さいたまスーパーアリーナで26日フィギュアスケート:世界選手権が行われた。
男子ショートプログラム(SP)はソチ冬季五輪 5位で初出場の町田樹(24=関西大學)が、世界歴代 3位の 98.21点を出してトップに立った。羽生結弦(19=ANA)は冒頭で挑んだ 4回転ジャンプで転倒し、 91.24点で 3位発進となった。
2位は五輪 4位のハビエル・フェルナンデス(スペイン)で 96.42点。 2年ぶりの出場となる小塚崇彦(25=トヨタ自動車)は 85.54点の 6位で、28日のフリーに進出した。
ペアSPでは高橋成美、木原龍一組(木下ク)が 49.54点で17位に終わり、上位16組によるフリーに進めなかった。ソチ五輪銅メダルのアリョーナ・サブチェンコ、ロビン・ゾルコビー組(ドイツ)が 79.02点で首位。記事をまとめてみました。
男子SPの演技を終え、歓喜の表情でコーチと抱き合う町田樹選手
<フィギュアスケート:世界選手権>◇26日◇さいたまスーパーアリーナ
男子SPはソチ冬季五輪 5位で初出場の町田樹が 4回転- 3回転の 2連続ジャンプを決めるなど世界歴代 3位の 98.21点を出してトップに立った。
初優勝を狙うソチ五輪金メダリストの羽生結弦は冒頭で挑んだ 4回転ジャンプで転倒し、 91.24点で 3位発進となった。
2位は五輪 4位のハビエル・フェルナンデスで 96.42点。 2年ぶりの出場となる小塚崇彦は 85.54点の 6位で、28日のフリーに進出した。
ペアSPでは高橋成美、木原龍一組(木下ク)が 49.54点で17位に終わり、上位16組によるフリーに進めなかった。ソチ五輪銅メダルのアリョーナ・サブチェンコ、ロビン・ゾルコビー組が 79.02点で首位。
男子SP 両手を広げ声援に応える町田樹選手
32人が争う男子SPで、ソチ五輪 5位の町田樹が自己新で世界歴代 3位の 98.21点でトップに立った。
最初の 4回転- 3回転トーループをきれいに着氷すると、続くトリプルアクセル、 3回転ルッツとジャンプはほぼ完璧だった。フィニッシュポーズのまましばらく大歓声を浴び続けた。
「町田樹史上最高傑作を(完成度も)最高傑作で届けられた」と胸を張った。
『エデンの東』に乗り、激しいスピンを披露する町田樹選手。世界歴代 3位の高得点で首位発進した
氷上の哲学者が、初の世界選手権で会心の演技を披露した。超満員のファンを前に町田が、『エデンの東』を情感たっぷりに表現。最後のひざまずくポーズをいつもより長く決め、余韻に浸った。
「町田史上最高の作品を、最高傑作の形で皆様にお届けできた。ガッツポーズをしたかったけど、氷にいる間を作品として届けたかった」
昨年末の全日本選手権で思わず出たガッツポーズは封印。冒頭の 4回転- 3回転のトーループを鮮やかに決めるなど、ノーミスで演じきった。「音楽の一音一音を漏らさず、忠実に曲の世界に溶け込んでいく形で滑れた」と自画自賛。世界歴代 3位となる 98.21点をたたきだし、首位発進に成功した。
演技する町田樹選手
ソチ五輪から大きく成長した。スケーティング技術はもちろん、試合に向かう心の持ち方など課題が多く見つかった。帰国後は 1日朝、昼、夜に45分ずつ、計 3回の練習で課題の一つ一つに向き合った。「五輪の時より進化した僕でいる」と手応えを得て、今大会に臨んでいた。
試合後は町田節が止まらない。「五輪よりこっちの舞台の方が好き。日本の舞台設計を見て、裏方さんの方はすごいなと」と、最高の舞台とファンが最高の演技を引き出してくれたことを自覚。興奮気味も「この幸せな気持ちは一切捨てて、気を引き締めて冷静に頑張ります」と浮かれたのは一瞬だった。
五輪、グランプリ・ファイナルとの 3冠を狙う羽生とは約 7点差と、決して安心はできない。初出場初制覇を目指し、町田劇場が『火の鳥』で完結する。
男子SPを演じ終え、悔しそうな表情を見せる羽生結弦選手
ソチ五輪金メダリストの羽生結弦は 91.24点で 3位となった。
