●日本野球機構(NPB)は25日、26日の開幕に向けて、今季開幕戦でベンチ入りが可能な出場選手登録名簿を公示した。新人では阪神の佐藤輝明内野手(22=近畿大學)、楽天の早川隆久投手(22=早稲田大學)、広島の栗林良吏投手(24=トヨタ自動車)らが「開幕1軍」をつかんだ。米大リーグから復帰した楽天の田中将大投手(32)とオリックスの平野佳寿投手(37)、フリーエージェント(FA)で巨人へ移籍した梶谷隆幸外野手(32=横浜DeNA)も名を連ねた。同じくFAで巨人に加入した井納翔一投手(34=横浜DeNA)は登板日に登録される見込み。「新型コロナウイルス感染予防」のため選手の健康に配慮し、出場選手登録が29人から31人、ベンチ入りが25人から26人に拡大。
●阪神「ドラフト1位」の佐藤輝明内野手が、公式戦デビューを目前に控え、全快をアピールした。25日に神宮での全体練習に参加。フリー打撃で57スイング中、「3連発」を含む「13本」のアーチをかけた。最後の1球はバックスクリーンへの特大弾。疲労蓄積のため、オープン戦最終戦を欠場したが、体調は回復した模様だ。佐藤輝が打撃練習を行う間、大好きなアイドルグループ「ももいろクローバーZ」の曲が流れた。ヤクルトの球団関係者によると、球場内の有線でたまたま流れたという。これも「怪物スラッガー」が持つ「運」の強さか。誰もが緊張する開幕戦を前に、自らのペースを失うことはなかった。そんな佐藤輝の存在感に、矢野燿大監督(52)もうなる。もはやプロ 1年目の選手とは思えない。「10年戦士」の貫禄に、頼もしさすら覚えた。シートノックでは右翼で動きを確認。神宮は大学 2年時に全国大会で本塁打、オープン戦では右翼へ特大の 130メートル弾を放った。16年ぶり「リーグ制覇」、36年ぶり「日本一」へ。「オープン戦の本塁打王」が「V」の使者になる。打席から目を離すな! 輝フィーバーが、いよいよ始まる。
●阪神の「ドラフト1位・佐藤輝明内野手」が25日、神宮で全体練習に参加し、開幕・ヤクルト戦前最後の調整を行った。フリー打撃では57スイングで「柵越え13本」。驚弾で予行演習を終えた。敵地・神宮までも味方につける勢いでスタートラインに立った「規格外のルーキー」。プレーボールは午後 5時半。いよいよ、伝説が始まる!!神宮の夜空を白球が舞う。希望に満ちあふれたドライチのバットが、止まらない。開幕前夜、敵地に快音が何度も響き渡った。予行演習はバッチリ。佐藤輝が、声高らかに宣言だ。普段は感情をあまり表に出さないルーキーが、珍しく興奮気味だった。抑えきれないワクワク感が、力に変わる。オリックス戦(京セラ)に出場した20日以来となるグラウンドでのフリー打撃。白球を、これでもかとぶっ飛ばした。右に左にスタンドインを連発すると最終57スイング目。大きな弧を描いた打球は、バックスクリーン上部にある『TOSHIBA』の看板下に吸い込まれる「特大アーチ」。この日の柵越えは「13発」。開幕戦のデモンストレーションを驚弾で締めくくった。開幕戦で一発を放てば、阪神の新人としては「史上初」。「オープン戦6発」で「ドラフト制」以降では初の“キング”となったルーキーが、また歴史に名を刻んでも不思議ではない。待ちに待ったプレーボールは「コロナ禍」の影響で繰り上げられ、午後 5時半。全国が注目する「黄金ルーキーの伝説」が、いよいよ幕を開ける。
