28日阪神甲子園球場で阪神－西武 1回戦が行われ、西武が阪神抑えの新守護神の呉昇桓(オ・スンファン)投手(31)の悪送球などから 3点を奪い逆転し、呉昇桓は来日初黒星となった。
主砲マウロ・ゴメス内野手(29)が同点の10号ソロを放った。
アニヤン新井貴浩内野手(37)が今季初の猛打賞で、 3試合連続のスタメン起用に応えた。
同点の 4回、マット・マートン外野手(32)が、勝ち越し適時打を放った。
今成亮太捕手(26)が 8回に一時勝ち越しとなる適時打を放った。
ランディ・メッセンジャー投手(32)の甲子園 4試合連続完封はならなかった。記事をまとめてみました。
＜阪神 5－ 7西武＞◇28日◇甲子園◇ 1回戦
西武は 1回、中村の左前適時打で先制。先発牧田は 2回、阪神ゴメスに10号ソロを浴び、同点に追いつかれる。
阪神は同点の 4回、マートン、新井貴の連続適時打など 4連打で 2点を勝ち越し。メッセンジャーは 6回まで 1失点 7奪三振の好投。
1点を追う西武は 9回、阪神抑えの呉昇桓の悪送球などから 3点を奪い逆転し、連敗を 2で止めた。呉昇桓は来日初黒星となった。
9回表西武無死 1、 2塁、呉昇桓は脇谷のバントを 3塁に悪送球し、金子の生還を許す…
抜群の角度で上がった白球は、浜風で大きく左に流された。それでも、スタンドまで届く。空砲となったが、このパワーがあれば今後は明るいはずだ。主砲マウロ・ゴメス内野手が同点の10号ソロを放った。 1点ビハインドの 2回に先頭打者でアンダースローの西武牧田と対戦。 4球目の 129キロ直球をバックスクリーン左へ運んだ。
｢高めのボールをしっかりととらえられたね。相手は変則ピッチャーだけど、 1打席目からなんとかアジャストできた結果となってよかったよ｣と喜んだ。
2回裏阪神無死、主砲マウロ・ゴメス内野手は中越えソロ本塁打を放った
｢負けて残念だけど、(本塁打を)いいペースで打てているし、このまま続けたいね｣
1点を追う 2回先頭。西武・牧田は、もちろん初対戦だ。海外では珍しい下手投げの軌道に、初打席であっさり対応した。外角からシュート気味に浮き上がる高めの直球。手を伸ばして払うようにさばくと、左中間席に同点ソロが弾んだ。
｢変則投手だけど、 1打席目から何とかアジャストできた｣
驚くべきは、下手投げとの勝負が野球人生で初体験だということ。試合前に映像はチェック。「走者がいるとき、いないときの投球は頭に入れた」と振り返ったが、最大の要因は自身のスタイルを貫いたことだ。対策を問われると、いつも通りのセリフを口にした。
｢いい球は積極的にいこうとだけ考えたよ｣
51試合目で、アーチは 2けたを数えた。来日 1年目で 5月中の10号到達は、阪神では1995年のグレン以来で、その前には1989年のセシル・フィルダーが記録した。 4月に、その先輩が残した開幕からの21試合連続出塁を｢２７｣に更新したＧ砲だが、また肩を並べた。
2回、10号同点ソロを放ったマウロ・ゴメス内野手。試合をすぐ振り出しに戻したが…
獲得が決まった昨秋、ゴメスと最後まで比較されたのが西武がシーズン途中で獲得し、この日 5番に座っていたメヒアだ。球団内では、勤勉なイメージのベネズエラ人・メヒアを推す意見もあったが、一昨年の中南米視察でゴメスの打撃をじかに見ていた和田監督が決めた。やってきたドミニカ共和国からの大砲は、陽気な印象と真逆の真面目ぶりで、堂々と 4番に定着した。打率 0.294、10本塁打、リーグ 2位の43打点。メヒアも 2安打を放ったが、これなら｢あっちの方がよかった｣という声もあるはずがない。
｢試合はこういう形になったけど、これも野球だから。切り替えて、また明日から頑張るよ｣
主砲は 4回無死 1塁でも、左翼線 2塁打で得点に絡んだ。 8試合ぶりの複数安打と 2試合連続打点で、好調の気配。さらに量産態勢に突入だ。
新井貴浩内野手は左前適時打を放って、スタンドのファンから送られた声援にこたえる
アニヤン新井貴浩内野手が今季初の猛打賞で、 3試合連続のスタメン起用に応えた。
4回に｢いいところで打ててよかったです｣と無死 1、 3塁で中前適時打。 3番鳥谷から続いていた 3連続長短打に続いた。同点の 7回二死 1、 2塁では西武岡本洋から一時勝ち越しとなる左前適時打。｢代打のスタイルは変えていない｣と初球を逃さず、好球必打で期待に応えた。
4回裏阪神無死 2、 3塁、マット・マートン外野手は右適時打を放った
