●阪神「ドラフト1位」の佐藤輝明内野手(22=近畿大學)が、昨季「10勝」を挙げて「新人王」に輝いた広島森下暢仁投手(23)と対戦。近大 2年時に選出された「侍ジャパン大学代表」でチームメートだった 1学年上の右腕とは 2月の練習試合で対戦し、直球を捉えて右中間への 2塁打を放っている。なお昨年、阪神は森下と 4度対戦して「1完封」を含む「3勝」を献上し、「対戦防御率1.91」と苦しんだ。
●阪神は広島投手陣の前に打線が沈黙して 0- 1で今季「初黒星」を喫した。2003年以来、13年ぶりの「開幕4連勝」はならなかった。今季初先発した西勇輝投手(30)は 0- 0の 6回一死 2塁から菊池涼介内野手(30)に初球 136キロを左前へはじき返されて痛恨の先制点を献上。その後も打線の援護に恵まれず、 1点ビハインドのまま「7回5安打1失点」で降板し、「負け投手」となった。阪神の「D1位・佐藤輝」は 2、 4回と空振り三振。 7回に 8打席ぶりの安打をマークしたが得点に絡めず。 9回二死では「守護神」の栗林良吏投手(24=トヨタ自動車)との「ドラフト1位」対決で、空振り三振に終わった。13年ぶりの「開幕4連勝」は逃し、「単独首位」からゲーム差なしの「2位」に後退もした。だが、指揮官は手応えが口をついた。昨季「3敗」を喫した森下を、 4回の満塁機でも取り逃がし、またも「白星」を献上した。佐藤輝は 3三振でリーグワーストの 8三振。初めての敗戦で最後の打者になり、ベンチに戻る際、思わずバットを振り下ろした。全身からにじみ出る悔しさ-。だが、今季の虎は攻めてくる、次々に先の塁を狙ってくると、「大物ルーキー」を中心に示すことはできた。それだけで矢野燿大監督(52)は、 1敗を差し出す価値があったと思えた。
●先発した阪神・西勇輝投手は序盤から“鯉キラー”を発揮したものの、 0- 0の 6回一死 2塁から、菊池涼に初球 136キロを左前へはじき返されて痛恨の先制点を献上。 1点を追う 7回にはマウンド上でバランスを崩す場面もあったが、そのまま投げ切った。 8回の第3打席に代打・原口を送られ、「7回5安打1失点」で降板した。昨季、西勇は広島戦で 6試合に先発し、「4勝無敗、防御率2.00」と好相性を誇っていた。だが、この日の広島の先発・森下は昨季、虎と 4度対戦して「3勝」をあげ、対阪神の防御率は「2.25」とこちらは“虎キラー”。好調を誇る阪神打線も封じ込められ、西勇が降板するまで無得点と援護に恵まれなかった。最初のピンチは 1回だった。先頭の田中広輔内野手(31)に左前打。素早いけん制球で刺した後、菊池涼のボテボテのゴロが 3塁線ギリギリを転がり、内野安打に。その後、味方失策などで二死 1、 2塁とされたが、坂倉将吾捕手(22)を低めのスライダーで 2ゴロに仕留めて危機を脱した。「9戦6勝」だったマツダスタジアムで西勇の無敗はついに途絶えた。ただ、矢野監督は粘り強く投げた姿をねぎらった。 7回二死からケビン・クロン内野手(28=アリゾナ・ダイヤモンドバックス)に 4球目を投じた直後、バランスを崩しマウンドに座り込む場面もあった。春季キャンプをぜんそくの症状で離脱し、初実戦は 3月 5日。それでもきっちり開幕に間に合わせるのは、さすがの調整力だ。次カードは本拠地甲子園での巨人戦。宿敵相手に今季「初白星」をつかむ。