●矢野燿大監督が25日、全体練習前に全体ミーティングを行い、ナインへ「めちゃめちゃ勝ちたい」と思いをぶつけた。契約最終年の就任 3年目は、たしかな手応えを握りしめ踏み出す。「開幕投手」の藤浪晋太郎投手(26)は、改修されたマウンドから約30球の投球練習。決意を新たにした。選手が監督を男にしたいと言うことは、この世界ではよくある。だが、今季の虎は、矢野監督が選手たちにホレ抜いている。苦しいときもともに歩み、挑んできた。だから今、心から思う。この選手たちは勝つにふさわしい、勝つべきだ-。前日ミーティングで、胸の内をぶちまけた。神宮球場でナイターで行った全体練習前に約10分間、勝利への欲求をさらけ出した。昨季も開幕前日ミーティングは行ったが、この 1年でチームは変わり、伝えたいことも変わった。めちゃめちゃ勝ちたいのは、ともに歩み、成長してこられたから。このメンバーだから一緒に勝ちたい-とアツく訴え続けた。選手らを見守った練習後、星野仙一元監督(2018年1月4日70歳没)をほうふつさせる「めちゃめちゃ勝ちたい」という言葉に込めた思いを問われると語り始めた。「3位」、そして「2位」と、順位だけを見れば「Aクラス」だった過去 2年だが、険しい道のりも歩んできた。それでも前を向け、挑めと言い続けて、明らかに変わってきた男たちが今、目の前にいる。誰より矢野監督が胸を躍らせて、このシーズンを勝ちに行く。
●矢野燿大監督が25日、全体練習前に全体ミーティングを行い、ウンドに現れた藤浪は、福原忍投手コーチ(44)を打席に立たせた。 1球目を投げ終えると大きな声で叫んだ。今季から神宮のマウンド付近の土が硬くなり、本番を前に試投する意味合いがあったが、肩慣らしでは終わらない。登板前日にもかかわらず、超異例の約30球の全力投球が始まった。約22時間後、スポットライトを浴びて立つマウンドに思いをはせた。新たにソフトバンクを戦力外となった内川聖一内野手(38)が加入したヤクルトは、藤浪対策としてマシンの設定速度を速くして打撃練習を行っているが…。今年は「コロナ禍」で延長はなく、 9回で打ちきりとなる。この日の投球練習でイメージはできた。チームに「開幕星」をもたらすべく、 1回から 160キロの剛速球で燕打線に挑む。
●阪神の元エースで米大リーグでもプレーした藪恵壹氏(52)が藤浪にエールを送った。「虎の暗黒時代」と呼ばれる1996、98、99年に「開幕投手」を計 3度経験した“悲運のエース”は、強力打線の援護が見込める藤浪が「断然優位」と断言。太鼓判を押した。西(勇)君がぜんそくの症状で宜野座キャンプを離脱後、「開幕投手」の話題になったとき、僕は、藤浪君しかいない、と思っていたから驚きもしなかった。藤浪君は( 4月12日で)27歳。僕も大学、社会人を経験してプロ 3年目の28歳で、初めて「開幕投手」を任されたが、投手として一番脂が乗っている時期。彼はここ何年か不本意なシーズンだっただけに、「勝ち星」がつけば、すごく乗っていけるだろうし、チームにも勢いがつく。矢野監督が「開幕投手」に指名したのも、そこですよ。春季キャンプ中に 158キロの直球、 150キロ近いフォークを投げられていた。抜け球もほとんどない。普通に投げられれば、まず打たれない。ただ、勝てなかっても「143分の1」と考えればいいだけの話と割り切り、開幕戦のピリピリとした雰囲気を楽しむぐらいの気持ちでマウンドに立ってほしいですね。
記事をまとめてみました。
阪神佐藤輝明内野手=阪神甲子園球場 (2021年 3月20日撮影)
日本野球機構(NPB)は25日、26日の開幕に向けて開幕出場選手登録名簿を公示した。新人では「オープン戦本塁打王」の阪神佐藤輝明、広島で「守護神」を務める栗林良吏らが「開幕1軍入り」を果たした。
今季も昨年に続き、「新型コロナウイルス感染予防」のため選手の健康に配慮し、出場選手登録が29人から31人、ベンチ入りが25人から26人に拡大。外国人枠はベンチ入りは 4人、 1軍登録は 5人だが、登録枠の 4人あるいは 5人全員を投手または野手にすることはできない。
広島「ドラフト1位」の栗林良吏投手=コザしんきんスタジアム(2021年 2月 6日撮影)
セ、パ両リーグは25日、今季開幕戦でベンチ入りが可能な出場選手登録名簿を公示した。新人では阪神の佐藤輝(近大)、楽天の早川(早大)、広島の栗林(トヨタ自動車)らが「開幕1軍」をつかんだ。