マット・マートン外野手が、勝ち越し適時打を放った。同点の 4回、無死 2、 3塁のチャンスで西武牧田の 129キロ直球を右前に運んだ。｢少し詰まらされたんだけど、タイムリーヒットになって良かったよ｣。
さらに 6番新井貴も中前適時打で続き、 3番鳥谷から 4連打で 2得点。打線がつながった。
8回裏阪神二死 1、 3塁、今成亮太捕手は適時打を放ち、ほえながら駆けだす
今成亮太捕手が 8回に一時勝ち越しとなる適時打を放った。
4－ 4の同点で迎えた 8回。二死 1、 3塁で真ん中高めの直球をセンター前に打ち返した。｢かえすしかなかったので｣と値千金の適時打だった。
しかし、 9回に逆転を許したため、ヒーローになり損ねた。
1回表西武二死 1塁、メヒアを三振にとるランディ・メッセンジャー投手
ランディ・メッセンジャー投手の甲子園 4試合連続完封はならなかった。初回二死から 3番栗山にレフトへ 2塁打を許すと、続く 4番中村に左前に運ばれ１点を失った。
甲子園での失点は 4月11日巨人戦の 8回以来で、 2点目となった。
新守護神の呉昇桓投手がセーブに失敗した。 1点リードの 9回に登板。 2安打に失策、暴投も絡んで 3点を失い、逆転を許した。来日初のセーブ失敗で初黒星を喫した。
悲劇だった。 9回、左安に盗塁、四球が絡み、無死 1、 2塁。続く打者の投前へのバントを処理して 3塁封殺を狙ったが、これを引っかけて悪送球。同点とされ、さらに無死 2、 3塁のピンチを背負った。続く 3番栗山には、低めの変化球で空振り三振を奪う。だが、これ暴投となって勝ち越しを許した。その後も適時 2塁打を浴びるなど、 1回 2安打 3失点(自責はゼロ)。捕手日高とは初コンビだったが｢そういうところではなく、自分の投球ができなかった｣」と自らを責めた。
交流戦最下位の西武を相手に勝ちパターンで逃げ切れず、 7カード連続初戦黒星。 5月負け越しが決定した。
9回表西武無死 1、 2塁、呉昇桓投手は脇谷の投前犠打を 3塁へ悪送球しマウンドで痛恨の表情
誰もが勝利を確信していたはずだった。 1点リードでマウンドには絶対守護神、呉昇桓。だが、最後に聖地に響いたのは歓声ではなく、悲鳴に次ぐ悲鳴…。まさかの 3失点と大暗転した。
22試合目の登板にして初の救援失敗となった呉昇桓は｢自分の投球ができなかった｣と、唇をかみしめながらロッカールームへと引き揚げた。
5－ 4で迎えた 9回。先頭の金子侑に左前に運ばれると、あっさりと初球に来日初の 2盗を許す。秋山に四球を与え無死 1、 2塁となったところで、脇谷が犠打を試みた。だが、ゴロを処理した呉昇桓が、間に合わない 3塁へ送球(記録は犠打野選)。これが悪送球(呉の失策)となりファウルゾーンを白球が転々とする間に、同点のホームを許した。
さらに無死 2、 3塁で栗山を空振り三振に仕留めたスプリットを、日高が止められず後逸(記録は暴投)。勝ち越し点を許すと、メヒアには左中間フェンス最上部に当てられるダメ押しの適時 2塁打を浴びた。悪送球に暴投…。さすがの｢石仏｣も、自嘲気味の笑みが浮かんだ。
9回、呉昇桓投手がワイルドピッチ、日高のカバーに走る
不運もあった。｢そういうもの(初バッテリーの難しさ)はなかった｣と言い訳にはしなかったが、日高は前日27日に今季初めて 1軍に昇格したばかり。藤井、鶴岡と正捕手クラスがともに離脱中で、スタメンマスクの清水も 8回に代打を告げられベンチに下がっていた。ブルペンで受けてもらったのもこの日が初めてだった。急造バッテリーについて指揮官も｢それ(呼吸が合わないこと)もあったかもしれない｣と話した。
来日ワーストの 3失点を喫した呉昇桓は｢(これからも)いつもどおりにやっていく｣と切り替えたが、手痛い黒星に違いない。パ・リーグと交流戦最下位の西武に大逆転負けで７カード連続で初戦を落とした。 5月は 9勝13敗となり、月間の負け越しも決まった。和田監督は｢展開からしても取りたいゲームだったがこういうこともある。とにかく引きずらないようにやっていく｣と前を向いた。呉昇桓ショックをひきずってはいけない。
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ゴメス同点10号ソロ！メッセンジャー 4試合連続完封ならず…呉昇桓が来日初のセーブ失敗で初黒星…
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