●阪神「ドラフト1位」の佐藤輝明内野手が、 2試合ぶりの安打を放った。 7回の第 3打席。広島「2番手」森浦大輔投手(22=天理大學OB)の 130キロスライダーを捉え右前へ運んだ。快足を飛ばし 2塁を狙ってヘッドスライディングしたが、右翼鈴木誠の好返球に阻まれてアウト。貪欲に次の塁を狙った姿勢をみせ、ベンチに戻る際には矢野監督から拍手を浴びた。広島先発森下の前に第 2打席まで連続の空振り三振に倒れていた。広島鈴木誠也外野手(26)が 7回、右翼からのレーザービームで佐藤輝明内野手の 2塁進塁を阻止した。 1点を先制した直後の 7回の守備。一死から売り出し中の佐藤輝の打球は 1、 2塁間を破る痛烈な当たり。緑の芝生を転がる白球に、鈴木誠が滑り込み、反転するときにはもう、背番号「8」は 1塁キャンバスを蹴っていた。強肩から、すさまじい送球が放たれる。ワンバウンドで 2塁へ突き刺さったその軌道と、土煙を上げながら頭から突っ込む佐藤輝が交錯した。無情にも、塁審のこぶしが振り下ろされた。生まれかけたチャンスも消えた。 0- 1で今季「初黒星」を喫したが、矢野監督はあの走りこそが求め続けてきたものだと強調した。ただでさえ「挑・超・頂」とスローガンに掲げて臨む、就任 3年目だ。ルーキーの佐藤輝にまで「攻めの気持ち」が浸透しているという一点で、むしろ誇れることだった。佐藤輝の非凡さは、やはりパワーだけではない。猛然と頭から突っ込んだワンプレーで、今季全員が抱く勝ちへの執着を表現した。
●阪神は広島の若手 4投手の「完封リレー」に屈し、開幕からの連勝が「3」で止まった。「ドラフト1位」の佐藤輝明内野手は「4打数1安打、3三振」。 7回は右前打から 2塁を狙ったヘッドスライディングで走塁死となり、 9回は最後の打者になった。プロ公式戦で初めて味わう「黒星」に悔しがったが、矢野燿大監督は「大型ルーキー」の積極性を認めた。プロで初めて味わう敗戦に、悔しさがあふれ出た。 1点を追う 9回二死。バッターボックスにゆっくりと佐藤輝が向かう。マウンドには同じ「ドラフト1位」の広島栗林。「若き守護神」が投じるフォークと直球に豪快に空を切らされ、カウント 2- 2から外角低めのフォークに手が出た。シーズンでは最多の 3三振。表情は変わらなかったが、ベンチではバットをたたきつけた。チームは開幕からの連勝が「3」で止まった。 3戦でともに「12球団トップ」の「21得点、打率2割9分」だった打線が散発 4安打に終わった。次の戦いへ、佐藤輝も、チームも前を向く。
●ジェリー・サンズ外野手(33)は「2打数1安打」、 4打席で 3度の出塁と「孤軍奮闘」した。森下から 2四球を選び、 9回は右翼へのライナー性の安打から 2塁を狙ってアウト。神宮 3連戦後に、場所を広島に移しても同じ姿を見せた。
記事をまとめてみました。
<広島 1- 0阪神>◇ 1回戦◇阪神 勝 敗 分◇30日◇Mazda Zoom-Zoom スタジアム広島(通称:「マツダスタジアム」)
阪神「ドラフト1位」の佐藤輝明内野手が、昨季「10勝」を挙げて「新人王」に輝いた広島森下と対戦する。
近大 2年時に選出された「侍ジャパン大学代表」でチームメートだった 1学年上の右腕とは 2月の練習試合で対戦し、直球を捉えて右中間への 2塁打を放っている。
フリー打撃を行う佐藤輝明内野手=マツダスタジアム
試合前のフリー打撃では、24スイングで「2連発」を含む「7本の柵越え」を放った。初見参のマツダスタジアムで「1発」を放てるか、注目だ。 なお昨年、阪神は森下と 4度対戦して「1完封」を含む「3勝」を献上し、「対戦防御率1.91」と苦しんだ。
外野で守備練習を行う佐藤輝明内野手=マツダスタジアム
◆佐藤輝VS森下VTR
2月21日の練習試合で対戦。 1回二死の第1打席で外角 150キロ直球を捉え、右中間への 2塁打とした。第 2打席は 3失で出塁し、「2打数1安打」。森下は 2打席とも得意のカーブを投げず、佐藤輝は「シーズンはもっと違う球を投げてくる。油断はできない」と語っていた。
阪神は広島投手陣の前に打線が沈黙して 0- 1で今季「初黒星」を喫した。2003年以来、13年ぶりの「開幕4連勝」はならなかった。
今季初先発した西勇輝投手は 0- 0の 6回一死 2塁から菊池涼に初球 136キロを左前へはじき返されて痛恨の先制点を献上。その後も打線の援護に恵まれず、 1点ビハインドのまま「7回5安打1失点」で降板し、「負け投手」となった。