米大リーグから復帰した楽天の田中将とオリックスの平野佳、フリーエージェント(FA)で巨人へ移籍した梶谷も名を連ねた。同じくFAで巨人に加入した井納は登板日に登録される見込み。
打撃練習を行い最後はバックスクリーン越えで締めた佐藤輝明内野手=明治神宮野球場
阪神「ドラフト1位」の佐藤輝明内野手が、公式戦デビューを目前に控え、全快をアピールした。25日に神宮での全体練習に参加。フリー打撃で57スイング中、「3連発」を含む「13本」のアーチをかけた。最後の1球はバックスクリーンへの特大弾。疲労蓄積のため、オープン戦最終戦を欠場したが、体調は回復した模様だ。
佐藤輝が打撃練習を行う間、大好きなアイドルグループ「ももいろクローバーZ」の曲が流れた。
守備練習でボールを捕球する佐藤輝明内野手=明治神宮野球場
ただの新人の開幕戦と違うで! 阪神「ドラフト1位ルーキー」佐藤輝明内野手が「10年戦士」の貫禄で公式戦デビューを飾る。26日のヤクルトとの開幕戦(神宮)に向け、25日に敵地で最終調整。疲労蓄積が心配されたが、フリー打撃で「13本の柵越え打」を放ち、全開をアピール。矢野燿大監督が「10年目みたい」とうなる大物ぶりで初陣を迎える。
◇ ◇ ◇
雨上がりの神宮で、佐藤輝が特大のアーチをかけた。フリー打撃、最後のひと振り。打球はバックスクリーン下の看板に直撃した。衝撃の公式戦デビューは準備は万全だ。
2021年 3月25日 外野を終え 3塁で守備練習する佐藤輝明内野手=明治神宮野球場
「いよいよだなという感じがしています。やっぱりホームランというのが一番、野球で面白い、楽しいことだと思うので、それを出せたらいいかなと思います」 開幕戦の「1発」を予告。57スイングで「3連発」を含む「13本」のアーチは、強烈なデモンストレーションになった。疲労蓄積でオープン戦最終戦を欠場したが、全快をアピール。心配はご無用だ。
敵地でもノリに乗った。打撃練習中に、なじみ深い音が耳に入ってきた。大好きなアイドルグループ「ももいろクローバーZ」の曲が球場内に響く。「走れ!」に始まり、楽天田中将の今季登場曲「吼えろ」(ほえろ)など 6曲。メロディーに乗って快音を連発した。「アルバム『田中将大』が流れてましたね。かけてくれてるんかなと」。ヤクルトの球団関係者によると、球場内の有線でたまたま流れたという。これも「怪物スラッガー」が持つ「運」の強さか。誰もが緊張する開幕戦を前に、自らのペースを失うことはなかった。
外野を終え 3塁で守備練習する佐藤輝明内野手=明治神宮野球場
そんな佐藤輝の存在感に、矢野監督もうなる。「変わらないというか、10年目みたいなプレーやし、緊張してるんか分からないし、ある意味鈍感力というか、プラスの意味である選手」。もはやプロ 1年目の選手とは思えない。「10年戦士」の貫禄に、頼もしさすら覚えた。「佐藤輝を見たいと思って来てくれる方もいると思いますけど、僕たち自身も楽しみ。山あり谷ありのシーズンになると思うんですけど、新人らしくぶつかっていってくれたら」と大きな期待を寄せた。
シートノックでは右翼で動きを確認。神宮は大学 2年時に全国大会で本塁打、オープン戦では右翼へ特大の 130メートル弾を放った。好相性かと問われ「いいんじゃないですかね。しっかり打って、相性良くしたいと思います」と意気込んだ。16年ぶり「リーグ制覇」、36年ぶり「日本一」へ。「オープン戦の本塁打王」が「V」の使者になる。「 1発目なので、勝てるようにやっていきたい」。打席から目を離すな! 輝フィーバーが、いよいよ始まる。
いざ、幕開け! 阪神の「ドラフト1位・佐藤輝明内野手」が25日、神宮で全体練習に参加し、開幕・ヤクルト戦前最後の調整を行った。フリー打撃では57スイングで「柵越え13本」。驚弾で予行演習を終えた。敵地・神宮までも味方につける勢いでスタートラインに立った「規格外のルーキー」。プレーボールは午後 5時半。いよいよ、伝説が始まる!!
