ルーキーの活躍に引っ張られるように、打線は「3試合連続」の「2桁安打」で「逆転勝ち」。その存在が、チームに大きな追い風を吹かせている。
「本拠地で声援も多いですし、うれしいし、力になる。もっとシーズンで拍手してもらえるように頑張ります」
甲子園初陣でがっちりつかんだファンの心。快進撃を続ける「ドラ1」にまた一つ、力強い味方が加わった。
1回裏阪神二死 1、 2塁、佐藤輝明内野手(左)は「右前適時打」を放ち笑顔を見せる=阪神甲子園球場
阪神「ドラフト1位」の佐藤輝明内野手が、鮮烈な本拠地デビューを飾った。広島戦に「6番左翼」で先発し、初回二死 1、 2塁の初打席で矢崎から右前へ適時打。今季の甲子園初戦に駆け付けた5131人のファンの心を一振りでつかんだ。初の「6番」起用について、矢野監督は「一番ハマるところ」と説明。開幕まで 3週間を切る中、大型ルーキーのアピールは続く。
◇ ◇ ◇
佐藤輝があいさつ代わりの一打を放った。初回。 1点を先制してなお二死 1、 2塁で迎えた初打席。フルカウントから矢崎の外寄りスライダーを引っ張った。「強くコンタクトすることは大事にしている」の言葉通り痛烈なライナーで 1塁手クロンのミットをはじき、右前に運ぶ適時打。「良いところで 1本打てたので良かったです」。自身のフルネームが入ったタオルが客席で揺れる中、 1塁ベース上で白い歯を浮かべた。
1回裏阪神二死 1、 2塁、右前に適時打を放った佐藤輝明内野手は初回終了後、ガッツポーズをしてベンチに引き揚げる=阪神甲子園球場
近大時代に 7試合プレーし、プロでは初の甲子園。「楽しみだった。本拠地で声援も多いですし、そういうのは力になる。自分のタオルを掲げてくれてたのでうれしかったです」。球団新人野手でオープン戦の甲子園初打席で適時打は、02年浅井良以来、19年ぶり。「一挙手一投足」が注目される中、期待に応えた姿に矢野監督もひと安心だった。「注目される選手なんでね。ファンの人にもっともっと楽しみにしてもらえる選手。そのスタートということではそれなりのスタートだったんじゃないかな」。
スタンドには佐藤輝明内野手の応援タオルを掲げるファンが多数。期待の高さがうかがえた=阪神甲子園球場
初の「6番」起用について、指揮官は「チームとしては一番アイツのハマるところ」と説明した。実戦では「3番」の 8試合が最多だが、「1番」近本、「2番」糸原と左打者が続く。左右のバランスや流れを踏まえると現実味を感じさせる打順とも言えるが「いろいろな意図でやっている。機能したかまだ 1試合では。また動かすかもしれない」と含みを持たせた。首脳陣がオーダーを思案する中、佐藤輝は結果で応え続け、着実に開幕スタメンに近づいてはいる。
それでも、適時打の後の 3打席は無安打で「毎打席、打てるように練習したい」と貪欲だった。筒井外野守備走塁コーチから風向きなどのレクチャーを受けた左翼守備も無難にこなし、 4試合ながら「オープン戦首位」に貢献。「もっとチームに貢献できるように良いプレーをしたいと思います」。頼もしいルーキーが甲子園でベールを脱いだ。
広島に勝利し矢野燿大監督(左)とエアタッチする佐藤輝明内野手=阪神甲子園球場
あいさつ代わりのタイムリー! 阪神の「ドラフト1位・佐藤輝明内野手」が 9日、広島戦(甲子園)に「6番・左翼」」で出場。 1回に右前適時打を放ち、今季の甲子園“開幕戦”で、5131人が詰めかけた本拠地をいきなり沸かせた。打つべきところで打つ勝負強さは、まさにスター。試合は 6- 1で「逆転勝ち」し、チームは「オープン戦首位」に躍り出た。
両親に最高の結果を届けた。佐藤輝の父・博信さんと母・晶子さんがこの日、現地で観戦。「甲子園初戦」で放ったタイムリーを見届けた。
タテジマのユニホームを着た息子の試合を直接見るのは初めて。晶子さんは「ドキドキしながら見ていました。そこで 1本打ってくれたので、そこからは落ち着いて。甲子園でのプレーは大学のときに何回か見ていますけど、やっぱりプロは違いますね」とホッとした表情を浮かべた。