打線は昨季、 4度対戦して「3勝」を献上し、対阪神の防御率が「2.25」だった先発・森下の前に抑え込まれ、その後も得点をあげられなかった。
阪神の「D1位・佐藤輝」は 2、 4回と空振り三振。 7回に 8打席ぶりの安打をマークしたが得点に絡めず。 9回二死では「守護神」の栗林(トヨタ自動車)との「ドラフト1位」対決で、空振り三振に終わった。
7回裏広島二死、打者クロン内野手の時、しゃがみ込む西勇輝投手=マツダスタジアム
阪神が 0- 1で今季初黒星を喫し、開幕からの連勝は「3」でストップした。
前半は阪神先発の西勇輝投手と広島先発森下暢仁投手がスコアボードに「0」を並べ合う息詰まる投手戦。我慢比べの中、西勇は 6回に一死 2塁とピンチを招くと、菊池涼に左前へ「先制適時打」を許した。ただ、その後は追加点を与えず 7回 1失点と試合を作った。
打線は森下の前に、 4回に安打と 2四球で一死満塁とチャンスを作ったが、「6番」佐藤輝、「7番」梅野が凡退。広島のリリーフ陣に対して 7回、 8回にはともに 2塁まで走者を進めたが、得点を奪えなかった。 9回はクローザーの「ドラフト1位」、栗林に打者 3人抑えられた。
散発 4安打の「完封負け」で、08年以来の「開幕4連勝」はならず。佐藤輝は 9回二死で空振り三振に倒れて最後の打者となり、「4打数1安打、3三振」だった。
7回裏広島二死、ケビン・クロン内野手へ内野手の投球でアクシデント発生の西勇輝投手(中央)の様子を見に来た矢野燿大監督(左から 2人目)=マツダスタジアム
阪神は広島の若手4投手の完封リレーに屈し、開幕からの連勝が「3」で止まった。阪神矢野燿大監督の一問一答は以下の通り。
-先発西勇は
特に立ち上がりとか難しかったと思う。けん制アウトにしながらとか、その後も粘ってね。あそこを乗り切ったからこそいってくれたし、最後もまたもう1回、ランナー出してもけん制でアウトにしたのも大きかったと思う。援護なかったっていうのはちょっとね、申し訳ない。
-菊池涼に打たれた球も甘くなかった
まあまあ、 3回り目になればバッターもいろいろ考えて打席に入ってくるわけやから。あれも詰まらないとヒットにならんと思うし、それはバッテリーを責めるということはできない。攻めていく中で、ある意味仕方のない失点だから。
9回裏、選手交代を告げる矢野燿大監督=マツダスタジアム
-西勇は足を気にしていた
まあ、多分大丈夫じゃないかなっていう。今のところの感じ。ちょっと滑ったんだけど。
- 4回満塁のチャンス
まあ、振り返ればなんかあるけどね。それは向こうだって狙って三振取るっていうのはさすがっていうのもあるし。こっちとしては何とか前に飛ばすというか、あそこで何か出来れば良かった。あそこはバッターそれぞれに任せていく場面やから。オレとしては受け止めるしかないかな。あとから「たら、れば」言えば出ちゃうんだけど、みんな思い切っていったから仕方がない。
-森下に完全に抑えられた印象はない
まあ、でもどのカウントでもいろんな球種でカウント取れたり、空振りもいろんな球種で取れるっていうのは、それはレベルの高いピッチャー。だからこそ何とか全員でっていうところはまあまあいけたんだけど、最後点取るところがちょっといけなかった。
9回、佐藤輝明内野手が三振で試合終了=マツダスタジアム
- 7回、佐藤輝の走塁は鈴木誠の返球が良かった
全然、いっていいと思う。あれは相手が上なだけで。うちの野球はそういう野球なんで。あれはいっていいんじゃないかなと思う。
-「初黒星」だが、攻める姿勢はチームとして出ている
そんな大きくダメージというか、というのはないし。みんなが結果はどうしてもついてくるから。でも結果だけで言いたくない。気持ちの部分とか、攻めていく気持ちとか、粘りとか、そういうところはやり切ってくれたんで。俺の中ではこの敗戦は割り切れるというか。チームとしてそういうのは出せたかなと思う。