神宮の夜空を白球が舞う。希望に満ちあふれたドライチのバットが、止まらない。開幕前夜、敵地に快音が何度も響き渡った。予行演習はバッチリ。佐藤輝が、声高らかに宣言だ。
「いよいよだなという感じがしています。ホームラン、打ちたいですね。ホームランっていうのが一番、野球で面白いし、楽しいこと。それを出せたらいいなと思います」
佐藤輝明内野手は神宮で打撃練習。柵越え13発で予行演習はバッチリ!=明治神宮野球場
普段は感情をあまり表に出さないルーキーが、珍しく興奮気味だった。抑えきれないワクワク感が、力に変わる。オリックス戦(京セラ)に出場した20日以来となるグラウンドでのフリー打撃。白球を、これでもかとぶっ飛ばした。右に左にスタンドインを連発すると最終57スイング目。大きな弧を描いた打球は、バックスクリーン上部にある『TOSHIBA』の看板下に吸い込まれる「特大アーチ」。この日の柵越えは「13発」。開幕戦のデモンストレーションを驚弾で締めくくった。
打撃だけではなく、右翼に 3塁と守備も最終確認。神宮でのナイター戦は2018年に大学日本代表に選ばれたとき以来というが「ライト(照明)のかぶるところとか、気を付けていきたい」とうなずいた。
神宮では16日のヤクルト戦で右翼へ一発。近大では 2年時の明治神宮大会で逆方向にアーチを描いており「相性はいいんじゃないですかね、わからないですけど。しっかり明日打って、相性をよくしたいと思います」。開幕戦で一発を放てば、阪神の新人としては「史上初」。「オープン戦6発」で「ドラフト制」以降では初の“キング”となったルーキーが、また歴史に名を刻んでも不思議ではない。
佐藤輝明内野手は神宮で打撃練習に臨む。久々に外で打ったゾ=明治神宮野球場
大学時代、春季リーグ開幕戦は 3試合で「打率0.417(12打数5安打)、7打点、1本塁打」とスタートにはめっぽう強い。矢野監督も「スタメンをつかんだんだから、思い切ってやればいい」と背中を押した。
まさかの追い風も吹いた。佐藤輝が打撃練習を始めると、場内に大ファンと公言している「ももいろクローバーZ」の曲が流れた。フリー打撃を終えるまで、計 6曲のももクロメドレー。「(曲を)かけてくれているんだな、と。気をつかわせてすみませんという感じです」と話したが、実は有線放送から流れる曲のタイミングが合っただけで、まったくの偶然。敵地までもが“持っテル”男を歓迎。ミラクルで調子も気分も絶好調。最高の開幕前夜を過ごした。
「しっかり一発目なので、勝てるようにやっていきたいと思います」 待ちに待ったプレーボールは「コロナ禍」の影響で繰り上げられ、午後 5時半。全国が注目する「黄金ルーキーの伝説」が、いよいよ幕を開ける。
阪神・矢野燿大監督が25日、全体練習前に全体ミーティングを行い、ナインへ「めちゃめちゃ勝ちたい」と思いをぶつけた。契約最終年の就任 3年目は、たしかな手応えを握りしめ踏み出す。「開幕投手」の藤浪晋太郎投手は、改修されたマウンドから約30球の投球練習。「いよいよ始まるんだな」と決意を新たにした。
選手が監督を男にしたいと言うことは、この世界ではよくある。だが、今季の虎は、矢野監督が選手たちにホレ抜いている。苦しいときもともに歩み、挑んできた。だから今、心から思う。この選手たちは勝つにふさわしい、勝つべきだ-。前日ミーティングで、胸の内をぶちまけた。
「めちゃめちゃ勝ちたい! 『優勝』したいし、このチームで『日本一』になりたい!」
神宮球場でナイターで行った全体練習前に約10分間、勝利への欲求をさらけ出した。昨季も開幕前日ミーティングは行ったが、この 1年でチームは変わり、伝えたいことも変わった。めちゃめちゃ勝ちたいのは、ともに歩み、成長してこられたから。このメンバーだから一緒に勝ちたい-とアツく訴え続けた。
選手らを見守った練習後、星野仙一元監督をほうふつさせる「めちゃめちゃ勝ちたい」という言葉に込めた思いを問われると「なんでこんな勝ちたいと思うようになったんかなぁと思ったときに、手前みそなんやけど、めっちゃいいチームになれていると俺は思ってて」と語り始めた。