突然だった。演技を始めようとした瞬間、「ユヅ、愛してるっ~」。女性ファンの叫び声がこだまし、会場は一瞬の静寂に包まれた。異様な雰囲気を切り裂くように、ゲイリー・ムーアの『パリの散歩道』が流れ出す。哀愁漂うエレキギターに身を委ねた羽生が、冒頭の 4回転トーループで尻もちをつくと、今度は悲鳴が響き渡った。
五輪では完璧に決めていた 4回転トーループで、まさかの転倒。回転不足も取られた。しかし次のトリプルアクセルはきれいに着氷。終盤の 3回転ルッツ-3回転トーループのコンビネーションジャンプは問題なく決め、最後のスピンまでしっかりと演技した。フィニッシュ後は腰に手を当て、苦笑いを浮かべた。
羽生結弦選手は自信を持つ冒頭の 4回転ジャンプで、まさかの転倒。場内に悲鳴が響き渡った
「歓声? 聞こえたけど影響があったかと言われればない。気持ちの緩みくらいしか原因は分からない。ちょっとした過信があったのかも」
絶対的な自信を誇る 4回転トーループは回転不足を取られた揚げ句、転倒により出来栄え点(GOE)は 3点減点。ソチ五輪でたたきだした世界最高101.45点を 10.21点も下回った。
練習リンクの観覧でも収入増のために有料となったほどの人気ぶり。この日、プラチナチケットを手にした 1万6913人で埋まったスタンドからは黄色い歓声が飛んだ。いまやアイドル並みの人気を誇る日本フィギュア界初の五輪男子金メダリストが、故郷を思う気持ちは変わらない。
羽生は「悔しいです。 4回転トーループは、久しぶりにこういう演技をしてしまった。でもミスしたけど(得点の)高いエレメンツなら90点台に乗ると、切り替えられた。(町田)樹選手は素晴らしかった。フリーはしっかりと調整していきたい」と話した。
演技する羽生結弦選手
ソチから 2月25日に帰国し、27日に練習拠点のカナダ・トロントへ出発する強行軍の合間を縫って、26日に仙台に凱旋(がいせん)。1700人以上から歓迎を受けた。その男気に自治体も応えた。仙台では 4月26日にパレードが行われる。羽生は装飾された大型トラックの荷台に乗って、市中心部約 880メートルを約30分間顔見せする予定で、10万人弱の人出が見込まれる。
3月11日はトロントで東日本大震災から3年を迎えた。地震が発生した日本時間午後 2時46分に合わせ、現地の午前 1時46分から 2分間、母国の方角を向き、黙祷(もくとう)をささげた。昨年12月のGPファイナル(福岡)、 2月のソチ五輪を制覇。世界選手権初Vも手にし、郷土に再び錦を飾りたい。
「ミスをしての3位。自分に対して怒りを感じる。ここにいる自分が許せない。過去よりいまをつかみ取りたい」
2002年ソルトレークシティー五輪シーズンのヤグディン以来となる3冠は目前。首位・町田との6.97点差を「楽しい」と表現した。28日のフリーで逆転し、五輪シーズンを締めくくる。
演技を終えガッツポーズする小塚崇彦選手
小塚崇彦は 85.54点で 6位発進となった。
冒頭の 4回転トーループを着氷。会場の手拍子に乗って続くトリプルアクセルも着氷した。 3回転ルッツ-トーループのコンビネーションジャンプは成功。フィニッシュ後は右手の拳を握り締めて小さくガッツポーズをみせた。
小塚は「大きなミスなくまとめて『ああよかったな』という感じ。フリーは万全の状態でいきたい」と話した。
ペアSP 演技する高橋成美(上)、木原龍一組
ペアのSPで高橋成美、木原龍一組(木下ク)は 49.54点で17位となり、上位16組による27日のフリーに進めなかった。
最初に 2人がタイミングを合わせて跳ぶ 3回転サルコーで高橋の着氷が乱れたが、SPで過去最高と同じ得点。高橋は「よく滑ることができた。プログラムも表現することができた」と笑顔を見せた。
目標だったソチ五輪後は約 1週間、氷上練習を行わず、気持ちをリフレッシュしたという。結成約1年のペアは今季総決算となる戦いを終え、木原は「SP通過を目標にしていた」と残念そうだった。
羽生結弦選手が出だしで転けたが、それでも最後まで綺麗な滑りを見せてくれた。これをバネにして前進して欲しいですね。
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