先発した阪神・西勇輝投手は序盤から“鯉キラー”を発揮したものの、 0- 0の 6回一死 2塁から、菊池涼に初球 136キロを左前へはじき返されて痛恨の先制点を献上。 1点を追う 7回にはマウンド上でバランスを崩す場面もあったが、そのまま投げ切った。 8回の第3打席に代打・原口を送られ、「7回5安打1失点」で降板した。
昨季、西勇は広島戦で 6試合に先発し、「4勝無敗、防御率2.00」と好相性を誇っていた。だが、この日の広島の先発・森下は昨季、虎と 4度対戦して「3勝」をあげ、対阪神の防御率は「2.25」とこちらは“虎キラー”。好調を誇る阪神打線も封じ込められ、西勇が降板するまで無得点と援護に恵まれなかった。
投球する先発の阪神・西勇輝投手=マツダスタジアム
味方の援護と勝利を信じ、必死でマウンドに立ち続けた。今季初登板した阪神・西勇輝投手が敵地・マツダで 7回 1失点と好投したが、無援のまま交代となった。
「自分自身の今シーズン初戦でしたが、いつもと変わることなく、試合に入ることができました。先発として、イニングを多く投げるということはできました」
最初のピンチは 1回だった。先頭の田中広に左前打。素早いけん制球で刺した後、菊池涼のボテボテのゴロが 3塁線ギリギリを転がり、内野安打に。その後、味方失策などで二死 1、 2塁とされたが、坂倉を低めのスライダーで 2ゴロに仕留めて危機を脱した。
4回裏広島二死、坂倉将吾捕手を 3ゴロに抑え、笑顔でベンチへ戻る西勇輝投手=マツダスタジアム
春季キャンプでは、ぜんそくの症状を訴えて一時離脱していたが「ぜんそくでいろいろできなかったりしたけど、この 1カ月で埋めることができた」と、しっかりこの日に調整してきた。
チーム13年ぶりとなる「開幕4連勝」がかかった重要な一戦は、戦前の予想通り、緊迫の投手戦となった。西勇は阪神移籍後、広島戦は、試合前時点で「13試合8勝1敗、防御率2.32」。昨季は 6試合で「4勝無敗、同2.00」と好相性を誇っている。一方、広島の先発は虎キラーの森下。互いに譲らず「0」を重ねたが…。
6回。西勇は一死 2塁のピンチを招くと、菊池涼に左前適時打を許して先制点を献上した。
7回にはバランスを崩し、マウンドにうずくまるアクシデントも起きたが、投球を続行。気合で無失点に抑えると、直後の攻撃で代打が送られ、「7回5安打1失点」で降板し、存在感は示した。
7回裏広島二死、投球後にマウンドに倒れた西勇輝投手=マツダスタジアム
西勇輝投手は黒星を喫したが、安定感は健在だった。今季初先発で「7回5安打1失点」。「自分自身の今シーズン初戦でしたけど、いつもと変わることなく試合に入れましたし、先発としてイニングを多く投げるということは出来ました」。我慢強く味方の援護を待った姿はエースらしかった。
立ち上がりの苦しい展開にも動じなかった。初回。先頭の田中広を左前打で出塁させたが、素早い 1塁けん制で刺して一死。続く菊池涼は打ち取った当たりが 3塁線ギリギリにとどまり内野安打になった。味方の失策も絡んで二死 1、 2塁としたが、「5番」坂倉を初球スライダーで 2ゴロ。23球をかけて踏ん張った。
2回はわずか 5球で 3人を抑え、ここから 3イニング連続で「3者凡退」とテンポに乗った。 6回に菊池涼に先制適時打を許したが、 7回無死 1塁では代走上本を 2度目のけん制で刺して、再びピンチの芽をつんだ。
7回、投球の際にバランスを崩した西勇輝投手=マツダスタジアム
「9戦6勝」だったマツダスタジアムで西勇の無敗はついに途絶えた。ただ、矢野監督は粘り強く投げた姿をねぎらった。「特に立ち上がりとか難しかったと思う。けん制アウトにしながらとか、その後も粘ってね。援護なかったっていうのはちょっと、申し訳ないけど」。 7回二死からクロンに 4球目を投じた直後、バランスを崩しマウンドに座り込む場面もあったが、指揮官は「多分大丈夫じゃないかなと。今のところの感じ。ちょっと滑ったんだけど」と説明した。