矢野燿大監督はバットを手に練習を見つめる。就任 3年目、手応えはめちゃめちゃある!=明治神宮野球場
「苦しいときも走りきることで、あきらめない気持ちにつながるんちゃうか、とか。 3三振したって、守備位置まで走っていく姿で切り替えたりとか。投手だって打たれた後にベースカバーに行くとか。そんなことばっかり俺、言ってるけど」
「3位」、そして「2位」と、順位だけを見れば「Aクラス」だった過去 2年だが、険しい道のりも歩んできた。それでも前を向け、挑めと言い続けて、明らかに変わってきた男たちが今、目の前にいる。
「夢と理想ばっかり語ってきて。でも、ホンマにそこに近づいている手応えがあって。『コイツら、すごいな』って思えることが多くて」
「オープン戦1位」は、本来であれば喜ぶことではなくても、あらゆる面で成長が見られた「1位」だったから、将も目を見張った。「もちろんまだまだ向上させなあかんところもあるし、今のままではいいと思っていないけど、土台がだいぶできた」。だから、あとはそこを足がかりに、全員で「頂」へ登り詰める。
このいいチームを、真にいいチームとする戦いだ。「その証を残したい。このチームで、このチームの形として残るのは日本一っていうことやから。だから勝ちたいんやなと」。誰より矢野監督が胸を躍らせて、このシーズンを勝ちに行く。
阪神・矢野燿大監督が25日、全体練習前に全体ミーティングを行い、ナインへ「めちゃめちゃ勝ちたい」と思いをぶつけた。契約最終年の就任 3年目は、たしかな手応えを握りしめ踏み出す。「開幕投手」の藤浪晋太郎投手は、改修されたマウンドから約30球の投球練習。「いよいよ始まるんだな」と決意を新たにした。
午後 7時15分。全体練習が終わり、グラウンドには誰もいない。マウンドに現れた藤浪は、福原投手コーチを打席に立たせた。 1球目を投げ終えると大きな声で叫んだ。
「めっちゃ、硬い!」
藤浪晋太郎投手はマウンドから投球する。昨年からの変化を確かめた=明治神宮野球場
今季から神宮のマウンド付近の土が硬くなり、本番を前に試投する意味合いがあったが、肩慣らしでは終わらない。登板前日にもかかわらず、超異例の約30球の全力投球が始まった。
「いよいよ始まるなという気はしています。もちろん、緊張感はありますね。当日、もっと緊張するでしょうし、そういう感じではありますね」
約22時間後、スポットライトを浴びて立つマウンドに思いをはせた。
昨季、唯一「勝ち星」を挙げたのは 8月21日のヤクルト戦(神宮)だった。大学野球の聖地は 4試合(先発 2、救援 2)に登板して「防御率2.20」と相性は悪くない。新たにソフトバンクを戦力外となった内川が加入したヤクルトは、藤浪対策としてマシンの設定速度を速くして打撃練習を行っているが…。
藤浪晋太郎投手は投内連係でリラックスした笑顔をみせる=明治神宮野球場
「対策はしてくるでしょうけど、別に気にはしていないです」とサラリとかわした。相手は関係ない。自分の投球ができれば、抑える自信はある-と。
矢野監督は「(藤浪)晋太郎は、ここ何年か苦しい時間を過ごしたが、『開幕投手』をやってもいいというものを見せてくれていたし、チームが『日本一』になるために(指名した)。思いっきり、気持ちのある投球をしてくれるのを期待している」と思いを口にした。
今年は「コロナ禍」で延長はなく、 9回で打ちきりとなる。「もちろん完投を目指したいけど。どんどんリリーフをつぎ込む野球になると思う。(力を)出し惜しみするというよりは、どんどん自分のいいボール使っていければと思ってます」。この日の投球練習でイメージはできた。チームに「開幕星」をもたらすべく、 1回から 160キロの剛速球で燕打線に挑む。
阪神の元エースで米大リーグでもプレーした藪恵壹氏が藤浪にエールを送った。「虎の暗黒時代」と呼ばれる1996、98、99年に「開幕投手」を計 3度経験した“悲運のエース”は、強力打線の援護が見込める藤浪が「断然優位」と断言。「普通に投げられれば、まず打たれない」と太鼓判を押した。
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西(勇)君がぜんそくの症状で宜野座キャンプを離脱後、「開幕投手」の話題になったとき、僕は、藤浪君しかいない、と思っていたから驚きもしなかった。