快進撃を続ける愛息に博信さんは「甲子園で、しかもお客さんが入ったなかで、打点を挙げて勝ったというのは最高の出だしじゃないですか」と笑顔。母は「疲れもたまってきているだろうし、けがをしないように気を付けてほしい」と息子の体を気遣っていた。
4回裏阪神一死 1、 2塁、木浪聖也内野手は「中前適時打」を放った=阪神甲子園球場
木浪聖也内野手が反撃の口火を切る適時打を放った。
2点を追う 4回一死 1、 2塁で矢崎の直球を中前にはじき返し、亜大の先輩、板山の逆転打につなげた。「 1打席目が少し泳いだ形の打撃になってしまったので、そこを反省して打席に入りました。チャンスの場面でしたし、打席に入る前から、絶対に打つという気持ちでした」。オープン戦 4試合目で「初タイムリー」となった。
4回裏阪神一死 1、 2塁、木浪聖也内野手は「中前適時打」を放った、投手は矢崎拓也投手=阪神甲子園球場
板山祐太郎外野手が 1軍でも好調維持をアピールした。 2軍戦で「打率5割」を残し、この日から合流。
4回に木浪の適時打で 1点差に迫りなお二死 2、 3塁で代打で出場し、左前に逆転の「2点適時打」を放った。若手の台頭で結果を求められる立場を痛感し、オフと春季キャンプを過ごした。レッズ秋山との 2年連続の「自主トレ」を通して「トップの作り方やバットの軌道、球の待ち方や打席での考え方を聞けた」と収穫。学んだことを生かし「広角に打てるようになったし、捉える確率は上がった」と結果につなげている。同じく 1軍に合流した長坂は 7回の守備から出場し、その裏二死 1塁の初打席で中前打をマークした。
4回裏阪神二死 2、 3塁、代打板山祐太郎外野手は左前2点適時打を放った=阪神甲子園球場
ウエスタン教育リーグ<阪神 2- 1オリックス>◇9日◇阪神鳴尾浜球場
開幕スタメンを狙う高山俊外野手は教育リーグのオリックス戦に「4番右翼」で先発し、「3打数1安打」だった。
初回二死 2塁では相手先発の竹安に三振に抑えられたが、 7回一死で中前打。「こうやって(出場)機会ももらってるし、自分のやることをやるっていうだけですね。結果どうこうというより、自分の感覚の中でというところですね」と振り返った。
2軍戦で中前打を放った高山俊外野手=阪神鳴尾浜球場
開幕 3戦目となる28日ヤクルト戦(神宮)に先発する秋山拓巳投手が 9日、教育リーグのオリックス戦(鳴尾浜)に先発した。
5回を勝俣に浴びたソロによる 1失点で抑え、 6三振を奪った。「テンポもしっかり意識できましたし、意図ある球もだんだん増えてきたので、また続けていきたいと思います」。見守った平田 2軍監督は「コントロール、球のキレ、ボールの質、角度もいい」と高評価した。
2軍戦に先発し、 5回 1失点の秋山拓巳投手=阪神鳴尾浜球場
ガンバレ!阪神!我らのタイガース!今季こそ勝利を掴め!
今の僕たちに一番必要なことは「挑戦すること」だと考えています。
試合結果により評価されがちですが、「エラーをしても前に出る」「打たれても バッターに向かっていく」
そのような姿勢が僕たちのチームの成長には一番必要なことだと考えているので、まずは挑戦する事「挑む」を最初に掲げました。 次に、「超える」ですがこれは「超越する」ことです。
最後に「頂へ」。
これは僕自身が監督に就任してからセ・リーグの順位が3位、2位ととなり、来季 はもちろん「頂」しかありません。
チーム全体として頂点に立つことを意識し、選手・スタッフ含めチーム全体で、 頂点に行ったときにどういう景色があるのか、どういう気持ちになれるのかを考える1年とし、「常にトップに立つ」とういう意識にしていきます。
やはりタイガースファンの大きな後押しも必要です。
このスローガンをもとに共に戦い、頂点に行った景色を一緒に見ましょう。
2021年 オープン戦 順位表
2020年 公式戦 順位表
2021年 公式戦日程と結果 (02月)
2021年 公式戦日程表と結果(03月)