春季キャンプをぜんそくの症状で離脱し、初実戦は 3月 5日。それでもきっちり開幕に間に合わせるのは、さすがの調整力だ。次カードは本拠地甲子園での巨人戦。宿敵相手に今季「初白星」をつかむ。
◆今春の西勇輝投手
沖縄・宜野座キャンプを順調に過ごしていたが、ぜんそくの症状が出たため 2月23日に途中離脱して帰阪した。 3月 3日に甲子園で行われた全体練習に合流。 5日にソフトバンクとのオープン戦で今季初実戦登板し、 2回無失点に抑えた。開幕投手は藤浪に譲ったが、10日の 2軍教育リーグで 4回無失点、16日のヤクルトとのオープン戦で 5回 2失点にまとめるなど開幕へ向けてペースを上げた。24日に四国IL・徳島との 2軍練習試合で 3回を投げ、最終調整を終えた。
8回裏、「3者凡退」に抑え、ベンチ前で西勇輝投手(右)とグータッチする小林慶祐投手=マツダスタジアム
味方の援護と勝利を信じ、必死でマウンドに立ち続けた。今季初登板した阪神・西勇輝投手が敵地・マツダで 7回 1失点と好投したが、無援のまま交代となった。
「自分自身の今シーズン初戦でしたが、いつもと変わることなく、試合に入ることができました。先発として、イニングを多く投げるということはできました」 最初のピンチは 1回だった。先頭の田中広に左前打。素早いけん制球で刺した後、菊池涼のボテボテのゴロが 3塁線ギリギリを転がり、内野安打に。その後、味方失策などで二死 1、 2塁とされたが、坂倉を低めのスライダーで 2ゴロに仕留めて危機を脱した。
春季キャンプでは、ぜんそくの症状を訴えて一時離脱していたが「ぜんそくでいろいろできなかったりしたけど、この 1カ月で埋めることができた」と、しっかりこの日に調整してきた。
チーム13年ぶりとなる「開幕4連勝」がかかった重要な一戦は、戦前の予想通り、緊迫の投手戦となった。西勇は阪神移籍後、広島戦は、試合前時点で「13試合8勝1敗、防御率2.32」。昨季は 6試合で「4勝無敗、同2.00」と好相性を誇っている。一方、広島の先発は虎キラーの森下。互いに譲らず「0」を重ねたが…。
6回。西勇は一死 2塁のピンチを招くと、菊池涼に左前適時打を許して先制点を献上した。
7回にはバランスを崩し、マウンドにうずくまるアクシデントも起きたが、投球を続行。気合で無失点に抑えると、直後の攻撃で代打が送られ、「7回5安打1失点」で降板し、存在感は示した。
7回表阪神一死、右翼線へ安打を放った佐藤輝明内野手は 2塁を狙うもアウトとなる=マツダスタジアム
阪神「ドラフト1位」の佐藤輝明内野手が、 2試合ぶりの安打を放った。 7回の第 3打席。広島「2番手」森浦の 130キロスライダーを捉え右前へ運んだ。快足を飛ばし 2塁を狙ってヘッドスライディングしたが、右翼鈴木誠の好返球に阻まれてアウト。貪欲に次の塁を狙った姿勢をみせ、ベンチに戻る際には矢野監督から拍手を浴びた。
広島先発森下の前に第 2打席まで連続の空振り三振に倒れていた。
広島鈴木誠也外野手が 7回、右翼からのレーザービームで阪神佐藤輝明内野手の 2塁進塁を阻止した。
1点を先制した直後の 7回の守備。一死から売り出し中の佐藤輝の打球は 1、 2塁間を破る痛烈な当たり。右翼鈴木誠は滑り込むように打球を止めると、起き上がってすぐさま 2塁へ。力強い球がワンバウンドでストライク送球となり、 2塁進塁を狙った佐藤輝を刺した。
7回表阪神一死、右安打で 2塁を狙うもタッチアウトとなった佐藤輝明内野手、左は田中広輔内野手=マツダスタジアム
2塁打となれば一打同点のピンチとなっていただけに、チームを救うビッグプレーだった。
気迫のヘッドスライディング! 阪神は広島に 0- 1で敗れ、今季「初黒星」。「開幕4連勝」はならず、巨人に抜かれて「2位」となった。それでも、「ドラフト1位・佐藤輝明内野手」が 7回、 8打席ぶりの安打を右翼へ。 2塁を狙ってアウトになったが、矢野燿大監督は攻めの姿勢を評価した。