9年目で初めて。「平常心で投げろ」といっても無理。僕も初めてのときはフワフワした感じだったが、打者も“1発目”は、笑っちゃうぐらい緊張している。経験者として、優位に立つにはクオリティースタート( 6回以上で自責 3以内)ができれば…と心に余裕を持ってとアドバイスしたい。 1点を失うことを恐れて、窮屈な投球をするのが絶対にダメ。まして開幕戦は狭い神宮球場。それよりも、僕の現役時代と彼の決定的な違いは、打線の援護をかなり期待できそうなこと。実は、これが投手にとって一番大きい。
僕は「開幕投手」を 3回させてもらったが、 2試合は壊さなかったし、 1試合はエラーがらみの失点。96年の相手投手は斎藤雅樹さん(巨人)、98年は横浜の川村(丈夫)君で、ともに「完封負け」。99年のガルべス(巨人)も今岡の一発だけで、計27イニングで援護点は「1」ですよ(笑)。
“悲運のエース”だった藪恵壹氏。藤浪晋太郎投手に熱いエールを送った
当時は、打線がめちゃ弱かった。試合前練習中、投手は外野のポール間をランニングしているが、打撃練習でさえも外野に打球を飛ばせない選手がほとんど。今年の打撃オーダーをみると、どこからでも点が入りそうな雰囲気がする。こちらの得点よりも少なく抑えれば、勝ち投手の権利を得られるわけだから断然優位ですよ。
藤浪君は( 4月12日で)27歳。僕も大学、社会人を経験してプロ 3年目の28歳で、初めて「開幕投手」を任されたが、投手として一番脂が乗っている時期。彼はここ何年か不本意なシーズンだっただけに、「勝ち星」がつけば、すごく乗っていけるだろうし、チームにも勢いがつく。矢野監督が「開幕投手」に指名したのも、そこですよ。
春季キャンプ中に 158キロの直球、 150キロ近いフォークを投げられていた。抜け球もほとんどない。普通に投げられれば、まず打たれない。ただ、勝てなかっても「143分の1」と考えればいいだけの話と割り切り、開幕戦のピリピリとした雰囲気を楽しむぐらいの気持ちでマウンドに立ってほしいですね。
◇藪 恵壹(やぶ・けいいち)
1968(昭和43)年 9月28日生まれ、52歳。三重県出身。新宮高、東京経済大、朝日生命を経て94年「D1位」で阪神に入団。同年に「新人王」を獲得。2005年、FA権を行使して大リーグ、アスレチックスに移籍。その後、メキシカンリーグ、ジャイアンツなどを経て、10年途中に楽天に移籍。同年に現役引退。NPB通算 279試合登板、「84勝106敗、防御率3.58」。MLB通算 100試合登板、「7勝6敗1セーブ、防御率4.00」。11~13に阪神の 1、 2軍で「投手コーチ」を務めた。現役時代のサイズは 185センチ、98キロ。右投げ右打ち。
※ 3月26日の予告先発は、ヤクルト・小川泰弘投手(30)ー阪神・藤浪晋太郎投手(26)です。どちらに軍配が上がるか、楽しみですね。
ガンバレ!阪神!我らのタイガース!今季こそ勝利を掴め!
今の僕たちに一番必要なことは「挑戦すること」だと考えています。
試合結果により評価されがちですが、「エラーをしても前に出る」「打たれても バッターに向かっていく」
そのような姿勢が僕たちのチームの成長には一番必要なことだと考えているので、まずは挑戦する事「挑む」を最初に掲げました。 次に、「超える」ですがこれは「超越する」ことです。
最後に「頂へ」。
これは僕自身が監督に就任してからセ・リーグの順位が3位、2位ととなり、来季 はもちろん「頂」しかありません。
チーム全体として頂点に立つことを意識し、選手・スタッフ含めチーム全体で、 頂点に行ったときにどういう景色があるのか、どういう気持ちになれるのかを考える1年とし、「常にトップに立つ」とういう意識にしていきます。
やはりタイガースファンの大きな後押しも必要です。
このスローガンをもとに共に戦い、頂点に行った景色を一緒に見ましょう。
2021年 オープン戦 最終順位表
2020年 公式戦 順位表
2021年 公式戦日程と結果 (02月)
2021年 公式戦日程表と結果(03月)