目の前の真っ白な 2塁キャンバスを、 1点を、がむしゃらにつかみにいった。赤土に顔を打ちつける覚悟で、佐藤輝が闘魂ヘッドスライディングだ。アウトにはなった。 3三振も、「プロ初の敗北」も喫した。だが、振っていき挑んでいくその心意気こそが、矢野虎が“よし”とするものだった。
将は、迷わずこう言った。「俺も全然、行っていいと思う」と-。
7回表阪神一死、右安打で 2塁を狙うもアウトとなり肩を落とす佐藤輝明内野手=マツダスタジアム
0- 1の 7回一死走者なし。攻めなくては、もう負けが待っているだけだった。森下が「6回1安打無失点」で降板し、マウンドには左腕の「D2位・森浦」。そこまで 2三振、ここも 2球で追い込まれた佐藤輝だったが、 4球目の外角スライダーを痛烈に引っ張り込み、右翼線へ運んだ。 8打席ぶりの安打で開いた突破口。その直後、誰もが目を見開いた。
緑の芝生を転がる白球に、鈴木誠が滑り込み、反転するときにはもう、背番号「8」は 1塁キャンバスを蹴っていた。強肩から、すさまじい送球が放たれる。ワンバウンドで 2塁へ突き刺さったその軌道と、土煙を上げながら頭から突っ込む佐藤輝が交錯した。無情にも、塁審のこぶしが振り下ろされた。
生まれかけたチャンスも消えた。 0- 1で今季「初黒星」を喫したが、矢野監督はあの走りこそが求め続けてきたものだと強調した。「あれは相手が上なだけで。うちの野球はそういう(常に先の塁を狙う)野球なんで。あれは行っていいんじゃないかなと思う」。ただでさえ「挑・超・頂」とスローガンに掲げて臨む、就任 3年目だ。ルーキーの佐藤輝にまで「攻めの気持ち」が浸透しているという一点で、むしろ誇れることだった。
7回、右翼への一打で 2塁を狙った佐藤輝明内野手は、猛然と頭から飛び込んだが…惜しくもアウトとなり、この表情だ=マツダスタジアム
13年ぶりの「開幕4連勝」は逃し、「単独首位」からゲーム差なしの「2位」に後退もした。だが、指揮官は「そんな大きくダメージというのはない。結果だけでは言いたくないし。気持ちの部分とか、攻めていく気持ちとか、粘りとか、そういうところはやり切ってくれた」と手応えが口をついた。
昨季「3敗」を喫した森下を、 4回の満塁機でも取り逃がし、またも「白星」を献上した。佐藤輝は 3三振でリーグワーストの 8三振。初めての敗戦で最後の打者になり、ベンチに戻る際、思わずバットを振り下ろした。全身からにじみ出る悔しさ-。だが、今季の虎は攻めてくる、次々に先の塁を狙ってくると、「大物ルーキー」を中心に示すことはできた。それだけで矢野監督は、 1敗を差し出す価値があったと思えた。
「俺の中ではこの敗戦は割り切れるというか、チームとしてそういうのは出せたかなと思う」
佐藤輝の非凡さは、やはりパワーだけではない。猛然と頭から突っ込んだワンプレーで、今季全員が抱く勝ちへの執着を表現した。
どんと胸を張れ! 阪神は広島の若手 4投手の「完封リレー」に屈し、開幕からの連勝が「3」で止まった。「ドラフト1位」の佐藤輝明内野手は「4打数1安打、3三振」。 7回は右前打から 2塁を狙ったヘッドスライディングで走塁死となり、 9回は最後の打者になった。プロ公式戦で初めて味わう「黒星」に悔しがったが、矢野燿大監督は「大型ルーキー」の積極性を認めた。
◇ ◇ ◇
プロで初めて味わう敗戦に、悔しさがあふれ出た。 1点を追う 9回二死。バッターボックスにゆっくりと佐藤輝が向かう。マウンドには同じ「ドラフト1位」の広島栗林。「若き守護神」が投じるフォークと直球に豪快に空を切らされ、カウント 2- 2から外角低めのフォークに手が出た。シーズンでは最多の 3三振。表情は変わらなかったが、ベンチではバットをたたきつけた。
9回表阪神二死、空振り三振に倒れ試合終了し、悔しそうに唇をかみながら引き揚げる佐藤輝明内野手=マツダスタジアム
悔しさが積もった理由は、最初の 2打席にもある。先発森下と公式戦初対戦。第 1打席は直球、カットボール、チェンジアップを散らされた後、カーブに空振り三振。 4回は一死満塁の好機だったが、直球とチェンジアップで追い込まれ、 1- 2から 152キロ直球に再び空を切った。試合後の取材対応はなく、井上ヘッドコーチは「いい投手が来たときはそうはいけない。また『復活したね』ってものを早く見せられるように」と思いを代弁した。
昨季「10勝」の「新人王」とは、 2月の練習試合で対戦した。佐藤輝は直球を右中間へ運び 2塁打としていた。それでも、相手は得意のカーブを 1球も見せず「シーズンはもっと違う球を投げてくると思う」と警戒していた。長丁場を戦うプロのリーグ戦ならではのことだ。この日はカーブが 3球。手の内を明かした「シーズン仕様」の森下に完敗した。
9回表阪神二死、空振り三振で最後の打者となり悔しげに引き揚げる佐藤輝明内野手=マツダスタジアム
ただ転んでも、簡単には終わらない。 7回一死の第 3打席。「ドラフト2位」の「2番手左腕」森浦のスライダーを捉え、弾丸ライナーで 1塁クロンの左を破った。右翼鈴木誠は滑り込んで好捕し、素早く起き上がり 2塁へストライク送球。佐藤輝の果敢なヘッドスライディングは一流の技に阻まれた。ベンチに戻る際、拍手でたたえた矢野監督は「全然、行っていい。あれは相手が上なだけ。うちの野球はそういう野球なんで」とファイティングポーズを崩さない姿勢を評価した。
チームは開幕からの連勝が「3」で止まった。 3戦でともに「12球団トップ」の「21得点、打率2割9分」だった打線が散発 4安打に終わった。「大きくダメージというのはない。気持ちの部分とか、攻めていく気持ちとか、粘りとか、やり切ってくれたんで。俺の中ではこの敗戦は割り切れる」。指揮官にそう言わしめた理由の 1つは大型ルーキーにもある。次の戦いへ、佐藤輝も、チームも前を向く。
9回表阪神一死、ジェリー・サンズ外野手は右前打も 2塁を狙ってアウトとなる=マツダスタジアム
ジェリー・サンズ外野手は「2打数1安打」、 4打席で 3度の出塁と「孤軍奮闘」した。
森下から 2四球を選び、 9回は右翼へのライナー性の安打から 2塁を狙ってアウト。
神宮 3連戦後に「チームに貢献できるのが最高の形」と語り、場所を広島に移しても同じ姿を見せた。「打率5割」を保ち、「3本塁打、7打点」はともに「リーグトップ」のままだ。
※ 3月31日の予告先発は、広島・床田寛樹投手(26)ー阪神・伊藤将司投手(24=JR東日本)です。どちらに軍配が上がるか、楽しみですね。
ガンバレ!阪神!我らのタイガース!今季こそ勝利を掴め!
今の僕たちに一番必要なことは「挑戦すること」だと考えています。
試合結果により評価されがちですが、「エラーをしても前に出る」「打たれても バッターに向かっていく」
そのような姿勢が僕たちのチームの成長には一番必要なことだと考えているので、まずは挑戦する事「挑む」を最初に掲げました。 次に、「超える」ですがこれは「超越する」ことです。
最後に「頂へ」。
これは僕自身が監督に就任してからセ・リーグの順位が3位、2位ととなり、来季 はもちろん「頂」しかありません。
チーム全体として頂点に立つことを意識し、選手・スタッフ含めチーム全体で、 頂点に行ったときにどういう景色があるのか、どういう気持ちになれるのかを考える1年とし、「常にトップに立つ」とういう意識にしていきます。
やはりタイガースファンの大きな後押しも必要です。
このスローガンをもとに共に戦い、頂点に行った景色を一緒に見ましょう。
2021年 オープン戦 最終順位表
2020年 公式戦 順位表
2021年 公式戦 順位表
2021年 公式戦日程表と結果(03月)
2021年 公式戦日程表と結果(04月)